第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に対する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。なお、当社グループは当中間連結会計期間より中間連結財務諸表を作成しているため、前中間連結会計期間及び前連結会計年度末との比較分析は行っておりません。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加を背景に、景気の緩やかな回復が進んでおります。一方で物価上昇や米国政策の変化に伴う懸念、地政学リスクの高まりなど、依然として、景気の先行きは不透明な状況が継続しております。

当社グループの関連する介護及び医療環境につきましては、介護保険法や保険外介護サービスの充実によって要介護者へのサービスは増加し、民間運営による多種多様なシニアホームも増加しています。一方、在宅介護を担う介護家族の介護負担状況は、ビジネスケアラー約318万人(※1)、老老介護約200万人(※2)、ヤングケアラー約32万人(※3)に達するなど、在宅介護を担う介護家族への支援は不足している状況にあります。また、シニアホームの入居検討においては、適切な情報収集が困難なためにシニアホーム入居に対する誤解等により躊躇や諦めが起こっているケースもあり、介護する側の介護家族においても共倒れのリスクをはらんでおります。

 

※1 2030年予測 経済産業省「新しい健康社会の実現」(令和5年3月)より抜粋。

※2 2030年予測 65歳以上の要介護認定者数(厚生労働省「介護保険事業状況報告」(令和5年5月分))に、同居介護率及び同居介護内に占める当該割合(厚生労働省「国民生活調査」(令和4年))を乗じ試算。

※3 文部科学省「令和4年学校基本調査」における中学生・高校生の生徒数に、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「ヤングケアラーの実態に関する調査報告書」における世話をしている家族がいる率を乗じ試算。

 

このような環境のもと、当社グループは介護家族の負担を軽減すべく、介護家族が高齢者に対する「心の介護」に専念できるよう「介護家族にとって、シニアホームの利用が『ポジティブ/当たり前』になっている状態」を目指し、コーディネーターによる対面相談「家族会議」を経て最適な入居支援を無料で行う「シニアホーム紹介サービス」と、安心して入居できる質の高いシニアホームを増やすため「シニアホーム運営コンサルティング」の継続的なサービス提供に努めてまいりました。

 

 当中間連結会計期間末の財政状態は、次のとおりであります。

(資産)

当中間連結会計期間末における資産は1,206,837千円となりました。

流動資産は1,044,906千円となりました。主な内訳は、現金及び預金766,157千円、売掛金225,545千円です。

固定資産は160,305千円となりました。主な内訳は、繰延税金資産77,672千円であります。

(負債)

当中間連結会計期間末における負債は448,530千円となりました。

流動負債は352,158千円となりました。主な内訳は、未払金102,238千円、未払費用75,363千円です。

固定負債は96,371千円となりました。主な内訳は、長期借入金78,313千円であります。

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産は758,306千円となりました。主な内訳は、資本金268,553千円、資本準備金218,553千円、利益剰余金271,497千円であります。

 

セグメント別の業績は、次のとおりであります。

なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

(シニアライフサポートサービス)

当中間連結会計期間においては、病院に在籍する退院支援等を担うメディカルソーシャルワーカー(MSW)からの「紹介数」が5,956件(前年同期比65.0%増)、介護家族にとって納得あるシニアホーム選びに欠かせない「家族会議実施数」は4,229件(前年同期比56.3%増)、入居成約数である「スマイル数」は2,179件(前年同期比41.2%増)とそれぞれ拡大いたしました。プラットフォームサイト登録数においては、2025年10月期計画8,000ホームを上回る、8,869ホームまで登録が進みました。

当事業では、入居支援を担うコーディネーターの採用&育成が社会課題解決を加速させると考え、前期同様に積極採用を実施しオンボーディングを進めてまいりました。

以上の結果、営業収益は713,112千円となりました。

営業費用は、コーディネーターを上半期に集中して行う方針により、採用活動に注力したことで、採用費が60,657千円発生するなどコストが先行しました。その結果、セグメント損失は41,360千円となりました。

 

(シニアホームコンサルティングサービス)

2024年9月にサービスの質の高いシニアホームを世の中に増やすことを目的とし、株式会社笑美面からシニアホーム新規開設コンサルティングサービスを独立させ、株式会社ケアサンクを設立いたしました。当中間連結会計期間より連結の範囲に含め、シニアホーム新規開設コンサルティングサービスを中心にサービスを拡充し展開しております。

当中間連結会計期間は、案件の獲得と成約が順調に進んだことから、営業収益は142,539千円となりました。営業費用は、案件の成約が増えたことにより計画より増加いたしましたが、営業収益の増加が吸収し、セグメント利益は71,173千円となりました。

 

以上の結果、当中間連結会計期間の営業収益は855,652千円となりました。

営業費用は、シニアライフサポートサービスでの人員の増加等により825,795千円となり、投資が先行した結果営業利益は29,856千円となりました。また、経常利益は29,345千円、法人税等調整額を含む法人税等合計の影響により、親会社株主に帰属する中間純利益は38,277千円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は766,157千円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における営業活動による資金の増加は24,045千円となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益29,345千円の計上及び未払金の増加31,575千円により資金が増加したものの、法人税等の支払25,956千円により資金が減少したことによるものです。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は14,345千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による6,889千円の支出、敷金及び保証金の差入による支出5,406千円があったことによるものです。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における財務活動による資金の減少は11,760千円となりました。これは主に、長期借入金の返済により12,642千円の支出があったことによるものです。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

(7) 従業員数

当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数は前連結会計年度末に比べ56名増加し、178名となりました。これは主にシニアライフサポート事業において、業容の拡大に伴う採用を進めたことによるものです。なお、従業員数は就業人員数であります。

 

(8)生産、受注及び販売の実績

当中間連結会計期間において、受注及び販売の実績に著しい増加がありました。その内容については「(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

なお、当社グループは生産活動を行っておりません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。