当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社は、2023年10月2日に京都銀行の単独株式移転により設立されました。当社グループの経営理念・経営方針は、京都銀行の理念・方針を受け継ぎ、その実現に向けたグループの行動指針を新たに定めております。
当社グループがこれまで築き上げてきた顧客基盤、信用・信頼をもとに、より良い方向へと変化していくことで、豊かな地域社会の創造と地元産業の発展に貢献し続けてまいります。

(2)経営環境および対処すべき課題
当事業年度のわが国経済は、ゆるやかな回復基調が続き、日経平均株価が史上最高値を更新し、公示地価上昇率や春闘での賃上げ率もバブル経済期以来の伸びを記録するなど、幅広い指標で改善の動きが顕著に現れました。
また、日本銀行が政策金利を引き上げ、「金利のある世界」へ回帰したことで、金融環境は大きく転換する局面を迎えました。
一方で、個人消費は食料品や日用品などの物価上昇を背景に力強さを欠いたほか、企業部門も人手不足や一段の価格転嫁への対応が十分とはいえず、経済の自律的回復に向けての課題として残りました。
年度末にかけては、地政学的リスクが高止まりする中、アメリカの関税政策に起因して、経済見通しに不透明感が増す中で年度を終えることとなりました。
現在、地域を取り巻く環境は、少子高齢化、労働力不足、物価高、エネルギー問題など多くの課題を抱えています。地域経済の縮小、後継者不足、環境リスクの増大といった現象は一過性のものではなく、将来の成長を阻む構造的な問題です。
このような状況の中、当社グループは「地域社会の繁栄に奉仕する」という経営理念に基づき、地域に根ざした「総合ソリューション企業」としての責務を果たすため、以下の3つの重点テーマに取り組んでまいります。
[地域経済の活性化]
当社グループはこれまで、地域金融機関として地域のみなさまと共に歩んでまいりました。今後、人口減少による地域経済の縮小が懸念される中、当社は従来の金融仲介にとどまらず、ベンチャー企業を含む地域企業の創業・成長支援、M&A・事業承継、伝統産業のブランディングや販路開拓支援などの業務を一層強化し、地域経済に新たな価値を生み出し、共に未来を創造する企業として歩んでまいります。
[グループ全体の成長]
国内外の経済環境、産業構造の変化が加速する中で、お客さまが抱える課題やニーズは多様化・複雑化しています。それらに応えるため、当社グループは、将来の資産形成をサポートする「京銀証券」をはじめとして、社会課題を解決するイノベーション企業の創出を後押しする「京都キャピタルパートナーズ」、戦略的な企業の合併・買収や、社会課題である事業承継のサポートを行う「京都M&Aアドバイザリー(2025年7月設立予定)」など、地域が直面する課題により深く対応できるグループ体制を構築し、収益基盤の強化に努めてまいります。そしてグループ全体のシナジーを活かして、ワンストップで付加価値の高いソリューションを提供していくことで、地域経済の発展にこれからも貢献してまいります。
[サステナビリティ経営の実践]
当社グループは、サステナビリティを企業価値向上の中核的概念と位置づけています。脱炭素社会への移行が世界的に進む中、企業の脱炭素への取り組みを促進するようなファイナンスやサービスの提供に引き続き取り組み、また人的資本投資、多様な働き方の推進、更なる資本効率の向上、ガバナンス強化を通じて、長期持続的な企業価値の向上を目指し、引き続き、資本コストと株価を意識した経営を実践してまいります。
(3)中期的な経営戦略
当社は、第1次中期経営計画(2023年10月~2026年3月)の最終年度目標「親会社株主に帰属する当期純利益300億円」を2024年3月期に前倒しで達成したことを受け、2024年11月に新たな戦略目標を公表しました。
持株会社体制への移行を契機にグループ各社の連携を一層強化し、より付加価値の高いソリューションビジネスを積極的に展開したことにより、第1次中期経営計画策定時の想定を上回る収益拡大を達成したこと、また、日本銀行の政策金利引き上げによる「金利のある世界」への回帰といった外部環境の変化等も踏まえ、これまでよりも成長角度を大幅に引き上げ、成長を加速してまいります。
<戦略目標のイメージと指標>


また、次の3つの取り組みを柱とし、目標達成に向けた取り組みを進めてまいります。

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関する事項
①サステナビリティに関する考え方
当社グループは、「経営理念のより一層高いレベルでの実践」と位置付けるサステナビリティ経営を実践し、持続可能な社会の実現に向けた具体的な取り組みを進めることで、経済的価値と社会的価値を高め、長期持続的に企業価値を高めてまいります。
<長期持続的な企業価値向上に向けて>

②ガバナンス
サステナビリティ経営に関するガバナンス体制は、取締役会の機能を補完・補強する目的で、「サステナビリティ経営会議」を設置し、サステナビリティ経営の実践に向けて、分野横断的かつ中長期的取り組みが必要となる諸課題について議論し、課題解決のための具体的取り組みを検討する体制としております。
また、サステナビリティ経営会議での審議事項は、定期的又は必要に応じ随時、取締役会へ報告することとしております。
各種施策については、それぞれの所管部署・グループ会社が取り組むとともに、グループ全体の統括部署としてサステナビリティ経営統括部を設置し、取組方針の検討や進捗状況管理等を行っております。
<ガバナンス体制図>

③戦略
サステナビリティに関する取り組みに関しては、「サステナビリティ経営方針」のもと、当社グループが重点的に取り組むべき項目として6つのマテリアリティを設定するとともに、事業活動における環境に配慮した「環境方針」、人権に配慮した「人権方針」、事業活動の中核である投融資に関する「持続可能な社会の実現に向けた投融資方針」等を定め、活動の指針としております。
マテリアリティ:https://www.kyoto-fg.co.jp/sustainability/materiality/
環境方針:https://www.kyoto-fg.co.jp/sustainability_environment_policy/
人権方針:https://www.kyoto-fg.co.jp/human_rights_policy/
持続可能な社会の実現に向けた投融資方針:https://www.kyoto-fg.co.jp/sustainability_investment_policy/
④リスク管理
当社グループは、サステナビリティ経営に関するガバナンス体制のもと、業務において保有するすべてのリスクを統合的に管理する態勢を整備しております。当社グループが認識している主要なリスクは
サステナビリティに関する諸課題のうち、特に重要であると考えるリスク(気候変動に起因するリスク)の管理態勢については、「(2)気候変動への対応 ③リスク管理」をご参照ください。
⑤指標及び目標
当社グループは、第1次中期経営計画において取り組むべき主要項目を設定するとともに、達成に向けた進捗を図る指標及びその目標を設定しております。
サステナビリティに関する指標・目標についても設定し、達成に向けた施策を推進するとともに、進捗管理を行っております。
気候変動に関する指標及び目標については「(2)気候変動への取組 ④指標及び目標」、人的資本経営に関する指標及び目標については「(3)人的資本経営への取組 ③指標及び目標」をご参照ください。
(2)気候変動への取組
当社グループは、サステナビリティ経営の実践において、気候変動への対応を重要な項目であると認識しており、以下のとおり取り組んでおります。
①ガバナンス
当社グループの気候変動への対応に対するガバナンスは、サステナビリティ経営に関するガバナンスに組み込まれております。((1)サステナビリティ全般に関する事項 ②ガバナンスに記載)
②戦略
<リスクと機会>
気候変動が当社グループに与える影響について、気候変動を端緒とする発生事象「物理的事象(物理的リスク)」及び「経済・社会の移行に係る事象(移行リスク)」について、お客さまの資産・事業及び当社グループの資産・事業への影響があると認識しております。
一方、お客さまの資産と事業に生じ得る影響事象の軽減に向けた取り組みは、当社グループのビジネス機会であると認識しております。
認識しているリスクと機会の詳細は以下のとおりです。

<シナリオ分析>
物理的リスクと移行リスクに関するシナリオ分析を実施しており、現時点では影響は限定的であるとみております。
また、気候変動の影響を受けやすいと考えられる業種として、TCFD提言が推奨する定義等を踏まえ、「エネルギー」、「運輸」、「素材・建築物」、「農業・食料・林産品」の4つの産業グループに対するポートフォリオ分析(炭素関連資産の特定)も行っております。
これらの詳細内容は統合報告書にて開示してまいります(2025年3月期分は2025年7月下旬発刊予定)。
③リスク管理
気候変動に起因するリスクは、上記リスクと機会のとおり、信用リスクやオペレーショナル・リスクといった各リスク・カテゴリーのリスクとして顕在化し、当社グループの業績や財務状況等に影響を与える可能性があると認識しております。
当社グループでは、各リスク・カテゴリー毎に評価したリスクを統合的に管理することとしており、気候変動に起因する各種リスクについても、統合的リスク管理の枠組みの中で管理する態勢を構築しております。
また、企業活動全般においては「環境方針」、主要な業務分野である投融資については「持続可能な社会の実現に向けた投融資方針」を定めており、事業活動や環境保全活動などを通じて、気候変動を含む環境問題の解決に積極的に取り組むことで、リスク低減を図っております。
④指標及び目標
当社グループは、気候変動に関する長期目標として、「2050年度までにカーボンニュートラル」を設定し、2030年度までの当面の目標として以下の2つを掲げて取り組んでおります。
・サステナブルファイナンスを1兆円実行する。
当社グループにおける「サステナブルファイナンス」は「環境・社会・経済的課題の解決に『ポジティブな影響の増大・創出』や『ネガティブな影響の低減・回避』に資するファイナンス」と定義しています。
国際的な枠組みにそったグリーンファイナンス・サステナビリティファイナンスだけではなく、中小企業が利用しやすい「サステナビリティ・リンク・ローン(京都版)」や京銀サステナビリティ・リンク・ローン「Seven Targets」などのサービスを取り扱っており、資金面からサステナビリティ社会実現に向けた取り組みを支援しております。
・当社グループの事業活動によるCO₂排出量(Scope1、2)を2030年度までに2013年度対比50%削減する。
省エネ設備への切り替えや節電などに引き続き取り組むとともに、京都銀行本店をはじめとする本部5拠点で使用する電力を、京都府内で発電された再生可能エネルギー由来のカーボンフリー電力に切り替える等、削減施策を推進しております。
上記目標及び指標に対する実績は以下のとおりです。
なお、CO₂排出量削減目標については、2024年度実績で目標水準に到達しております。

<Scope3の算定>
当社グループは、事業活動によるGHG排出量の計測範囲の拡大に向けて取り組んでおり、株式会社NTTデータが提供する温室効果ガス排出量算定ツール「C-Turtle® FE」を導入し、2024年よりScope3を算定しております。
算定にあたっては、金融機関におけるGHG総排出量の9割超を占めるとされている、Scope3カテゴリー15(投融資先の温室効果ガス排出量)の算定が、気候変動における機会とリスクを捉えていく重要なものであると考えることから優先的に取り組むこととし、PCAFスタンダードの計測手法に基づき、国内事業法人向けの投融資を対象に試算を行っております。試算結果の詳細については統合報告書にて開示しております(2025年3月期分は2025年7月下旬発刊予定)。
(3)人的資本経営への取組
①ガバナンス
持株会社体制移行前の京都銀行において、新・第1次中期経営計画のスタートに合わせ、2023年4月に「人的資本経営実践プロジェクト」を立ち上げました。持株会社体制移行後の2023年10月からは、当社グループのプロジェクトとして人財戦略部長を委員長とし、当社グループの経営戦略と人財戦略を連動させた人的資本経営の実践に向け、取り組みを加速させております。
当プロジェクト内では、当社グループの人財マネジメント方針や採用計画、人財育成計画、等の重要な方針や計画の策定について議論するほか、エンゲージメントサーベイ等の施策の取り組み状況についても議論し、経営執行会議、取締役会への報告を行っております。
<人的資本経営実践プロジェクトの体制図>

②戦略
当社グループでは、「人は財産であり、企業価値向上の源泉である」との考えのもと、人財マネジメントの方針を定め、経営戦略と連動した人財戦略を展開しております。
・エンゲージメント経営の実践
a.お客さま・従業員・当社の成長の好循環
当社グループが、従業員の成長や活躍を支援することにより、全従業員が自身の成長と活躍に向けて自律的に取り組むことで、これまで以上に仕事に熱意を持ち、当社グループに対する貢献意欲を持てる組織風土を醸成し、企業価値の向上につなげるべく、エンゲージメント経営の実践に取り組んでおります。
特に、「地域・お客さま」「当社グループ」「従業員」の利益を最大化するキーファクターがエンゲージメントであると捉え、その把握・向上に努めております。

b.エンゲージメントの把握
当社グループでは、2023年度より従業員意識調査「エンゲージメントサーベイ」を実施しており、その中で「エンゲージメントスコア」を把握しております。また、毎月の簡易調査として「パルスサーベイ」を実施しております。変化の早い経営環境において、これらのサーベイを活用することで、機動的な諸施策の立案、推進、修正、評価を推進しております。
・人員計画
a.成長を牽引する人財の採用
b.重点分野への人財の配置
c.本人の希望に基づく登用、配置
当社グループでは、従業員一人ひとりのキャリアビジョンやスキル、保有資格、業務経験等を人財情報として活用し、上述の重点分野への配置も含め、従業員一人ひとりの最適な登用・配置と、グループ全体での最適な登用・配置をともに実現しております。本人の希望に基づく登用・配置は目標を80%以上と設定しており、2024年度は、85.9%と高水準を維持しております。
・人財開発(人財育成)
a.目指すべき社員像
当社グループでは、従業員の意識・考動改革による企業カルチャーの変革を目指して、「目指すべき社員像」を以下のとおり定め、人財開発(人財育成)施策の指針としております。
b.人的資本投資の加速
当社グループでは、従前より企業内学校として「京都銀行金融大学校」を設けるなど、早くから積極的に人財に投資をしてきております。金融大学校では、全従業員が得意分野を持ち専門性を有する人財として成長・活躍できるように各種研修を拡充するほか、自主参加型の休日講座を多数開講しております。また、動画視聴による学習支援や、資格取得支援制度の拡充等により、全従業員が自ら学ぶ企業風土を醸成してきております。
人的資本投資額については、新・第1次中期経営計画において3年間の累計投資額20億円を掲げております。既に目標投資額を2年で達成しておりますが、更に人財への投資を加速させ、3年間で35億円の人的資本投資を計画しております。
c.人財の高度化への取組
積極的な人的資本への投資により、コンサルティング力・コーディネート力の向上につながる人財育成を強化しております。特に、広範な金融知識を求められるFP資格の取得を全従業員に奨励しており、全従業員の約8割がAFP・FP2級以上の資格を保有しております。加えて、上位資格であるCFP・FP1級の資格保有者数も金融機関トップ水準となっており、当社グループのコンサルティング力・コーディネート力の土台となっております。その他、専門人財の育成として、M&Aやベンチャー投資等の専門分野における社外派遣、データサイエンティスト育成のための大学院派遣等を通じて、人財の高度化に向けた取り組みを進めております。
・組織開発(組織活性化)
a.自律的なキャリア形成を支援
当社グループには、金融・非金融の枠を超えた多様な活躍フィールドがあります。従業員自身が、「京都フィナンシャルグループ」というフィールドで何を為したいかを主体的に考えることを重視し、その思いに寄り添ったキャリア支援を行っております。具体的には、グループ全体の人財公募制度として「キャリア・チャレンジ制度」を設け、従業員自らがやりたいことに積極的に挑戦できる環境づくりに取り組んでおります。
また、従業員が自らキャリアを描いてくために必要な情報提供や従業員体験を充実させるべく、従業員向けの企業説明会である「ジョブ・キャリアフォーラム」や、業務体験の機会である「社内インターンシップ」を開催したうえで、「キャリア・チャレンジ制度」に繋げております。
中期経営計画において、グループ間の人財交流を3年累計で1,000人以上という目標を掲げており、前述の施策を中心として取組みを進めた結果、実績は2年間で780人となっております。また、2025年6月1日時点では1,004人と目標を超える実績となっておりますが、今後も更に人財交流を進め、多様な人財が多様なフィールドで活躍する組織風土の醸成に取り組んでいきます。
b.ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンの推進
c.ウェルビーイングへの取組
③ 指標及び目標
当社グループでは、上記「②戦略」において記載した事項について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
(目標と実績)
※1 事業内容が異なる連結グループ全体での設定が困難であるため、エンゲージメントスコア、グループ間における人財交流を除く指標は、京都銀行単体の数値を記載しております。
※2 2023年度は京都銀行単体でのスコア、2024年度は当社グループ全体(積水リースを除く)でのスコアです。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、業務において保有するすべてのリスクを的確に把握し、当社グループの安全かつ健全な経営基盤を確立するため、「統合的リスク管理規程」を定め、総体的に捉えたリスクを当社グループの経営体力(自己資本)と比較・対照する、自己管理型のリスク管理態勢を整備しております。当社は、リスクの種類ごとに主管部を定め、これらが組織横断的に所管するリスクの管理を行うとともに、これらのリスクを経営管理部が統合的に管理することとし、リスク管理の一層の強化、充実を図っております。
また、当社グループは、主要なリスク(信用リスク、市場リスク、オペレーショナル・リスク)の計量化を進め、これらに対する資本配賦を行っております。リスク量については、半期ごとに見直しを行うリスク管理方針に基づき、配賦資本額をその限度額として管理しており、当社は、算出したリスク量を統合的リスク会議において経営へ報告する体制としております。加えて、リスク包括的なシナリオに基づき、各種リスクが同時に顕在化した場合を想定した統合ストレステストを実施しております。
なお、リスク管理体制の整備状況等については、「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。
(1)信用リスク
当社グループは、資産の健全性確保を経営上の最重要課題と認識し、6ヵ月毎の自己査定の実施により、資産の正確な実態把握を行い、現在想定される全ての不良資産について適正な処理を行っております。しかし、わが国の景気の動向、不動産価格の変動、当社グループ融資先の経営状況、及び世界の経済環境の変動等によっては、当社グループの不良債権及び与信関係費用は想定以上に増加する恐れがあります。具体的には、実際の貸倒れが貸倒引当金計上時点における前提及び見積りと乖離し、貸倒引当金を大幅に超過する可能性があります。また、経済情勢全般の悪化、担保価値の下落、その他の予期せざる理由により、貸倒引当金の計上にあたり設定していた前提及び見積りを変更せざるを得なくなり、後日、貸倒引当金の積み増しが必要となる可能性があります。
(2)市場リスク
当社グループは、預金等による調達資金を主な原資として、貸出金・国債・株式・外貨建資産をはじめとする様々な金融商品等を対象に広範な投融資活動を継続的に行っており、かかる活動に伴うリスクを管理する必要があります。本投融資活動に伴う主要なリスクとしては、特に、金利、株価、為替等の相場の変動が挙げられます。例えば、①景気回復等に伴い市場金利が上昇した場合には、当社グループの貸出金・債券ポートフォリオ(特に中長期の固定金利運用)等の価値が減少(評価損の発生、資金利鞘の縮小等)、②景気悪化等に伴い株価が大幅に下落した場合には、当社グループの株式ポートフォリオ等の価値が減少(減損処理、評価損の発生等)することとなります。また、③外貨建資産・負債について、ネット・ベースで資産超または負債超のポジションが造成されていた場合に、為替相場が変動した場合には、外貨建資産・負債の財務諸表上の価値が減少(円貨建収益の減少等)する可能性があります。
(3)流動性リスク
当社グループは、預金等の相対的に期間の短い資金で調達を行う一方で、貸出金、有価証券等の相対的に期間の長い資金で運用を行っています。このため、万一においては当社グループの財務内容の悪化等により必要な資金が確保できなくなる場合や、資金の確保に通常よりも著しく高い金利で資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク(資金繰りリスク)が発生する可能性があります。また、当社グループには直接の責務がない場合においても、何らかの事由による市場の混乱等のため、市場において取引が出来なくなったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスク(市場流動性リスク)が発生する可能性があります。
(4)オペレーショナル・リスク
当社グループは、オペレーショナル・リスク管理が重要な経営課題の一つであると位置付け、オペレーショナル・リスクに係る問題点等を一元的に把握・分析し、対応策を組織横断的に協議する体制を整備しております。しかしながら、以下のようなリスクが発生する可能性があります。
①法務リスク
当社グループは、コンプライアンスを経営の最重要課題の一つと位置付け、取締役会で決定した基本方針、コンプライアンス・プログラム等に基づき、適切な法令等遵守態勢の構築に努めております。しかしながら、業務の遂行に際して、顧客に対する過失による義務違反及び不適切なビジネス・マーケット慣行等から生じる損失(監督上の措置並びに和解等により生じる罰金、違約金及び損害賠償金等を含む)を被る可能性があります。
②事務リスク
当社グループは、諸規程を遵守した正確な事務取扱を徹底するとともに、事務処理の自動化・システム化によるチェック機能の強化を図る等、強固な事務処理体制の構築を進めております。しかしながら、役職員が正確な事務を怠る、あるいは不正を行う等により損失を被るリスクが発生する可能性があります。
③情報セキュリティリスク
当社グループは、お客さまに関する情報を含め多くの情報を保有しております。また情報を取得、蓄積する仕組みとして、かつ蓄積された膨大な情報を有効に活用するため、各種の情報システムを構築しております。これらの情報資産(情報と情報システム)を適切に保護し管理することは当社グループの社会的責任であり、お客さまの保護及び利便性向上の観点から極めて重要となっております。これらの状況に対応するため、情報資産の保護に向けての安全対策に関する基本方針として「情報セキュリティポリシー」を、また、より具体的な安全対策基準として「情報セキュリティスタンダード」を制定し、当社グループ各社の本部・営業店に情報セキュリティ管理責任者を設置するなど、万全の管理体制を構築するとともに、お客さまに関する情報の管理の徹底に努めております。しかしながら、以下のようなリスクが発生する可能性があります。
イ.情報リスク
当社グループでは、保有する膨大な情報を適切に管理するため、保護すべき情報を重要度に応じて分類し、重要度が高い情報に対してはその重要度に応じた管理方法を定めるなど、情報保護の徹底に努め、安全管理対策を積極的に実施しております。しかしながら、「情報」の喪失・改ざん・不正使用・外部への漏洩等により損失を被るリスクが発生する可能性があります。
ロ.システムリスク
当社グループは、コンピュータシステムの重要性に鑑み、コンピュータセンターの被災に備えたバックアップセンターの整備や継続的なサイバーセキュリティ対策等を実施し、体制整備に努めるとともに、情報セキュリティポリシーに則した運用を徹底しております。しかしながら、予期せぬコンピュータシステムのダウンや誤作動等、「情報システム」の不備により損失を被るリスク、また、サイバー攻撃等によりコンピュータシステムが不正に使用されることによって損失を被るリスクが発生する可能性があります。
④人的リスク
当社グループは、働きやすい職場環境の確保と健全な職場環境の維持に努めております。しかしながら、予期せぬ人事管理上の問題、不適切な職場労働環境、差別的な行為等により損失を被るリスクが発生する可能性があります。
⑤有形資産リスク
当社グループは、様々な事故や災害等に備え、「非常事態対策本部設置規程」及び「災害等危機管理規程」等を整備し、有形資産リスクの顕在化防止に努めております。しかしながら、自然災害、社会インフラの停止、感染症の感染拡大、テロ等の外部事象が発生した結果、または業務上の有形資産の毀損等により、当社グループの業務運営や業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)マネー・ローンダリング等リスク
当社グループは、マネー・ローンダリング、テロ資金供与、拡散金融防止を経営の最重要課題の一つと位置付け、取締役会で決定した基本方針、運営方針等に基づき、マネー・ローンダリング等対策の高度化に取り組んでおります。しかしながら、マネー・ローンダリング等対策の不備等を契機として、当社グループで行う業務がマネー・ローンダリング等に利用され、内外の金融当局から制裁等が科せられる、あるいは取引先や金融機関等から取引を解消され、当社グループの業務運営や業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)評判リスク
当社グループは、積極的な情報開示を進めるとともに、評判リスクの顕在化に繋がるまたはその恐れがあるリスク情報の早期収集や顕在化防止のための対応体制を構築しております。また、万一リスクが顕在化した場合や顕在化の恐れがある場合の対応策を定め、評判リスクの抑止・極小化に努めております。しかしながら、マスコミ報道やインターネットを通じた情報等がきっかけとなり、市場やお客さまの間で事実と異なる風説・風評が流布し、当社グループの評判が悪化することにより損害を被るリスクが発生する可能性があります。
(7)自己資本比率
当社及び株式会社京都銀行は、現在、海外営業拠点を有しておりませんので、銀行法第52条の25及び銀行法第14条の2の規定等に基づき、当社は連結、株式会社京都銀行は連結及び単体の自己資本比率を国内基準(4%)以上に維持しなければなりません。自己資本比率がそれぞれ求められている水準を下回った場合には、金融庁長官から、業務の全部または一部の停止等を含む様々な命令を受けることとなります。
なお、当社グループの自己資本比率に影響を与える要因には、以下のものが含まれます。
・不良債権の処理や債務者の信用力の悪化に際して生じうる与信関係費用や信用リスクアセットの増加
・金利の上昇や株価の下落を起因とした資金利鞘の悪化並びに減損処理の発生
・為替レートの不利益な変動
・当社グループが将来の課税所得の予測・仮定に基づき計上している繰延税金資産の額を変更せざるを得ないと判断し、減額した場合
・自己資本比率の基準及び算定方法の変更、並びに会計上の諸法令等の変更
・その他、本項記載の当社グループにとって不利益な事象が顕在化した場合
(8)当社グループの業績等に影響しうる他の要因
①競争に伴うリスク
近年の金融制度の規制緩和に伴い、業態を超えた競争が激化してきております。当社グループがこうした競争的な事業環境において競争優位を得られない場合、当社グループの事業、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
②当社グループの営業戦略が奏功しないリスク
当社グループは、収益力強化のために様々な営業戦略を実施しておりますが、以下のような要因が生じた場合には、これらの戦略が功を奏しないか、当初想定していた結果をもたらさない可能性があります。
・貸出金の量の増大が進まないこと
・既存の貸出金についての利鞘拡大が進まないこと
・手数料収入の増加が期待通りの結果とならないこと
・経営の効率化を図る戦略が期待通りに進まないこと
③特定地域の経済動向に影響を受けるリスク
当社グループは特定の地域(京都府)を主な営業基盤としているため、これに起因する地域特性に係るリスクが想定されます。
④格付け低下のリスク
外部格付け機関が当社グループの格付けを引き下げた場合、当社グループの資本・資金調達等において不利な条件を承諾せざるを得なくなったり、一定の取引を行うことが出来なくなる可能性があります。
⑤退職給付債務に係るリスク
当社グループの退職給付費用及び債務は、年金数理計算上設定される前提条件に基づき算出されています。これらの前提、仮定等に変更があった場合や、実際の年金資産の時価が下落した場合などには、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準及びその適用指針を適用しており、所有する固定資産の収益性の低下や価格の下落等により、減損損失が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦各種規制の変更に伴うリスク
将来における規制、法律、政策、実務慣行、解釈等の変更並びにそれらによって発生する事態が、当社グループの事業や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧感染症の流行に係るリスク
感染症の流行によって当社グループ役職員の感染者が増加する等により、業務継続に支障をきたす可能性があります。万一、当社グループの業務の全部又は一部が停止した場合は、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、感染症の影響が経済・市場全体に波及し、当社グループの信用リスク、市場リスク、流動性リスクが増加する、あるいは当該リスクが顕在化することにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨気候変動に関するリスク
当社グループの気候変動に関するリスクとしては、水害等の自然災害の発生により取引先や当社グループの資産が毀損する「物理的リスク」と、脱炭素社会への移行において法規制の変更や需給バランスの変化等により、取引先の業績が悪化する「移行リスク」を認識しております。これらのリスクが顕在化した場合、与信関係費用の増加や営業活動の縮小等を通じて当社グループの業績や財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループではサステナビリティ経営のもと、事業活動を通じた社会課題・環境問題の解決に取り組むとともに、2021年10月に前身の京都銀行グループにて賛同を表明した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言の趣旨に沿った情報開示に取り組んでおりますが、当社グループの気候変動に関する取組みや情報開示が不十分と見做された場合には、当社グループの企業価値の毀損に繋がる可能性があります。
⑩持株会社体制の収益構造に関するリスク
当社は、銀行持株会社であるため、その収入の大部分を株式会社京都銀行から受領する配当等に依存しております。一定の状況下で、様々な規制上又は契約上の制限により、その金額が制限される場合があります。また、株式会社京都銀行が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当等を支払えない状況が生じた場合には、当社株主に対する配当の支払いができない可能性があります。
当社は2023年10月2日設立のため、前連結会計年度の連結経営成績等につきましては、単独株式移転により完全子会社となった株式会社京都銀行の連結経営成績等を引き継いで作成しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態
預金・譲渡性預金残高は、個人預金が増加するなど、前年度末比2,067億円増加して9兆5,720億円となりました。
貸出金残高は、法人向け貸出を中心に、前年度末比5,507億円増加して7兆2,682億円となりました。
有価証券残高は、市場動向を注視しつつ、適切な運用に努め、3兆3,048億円となりました。
また、時価会計に伴う評価差額(含み益)は、前年度末比1,021億円減少して8,252億円となりました。
これらの結果、総資産については、前年度末比5,845億円増加して、12兆1,611億円となりました。
(2)経営成績
(注)1 連結粗利益=資金利益(資金運用収益-(資金調達費用-金銭の信託運用見合費用))
+役務取引等利益(役務取引等収益(信託報酬含む)-役務取引等費用)
+その他業務利益(その他業務収益-その他業務費用)
2 連結実質業務純益=連結粗利益-経費
連結粗利益は、前年度比90億49百万円増加して1,063億1百万円となりました。そのうち、資金利益は、貸出金利息の増加等により、前年度比44億5百万円増加して、843億39百万円となりました。また、役務取引等利益は、シンジケートローンやM&A等の法人取引関係手数料を中心に前年度比10億79百万円増加して184億31百万円となりました。
また、経常利益は、前年度比73億41百万円増加の509億15百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度比49億79百万円増加の365億52百万円となりました。
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(3)キャッシュ・フロー並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加等により5,016億円のプラス(前連結会計年度は367億円のマイナス)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得等により848億円のマイナス(前連結会計年度は1,755億円のマイナス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや、自己株式の取得により240億円のマイナス(前連結会計年度は254億円のマイナス)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、当連結会計年度において3,927億円増加し、1兆3,222億円となりました。
なお、次連結会計年度において計画している重要な設備の新設等は、「第3設備の状況 3設備の新設、除却等の計画 (1)新設、改修」に記載のとおりであります。
また、銀行業における資金調達の中心は、お客さまからの預金であり、貸出金及び有価証券を中心とする運用に対して、安定した資金調達を維持しております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは貸倒引当金でありますが、その内容については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(参考)
① 国内業務部門・国際業務部門別収支
資金運用収支は、国内業務部門で前年度比3,859百万円増加し、81,959百万円となり、国際業務部門で前年度比546百万円増加し、2,380百万円となったことから、全体では前年度比4,405百万円増加し、84,339百万円となりました。
役務取引等収支は、国内業務部門で前年度比1,059百万円増加し、18,179百万円となり、国際業務部門で前年度比21百万円増加し、244百万円となったことから、全体では前年度比1,080百万円増加し、18,424百万円となりました。
その他業務収支は、国内業務部門で前年度比720百万円減少し、727百万円となり、国際業務部門で前年度比4,284百万円増加し、2,802百万円となったことから、全体では前年度比3,563百万円増加し、3,529百万円となりました。
(注) 1 「国内業務部門」は、当社及び連結子会社の円建取引、「国際業務部門」は、連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度-百万円、当連結会計年度4百万円)を控除して表示しております。
3 資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
② 国内業務部門・国際業務部門別資金運用/調達の状況
資金運用勘定平均残高は、国内業務部門の貸出金や有価証券を中心に、合計で前年度比463,394百万円増加し、9,849,034百万円となりました。
また、資金調達勘定平均残高は、国内業務部門の預金や借用金を中心に、合計で前年度比325,786百万円増加し、10,327,724百万円となりました。
一方、資金運用勘定利回りは、合計で前年度比0.10%上昇し1.13%となり、資金調達勘定利回りは、合計で前年度比0.09%上昇し0.26%となりました。
イ.国内業務部門
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、当社及び株式会社京都銀行以外の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国内業務部門」は当社及び連結子会社の円建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度1,043,916百万円、当連結会計年度861,202百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度7,019百万円、当連結会計年度6,226百万円)及び利息(前連結会計年度-百万円、当連結会計年度4百万円)をそれぞれ控除して表示しております。
4 ( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
ロ.国際業務部門
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しております。
2 「国際業務部門」は連結子会社の国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度556百万円、当連結会計年度517百万円)を控除して表示しております。
なお、金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息は該当ありません。
4 ( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
ハ.合計
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、当社及び株式会社京都銀行以外の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度1,044,472百万円、当連結会計年度861,720百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度7,019百万円、当連結会計年度6,226百万円)及び利息(前連結会計年度-百万円、当連結会計年度4百万円)をそれぞれ控除して表示しております。
3 国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。
③ 国内業務部門・国際業務部門別役務取引の状況
役務取引等収益は、預金・貸出金業務に係る収益を中心に、前年度比1,946百万円増加し、26,067百万円となりました。
また、役務取引等費用は、前年度比865百万円増加し、7,642百万円となりました。
(注) 「国内業務部門」は、当社及び連結子会社の円建取引、「国際業務部門」は、連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
④ 国内業務部門・国際業務部門別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2 定期性預金=定期預金+定期積金
3 「国内業務部門」は、当社及び連結子会社の円建取引、「国際業務部門」は、連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
⑤ 国内貸出金残高の状況
イ.業種別貸出状況(末残・構成比)
ロ.外国政府等向け債権残高(国別)
該当ありません。
⑥ 国内業務部門・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
(注) 1 「国内業務部門」は、当社及び連結子会社の円建取引、「国際業務部門」は、連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 「その他の証券」には、外国債券を含んでおります。
⑦ 「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、株式会社京都銀行1社であります。
イ.信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表)
(注) 共同信託他社管理財産については、前連結会計年度(2024年3月31日)及び当連結会計年度(2025年3月31日)のいずれも取扱残高はありません。
ロ.元本補填契約のある信託の運用/受入状況(末残)
(自己資本比率の状況)
自己資本比率は、「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては標準的計測手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(資産の査定)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社京都銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
株式会社京都銀行(単体)の資産の査定の額
(1)連結子会社との経営管理契約の締結
当社は、当社の連結子会社である、きょうと事業再生債権回収株式会社、積水リース株式会社との間で当社が各社に対して行う経営管理について、2024年4月1日付できょうと事業再生債権回収株式会社と、2024年6月3日付で積水リース株式会社とそれぞれ「経営管理に関する契約書」を締結しております。
(2)グループ内組織再編
当社は、連結子会社である株式会社京都銀行の「M&A支援事業」を会社分割(簡易新設分割)し、新設する京都M&Aアドバイザリー株式会社に承継するとともに、京都M&Aアドバイザリー株式会社を当社の100%子会社とする新設分割計画書を2025年3月31日に当社取締役会にて承認いたしました。
①新設分割の目的
後継者不在等を要因とした地域企業の廃業等を防ぎ、企業成長を加速させる有効な手段として、M&Aに対する期待が一層高まっている中、当社グループが地域で一番身近な存在として、M&A支援を通じてお客さまの想いに寄り添い、想いを未来につないでいくために、M&A支援に特化した子会社を設立することで、更なる事業の成長・拡大、サービスの向上に努めていくことを目的としております。
②新設分割の要旨
(イ)分割の方法
株式会社京都銀行を分割会社とし、新設会社である京都M&Aアドバイザリー株式会社を承継会社とする新設分割であります。
(ロ)分割の日程
新設分割計画承認取締役会 : 2025年3月31日
新設分割の効力発生日 : 2025年7月1日(予定)
※本新設分割は、会社法第 805 条に規定する簡易新設分割であるため、株主総会の承認を得ることなく行うものです 。
(ハ)会社分割に係る割当ての内容
新設会社は普通株式10,000株を発行し、それら全ての株式を分割会社に割当交付いたします。なお、分割会社は、これと同時に割当てられた全株式を100%親会社である当社に対して交付いたします。
(ニ)分割する事業の概要
(注) 分割する資産、負債の金額は、上記金額に本新設分割の効力発生日までの増減を加除したうえで確定いたします。
(ホ)新設分割設立会社の概要
該当事項はありません。