文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社の社名に含まれる「Rise(ライズ)」には、「顧客企業の成果を上昇させる」、その結果として「日本を再び上昇させる」という決意をこめております。その決意の下、創業当初より「次の未来を創造すること」=「Produce Next」をMissionとして掲げ、コンサルティング活動などの事業活動を通じて「顧客企業にとって上昇し続ける成果のスパイラルを生み出す」ことにより、顧客企業の次の未来を創造し、日本の再生に貢献することを目指してきました。創業当初の経営理念の実現とそれに伴う当社の成長を実現していく中で、2022年12月には、これまでの取り組みを継承しつつ、新たなMission、Vision、Valueとして以下を掲げ、当社の更なる発展に向けた取り組みを開始しています。
・Mission 「Produce Next ~しあわせな未来を、共に拓く。~」
・Vision 「Top of Mind ~いつの時代も、いちばん必要とされる存在に。~」
・Value 「Rise above Rise ~絶えず進化を、絶えず成長を。~」
当社の経営の基本方針は「事業計画の達成」と「社員のケイパビリティの最大化」のバランスを重視し、「企業価値の向上」と「Produce Nextの実現」を達成することです。人材育成、営業の深化と探索、品質管理・ナレッジ向上、そしてこれらのエコシステムを形成していくことで、事業計画を着実に達成する仕組みを整え、「企業価値向上」を実現していくことができます。また、風通しの良いコミュニケーションを通じた情報・機会の提供で「オープネス(開放性)」と「フェアネス(公正性)」な環境を整備すること、待遇・働く場所・時間などが柔軟に選ぶことができ、個人の志向に沿ったキャリア形成を実現できること、そして、そういった様々な働き方の実現と機会を提供するために新規事業を開発すること、という三点を軸に経営を行うことで、社員の成長や働きやすさ(ケイパビリティ)を最大化して「Produce Next」の実現が達成できると考えます。また、当社においては、「事業計画の達成」と「社員のケイパビリティの最大化」が健全な仕組みとして機能するためのバランサーとして、「ウェルビーイング」や「コンプライアンス」に関連する活動についても積極的に取り組んでおります。
当社は創業以来継続的な成長を実現してまいりましたが、それは特定の技術の優位や、マーケットの爆発的な成長等の一時的な要因によってもたらされたわけではなく、株式上場を見据えながら、基本的な経営方針を忠実に守り実践してきた結果であると考えております。今後は、既存のコンサルティング事業を軸としながらも、シナジーを生む新規事業を創出するといったチャレンジを続けてまいりますが、この経営方針に従い持続的な企業価値向上を目指していきたいと考えております。
我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の推進や行動制限の緩和等が進んだことにより、徐々に回復基調となっております。一方、ウクライナ及びロシアの情勢により顕在化した地政学的リスクの懸念、円安の進行、また、資源価格や原材料価格の高騰など、我が国の経済を取り巻く状況は依然として先行き不透明な状況が続くと予想されております。
一方、コンサルティング業界においては、多くの企業が企業価値の向上を目指し、デジタル技術を活用したビジネスプロセス及びビジネスモデルの変革を行うデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」という。)の推進、業界再編を見据えた戦略策定、新たな収益を生み出すビジネスの創出、といったコンサルティング需要が活況を呈しており、企業活動を様々な側面から支援するコンサルティングニーズは引き続き高いと予想されます。
当社グループは、新型コロナウイルス感染症などの感染症パンデミック発生に対しては、経営成績や財政状態への影響を最小限にするために社内対応として全社員を対象にテレワークやシフトワークを推進いたしました。また地政学的リスクについては、各地域のカントリーリスクを適切に予見したコンサルティングサービスの提供を継続実施することや多様な案件を提供することによる経営成績や財政状態への影響の軽微化を常に図ることで対応しております。
このような事業環境のもと、当社グループでは、中長期的に既存事業の業績向上を図ることを最重要課題とし、業績向上及び経営理念を実現するため、以下の事項を重要な課題と認識し、解決に向けて取り組んでおります。
(成長戦略のロードマップ)

※1:TAM= Total Addressable Market
※2:短期・中期は3~5年、長期は5年超のイメージです
2021年の国内ビジネスコンサルティング市場規模は前年比11.4%増の5,724億円になったと見られております。
2020年前半に新型コロナウイルスの感染拡大に伴う新規受注の停滞や案件の一時凍結の影響を強く受けたものの、その後は需要が急速に回復し、特に2021年以降は、企業のDX支援需要を追い風に高成長軌道に復帰したものと見られております(IDC Japan株式会社 2022年5月23日プレスリリース「国内ビジネスコンサルティング市場予測を発表」より)。

(注)1:IDC Japanプレスリリース「国内ビジネスコンサルティング市場予測を発表」(2022年5月23日
発表)より作成
2:当社が事業を展開する領域のイメージであり、当社が2023年9月現在で営む事業に係る客観的な
市場規模を示すものではありません。
また、本スライドに記載の数字は、外部の調査資料に依拠したものであり、その正確性に
はかかる調査資料に固有の限界があるため、実際の規模とは異なる可能性があります。
2021年における日本国内企業のDX取組状況を見ると、DXに取り組んでいる企業の割合は55.8%(前年比33.0%増)と、前年と比較して大幅に増加しております。一方で、デジタル化を進めるうえでの課題として「人材不足」を挙げている日本企業の割合は67.6%と過半数を超えており、デジタル関連の人材需要の高さを示しております(総務省「令和4年版 情報通信白書」及び「令和3年版 情報通信白書」より)。
経済産業省が公表した「IT人材需給に関する調査」によると、IT関連市場規模の拡大に伴い、2018年を基準として2030年までIT人材の不足は年々増加すると予測されています。需要の伸び率別に高位(約9~3%)・中位(約5~2%)・低位(1%)の3つのシナリオをもとに試算したところ、仮に高位シナリオの経過をたどった場合、2030年には最大約79万人のIT人材が不足する見込みであるとの結果になりました。
また、2019年4月には「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が施行され、日本が直面している少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、働き方の多様化等の課題に対して、企業は対応を迫られてきました。さらに、2020年4月に国内で初めて緊急事態宣言が発令されて以降、昨今のコロナ禍においては、リモートワークやクラウドサービスの利用によるニューノーマルな働き方が求められ、企業にとってはそれらへの対応及び益々の生産性向上が課題となります。
一方で、顧客においても企業を取り巻く環境の大幅な変化により、経営者や事業部長クラスの方は、より厳しい経営の舵取りを求められると理解しております。具体的には、事業環境の複雑化・ビジネスサイクルの高速化によりもたらされる自社の対応の遅れや、役職に求められる役割・マインドへの適応の遅れが、企業成長のボトルネックになるリスクもありうると理解しております。当社は、彼らをコンサルティングのターゲットとして定め、より早く・広く・深く価値貢献することが求められると考えております。
当社の基本戦略として、これまで実績を積み重ねた基幹ビジネスであるコンサルティング事業を推進していく計画です。コンサルティング市場は今後も長期的な成長が期待されることに加え、デジタル関連のビジネスコンサルティング市場に関しては各企業にとっても喫緊の課題であり、今後も継続的な発注が見込まれます。当社は、重要な成長ドライバーである「人員数」「コンサルタント平均単価(月額)」「稼働率」の各指標および外部協力会社との人材プラットフォームを活用した「外注売上」の指標を向上させる以下の施策を積極的に実施し、今後も更なる成長を目指す計画であります。
(成長戦略サマリ)

※1:コンサルタント人員数
※2:外注売上とは、外部の人材を活用することによって獲得した収益を指します。
※3:連結子会社の株式会社ライズ・クロスにて運営
※4:コンサルタント平均単価(月額)とは、コンサルタントあたりの月額単価の平均を示し、次のように算出される。コンサルタント平均単価(月額)=100%稼働ベース売上高÷稼働可能コンサルタント。通期の平均単価は、各月の平均単価を算出し、それに対して年間平均を算出
※5:項目に記載している丸で囲われている矢印は、当社が想定している今後の成長イメージ
「人員数」: 定額・固定報酬型の掲載課金型プラットフォームの利用に加え、優秀な人材をより低コストで獲得するために自社独自のリファーラル制度による採用、1日で採用を決定する1Day選考会による採用を行っております。機会に応じて成功報酬型のエージェントも活用する等、当社は様々なチャネルを柔軟に活用し、コンサルタント人員の増加を図っております。採用コストが高い成功報酬型の人員獲得数は、採用コストが低い自社取組・ダイレクトリクルーティングによる人員獲得数より低い一方で、採用にかかるコストは成功報酬型が大半を占めております。また、間接コストの最適化を行う一方で、競争の激しいコンサルタント採用市場において競争優位性を維持できる給与水準を設定しております。このような施策を実施することにより採用コストを抑えつつ、2023年2月期末においては対前期比で25.0%の増員を実現しております。
(競争優位性のある採用手法)

「コンサルタント平均単価(月額)」: 一人当たりの平均売上単価を底上げするためには、顧客の重要経営課題へアプローチすることが重要であると考えております。そのために、顧客へのアプローチの多角化と専門性の強化を図っております。現場においては高品質なサービスを提供することで、他部署や経営層へ継続的に受注を図るボトムアップでのアプローチに加え、主要顧客のCxO(Chief x Officer:「Chief:組織の責任者」+「x:業務・機能」+「Officer:執行役」からなる経営用語であり、企業活動における業務および機能の責任者の総称)に対して重要経営課題の解決を目的としたトップダウンでのアプローチを行うことで、より高単価の業務を獲得することを推進しております。一方で、先端テクノロジーに関連する課題が、多くの顧客において重要な経営課題として認識される中、業界・顧客軸と先端テクノロジー等に係る社会課題軸の両面で対応が可能なコンサルタントの専門性を強化することで、より単価の高い重要経営課題に対応するサービスの受注を図っております。このような取り組みを実施し、各取引先よりご評価いただくことが出来たため、3期連続(2021年2月期~2023年2月期)でコンサルタント平均単価(月額)を増加させることに成功しております。
(単価上昇への実現策)

「稼働率」: いかなるテーマや課題に対しても付加価値を提供するコンサルタントの採用・育成に注力し、One Pool制を高度に進化させることで高稼働率を実現させ、結果として高品質かつ低単価を追求したコンサルティングを実現させてまいりました。今後もこれまで蓄積したDXや新規事業などのノウハウを活用し、基幹ビジネスである「コンサルティング事業」を強化させてまいります。また、既存事業による収益基盤をより強固にすると同時に、顧客全体の課題を吸い上げ、「点」や「線」で始めた顧客へのコンサルティングサービスを「面」で捉え、高品質かつより安価なコンサルティングサービスを提供できるという競争優位性を武器に、顧客のあらゆる経営課題において案件を獲得し、TAM(Total Addressable Market)を拡大してまいります。更には、顧客層・提供サービスの拡大のために、顧客・協業先・収益モデルの面でも多様化を図っております。例えば、現在の主要顧客である首都圏大企業から、スタートアップや中小企業、地方・グローバルへと顧客ポートフォリオを多様化させることや、当社社員を中心としたサービス提供からより顧客の課題にマッチしたソリューションを提供できるベンダーやスタートアップ、フリーランス、副業人材などの協業先との提携を通じたサービス提供を進めております。収益モデルに関しても、労働集約型から利用料型、成果報酬型、紹介料型など多様なモデルの展開を図っております。
(顧客層・提供サービスの拡大)

「外注売上」: 事業自体の立上げから開発に至るまでサポートしてほしい、共同で事業をしたいといった要望も受けることがあり、今後はコンサルティング業界の先にある「事業開発パートナー」としての主体性に備えていくことも重要な経営戦略と定めております。そのためにも当社単独で事業を拡大させるだけではなくパートナーとの協業も必要であると考えております。具体的には、顧客のご要望に合わせて、当社が信頼できると判断した人材・組織をアサインし、また当社が蓄積した育成コンテンツを提供することで専門性の強化・推進を図ってまいります。ファーム出身者やスタートアップ経営者等の経歴とデジタルやDX等のホットトピックを掛け合わせたプロ人材など、多様な働き方を求めるフリーランスやアルムナイ(当社を離職・退職した者)を、当社のMissionを共に実現するパートナーとして確保する活動を推進してまいります。
(株式会社ライズ・クロスによる内製に頼らない人材プラットフォーム事業)

当社は創業以来、売上収益を前年対比で大きく成長することを目標としています。また、当社は製品を製造・販売し収益を得るビジネスモデルの企業ではないため、毎年安定的に利益を生み出す営業活動によるキャッシュ・フローの拡充を目指しております。当社の成長性、収益性を強化するうえで重要となるのが、コンサルタントの人員数、稼働率、コンサルタント平均単価(月額)となります。コンサルタントの数は採用の強化を進めることによる採用数を重要な指標として設定しております。コンサルタントの稼働率は、所属コンサルタントが100%稼働した場合の総売上に対して、プロジェクトに参画しているコンサルタントによる売上の割合で計算しておりますが、当社はOne Pool制を引いていることで多くの案件にコンサルタントを参画させることで、直近2022年3月~2023年2月においても平均して90%を超える稼働率を維持しております。収益性という指標において、減価償却前の営業利益額(EBITDA)及び営業利益率についても重視しております。一方で、持続的な企業経営のためにも財務安全性も重視しており、ネットデットレバレッジレシオ(注)、自己資本比率を注視しております。
(注)ネットデットレバレッジレシオ:(有利子負債残高-現金及び現金同等物)/EBITDA
当社は、昨今の高度化・複雑化する企業の多様な課題解決を導くための論点を設定し、プロジェクトを推進できる仮説思考型の優秀な人材の獲得が重要であると認識しております。コンサルティング事業は知識集約型のビジネスであり、コンサルタントが提供する知的な付加価値こそが顧客の多様な課題を解決し、結果として当社の成長に寄与すると考えております。
また、DXを推進するにあたっては、高いプロジェクトマネジメント力で顧客をリードする人材が不可欠になります。当社では、多種多彩な研修制度や勉強会を設けて、戦略立案や経営課題を解決するためのスキル向上を図ることで、コンサルティングスキルの成長を促す仕組みを構築しております。また、各コンサルタントが安心して働きやすい環境・待遇の整備に注力し、高いモチベーションを維持したまま業務を遂行できるように努めております。また、会社としてスキルマトリックスを設定し、各コンサルタントのコンサルティングスキルを定期的・客観的に把握するとともに、評価時にその職位における達成基準としてスキル要件を設定しております。
なお、当社は全てのコンサルタントが同じ部門に所属するOne Pool制を引いており、コンサルタントは特定の領域に限定することなく、業界やサービス領域を超えてプロジェクトを経験しております。これにより、どのような顧客に相対しても、ニーズに応えた具体的で実現性の高い提案を行うプロフェッショナルの育成を図っております。
当社グループの強みは、顧客先に常駐してサービスを提供して顧客に深く入り込み、Hands-onで戦略から実行に至るまで一気通貫でコンサルティングサービスを提供することにあります。しかし、プロジェクトの性質や難易度によっては、顕在化している課題や潜在的な背景・要因により品質維持が困難なプロジェクトも存在します。困難なプロジェクトに対しても高い品質のコンサルティングサービスを維持する必要があります。コンサルタントとして顧客に価値を提供できるよう新卒向けの基礎研修や月次研修、プレゼン研修、マネージャー研修、外部研修も行われております。また、コンサルティングの質を担保するために、品質管理部を設置し、顧客の期待値を超える成果を出すための仕組みを構築しており、クライアントサーベイを実施し、分析、共有化を行います。また、コンサルタントには志向性面談を実施し、本人のスキルや希望にマッチした案件に従事することや従業員満足度調査を実施し、モチベーションの維持・向上に向けた施策を検討しながら進めております。
当社グループは、持続的な成長を実現するためには高い稼働率を維持することが重要であることを認識しております。そのためには、高い稼働率を維持することが収益力を高めるうえで重要となります。当社では営業を行う専門部隊を配置しております。コンサルタントは、案件を進めていく過程で、顧客のニーズをいち早くつかむようにしているほか、すでに保有する取引先と深い関係性の構築を進めております。それにより早期の案件ニーズの把握やプロジェクト期間の長い案件の獲得を目指しておりますが、今後とも高い稼働率の維持に向け注力する必要があります。
昨今の経営環境は、市場競争の激化や市場構造の変化に起因した企業経営者を取り巻く課題が多様化しており、これらの経営課題を解決し、企業経営をサポートできる幅広い経験や調査・分析能力を有するコンサルタントを求める需要が高まっております。一方で、既存のコンサルティングビジネスは、需給によって変動するコモディティ的な側面があるうえ、より低単価で一定の品質を提供する競合他社が出現した場合、当社の大きな脅威となります。当社は、長期的に顧客の経営にコミットする仕組みの構築に加え、新たなテクノロジーを活用したビジネスモデルの開発などを進めております。
当社グループは、既存事業の継続的な成長と新規事業の開発・展開にあたっては、顧客からの信頼を得ることが不可欠であると考えております。現在、管理部門の人員増加を含め管理面の強化を行っておりますが、今後さらなる事業拡大を見据え、継続的な内部管理体制の強化、内部統制やコーポレート・ガバナンスの充実を図ってまいります。
内部留保が十分確保されており、借入等による機動的な資金調達も可能であることから、現時点において財務上の課題は認識しておりません。ネットデットレバレッジレシオ及び自己資本比率等といった財務の安定性を測る指標のモニタリングを通じて、財務健全性の確保に努めています。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項については、提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
詳細については、「4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (e) コンプライアンス・リスク管理委員会」をご参照ください。
以下の各事項において、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化したときに当社の経営成績等の状況に与える影響について合理的に予見することが困難な場合には、その可能性の程度や時期・影響についての記述は行っておりません。
当社グループはリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定め、リスク管理の基盤としての内部統制システムと、代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス・リスク管理委員会において、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスク顕在化の予防を図っております。
当社グループの事業拠点は、本社所在地である東京都港区にあり、首都直下型地震や南海トラフ地震等の大災害が発生した場合、被災地域における本社損壊、停電、及び交通、通信、物流といった社会インフラの混乱及び途絶、取引先の被災等により、業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等の影響を受ける可能性があります。
当社グループとしては、自然災害、大火災等の緊急事態に遭遇した場合において、損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための体制構築に努めておりますが、不測の事態が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループの事業はコンサルティングが中心であり、多くのクライアントと取引を行っております。当社の主要クライアントは、グローバルに展開する各業界のリーディングカンパニーのため、国内のみならず、世界の先進国、新興国の景気変動がクライアント企業の経営状態に与える影響を通じて、当社が支援するプロジェクトの内容や受注内容に影響を与えます。クライアント企業との関係を深化、新規取引先の開拓、提供できる案件を拡充し、リスク低減に努めております。
しかしながら、国内外の景気動向により、主要顧客の投資抑制に伴う発注金額の減少や大型案件の中止等の不測の事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが手掛けるコンサルティングサービス事業は、大手コンサルティング会社と競合する可能性は高いと考えており、競合事業者に対する当社グループの優位性を顧客に対して十分に訴求できなくなった場合は、売上の減少等、経営成績に大きな影響を及ぼすリスクがあります。
このリスクへの対応を強固なものとするために、当社グループはプラクティス制度(注1)および、アカウントマネジメント(注2)の強化により他社との差別化を図りつつ、新規顧客開拓および既存顧客とのリレーション強化を実施してまいります。
(注1)プラクティス制とはOne Poolの組織を維持しながらも、DX(デジタルトランスフォーメーション)やHuman Development、Green Transformation、Social Designなど、クライアントからのニーズが高いテーマの研究開発を行うコミュニティ(プラクティス)に所属できる制度です。
(注2)主要顧客企業(アカウント)に対し、現場営業主導の課題解決から顧客企業のCxO・経営層
などに寄り添うことにより重要経営課題の解決も行うなど顧客アプローチの多角化を行うこと。
当社グループでは、収益基盤をさらに拡大するために、今後も新規事業への取り組みを進めていく方針ですが、新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の時間を要することが予想されます。このため、当社グループ全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の事業環境の変化等により、新規事業が当社グループの目論見どおりに推移せず、新規事業への投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
この影響への対応としては、子会社である株式会社ライズ・クロスとともに事業開発を行っていき、新規事業が目論見通りに推移しないと考えられた場合は、事業方針の転換や撤退を行うことも視野に入れ、取締役会を中心に判断を行うことで影響の低減を図ってまいります。
当社グループの売上について、取引額上位10社の合計販売比率(最近連結会計年度における連結売上高に占める割合)は売上高全体の70%超となっております。また、最近連結会計年度においては、株式会社エヌ・ティ・ティ・データとの取引金額が売上高全体の26.2%を占めており、特定の取引先への依存度が高い状態にあります。当社グループでは、特定の取引先への依存による業績に対する影響を緩和するため、営業力を強化し、積極的な営業活動による新規顧客などの獲得を通じて、営業基盤の拡大に努めて参ります。
しかしながら、当該特定の取引先における経営方針や業績の変化などによって、契約が想定外に短期間で終了した場合や、取引先の意向により規模縮小などの契約変更を余儀なくされた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、人材が最重要経営資源であり、今後の企業規模拡大に向けて、当社の理念に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を継続的に採用し、育成していくことが重要であると考えております。
しかしながら、コンサルティング業界における人材の争奪により、優秀な人材の採用・確保及び育成が計画通りに進まない場合や、優秀な人材の社外流出が生じた場合には、競争力の低下や事業規模拡大の制約、クライアントに提供するサービスレベルの低下をもたらし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このリスクへの対応としては、1Day選考会、リファーラル採用強化等の母集団形成施策に加え、採用オペレーションの迅速化・高度化に取り組み、包括的な採用力強化を行う事と従来からの新卒入社研修に加え、コンサルティング業務未経験の中途入社者向けの研修を拡充し、早期の戦力化を図っていく方針であります。
当社グループでは事業運営に際してパソコン及び携帯端末の利用が必要不可欠であり、従業員に貸与しているパソコン端末及び携帯端末はもちろんのこと、予期せぬ私用デバイスのアクセスも含め、事業に関連するすべての端末についてウィルス感染のリスクに常にさらされております。
当社グループでは、セキュリティソフトの全端末への導入及び中央集権型管理を実施しているほか、私用デバイスのアクセスを制限するシステムツールを導入しており、これらのリスクの低減に努めておりますが、不測の事態により当該パソコン及び携帯端末が利用できなくなった場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのコンサルティングサービスは、顧客先において、顧客先が抱えている経営課題を解決するための支援に従事しており、機密性の高い情報を取り扱っております。当社グループとしては、役員及び従業員に対して、入社時及び定期的に機密情報の取扱について指導・教育を行っております。
しかしながら、不測の事態により、これらの情報が外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信用に重大な影響を与え、対応費用を含め当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのコンサルティングサービスの提供において個人情報を取り扱うことがあります。このため当社グループでは、役員及び従業員に対して、入社時及び定期的に個人情報の管理について指導・教育を行っております。しかしながら、不測の事態により、これらの情報が外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信用に重大な影響を与え、対応費用を含め当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
b.訴訟について
当社グループは、クライアントと契約を締結する際に、事前にトラブル時の責任分担を取り決める等、過大な損害賠償の請求をされないようリスク管理を行っております。しかしながら、契約時に想定していないトラブルの発生等が生じた場合、取引先等との何らかの問題が生じた場合、これらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起されるリスクがあります。係る損害賠償の金額、訴訟の内容及び結果によっては、当社グループの社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、金融機関等を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入れを行っており、最近連結会計年度末の総資産額に占める有利子負債残高の割合は40.35%となっております。当該借入は変動金利により行われているため、金融機関の融資情勢や市場金利の上昇による調達金利が変動した場合、当社グループの財政状態、経営成績及び資金繰りなどに影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の借入金のうち、金銭消費貸借契約に基づく借入金には、財務制限条項が付されております。財務制限条項に抵触する場合、貸付人の請求があれば当該契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となります。
なお、借入金の金額や金利リスクの状況及び財務制限条項の内容については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」に記載しております。
当社グループでは、上記の金融機関からの多額の借入に関係した、金利上昇に係るリスクと財務制限条項への抵触による債務の弁済リスクに対応するため、主に以下の取り組みを実施しておりますが、万が一何らかの事象によってこれらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があるとともに、かかる資金の確保ができない場合は、当社グループの他の借入についても期限の利益を喪失することが予測され、当社グループの存続に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、資産維持及び利益維持に関する数値基準が設けられている財務制限条項の抵触を回避するため、収益性を重視した戦略立案と経営管理を行っております。
当社グループにおける主な資金需要は、コンサルタントへの給与支払い等の運転資金であります。財務バランスを悪化させるような不必要な追加借入を発生させないため、営業活動によるキャッシュ・フローの実績等を参考にした資金計画を立案し実行しております。
多額の借入金が計上されていることを踏まえ、当社グループでは、金融機関との金利条件及び財務制限条項に係る交渉を継続的に実施してきております。具体的には、LBOスキームの執行時に付された財務制限条項の見直し交渉により、金利条件及び財務制限条項の条件の良化を実現しました。今後も当該リスクのさらなる低減に向けて、引き続き、金融機関との交渉に努めてまいります。
当社は、2020年12月25日に旧株式会社ライズ・コンサルティング・グループの株式の過半数を取得しており、のれんを計上しております。当該のれんについては、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、当社の将来の収益性が低下した場合には、当該のれんについて減損損失を計上することとなります。なお、日本基準において、のれんの償却についてはその効果の及ぶ期間を見積り、その期間で償却しております。
当該リスクの対策として、経営成績の定期的なモニタリング、優秀な人材の採用・育成、新たな領域への展開を進め、将来の収益性を向上させて参りますが、これらの対策が計画通りに進まず当該のれんに係る減損損失を計上する場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
参考情報として、IFRSでは最近連結会計年度末において総資産の67.97%である5,121百万円ののれんを計上しており、のれんの取得日以降の償却をしておりません。最近連結会計年度末における回収可能価額は、経営者が承認した5カ年事業計画を基礎として算出しており、資金生成単位の帳簿価額を上回っております。減損テストに用いた主要な感応度を示す仮定は将来キャッシュ・フローの見積額及び割引率であり、仮に各期の将来キャッシュ・フローの見積額が56.1%減少した場合、又は割引率が21.2%上昇した場合に回収可能価額と帳簿価額が等しくなり、減損損失が発生する可能性があります。ただし、今後3年間の成長率がゼロであった場合でも回収可能価額が帳簿価額を十分に上回るため、減損の可能性は低いと考えております。
なお、IFRSののれんについては非償却資産であるため、当該のれんについて減損損失を計上した場合、日本基準に比べて当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
本書提出日現在において、Sunrise Capitalが当社発行済株式の89.7%を所有しています。また、当社取締役である小中村政宗及び当社監査役の中村憲太が、当該ファンドのサブアドバイザーを務めるCLSAキャピタルパートナーズジャパン株式会社から派遣されています。小中村政宗と中村憲太については引き続き社外役員として、ガバナンス強化、客観的な経営への助言、経営陣と株主との橋渡し等の役割を担う方針でございますが、株式の売却等による持分比率の低下等を勘案しながら、将来的には退任を想定しております。当該ファンドにおける当社株式の保有・処分方針によっては、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当該ファンドが保有する当社発行済株式には、当社が金融機関等を貸付人として締結する借入契約において債務の弁済が行えない場合に第一順位の質権を設定することとなっておりましたが、2023年8月7日をもって解消済みであり、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性はありません。
なお、上記の株主の当社株式所有割合等については、「第四部 株式公開情報 第3 株主の状況」に記載しております。
新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大による影響はすでに顕在化しており、昨今は、ワクチン接種等が促進される反面、感染力の強い変異種が次々と蔓延し、社会経済活動は一進一退を繰り返しております。当社グループでは、ウィズコロナの新しい社会環境等に対応するために、社内対応として全社員を対象にテレワークやシフトワークを推進し、経営成績や財政状態への影響を最小限に止めてまいります。
しかしながら、今後、感染による重症化及び感染長期化をもたらす変異種が発生した場合や、パンデミックの発生等により、当社グループの事業活動に支障をきたし、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、取締役及び従業員に対して、財政状態及び経営成績向上に対する意欲を高めることを目的とした新株予約権(ストック・オプション)を付与しております。新株予約権が権利行使された場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は1,156,380株であり、発行済株式総数24,267,110株の4.8%に相当しております。
当社グループは、収益力の強化や事業基盤の整備をさらに進め、内部留保の状況や当社グループを取り巻く事業環境を勘案したうえで、資本政策を決めていく方針であります。中でも、利益配分につきましては、経営成績及び財務状態を勘案の上、配当及び自己株式の取得等、最適な時期に最適な手法で行ってまいりたいと考えております。
当該方針に基づき、現時点においては、将来の事業拡大に備えた内部留保の充実と有利子負債削減などの財務体質の強化のため、配当を行っておりません。将来的には、内部留保の状況等を勘案したうえで株主に対して安定的かつ継続的な配当を実施する方針でありますが、今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
第3期連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)
当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の推進や行動制限緩和等が進んだことにより、徐々に回復基調となっております。一方、ウクライナ及びロシアの情勢により顕在化した地政学的リスクの懸念、円安の進行、また、資源価格や原材料価格の高騰など、我が国の経済を取り巻く環境は依然として先行き不透明な状況が続くと予想されております。
このように激しく変化する市場環境に対応すべく、当社グループでは創業以来の強みとしている戦略策定から実行支援に至るまで一貫して顧客に深く入り込み、顧客と一体となりハンズオン型で課題解決に挑むスタイルの経営支援サービスを軸として、積極的に事業活動に取り組みました。
人材採用面においては、新たに65名のコンサルタント(新卒含む)を採用するとともに、異業種から入社する中途社員についても充実した研修や適切なフォローアップを進め、コンサルタントの戦力化の充実を図りました。営業活動においても大口顧客からのDXや事業戦略に関する新しいテーマのプロジェクトを順調に受注したほか、新規顧客の開拓にも成功しました。さらにコンサルタントの稼働率(所属コンサルタントが100%稼働した場合の総売上に対して、プロジェクトに参画しているコンサルタントによる売上の割合)は90%以上の水準を維持することで、高い収益性を実現しております。
また、新たに品質管理機能を有する品質管理・人材戦略本部を設置し、コンサルティング業務の各プロセスにおける品質開発を推進する子会社として株式会社ライズ・クロスを設立いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上収益は4,761,074千円(前連結会計年度比38.7%増)、営業利益は1,376,891千円(前連結会計年度比45.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は965,843千円(前連結会計年度比41.5%増)となりました。
当社グループは、コンサルティング事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
(資産)
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べて505,312千円増加し、7,533,319千円となりました。
流動資産は550,995千円増加し、1,823,038千円となりました。主な要因は、売上の増加等に伴う現金及び現金同等物の増加371,260千円、営業債権及びその他の債権の増加174,470千円であります。
非流動資産は45,683千円減少し、5,710,281千円となりました。主な要因は、減価償却に伴う使用権資産の減少51,305千円であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べて481,781千円減少し、3,799,596千円となりました。
流動負債は167,107千円増加し、1,310,689千円となりました。主な要因は、借換えによる返済スケジュールの変更等に伴う借入金の増加187,938千円であります。
非流動負債は648,887千円減少し、2,488,907千円となりました。主な要因は、返済等による借入金の減少600,655千円、支払等によるリース負債の減少48,233千円となります。
(資本)
当連結会計年度末の資本につきましては、前連結会計年度末に比べて987,093千円増加し、3,733,723千円となりました。主な要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益を965,843千円計上したことによるものです。
第4期第1四半期連結累計期間(自 2023年3月1日 至 2023年5月31日)
当第1四半期連結累計期間における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の断続的な感染再拡大の懸念はあるものの、感染症法上の第5類への引き下げや行動制限の緩和等が進んだことにより、徐々に回復基調となっております。一方、ウクライナ及びロシアの情勢により顕在化した地政学的リスクの懸念、円安の進行、また、資源価格や原材料価格の高騰など、我が国の経済を取り巻く環境は引き続き不透明な状況が続くと予想されております。
このように激しく変化する市場環境に対応すべく、各企業は様々な対応策を講じ、より一層の企業価値向上を目指していくものと推察しており、企業活動へのコンサルティング支援に対する需要は今後さらに高まっていくものと考えられます。このような状況下、当社グループにおいては、様々な業界に対し、戦略策定、業務改革、IT導入、DX推進等をあらゆる側面から支援するため、積極的な人材の採用・育成を行い、より一層の成長に向けて取り組んでまいりました。コンサルタントの稼働率(所属コンサルタントが100%稼働した場合の総売上に対して、プロジェクトに参画しているコンサルタントによる売上の割合)は80%以上の水準を維持しており、引き続き高い収益性を実現しております。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上収益は1,442,583千円(前年同期比29.4%増)、営業利益は403,286千円(前年同期比8.6%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は272,929千円(前年同期比17.4%増)となりました。
当社グループは、コンサルティング事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べて42,012千円減少し、7,491,307千円となりました。
流動資産は26,235千円減少し、1,796,803千円となりました。主な要因は、売上の増加等に伴う現金及び現金同等物の増加75,857千円、回収等による営業債権及びその他の債権の減少75,172千円、案件完了等に伴う棚卸資産の減少15,340千円であります。
非流動資産は15,777千円減少し、5,694,504千円となりました。主な要因は、減価償却に伴う使用権資産の減少12,826千円であります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べて320,267千円減少し、3,479,328千円となりました。
流動負債は176,751千円減少し、1,133,938千円となりました。主な要因は、支払等による未払法人所得税の減少121,288千円であります。
非流動負債は143,516千円減少し、2,345,390千円となりました。主な要因は、返済等による借入金の減少131,414千円、支払等によるリース負債の減少12,102千円となります。
(資本)
当第1四半期連結会計期間末の資本につきましては、前連結会計年度末に比べて278,256千円増加し、4,011,979千円となりました。主な要因は、親会社の所有者に帰属する四半期利益を272,929千円計上したことによるものです。
第3期連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて371,260千円増加し、1,152,093千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、884,524千円(前連結会計年度は915,964千円の獲得)となりました。主な増加要因は税引前当期利益1,312,488千円(前連結会計年度比486,010千円増)であり、主な減少要因は法人所得税の支払額315,351千円(前連結会計年度は107,678千円)、減価償却費及び償却費72,796千円(前連結会計年度は202,716千円)、営業債務及びその他の債務の減少4,420千円(前連結会計年度は186,463千円の増加)であります。前連結会計年度との主な変動要因は、売上の増加及び受注残の償却が前連結会計年度で発生したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、23,929千円(前連結会計年度は57,675千円の支出)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出23,929千円(前連結会計年度は57,660千円)であります。前連結会計年度との主な変動要因は、前連結会計年度において本社移転に伴い建物附属設備の取得が発生したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、489,335千円(前連結会計年度は351,483千円の支出)となりました。主な内訳は長期借入れによる収入3,021,000千円(前連結会計年度はありません)、長期借入金の返済による支出3,459,330千円(前連結会計年度は340,000千円)、リース負債の返済による支出51,005千円(前連結会計年度は11,483千円)であります。前連結会計年度との主な変動要因は、借入金の借換え(リファイナンス)による返済スケジュールの変更及び本社移転に伴うリース負債の返済額の増加によるものであります。
第4期第1四半期連結累計期間(自 2023年3月1日 至 2023年5月31日)
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて75,857千円増加し、1,227,950千円となりました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、222,470千円(前年同期は146,518千円の獲得)となりました。主な増加要因は税引前四半期利益395,571千円(前年同期比54,388千円増)、営業債権及びその他の債権の減少75,172千円(前年同期比は20,201千円)であり、主な減少要因は法人所得税の支払額231,582千円(前年同期は189,108千円)であります。前年同期との主な変動要因は、売上の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、708千円(前年同期は3,764千円の支出)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出708千円(前年同期は3,164千円)であります。前年同期との主な変動要因は、前年同期において2022年2月取得の役職員用のパソコンの支払いが発生したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、145,905千円(前年同期は12,725千円の支出)となりました。主な内訳は長期借入金の返済による支出133,110千円(前年同期はありません)であります。前年同期との主な変動要因は、借入金の借換え(リファイナンス)による返済スケジュールの変更によるものであります。
当社グループは、生産活動を行っていませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
当社グループは、受注生産を行っていませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
当社グループは、コンサルティング事業の単一セグメントであり、第3期連結会計年度及び第4期第1四半期連結累計期間の販売実績は次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.第3期連結会計年度及び第4期第1四半期連結累計期間における販売高増加の主な要因は、コンサルタントの増加に伴う業容拡大によるものであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような会計上の見積り及び判断を必要としております。経営者は、これらの見積りを行うに当たり過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しておりますが、連結財務諸表の作成に当たって特に重要と認識しているものは以下のとおりであります。
(非金融資産の減損 のれんの減損テスト)
当社グループは、のれんについて、毎期末又は減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しております。減損テストにおいて、資金生成単位の回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。
使用価値は、経営者が承認した5年以内の事業計画のうちのれんの資金生成単位である株式会社ライズ・コンサルティング・グループに係る係数を基礎とし、その後の成長率は同業他社の長期成長率等を加味して検討を行い、算出が困難な場合は保守的に0%と仮定して計算した将来キャッシュ・フローの見積額を、現在価値に割り引いて算定しております。この事業計画は、コンサルタントの人員計画及びコンサルタントの稼働率等を計画に基づいて見積り、過去の実績及び外部環境とも整合性を取ったうえで策定しております。
使用価値の測定で使用した割引率は、税引前加重平均資本コストを基礎に、外部情報及び内部情報を用いて事業に係るリスク等が適切に反映されるよう算定しております。
当該見積り及び仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。
第3期連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)
(売上収益)
売上収益は、4,761,074千円(前連結会計年度比38.7%増)となりました。これは主に、新たに65名のコンサルタント(新卒含む)の採用、充実した研修や適切なフォローアップによるコンサルタントの戦力化の充実と、営業活動によりコンサルタントの稼働率(所属コンサルタントが100%稼働した場合の総売上に対して、プロジェクトに参画しているコンサルタントによる売上の割合)の平均については90%以上の水準を維持したことにより、コンサルティング事業の収益が好調に推移したことによるものであります。
(営業利益)
営業利益は1,376,891千円(前連結会計年度比45.0%増)となりました。これは主に、売上収益が大幅に拡大した一方で売上総利益率はほぼ前年と同水準を維持し、販売費及び一般管理費については特別な増加要因が無く前連結会計年度比25.2%増加で着地したことによるものであります。なお、売上原価及び販売費及び一般管理費に含まれる減価償却費の合計は72,796千円(前連結会計年度比64.1%減)であり、EBITDAは1,449,687千円(前年同期比25.8%増)であります。
(税引前当期利益)
税引前当期利益は1,312,488千円(前連結会計年度比58.8%増)となりました。これは主に、営業利益の増加に加え、借換に伴う借入金利息の減少等による金融費用の減少58,719千円によるものであります。
(当期利益)
当期利益は965,843千円(前連結会計年度比41.5%増)となりました。これは主に、順調な収益拡大およびコンサルタントの高稼働率の維持により営業利益が増加したことによるものであります。
第4期第1四半期連結累計期間(自 2023年3月1日 至 2023年5月31日)
(売上収益)
売上収益は、1,442,583千円(前年同期比29.4%増)となりました。これは主に、増員したコンサルタントの戦力化の更なる充実と、コンサルタント単価の見直しが進んだことにより、高い収益性を実現したことによるものであります。なお、コンサルタントの稼働率(所属コンサルタントが100%稼働した場合の総売上に対して、プロジェクトに参画しているコンサルタントによる売上の割合)の平均については80%以上の水準を維持しており、引き続き高い収益性を実現しております。
(営業利益)
営業利益は403,286千円(前年同期比8.6%増)となりました。これは主に、売上総利益率は前年同期と同水準を維持した一方、従業員数増加に伴う人件費や外注費が発生した結果、販売費及び一般管理費が前年同期比で154,628千円増加したことによるものであります。なお、売上原価及び販売費及び一般管理費に含まれる減価償却費の合計は17,775千円(前年同期比6.8%増)であり、EBITDAは421,060千円(前年同期比8.5%増)であります。
(税引前四半期利益)
税引前四半期利益は395,571千円(前年同期比15.9%増)となりました。これは主に、営業利益の増加に加え、借換に伴う借入金利息の減少等による金融費用の減少22,511千円によるものであります。
(四半期利益)
四半期利益は272,929千円(前年同期比17.4%増)となりました。これは主に、順調な収益拡大およびコンサルタントの高稼働率の維持により営業利益が増加したことによるものであります。
b.財政状態
財政状態の状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
(a) キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(b) 財務政策
当社グループの資金需要のうち主なものは、コンサルタントの人件費等の営業費用であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローにより大部分の運転資金の確保が可能です。自己資金を中心としながら、必要に応じて金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としておりますが、今後の資金需要の額や使途に合わせて資金調達方法は柔軟に検討を行う予定です。
なお、直近連結会計年度末において、現金及び現金同等物は1,152,093千円であり、十分な資金の流動性を確保しております。
d.経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等の分析
経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、コンサルタント人員数、コンサルタント平均単価(月額)、稼働率を経営指標として重視しております。
コンサルタント人員数:当社グループにおいては、人材が最重要経営資源であり、各企業のニーズに応えたコンサルティング業務を推進し、更なる事業の拡大を図るためには必要な人員数の確保が重要であると考えております。したがって、コンサルタント人員数の情報は、当社グループの経営資源の指標として、有用かつ必要であると考えております。
コンサルタント平均単価(月額):コンサルタント人員数の拡大に加え、より単価の高い重要経営課題に対応するサービスを受注することが、当社グループの成長には欠かせないと考えております。したがって、一人当たりの平均単価であるコンサルタント平均単価(月額)の情報は、コンサルティングサービスの品質の評価に係る指標として、有用かつ必要であると考えております。
稼働率:コンサルティング事業においては、コンサルティングサービスの需要に応じた最適な資源配分が重要な経営戦略となります。したがって、コンサルタントの稼働率の情報は、足元の需要の変化と当社グループの経営資源のバランスを把握する指標として、有用かつ必要であると考えております。
各指標の実績等は以下のとおりであります。
コンサルタント人員数は、中途採用人材を中心とした積極的な採用により、堅調に推移していると認識しております。
コンサルタント平均単価(月額)は、社内研修等を通じたコンサルタントの戦力化や、中途採用による即戦力の採用を通じて、堅調に推移していると認識しております。
稼働率は、企業のニーズに応えたコンサルティングサービスを継続して提供している結果、高い水準で安定的に推移していると認識しております。2022年2月期と2023年2月期と比べ、2023年5月末の稼働率が下がっている理由としては、季節要因になります。毎年4月に入社した社員を当社のマネージャー以上の職位の者が1か月間教育するため、新卒とその教育にリソースを割いている社員の売上に紐づく稼働が減り、第1四半期は稼働率が低くなります。
e.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」をご参照ください。
f.経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題」をご参照ください。
当社は、2022年6月17日開催の取締役会決議に基づき、既存借入金の借換え(リファイナンス)による資金繰りの安定化を目的として、以下のとおり金銭消費貸借契約を締結しました。
(注) 当社が当該金銭消費貸借契約において確約している財務制限条項の内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 19.借入金及びリース負債」に記載しております。
該当事項はありません。