第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

1.経営方針

(1)当社が目指す社会

 近年、我が国では、高度成長期以降に整備されたインフラ施設の老朽化が進む中で、老朽化による維持管理の負担増、インフラ維持・点検監視を行う労働力についても少子高齢化に伴う減少、ノウハウの属人化による技術のばらつきなど複数の課題解決が急務であり、新しいシステムによる社会活動の解決が必要となっております。

 当社は2030年ビジョンとして、インフラ等の強靭な社会システムを構築すべく、当社のBEPを自律分散(※1)型システムへと拡張し、新しい世界の社会インフラを支えるリーディングカンパニーになることを掲げました。具体的には、ドローン、ロボット、AGV等の新しい自律移動ロボットを繋ぐシステムのインフラとなり、スマートで新しいまちづくりに貢献することを目指してまいります。当該ビジョンの実現に向けて、産官学の垣根を超えた新たなソリューションを創出してまいります。

 

(2)経営理念

 当社は、「新しい発想(アイデア)・創造・技術革新(イノベーション)によって、世界中の人々に安心、安全、便利、楽しさを提供し、人々の豊かな生活の実現に貢献する。」を経営理念として掲げております。

 常にクリエイティブな技術者集団として、世界中の人々の生活の豊かさを実現すべく、イノベーションを起こし続け、人々の喜びである「楽しさ」を感じて頂けるようなサービスを提供し続けることを実現してまいります。

 

2.経営環境及び経営戦略

(1)経営環境

 前述の「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり、当社はBEPを基軸に、ドローンの適用拡大を進めながらロボットとの連携を実現し、ビジネスを拡大することを推進しております。

 当社の事業領域にあたる国内IoT市場の市場規模は、2022年度で6兆818億円(支出額ベース)であり、年間平均8.6%の伸長が想定され、2027年度には9兆1,877億円になることが見込まれております。(出所:IDC「国内IoT市場 産業分野別 テクノロジー別予測、2023年~2027年」)

 また、現在の当社の中核事業にあたるドローン事業に係る国内市場は、2022年度で3,086億円と推測され、2021年度の2,308億円から778億円増加(前年度比33.7%増)しております。2023年度には前年度比24.0%増の3,828億円に拡大し、2028年度には9,340億円(2022年度の約3.0倍)に達するものと見込まれております。(出所:インプレス総合研究所「ドローンビジネス調査報告書2023」)

 ドローンの社会活動への活用については、官民協議会においても導入に向けたロードマップが提示されており、操縦者の育成、ISOへの取組み、インフラ・プラント点検に関する取組み並びに運航管理システムの開発等が推進されている状況であり、ドローンの利用はますます拡大するものと当社は考えております。

 また、当社の現時点の主要領域である点検ソリューションの潜在市場規模については、ドローンの点検分野の市場規模は2022年度で602億円であり、2028年度までに2,145億円となり、点検分野全体の年平均成長率は24%とドローン全体の成長率(年平均成長率20%)よりも高い有望な市場となっております(出所:インプレス総合研究所「ドローンビジネス調査報告書2023」)。高度成長期に多数作られたインフラ設備の多くが老朽化したこと、さらにインフラの多くが高高度や狭小空間という人力では危険を伴う負荷の大きい作業であることが要因となっていると当社では考えております。

 当社のもう一つの主要領域である教育ソリューションの市場については、2022年12月に開始されたドローンの国家ライセンス制度の導入という大きな契機もあり、ドローンライセンスに注目が集まっている状況にあります。国家ライセンスについては、一等と二等が存在するものの、当社が連携しているJUIDA等の民間のドローンライセンス取得保持者には国家ライセンスの取得における負荷が小さくなる優遇処置があり、また、引き続き一定の申請手続きを行えば、民間ライセンスでも飛行は認められる等、継続して需要は見込めるものと考えております。

 ドローン飛行における許可承認申請件数については、2016年度から2022年度で年平均37%増加しており(出所:国土交通省ホームページ)、ドローンに関する教育のニーズは今後も高いものと当社では考えております。また、許可承認申請件数の増加に合わせて、ドローンの登録機体数及びパイロット数についても拡大していくものと考えております。

 

(2)経営戦略

 当社は、短期の経営戦略については、ドローンの「領域」と「機能」を拡大することで、高い成長を継続してまいります。また、中長期的には、BEPに蓄積されたフライトデータに関するビッグデータを活用して、ドローン市場における強固な地位を確立しつつ、ドローンやAGV等が自律して動くサービスを提供するプラットフォーマーとなることを目指してまいります。

① 領域の拡大

 今までに取り組んできた教育、点検ソリューションで着実に経営基盤を固め、2025年度に開催される大阪・関西万博を皮切りに、国際標準化に向けて活動してきたBEPポートを軸に、物流ソリューションを展開していく方針です。また、オフィスソリューション等のネクストソリューションを創造し、新しい領域のソリューション開発へ挑戦し続けます。

 現状の主要事業である点検ソリューションにおいては、橋梁の老朽化による点検ニーズが拡大しているものと認識していることから、当該領域の顧客開拓を推進して成長を実現してまいります。併せて、点検市場の拡大が進む中で教育ソリューションにおけるニーズも高まっていくことが想定されるため、基礎教育及び応用教育の拡大も目指してまいります。

 

② 機能の拡大

 当社は、「BEPパッケージ」を以下の4段階に区分して開発し、サービス提供を進めております。

 手動でドローン等を動かす(1)Standalone solutions、単体のドローンやロボット等がBEPと接続する (2)Connected solutions、ドローンやロボットの複数機種、複数台がBEPと接続する (3)Integrated solutions、BEPに接続されたドローンやロボット等が自律して動く (4)Network-based solutionsの4段階に分けて順に開発、サービス提供しております。

 

3.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社の収益構造は、実証実験等のフロー型売上の積上から、ドローン等のハードウェアのリースやBEPを軸としたソフトウェア、保守メンテナンス等のストック型売上を継続的に拡大することで、収益性を高めつつ、安定した売上成長を重視した経営を行っております。なお、安定した売上成長の観点では年間取引企業数及びストック型売上比率を意識し、また収益性を高めるためには、売上総利益率の高いソフトウェアサービスの売上(=BEPユーザーの利用料)及びBEPユーザー数(法人・個人)を伸ばしていくことが、客観的で重要な経営指標と考えております。

 

KPI

定義

採用理由

①年間取引企業数

当該年度に取引実績のある企業数

・法人顧客との取引の積み上げが売上につながる。

・年間取引企業の内訳は、新規顧客、既存顧客(リピート)で構成されている。既存顧客は、知見の蓄積並びにトラックレコードとして新規顧客の獲得につながる。また、同一顧客においてもサービス領域の拡張によるアップセルの基盤となる。

②ストック型売上比率

継続的な収益をもたらす契約による売上が全体に占める比率

・継続的、安定的な収益の比率を示す。

・ストック型の売上として、ドローン機体やAGV等のリース契約、BEPを軸としたソフトウェア、保守メンテナンスの月額課金形態により継続的に提供するサービスで構成。

③BEPユーザー数(法人)

BEPを利用している法人数(のべ数)

・BEPを活用している法人数が、利益率の高いソフトウェアサービス売上の源になる。

・知見の蓄積並びにトラックレコードの積上げが新たな顧客の獲得につながるため、のべ数をKPIとしている。

③BEPユーザー数(個人)

BEPを利用している個人数(累計)

・BEPを活用している人数が、利益率の高いソフトウェアサービス売上の源になる。

④BEPユーザー利用料(ソフトウェア売上高)

BEPユーザーのBEP利用に伴うソフトウェアライセンス利用料

・利益率の高いソフトウェアサービス売上の拡大が会社全体の収益性の向上につながる。

 

4.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(1)顧客の拡大

 特に現在の主要事業である点検ソリューションでは、既存顧客からのアップセル及び新規顧客の開拓を両輪として成長を目指してまいります。具体的には各既存顧客へのアップセルは、BEPインスペクション、BEPライン、BEPサーベイランスについて、主に各電力会社といずれかの契約を締結している状況であるため、BEPインスペクションからBEPラインへ、BEPラインからBEPサーベイランスへというように、他のソリューションへの契約拡大を行う方針であります。また、各ソリューションにおいてPoC段階の顧客も存在することから、本サービスにつなげることで、売上の拡大につなげてまいります。また、新規顧客の拡大については、橋梁及び水管橋という新たな業界がターゲットになるものと考えております。当業界は、非GPSかつ非常に複雑で狭小である特殊な環境下であることから当社の強みとなるセンシングの技術を活かせる領域と認識しております。橋梁向けの新BEPパッケージを提供して、顧客の拡大を推進してまいります。

 また、教育ソリューションでは、国家ライセンスの導入が後押しになり、よりJUIDAと連携した民間ライセンス取得の流れが加速すると当社は考えております。その中で基礎教育におけるスクール運営の受託事業を中心に売上が安定的に成長するものと考えております。加えて、ドローン業界が拡大する中で、各業界におけるドローン利用が進み、応用教育における講習のニーズが拡大するものと考えております。国や大手企業との実績のある当社が当該ニーズを獲得して、売上成長につながるものと考えております。

 

(2)優秀な人材の獲得

 当社は、導入コンサルティングからアジャイル型のソリューション開発、運用・サポートまで一気通貫で提供することに強みがあり、それを支える最先端の技術者として今までに世界10ヵ国・地域以上から参加しており、高い技術水準を維持しています。エンジニアの獲得が世間一般で逼迫しており、優秀なエンジニアの獲得は重要な経営課題です。さらに、国内にはセンシングの開発可能なエンジニアの数が少ないため、当社は日本のみならず世界中から人材採用しております。当社のカルチャーは、多様性を重視しており、海外エンジニア社員の当社への評価も高く、社員紹介制度等を導入し、引き続き日本に限らず海外も含めて積極的に人材採用し、優秀なエンジニアを確保しつつ、次のステップへの開発体制を引き続き強化してまいります。

 

(3)新しい領域への参入

 2016年に開催された小型無人機(ドローン)に係る環境整備に向けた官民協議会の中で「無人航空機(ドローン)の利活用と技術開発のロードマップ」案が示され、この中で、小型無人機の将来的な利用形態の本格化に際し必要となる技術開発や環境整備に向け、飛行技術に応じたレベル分けが示されました(出所:経済産業省「小型無人機の利活用と技術開発のロードマップ」)。我が国は、今まで、無人地帯での目視外飛行が可能な「レベル3」の段階にありましたが、2022年12月5日には、都市部を含む有人地帯での目視外飛行(第三者上空)が可能になる「レベル4」が解禁されました。

 今後、レベル4解禁で求められるドローンの自動化技術として、社会実装に不可欠な充電などを可能とするドローンの離発着場「ドローンポート」があらゆるソリューションで重要になると当社は考え、今までにドローンポートのシステム部分(Vertiport information system)の開発と国際標準化を進めてきました。レベル4では、人々の頭上を複数ドローンが自動飛行するようになり、安全で確実なドローンの自動離発着や自動充電が重要となり、また物流ソリューションでは、他モビリティとの自動連携、物流のハブ機能としての役割も重要となります。さらに、荷物の受け渡しにおけるセキュリティ向上の観点から、着荷と荷物の一時保管(宅配ボックス機能)も重要になることが予想され、当社はレベル4における新たな社会インフラとなるドローンポートの開発を推進していきます。

 当社は、先行的に仙台市において、レベル3ではありますが、東日本大震災の教訓を踏まえ、津波からの避難を呼び掛けるための新たな広報手段として、津波避難広報ドローンポートのシステムの開発を行い、2022年10月17日から本格運用を開始し社会実装しております(複数社との共同企業体による開発)。津波警報等(津波注意報、津波警報及び大津波警報)の発表とともに、全自動で2機のドローンが常設されたドローンポートから離陸・飛行し、沿岸部を訪れている方に対して、搭載するスピーカーから避難を呼びかける音声とサイレンを流すことにより、人の手を介さずに、自動で避難広報を行います。常設されたドローンポートの自動化事例では国内初であり、さらに「自動運航のドローンにより津波避難広報を行うこと」及び「専用のLTE通信網でドローンの制御等を行うこと」の2点において世界初の事例となります。

 

(4)新しい機能の拡大

 現在は、手動でドローン等を動かす(1)Standalone solutions、単体のドローンやロボット等がBEPと接続する (2)Connected solutions、ドローンやロボットの複数機種、複数台がBEPと接続する (3)Integrated solutionsの開発まで完了し、サービスを提供しております。

 今後は、(4)Network-based solutions(自律分散)の開発を進め、サービス提供に必要な高度150m以下の空のインフラにおいて、完全なる自律型空間を創るクラウドモビリティ構想(※2)の実現に向けて、グリッドベースナビゲーション(※3)、ブロックチェーン(※4)、確率論的AIモデル(※5)の技術を活用し、BEPのさらなる拡張を目指します。

 

(5)蓄積されたデータの活用

 レベル4に向けて、自動化が加速する中、ますます重要になるのが飛行の安全性であり、その源になるのがフライトログ等の「ビッグデータ」のリアルタイム収集・解析となります。当社のBLUE SKYは、フライトログ、映像・解析データなどをBEPのクラウドに格納し、ビッグデータ化を進めております。さらにAIとも連携し、今後様々なサービスを提供する計画であり、当社は多くのパイロットのビッグデータを保有することで、今後、飛行の安全性の観点で大きく市場へ貢献すると共に、当社サービスの永続性を担保します。

 

(6)組織体制の整備及び内部管理体制の強化

 当社を取り巻く事業環境が急速に変化する中で、安定的かつ継続的に成長していくためには、組織体制の整備・強化を行うことが不可欠であります。このため、事業規模や成長ステージに合わせバックオフィス機能を拡充していくとともに、経営の公正性・透明性を確保するための組織体制の整備や内部管理体制強化に取り組んでまいります。

 具体的には、監査等委員会設置会社への移行や社外取締役の登用によりコーポレート・ガバナンス機能の充実、事業運営上のリスク管理や定期的な内部監査の実施による内部統制システムの強化を行っております。今後も会社の規模に合わせた適正な統制強化を行ってまいります。

 

(7)収益性の向上

 当社の売上高は2020年より36%成長(年平均成長率)で推移していますが、当社のコストの大半は人件費と研究開発費が占めており、先行して人員と研究開発を増強しているため営業損失を計上しています。先行投資の実行により売上高は成長しており先行投資の影響で今までに継続的に営業損失を計上しているものの、赤字幅は2021年以降毎年縮小しております。今後、長期的に高い成長を維持するための先行投資(重点施策)として、主に「BEP新規ユーザーの獲得」と「BEPの機能拡大」を考えており、実現のために①セールス・開発の強化(人件費)、②マーケティングの強化(広告宣伝費)に投資する計画です。なお、当社ビジネスモデルはソフトウェアの開発(BEPの機能拡大)・提供が中心であることから、ハードウェアの開発・提供を行う他社と比較して研究開発費等の事業上の必要経費は少ないものと当社は考えており、利益率の高いソフトウェアによる売上(=BEPユーザー利用料)を拡大(=BEPユーザー数の拡大)することで、収益性の向上を進めております。また、当社は実証実験からスタートして、トライアル、本格導入に至ることが多いことから、既存顧客との継続取引も多い状況であります。今後についても、既存顧客への最適なソリューションの提供により、契約が継続するように推進し、契約として継続収益形態(ドローン機体のリース契約またはソフトウェアの月額課金形態)の拡大を推進して、さらなる収益性の向上及び黒字化の実現を目指してまいります。

 

<用語解説>

 本項「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」において使用しております用語の定義については、以下のとおりであります。

No.

用語

用語の定義

※1

自律分散

全体を統合する中枢機能を持たず、自律的に行動する各要素の相互作用によって全体として機能すること。

※2

クラウドモビリティ構想

全てのモビリティは、BEPで創られたグリッド空間と繋がり、グリッド内の情報がリアルタイムで取得でき、結果として時々刻々と変化する最適な飛行ルートを提供可能な世界。

※3

グリッドベースナビゲーション

モビリティ(自律移動ロボット)が移動する空間を格子状に分割し、モビリティの移動経路を動的に算出する計算手法。

※4

ブロックチェーン

分散型ネットワークを構成する複数のコンピューターに、暗号技術を組み合わせ、取引情報などのデータを同期して記録する手法。

※5

確率論的AIモデル

モビリティの位置を確率分布で扱い、そのデータを元に将来の位置をディープラーニングで算出する手法。

 

2【事業等のリスク】

 当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。

 なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

1.事業に関するリスク

(1)ソリューション開発(顕在化の可能性:中、影響度:中)

 当社では、BEPを基軸としたドローンやロボットとの連携によるサービスの実用化に向けて、顧客と共同でソリューション開発を進めております。しかしながら、ソリューション開発には多くの不確実性が伴い、当初想定した成果が得られない場合、又は成果が十分に収益に繋がらない場合も想定されます。また、顧客のニーズによる開発途中の要件変更や品質改善要求、開発遅延等により当初計画どおりのソリューション開発及びサービス提供がなされない場合も想定され、その場合は当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)輸入販売ドローンの調達について(顕在化の可能性:中、影響度:中)

 当社で販売しているELIOSシリーズのドローン(以下、ELIOS)はスイスに本社を置くFlyability SA社の製品であり、同社とはELIOS販売に関するReseller契約を毎年締結して、日本における独占販売権を保有しており、また製品の安定確保などが十分に保証されるよう努めております。しかしながら、今後の同社との契約更新の協議の際に独占販売権の喪失や製品の安定確保が困難な状況となった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、ELIOSは、当社が求めている屋内の点検可能なドローンハードウェアとして、特殊な球体ガード、飛行の安定性、操作性で優れておりますが、今後、他に優位性がある屋内点検可能なドローンが出てきた場合には、当社はあらゆるハードウェアとも連携し、特定のハードウェアに依存しない方針を取っているため、ELIOS以外のドローンに切り換えることは可能です。しかしながら、新たなドローンへの切り換えに係るソフトウェア等の調整や、新たなドローンの安定調達確保に時間を要した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)急速な技術革新への対応(顕在化の可能性:中、影響度:中)

 当社の事業に関連する、人が実施していた業務をドローンやロボットにより代替する技術は、世界的に研究開発が進んでおり、技術革新のスピードが極めて速い分野であります。当社はこうした技術革新に対応できる研究開発活動を推進することで、より事業基盤の拡大を図ってまいります。しかしながら、技術革新への対応が遅れる可能性もあり、その場合には当社の競争力が低下することで、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)業績変動の季節性(顕在化の可能性:高、影響度:小)

 当社は、主に大企業向けにソリューションサービスの提供を行っており、顧客企業の予算消化サイクルや、年間契約案件の検収が年末(12月)又は年度末(3月)に集中するため、年末及び年度末に売上が集中する傾向にあり、第1四半期(1月~3月)と第4四半期(10月~12月)に売上高が偏る傾向にあることから、期ずれなどにより翌期へ売上が計上されることがあります。

 

2021年12期

第1四半期

2021年12期

第2四半期

2021年12期

第3四半期

2021年12期

第4四半期

売上高(千円)

196,590

151,895

150,528

226,665

 

 

2022年12期

第1四半期

2022年12期

第2四半期

2022年12期

第3四半期

2022年12期

第4四半期

売上高(千円)

267,790

178,890

192,481

269,236

 

(5)先行投資に伴う財務影響について(顕在化の可能性:中、影響度:中)

 当社は、前述「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 4.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の通り、主力サービスへの開発資金の調達、技術課題、人的サービスからサブスクリプションへの移行、並びに組織体制の整備及び内部管理体制の強化によるコスト増加等の要因により、過年度の業績に関して継続的に赤字を計上しており、2021年12月期及び2022年12月期において、営業損失(2021年12月期△391,054千円、2022年12月期△349,526千円)を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナス(2021年12月期△282,436千円、2022年12月期△365,236千円)の状況となっております。

 当社は、費用対効果を見ながら、今後も継続的に必要な投資を実施する方針であり、引き続き一定期間において赤字を計上することを想定しております。中長期的な利益及びキャッシュ・フローの最大化を目指して各事業における成長戦略を進めていく方針ですが、事業環境の急激な変化等により、これらの継続的な投資が当社の想定する成果に繋がらなかった場合や、新規参入事業において当社が想定する収益化に遅れが生じる場合等においては、収益計上のタイミングにより一時的に債務超過になる等、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6)重大事故等によるドローンの社会的信用の失墜(顕在化の可能性:低、影響度:中)

 当社に限らず、他社においてもドローンに関する重大な墜落事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用が低下することにより、顧客からの需要低下、規制の強化等により市場の成長が減速する可能性があり、その場合は、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(7)ドローン関連法令の改廃(顕在化の可能性:中、影響度:小)

 当社は、当該法規制の確認体制を構築して、法規制等の遵守に努めておりますが、今後、予期せぬ規制の制定・改廃が行われることや予定されている規制緩和が計画通りに進まないことも想定されます。そのような場合に、当社が、当該法規制に柔軟に対応できない場合には、許認可・免許の取り消し等により、当社の活動が制限されることがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

① 航空法

 航空法については、当社がドローンを飛行の禁止空域で飛行させること及び所定の飛行の方法によらず飛行させることに関して、同法に基づく許可・承認を得て飛行を行っております。また、有人地帯における目視外飛行(レベル4)に関する航空法の改正がなされ、2022年12月5日より施行となっております。航空法の改正により国家資格化されたドローン免許制度の導入も始まり、ドローンライセンスに注目が集まっています。国家ライセンスについては、一等と二等が存在するものの、当社が連携している一般社団法人日本UAS産業振興協議会(以下、JUIDA)等の民間のドローンライセンス取得保持者には国家ライセンスの取得における負荷が小さくなる優遇処置があり、また、引き続き一定の申請手続きを行えば、民間ライセンスでも飛行は認められる等、継続して需要は見込めるものと考えております。一方、今後、JUIDAの民間ドローンライセンスの新規会員数は、国家ライセンスの取得に少しずつ移行し、減少する可能性もあります。

② 電波法

 電波法については、ドローンの操縦には電波を使用するため、他の装置との混線などを防ぐため「特定無線設備の技術基準適合証明(通称:技適)」の取得が義務付けられております。よって、海外製ドローンの輸入にあたっては技適の取得を申請する必要があります。

③ 製造物責任法

 製造物責任法については、当社はドローンの輸入販売及びドローンなどに付随するソフトウェアの開発・販売等を行っているため、当社商製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、損害賠償請求が認められる可能性があります。

④ 外国為替及び外国貿易法

 外国為替及び外国貿易法については、当社が仕入れる製品及び部品の一部は、規制の対象となる可能性があります。そのため、当社が海外よりドローンの輸入、又は関連する技術の授受をする場合は、同法を遵守して適切な輸入管理に努めております。なお、仕入先国の法令や政策変更などにより外国為替法環境が変化した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)経済動向及び市場環境による影響(顕在化の可能性:中、影響度:小)

 企業を取り巻く環境や労働人口減少に伴う企業経営の効率化などの動きにより当社が事業を展開する市場は今後も拡大すると予想されるものの、企業の景気による影響や各種新技術の発展による影響を受ける可能性があります。当社が事業を展開する市場が経済情勢や技術革新などにより事業環境が変化した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)競合他社の参入(顕在化の可能性:中、影響度:小)

 当社が属するIoT及びドローン関連の市場は成長市場として注目され、市場は拡大傾向にあります。当社では、BEPを基軸としたドローンやロボットを利用するサービス提供に係るノウハウやデータを活かし、引き続き顧客のニーズを汲んだサービス提供ができるよう努める方針であります。

 しかし、競合企業の新規参入や、競合企業がより優れたサービスを安価で提供した場合、当社の競争力が低下する可能性があります。また、このような競合企業のサービスが当社の各サービスの機能より劣っていたとしても、ユーザーはより低い価格を求めて当該競合企業のサービスを選択する可能性があり、そのような場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)システム障害やインターネット環境の不具合(顕在化の可能性:中、影響度:小)

 当社ではクラウド型のプラットフォームサービスの提供を想定していることから、インターネット通信網に依存する形となります。ホスティングサービス業者に障害が生じ、代替手段の調達ができずにサービスが長時間にわたり中断する等の事象が発生した場合や、自然災害、事故、不正アクセス等によって通信ネットワークの切断、サーバー等ネットワーク機器に作動不能等の障害が発生した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)特定取引先との契約について(顕在化の可能性:低、影響度:中)

 JUIDAは、ドローン(Unmanned Aircraft Systems=無人航空機システム。以下、UAS)操縦者の養成やUAS業界の発展・育成を目的として2014年7月に設立され、当社はその設立に参画しております。出資関係や役員の兼務はありませんが、代表取締役社長の熊田貴之の父である当社創業者の熊田知之氏がJUIDAの理事兼事務局長を務めていることから、人的・資本的な関連を強く有すると考えられる者である「その他の特定の者」に該当すると判断しております。

 JUIDAとの取引は今後も継続する予定でありますが、取引を行うにあたり、「関連当事者取引管理規程」に基づき、その取引が当社の経営の健全性を損なっていないか、合理的判断に照らし合わせて有効であるか、また取引条件は他の外部取引と比較して適正であるか等に特に留意して、社外取締役も出席する取締役会において協議・決議を行うことで、少数株主やその他の一般取引先に不利益が生じないように配慮しております。2022年12月期では、売上高全体に占めるJUIDAへの売上高比率は22.8%(207,125千円)となっておりますが、現在推進しているソリューションサービスの提供拡大に伴い、全体に占める相対的な割合は逓減する見通しです。主な取引内容は、BEPシステム利用料/BEPシステム保守料/会員管理などのJUIDA会員管理業務などとなっております。

 また、JUIDAとは良好な関係を築いており、現時点において取引関係等に支障は生じておりませんが、今後何らかの理由により取引契約の更新がなされない場合や、取引条件の変更が生ずる場合等には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.経営管理体制に関するリスク

(1)知的財産権(顕在化の可能性:低、影響度:小)

 当社は、自社開発又は第三者との共同開発によって蓄積する技術について、日本及び主要国において積極的に特許出願や商標出願を行い、当社の知的財産権の保護に努めております。しかしながら、第三者が当社の知的財産権を侵害して不正に利用することを完全に防止することは困難であり、そのような侵害が発生した場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社の技術が第三者の知的財産権を侵害しないよう相当の努力を払っておりますが、それでもなお第三者から権利侵害の申立てを受ける可能性があります。当社が意図せず第三者の知的財産権を侵害してしまった場合等には、高額の費用を要する訴訟又はライセンス契約の締結に至る場合があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)機密情報等の漏洩(顕在化の可能性:低、影響度:中)

 当社が提供するソリューションサービスにおいては、その業務の性格上、顧客側で保有している機密情報や個人情報に触れる場合があります。情報の取扱いについては詳細な規程の整備と的確な運用を義務づけております。このような対策にも関わらず当社の人的オペレーションのミス等、その他予期せぬ要因等により、情報漏洩が発生した場合には、当社が損害賠償責任等を負う可能性があり、その場合は当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)特定の人物への依存(顕在化の可能性:低、影響度:中)

 当社の代表取締役社長最高執行役員である熊田貴之は、当社(社名変更後のブルーイノベーション)就任後より事業に大きく貢献しており、就任以来当社の経営方針や事業戦略の立案及び遂行において重要な役割を果たしております。当社では、特定の人物に依存しない体制を構築すべく、権限移譲や組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の経営執行等を継続することが困難になった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、同氏から当社金融機関借入に対する債務保証を受けております。第24期会計年度末の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(関連当事者情報)」に記載しております。この債務被保証について保証料の支払いを行っておらず、また、債務保証のない借入金への借り換え等により当該債務被保証を解消していく方針であります。

 

(4)優秀な人材の確保と育成(顕在化の可能性:低、影響度:小)

 当社が今後更なる成長を成し遂げていくためには、優秀な人材の確保と育成を重要課題の一つであると位置づけております。当社は現在も優秀な人材の採用を進めておりますが、これらの要員を十分に採用できない場合や、採用後の育成が十分に進まなかった場合、あるいは在職中の従業員が退職するなどした場合には、当社の事業拡大の制約となり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)内部管理体制について(顕在化の可能性:低、影響度:小)

 当社は、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が必要不可欠であると認識しております。そのため、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、また法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しております。しかしながら、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追い付かない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業、業績及び財務報告の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.その他のリスク

(1)自然災害等(顕在化の可能性:低、影響度:中)

 当社は、大規模な地震等の自然災害、火災や停電等の事故、新型コロナウイルス等の疫病の流行、コンピューターウイルスに起因する情報システムの停止、テロ行為などによる事業活動の停止等にはその時々に応じて対応をしております。しかしながら、想定を超える大災害等の発生により営業活動が阻害された場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)訴訟、係争について(顕在化の可能性:低、影響度:中)

 当社では、本書提出日現在において業績に影響を及ぼす訴訟や係争は生じておりません。しかしながら、今後何らかの事情によって当社に関連する訴訟、係争が行われる可能性は否定できず、かかる事態となった場合、その経過または結果によっては、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、点検時の瑕疵や重大事故発生等により責任を追及されるリスクに関しては、当社の責任範囲が限定されるような契約内容となるよう努めているものの、顧客との契約内容次第では当社の責任範囲が大きくなる可能性があります。現状は、重大事故等は発生していないものの、今後発生した場合には、損害賠償請求による金銭的影響やレピュテーションへの影響が発生する可能性があります。

 

(3)税務上の繰越欠損金(顕在化の可能性:低、影響度:小)

 当社は税務上の繰越欠損金を有しております。当社の業績が順調に推移し、繰越欠損金が解消した場合や税法改正により繰越欠損金による課税所得の控除が認められなくなった場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)配当政策(顕在化の可能性:低、影響度:小)

 当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら、当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。将来的には、各期の財政状態及び経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく所存でありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

(5)新株予約権・ストック・オプション行使による希薄化リスク(顕在化の可能性:中、影響度:小)

 当社は役員及び従業員等に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブを目的としてストック・オプションを付与しております。今後も優秀な人材確保のためのストック・オプションを発行する可能性があり、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は345,640株であり、発行済株式総数3,279,351株の10.5%に相当しております。

 

 

(6)上場後のベンチャーキャピタル等持分の売却リスク(顕在化の可能性:高、影響度:中)

 本書提出日現在におけるベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「VC等」という。)が所有している株式数は1,037,382株であり、発行済株式総数3,279,351株に占める割合は31.6%となっております。

 一般的に、VC等による未公開企業の株式所有目的は、株式公開後に売却を行い、キャピタルゲインを得ることであります。今後、VC等が所有する当社株式が市場にて売却された場合には、当社株式の売却圧力が顕在化し、市場価格に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)当社株式の流動性について(顕在可能性:中、影響度:中)

 当社は、株式会社東京証券取引所グロース市場への上場に際しては、本公募及び売出しによって当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率について、新規上場時において27.7%にとどまる見込みです。今後は、役員への一部売出しの要請、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加等により、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

第24期事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

(資産)

 当事業年度末における流動資産は832,530千円となり、前事業年度末に比べ80,261千円減少いたしました。これは主に売掛金及び契約資産が33,631千円、商品及び製品が25,924千円、原材料及び貯蔵品が7,663千円増加したものの、人件費・研究開発費などの先行投資による営業損失の計上により現金及び預金が147,791千円減少したことによるものであります。固定資産は104,590千円となり、前事業年度末に比べ22,505千円減少いたしました。これは主に有形固定資産が12,232千円、無形固定資産が9,326千円減少したことによるものであります。

 この結果、総資産は937,121千円となり、前事業年度末に比べ102,767千円減少いたしました。

 

(負債)

 当事業年度末における流動負債は176,609千円となり、前事業年度末に比べ19,330千円増加いたしました。これは主に受注損失引当金が20,822千円減少したものの、買掛金が9,569千円、1年内返済予定の長期借入金が7,500千円、未払金が18,594千円、未払法人税等が8,159千円増加したことによるものであります。固定負債は394,543千円で、前事業年度末に比べ7,500千円減少いたしました。これは長期借入金が7,500千円減少したことによるものであります。

 この結果、負債は571,152千円となり、前事業年度末に比べ11,830千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産は365,968千円となり、前事業年度末に比べ114,597千円減少いたしました。これは主に第1四半期会計期間に第三者割当増資を実施し、資本金及び資本準備金がそれぞれ114,998千円増加したものの、当期純損失を345,123千円計上したことによるものであります。また、財務の健全化を図ることを目的とした欠損填補により、その他資本剰余金394,997千円を繰越利益剰余金に振替えております。

 この結果、自己資本比率は39.1%(前事業年度は46.2%)となりました。

 

第25期第3四半期累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年9月30日)

(資産)

 当第3四半期会計期間末における流動資産は682,436千円となり、前事業年度末に比べ150,094千円減少いたしました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産が93,710千円減少、現金及び預金が46,916千円減少したことによるものであります。固定資産は107,640千円となり、前事業年度末に比べ3,050千円増加いたしました。

 この結果、総資産は790,076千円となり、前事業年度末に比べ147,044千円減少いたしました。

 

(負債)

 当第3四半期会計期間末における流動負債は215,895千円となり、前事業年度末に比べ39,286千円増加いたしました。これは主に預り金が11,677千円増加、1年内返済予定の長期借入金が9,240千円増加、前受金が8,814千円増加したことによるものであります。固定負債は479,678千円で、前事業年度末に比べ85,135千円増加いたしました。これは長期借入金が85,135千円増加したことによるものであります。

 この結果、負債は695,573千円となり、前事業年度末に比べ124,421千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当第3四半期会計期間末における純資産は94,503千円となり、前事業年度末に比べ271,465千円減少いたしました。これは四半期純損失の計上によるものであります。

 この結果、自己資本比率は12.0%(前事業年度は39.1%)となりました。

 

② 経営成績の状況

第24期事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

 当事業年度における我が国経済は、ウクライナ情勢の長期化に伴う物価上昇や世界経済の減速並びに急激な円安の影響を受けて、依然として経済の見通しは不透明な状況にありましたが、一方、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の進展や感染症対策の効果もあり、経済活動は再開し景気は緩やかに持ち直しの動きが見られておりました。

 このような状況の中、我が国では、今までの都心部への集中したまちづくりから、地域へ分散するまちづくり「スーパーシティ」へと移行し、上記のような経済危機に加え災害などに耐えうる強靭なまちづくりにシフトしようと動いております。こうした背景から、当社は2030年ビジョンとして「世界が自律分散型社会へとパラダイムシフトすることを予見して、当社のBEPを自律分散型システムへと拡張し、新しい世界の社会インフラを支えるリーディングカンパニーになること」を掲げて事業を行っております。具体的には、BEPはドローン、ロボット、AGV等の新しいデバイスを繋ぐシステムのインフラとなり、スーパーシティのインフラとなるシステムへと繋がり、各種ソリューションを提供し、スマートなまちづくりに貢献していく計画であります。

 当事業年度の経営成績は、売上高908,399千円(前年同期725,680千円、前年比25.2%増)、営業損失349,526千円(前期は営業損失391,054千円)、経常損失341,454千円(前期は経常損失393,870千円)、当期純損失345,123千円(前期は当期純損失394,997千円)となりました。

 

 当事業年度の売上において、特に教育と物流の2つのソリューションが順調に進捗いたしました。なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、当社の販売実績を4つのソリューション別「点検、教育、物流、ネクスト」に区分した売上高の状況は、次のとおりであります。なお、「ネクスト」は、オフィス及び新規のソリューション開発案件を示します。

(単位:千円)

 

ソリューション区分

前事業年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

当事業年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

点検

338,780

325,122

教育

212,878

244,345

物流

90,656

252,841

ネクスト

83,364

86,090

合計

725,680

908,399

・点検ソリューション

 点検ソリューションは、燃料価格高騰に伴うエネルギー業界(電力等)の不況による設備投資予算の圧縮等を要因として、実績325,122千円(前年同期比4.0%減)と前事業年度に比べ13,658千円の下振れとなりました。

・教育ソリューション

 教育ソリューションは、JUIDA会員の堅調な増加に伴う管理業務の運営受託並びにパイロット管理システム収入が順調に推移し、実績244,345千円(前年同期比14.8%増)と前事業年度に比べ31,466千円の上振れとなりました。

・物流ソリューション

 物流ソリューションは、国土交通省の受託事業である物流用ドローンポート(BEPポート)の実証実験に加え、大手メーカーとの倉庫内運搬の研究開発案件及び仙台市津波対策ドローンポート案件における業務受託が貢献し、実績252,841千円(前年同期比178.9%増)と前事業年度に比べ162,185千円と大幅な上振れとなりました。

・ネクストソリューション

 ネクストソリューションは、3月にオフィス清掃ソリューション「BEPクリーン」のトライアルサービス開始をリリースし、大手不動産企業やゼネコンをはじめ順調にユーザーを増やし、実績86,090千円(前年同期比3.3%増)と前事業年に比べ2,726千円の上振れとなりました。

 

 当社は、安定した売上成長の観点では年間取引企業数、及びストック型売上(ドローン等のハードウェアのリースやBEPを軸としたソフトウェア、保守メンテナンス等)の比率を意識し、また収益性を高めるためには、売上総利益率の高いソフトウェアサービスの売上(=BEPユーザーの利用料)及びBEPユーザー数(法人・個人)を伸ばしていくことが、重要であると考えております。

 当事業年度における取引企業数は142社、ストック型売上比率は27.2%、BEPユーザーの累計数は92社(法人)、87,677人(個人)となり、ソフトウェア売上高は109,470千円となりました。

 

第25期第3四半期累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年9月30日)

 当第3四半期累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に関わる制限緩和による経済活動の正常化の動きが続いている一方で、円安に伴う物価上昇や金融引締めによる海外経済の減速が日本経済を下押しするリスクに留意が必要な状況となっています。

 このような状況の中、当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高747,545千円、売上総利益368,937千円、営業損失274,211千円、経常損失268,540千円、四半期純損失271,465千円となりました。

 なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。当社の販売実績を4つのソリューション別「点検、教育、物流、ネクスト」に区分した売上高の状況は次のとおりであります。

(単位:千円)

ソリューション区分

当第3四半期累計期間

(自 2023年1月1日

   至 2023年9月30日)

点検

336,026

教育

216,476

物流

159,779

ネクスト

35,262

合計

747,545

・点検ソリューション

 点検ソリューションは、送電線点検用のセンサモジュールや点検用ドローンの販売、及び点検運用サービスの拡大により336,026千円となりました。

・教育ソリューション

 教育ソリューションは、ドローンの飛行日誌作成・情報管理サービス「BLUE SKY」を2月に提供開始したことに伴う売上拡大により216,476千円となりました。

・物流ソリューション

 物流ソリューションは、国土交通省からの受託事業である物流用ドローンポートの開発と国際標準化に向けた実証実験等により159,779千円となりました。

・ネクストソリューション

 ネクストソリューションは、オフィス清掃サービス等により35,262千円となりました。

 当社は、安定した売上成長の観点では年間取引企業数、及びストック型売上(ドローン等のハードウェアのリースやBEPを軸としたソフトウェア、保守メンテナンス等)の比率を意識し、また収益性を高めるためには、売上総利益率の高いソフトウェアサービスの売上(=BEPユーザーの利用料)及びBEPユーザー数(法人・個人)を伸ばしていくことが、重要であると考えております。

 当第3四半期累計期間における取引企業数は126社、ストック型売上比率は29.6%、BEPユーザーの累計数は120社(法人)、97,591人(個人)となり、ソフトウェア売上高は175,490千円となりました。今年2月よりサービスを開始したドローン飛行日誌作成・情報管理サービス「BLUE SKY」への加入者数が好調に増加したことが、ストック型売上比率、BEPユーザー数(個人)、ソフトウェア売上高に寄与しました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

第24期事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前事業年度末に比べ147,791千円減少し、527,304千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の減少は365,236千円(前年同期は282,436千円の支出)となりました。主な増加要因としては、減価償却費43,055千円、仕入債務の増加額9,569千円、未払金の増加額18,594千円であり、主な減少要因としては、税引前当期純損失の計上342,423千円、受注損失引当金の減少額20,822千円、売上債権の増加額26,723千円、棚卸資産の増加額40,165千円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は12,551千円(前年同期は52,145千円の支出)となりました。減少要因としては、有形固定資産の取得による支出12,551千円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の増加は229,996千円(前年同期は400,000千円の獲得)となりました。増加要因としては、株式の発行による収入229,996千円であります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社の事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 第24期事業年度及び第25期第3四半期累計期間の販売実績は、次のとおりです。なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載は省略しております。

セグメントの名称

第24期事業年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

第25期第3四半期累計期間

(自 2023年1月1日

至 2023年9月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

販売高(千円)

ドローン関連事業

908,399

125.2

747,545

 (注) 最近2事業年度及び第25期第3四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

第23期事業年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

第24期事業年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

第25期第3四半期累計期間

(自 2023年1月1日

至 2023年9月30日)

金額(千円)

割合

(%)

金額(千円)

割合

(%)

金額(千円)

割合

(%)

一般社団法人日本UAS産業振興協議会

112,192

15.5

207,125

22.8

162,960

21.8

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたり、決算日における財政状態及び会計期間における経営成績に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、この見積りと異なる場合があります。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。

 会計上の見積りのうち、特に重要なものは次のとおりであります。

 

(受託案件の進捗度に基づく収益認識)

 当社は、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しており、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積もることができる場合には、進捗度に基づき収益を認識しております。

 進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した原価が、原価総額の見積りに占める割合に基づいて行っております。進捗度の測定は原価総額の見積りに占める割合に影響を受けるため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

(固定資産の減損)

 当社のドローン関連事業の営業損益は2期連続してマイナスとなっていることから、固定資産に減損の兆候があるものと判断し、減損損失の認識の判定を行っております。減損損失の認識の判定における割引前将来キャッシュ・フローの総額は取締役会で決議された中期経営計画に基づき策定しております。

 今後の売上高の成長率や市場環境の変化等の仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等によって影響を受ける可能性があり、予測不能な事態によりキャッシュ・フローの状況が見積りと異なった場合、財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

第24期事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

 

(売上高、売上原価、売上総利益)

 売上高は、主に教育ソリューション及び物流ソリューションの伸長などにより908,399千円(前事業年度比182,719千円増)となりました。売上原価は、売上高の増加に伴い517,581千円(前事業年度比30,384千円増)となりました。

 この結果、当事業年度の売上総利益は390,818千円(前事業年度比152,334千円増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業損失)

 販売費及び一般管理費は、主に前事業年度に入社した従業員の給料及び手当の通年計上などの影響により740,344千円(前事業年度比110,807千円増)となりました。

 この結果、当事業年度の営業損失は349,526千円(前事業年度営業損失391,054千円)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常損失)

 営業外収益は、主に保険金収入の増加などにより9,699千円(前事業年度比1,904千円増)となりました。営業外費用は、主に事故対応費用の減少などにより1,627千円(前事業年度比8,984千円減)となりました。

 この結果、当事業年度の経常損失は341,454千円(前事業年度経常損失393,870千円)となりました。

 

(特別利益、特別損失、税引前当期純損失)

 特別利益は発生しておりません。特別損失は、固定資産除却損の増加により968千円(前事業年度比532千円増)となりました。

 この結果、当事業年度の税引前当期純損失は342,423千円(前事業年度税引前当期純損失394,307千円)となりました。

 

(法人税等、当期純損失)

 法人税等については、増資に伴う資本金等の額の増加などにより2,700千円(前事業年度比2,010千円増)となりました。

 以上により、当事業年度の当期純損失は345,123千円(前事業年度当期純損失394,997千円)となりました。

 

第25期第3四半期累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年9月30日)

 

(売上高、売上原価、売上総利益)

 売上高は、主に点検ソリューション及び教育ソリューションの伸長などにより747,545千円となりました。売上原価は、売上高の増加に伴い378,607千円となりました。

 この結果、当第3四半期累計期間の売上総利益は368,937千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業損失)

 販売費及び一般管理費は、従業員の採用費、給料及び手当、支払報酬料、研究開発費などの計上により643,148千円となりました。

 この結果、当第3四半期累計期間の営業損失は274,211千円となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常損失)

 営業外収益は、主に保険金収入などにより8,360千円となりました。営業外費用は、支払利息、為替差損の計上により2,689千円となりました。

 この結果、当第3四半期累計期間の経常損失は268,540千円となりました。

 

(特別利益、特別損失、税引前当期純損失)

 特別利益は発生しておりません。特別損失は、固定資産除却損の計上により900千円となりました。

 この結果、当第3四半期累計期間の税引前当期純損失は269,440千円となりました。

 

(法人税等、当期純損失)

 法人税等については、2,025千円の計上となりました。

 以上により、当第3四半期累計期間の当期純損失は271,465千円となりました。

 

③ 財政状態に関する認識及び分析・検討内容

 第24期事業年度及び第25期第3四半期累計期間の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

 第24期事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性

 当社における主な資金需要は、継続的なサービス提供及び新規サービス開発のための販売・研究開発に関する費用や人件費、人員獲得のための採用費、当社の認知度向上及び潜在顧客獲得のためのPRマーケティング費などであります。これらの資金需要に対しては、自己資金、エクイティファイナンス、及び金融機関からの借入などで調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等については特段方針などはなく、資金需要の額や使途に応じて柔軟に検討を行う予定であります。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑦ 経営者の問題意識と今後の方針に関して

 経営者の問題意識と今後の方針に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

⑧ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容

 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社は、実証実験等のフロー型売上の積上から、ドローン等のハードウェアのリースやBEPを軸としたソフトウェア、保守メンテナンス等のストック型売上を継続的に拡大することで、収益性を高めつつ、安定した売上成長を重視した経営を行っております。なお、安定した売上成長の観点では年間取引企業数及びストック型売上比率を意識し、また収益性を高めるためには、売上総利益率の高いソフトウェアサービスの売上(=BEPユーザーの利用料)及びBEPユーザー数(法人・個人)を伸ばしていくことが、客観的で重要な経営指標(KPI)であると考えております。

 当該指標について、第25期第3四半期累計期間(2023年9月30日)における年間取引企業数は126社、ストック型売上比率は29.6%、BEPユーザーの累計数は120社(法人)、97,591人(個人)となり、ソフトウェア売上高は175,490千円となっております。また、売上総利益率は年々増加しており、当第3四半期累計期間で49.4%となっております。今後も、BEPユーザー利用料による売上高(ソフトウェア売上高)を拡大することで、売上総利益率の拡大に努めてまいります。

 

 

KPI

2021年実績

2022年実績

2023年第3四半期実績

①年間取引企業数

128社

142社

126社

②ストック型売上比率

22.8%

27.2%

29.6%

③BEPユーザー数(法人)

63社

92社

120社

③BEPユーザー数(個人)

72,042人

87,677人

97,591人

④BEPユーザー利用料

(ソフトウェア売上高)

50,412千円

109,470千円

175,490千円

 

なお、当社の売上はフロー型売上(新規顧客/既存顧客)とストック型売上によって構成されており、過年度の売上の内訳は以下の通りとなっております。

(単位:百万円)

2020年

実績

2021年

実績

2022年

実績

2023年第3四半期実績

フロー型売上(新規)

62

235

183

95

フロー型売上(既存)

306

324

479

432

ストック型売上

123

165

245

221

 

また、当社はソフトウェア(BEP利用のためのソフトウェアライセンス)、サービス(人的な運用サービス)、ハードウェア(ハードウェアの販売、リース、保守)を提供しており、過年度における各々の売上高は以下の通りとなっております。

(単位:百万円)

2020年

実績

2021年

実績

2022年

実績

2023年第3四半期実績

ソフトウェア売上高

24

50

109

175

サービス売上高

431

501

654

378

ハードウェア売上高

38

174

145

194

なお、2022年度における各売上の売上総利益率は、ソフトウェア67%、サービス45%、ハードウェア15%となっております。

 

4【経営上の重要な契約等】

その他の経営上の重要な契約

相手方の名称

国名

契約品目

契約締結日

契約内容

契約期間

FLYABILITY SA

スイス

ELIOSなど

2023年5月18日

Flyability社が製造する全ての製品に関する日本での販売に係るReseller契約(独占販売権)

1年間

(1年毎に更新)

 

5【研究開発活動】

 当社は、複数の自律移動ロボット(ドローンやAGV(Automated Guided Vehicle)などを指す)を遠隔で制御し、統合管理するためのプラットフォームであるBlue Earth Platform(以下、BEP)を基軸に、人が実施していた設備の点検等の業務を、ドローンやAGVで代替して実施することにより効率化や安全化、省力化を図ることを目的としたサービスの提供を行っております。

 BEPは、自律移動ロボットを用いたソリューションのバリューチェーンのうち、「ロボットを動かす」、「情報を集める」、「情報を管理する」にフォーカスしており、システムは「サーバープラットフォーム」と「センシングプラットフォーム」で構成されており、BEPを基軸に、点検、教育、物流、ネクストの4つのソリューションごとに最適化した「BEPパッケージ」の開発に取り組んでおります。なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

第24期事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

 当事業年度においては、BEPを基軸とした点検、教育、物流、ネクストの4つのソリューションごとに最適化した「BEPパッケージ」の研究開発に取り組んでおり、研究開発費の総額は185,901千円となりました。

 

第25期第3四半期累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年9月30日)

 当第3四半期累計期間においては、前事業年度と同様にBEPを基軸とした点検、教育、物流、ネクストの4つのソリューションごとに最適化した「BEPパッケージ」による業務へのドローンやロボットの導入、自動化・DX化に向けた研究開発が進み、研究開発費の総額は191,235千円となりました。