当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、ミッションとして「私たちは、最適なセキュリティサービスをより多くのお客様へ提供し、事業の成長を支える環境づくりに貢献いたします。」を掲げ、具体的な行動は次のとおりとして事業を推進しております。
a.最適なセキュリティサービス
当社は、その時々の脅威トレンドを反映し、日本のお客様のニーズに応える“最適なセキュリティサービス”を提供し続けることで、事業を拡大し続けていきます。
b.より多くのお客様へ提供
昨今のセキュリティ被害の状況を鑑みると、セキュリティ課題は大手企業だけではなく、多くの企業・団体が共通してもつ課題と言えます。当社は、1社でも多くのお客様へセキュリティサービスを提供することが社会貢献につながると捉え、事業の拡大を目指していきます。
c.事業の成長を支える環境づくりに貢献
当社は、セキュリティサービス提供の目的を『お客様の事業を支える環境づくり』と定義し、セキュリティだけの視点にとどまらず、お客様の事業環境、経営視点でセキュリティサービスを提供し続けることができるように日々精進していきます。
(2)経営環境
当社を取り巻く経営環境として、国内のネットワークセキュリティビジネス市場の市場規模は、2021年度の5,779億円から2027年度には8,667億円と拡大し、同期間における市場全体のCAGR(年平均成長率)は7.0%と堅調に推移する予測となっております(出典:株式会社富士キメラ総研「2022 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧<市場編>」)。
また、直近では、大企業へのサイバー攻撃のみならず中堅・中小企業や医療機関、インフラ施設等へもランサムウェア被害が拡大し、サプライチェーンに影響が及ぶサイバー攻撃が発生している状況において、経済産業省より「サイバーセキュリティ経営ガイドラインVer3.0」(2023年3月改定)が改定されるなど企業や団体の経営者の意識が変化し、サイバーセキュリティに関するリテラシーが高まりつつあります。このような環境のなか、新型コロナウイルス感染症の影響によるテレワークによる就業やクラウドサービスの利用が推進されたことにより、企業内の限られたネットワーク環境だけを保護するセキュリティ対策から、企業・団体の従業員が利用する端末を含めたあらゆる環境に対応できるセキュリティ対策が求められている状況にある等の要因もあり、需要は堅調に推移し続けております。
(3)経営戦略
当社は、セキュリティサービスとしてコンサルティングサービスとSOCサービスを提供しており、クラウド製品への対応を進めていくことに加え、コンサルティングとSOCサービスを連動させたコミュニケーション型SOCによるリテラシーの高いお客様のニーズをとらえていき、更なる成長を計画しております。セキュリティ対策が脆弱な企業・団体へのサイバー攻撃が増加傾向にありますが、自社内では対応できていないことも多い状況にあり、システムインテグレーターやベンダーとしてもそれぞれの会社ごとの環境や状況に合わせた対応が可能ではない事例も見られ、市場の要望と供給側とのあいだでギャップが生じております。
当社といたしましては、このようなギャップを埋めるべく、日本国内にて開発したシステムを使用し、「やりすぎず、不足しない、変化に合わせた最適なサービス」を提供していくことを目指し、お客様ごとの環境や状況にあわせた必要なサービスを提供しております。また、セキュリティ被害に合ったお客様への一時的対応を迅速に行うことで事業継続のお手伝いをするとともに、そのようなお客様へ継続的なアドバイスによる優先順位をつけた効果的なセキュリティ態勢の構築を支援するコンサルティングサービスと、特定の機器に限定されないお客様環境にあわせたSOCサービスを両輪としてセキュリティサービスを提供することにより、サービスの深掘及びストック型売上の拡大に努めてまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、継続的なサービスの提供によるストック型売上の積上げであるARR(注1)を成長性の重要な経営指標としております。これは当社のコンサルティングサービス及びSOCサービスが継続的な取引を基盤としており、成長を継続する上での重要な要因であると認識しているためであります。また、売上高営業利益率を収益性の重要な指標としており、売上の拡大に見合う経費の増加とすることで収益性を確保しているためであります。
(注1)ARR:Annual Recurring Revenue(年間経常収益)の略称で、年度末時点における継続的な契約による繰り返し得られる収益のこと(一時収益は含まない)
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①優秀な人材の確保
当社が事業を拡大していくためには、高度なサイバーセキュリティ技術を有する優秀な人材の確保が重要な課題であると認識しております。このような人材の確保のため、採用活動の強化、社内における教育制度の充実等を進める方針であります。
②営業力の強化
サイバーセキュリティを重要な経営課題とする企業の増加に伴い、サイバーセキュリティ対策に対するニーズは高まってきております。このようなニーズに適切に対応するため、営業力の強化が重要であると考えており、事業に精通した営業人員を増強してまいります。
③既存サービスの収益拡大、安定化
現状において当社収益の約72%(2023年3月期)を占めるSOCサービスは、お客様に継続的にサービスを提供するもので、当社収益の安定的な基盤となるものであります。また、当該サービスを提供しているお客様から有事対応サービス提供依頼の受注など、同一顧客へのサービス深掘りにもつながっていくものであります。そのため、当該サービスに関する新規顧客先の開拓・増加のための営業活動を強化してまいります。
④新規サービスの拡充
KeepEye®(当社が開発したEDR製品で、お客様のご利用PCの挙動ログを抽出しマルウェア等によるサイバー攻撃を検知し隔離する機能があり、有事の際は当社SOCによる調査、分析によるサービス提供を行うもの)、AD監視サービス(当社が開発したAD Agentを利用してファイルサーバにおける重大な脅威を検知し、いち早く攻撃への対処を実施するもの)などの新規サービスを拡充し、お客様からの様々なニーズに対応できるようにすることにより、当社事業基盤の強化を図ってまいります。
⑤システムの安定稼働
当社のサービスは、コンピュータシステムと通信ネットワーク(インターネットデータセンターを含む)を活用して行う場合が多いため、セキュリティレベルの高いシステム及びネットワーク環境の安定稼動、緊急時回復時間の短縮などの体制強化に努めてまいります。
⑥知名度の向上、ブランドの確立
当社の事業成長のためには、当社及び当社サービスの知名度を向上させ、サイバーセキュリティ業界における当社サービスをブランドとして確立させていくことが不可欠であると認識しております。セミナーや講演会の開催等を通じて知名度の向上を計るとともに、技術力を高めていくことによりブランドの確立を推進してまいります。
⑦内部管理体制の強化
事業環境の変化に対応して事業を拡大していくためには、内部管理体制の充実も重要な課題であると考えております。そのために、事業展開に応じた適切な人員配置、組織体制の整備を進めてまいります。
⑧財務体質の強化
当社は、金融機関からの借入がなく十分な手許流動性は確保されており、本書提出日現在において対処すべき財務上の課題はありません。ただし、今後の事業拡大にあわせて売上や業容の拡大による資金需要の増加に備えて、さらなる内部留保の確保と営業キャッシュ・フローの改善等により、引き続き財務体質の強化を図ってまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものになります。
(1)ガバナンス
当社においては、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、管理するためのガバナンスに関しては、コーポレート・ガバナンス体制と同様になります。当社のコーポレート・ガバナンスの状況の詳細は、「
(2)戦略
短期、中期及び長期にわたり当社の経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会に対処するための取組のうち、重要なものについては、該当事項はございませんので記載を省略しております。
(3)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
当社は、エンジニアを中心とした人材の採用を積極的に進めていく方針であり、通常の採用活動に加え、リファラル採用を取り入れております。加えて、資格取得等にかかる費用を負担する資格取得・維持費支援制度やオンライン学習環境の導入により自己研鑽を促進し、継続的な人材育成に努めております。
また、テレワーク勤務を基本とする就業形態や時間単位有休制度などのワークライフバランスに配慮した働き方を推進することに加え、企業型確定拠出年金制度やGLTD保険(Group Long Term Disability:団体長期障害所得補償保険)の加入などの福利厚生制度等により、働きやすい環境を整備しております。
(4)リスク管理
サステナビリティ課題を含む事業へのリスクについての詳細は、「
また、リスク管理規程にてリスクの定義付けを行っており、各リスクについて、管理部及び各部門にて評価を実施しております。必要があると認められる場合には、代表取締役社長を本部長とし、役員及び関係部門の責任者で構成する「リスク対策本部」を開催し、リスク事例の共有や、リスク対策課題の策定とその対応策について議論し、取締役会に報告する体制をとっております。
(5)指標及び目標
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、事業、業績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社では様々なリスクについて「顕在化の可能性/顕在化の時期/影響度」による重要性を認識したうえで、『事業内容について』、『事業体制について』、『グループ会社との関係について』、『その他のリスクについて』に分類しております。当社は、これらのリスクの発生可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。そのためのリスク管理体制としては、リスク管理規程を定め、リスクの調査、網羅的認識及び分析、各種リスクに関する管理方針の協議及び決定を経営会議において実施しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)事業内容について
①サービス内容について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:大)
当社が属するサイバーセキュリティ事業分野は、日々発生する新たな脅威や技術革新等による環境変化に伴い、顧客ニーズが変化しやすい特徴があります。このような中、当社や代表取締役社長の三輪信雄その他の役員・従業員が新技術の開発や研究の結果あるいは知見・経験などを情報発信すること、あるいは政府官公庁との会議やその他の講演・セミナーなどで情報発信するなどの取組みにより、当社サービスの競争力の維持・向上に努めております。
しかし、当社が環境変化等に対応できず、当社の技術やサービスの陳腐化又は競合他社の企業努力などの要因により、当社が他社サービスに対して技術的・価格的に優位性を維持できない場合、当社事業及び業績に影響を与える可能性があります。
②代理店との関係について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社は株式会社マクニカ他、複数のSIerと販売代理店契約を締結し、当社サービスにおける顧客拡大・収益基盤強化を図っております。このため、これらの代理店が十分に機能しない場合には、当社業績に影響を与える可能性があります。これに対して当社では、これらの代理店との良好で安定的な取引関係の構築に努めるとともに、販売支援やマーケティングの強化や新たな代理店の拡充などに注力しております。
③派遣契約元との関係について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小)
当社は、開発・運用業務の一部を派遣社員により実施しています。当該派遣元との関係が継続できないような場合には、他の派遣元探索の必要が生じるなど、業務の安定的な継続に影響を与える可能性があります。これに対して当社は、安定的な取引関係の構築に努めるとともに、複数の派遣元と取引関係を構築するなどの基盤の強化に努めております。
④業務委託先との関係について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小)
当社は、納入した機器の保守業務等の一部を契約先に業務委託しています。当該委託先との関係が継続できなくなるような場合には、他の委託先探索の必要が生じるなど、委託範囲の業務の安定的な継続に影響を与える可能性があります。これに対して当社は、複数の業務委託先と取引関係を構築するとともに、従業員による業務の内製化に注力しております。
⑤新規サービス、新規事業について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中)
新規サービスを拡充し、お客様からの様々なニーズに対応できるようにすることにより、当社事業基盤の強化を図ってまいります。しかしながら、これらのサービスがお客様のニーズに合わず、あるいは他社同種サービスとの競合になるなどした場合には、当社事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑥当社製品の導入ユーザにおけるセキュリティ事故について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:大)
当社の顧客において、当社製品又はサービスの効果の及ぶ範囲内でサイバー攻撃等による情報流出や改竄・詐取等をされた場合、当社の技術力への信頼喪失の恐れがあります。
このような事態が発生した場合、信頼回復に時間が掛かり、当社製品及びサービスの販売が停滞することが考えられ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。これに対し当社は、セキュリティ事故に対する知見や経験をもとに継続的に製品やサービスの改良を行うことにより、導入ユーザにおけるセキュリティ事故の発生を防ぐ取組みに努めております。
⑦当社想定を上回る解約が生じるリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社の事業は、監視・運用サービスを中心に年間契約のストック型収益にて構成されており、お客様に継続して利用いただくために顧客満足度を高め、解約率を低く維持するためにサービス等の改善や施策を行っております。しかしながら、お客様のセキュリティ環境の変更などの理由により、毎年一定の解約が発生しております。予算及び経営計画には、将来の解約を見込んでおりますが、当社の想定を超える解約が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑧システムリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:中)
当社の事業及びサービス提供は、コンピュータシステムと通信ネットワーク(インターネットデータセンターを含む)を活用して行う場合が多く、セキュリティレベルの高いシステム及びネットワーク環境の構築・維持に努めております。
しかし、自然災害等の予期せぬ事態の発生により、システムの停止や通信ネットワークが使用できないようになった場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨競合との関係について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社と競合するサービスを提供している他社が、顧客のニーズにいち早く対応した最先端の技術を駆使して当社の提供している製品やサービスより高品質で価格競争力のあるサービスを開発あるいは提供する可能性があります。このような場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。これに対して当社は、新規サービスを拡充し、お客様からの様々なニーズに対応できるようにすることにより、当社事業基盤の強化を図ってまいります。
⑩法的規制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:中)
当社が行う事業においては、現在、法令等の規制はございませんが、将来において法令等の改正や規制が加わった場合などには、当社の製品又はサービスに関して制限等が強くなり、その対応に費用が掛かる可能性があり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑪知的財産について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:小)
当社は、第三者の知的財産権を侵害しない体制として、社内教育の実施や顧問弁護士による調査・チェックを実施しておりますが、万一、当社が事業を推進する中で第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴訟を提起される可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫経済環境・事業環境に関するリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:大)
当社は、政府機関や大・中企業(その系列会社・サプライチェーンを含む)において高まる情報セキュリティ施策の検討・構築・実施のためのニーズ増大を予測し、これまで培ってきたサイバーセキュリティ事業での経験と実績を持つ情報セキュリティのプロ集団として、
1)「防御・検知・対処」や「技術・体制」のバランスを重視した製品やサービスの提供、
2) 政府機関や大企業におけるセキュリティアドバイザーやインシデントレスポンスの豊富な経験を活かしたコンサルティングサービスの提供等、
を行うことにより、わが国及び産業の安全と発展への寄与を継続・拡大していく所存です。
しかしながら、これら政府機関や企業のニーズが増大しない場合や、当社がこれらニーズに対応できない場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑬大規模な自然災害・感染症について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:小)
当社は、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害及び新型インフルエンザや新型コロナウイルス感染症等の感染症が想定を大きく上回る規模で発生及び流行した場合、当社又は当社の取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑭単一事業であることについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:中)
当社事業はサイバーセキュリティ事業の単一事業であることから、市場の変化の影響を受けやすい性質があります。当社は、市場の変化に対応して臨機応変に対応する方針でありますが、市場全体が縮小を続ける等、当社の対応に限度がある場合、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社は、サイバーセキュリティの重要性や必要性を営業活動や講演・セミナーなどで情報発信することで市場の拡大に寄与する取組みに努めております。
⑮当社が提供する製品のバグや欠陥の発生について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:大)
当社が提供するSOCサービスの一部において利用するセキュリティ製品には、自社開発製品が含まれております。あらかじめ十分な検証やテストを実施した後にサービス提供を行っておりますが、サービス提供開始後に、当該製品に重大なバグや欠陥が発生したことが原因で顧客に著しい損害を与えた場合、契約解除に伴う売上の減少等により当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社は、検証やテストを十分に実施することに加え、継続的に製品改良を行うことにより、重大なバグや欠陥を防止する取組みに努めております。
⑯競争の激化について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:不特定、影響度:中)
当社は、サイバーセキュリティ事業においてコンサルティングサービス及びSOCサービスを提供しております。現在において、コンサルティングサービス及びSOCサービスを連動させて提供する競合は少ないと考えており、当社は独自のサービスを提供することができています。これは、コンサルティングサービスにて事業を開始し、SOCサービスへ事業領域を拡大した経緯により、実現させてきたことによると考えておりますが、同様のサービスを提供する競合が増加し、競争が激化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社は、SOCサービスにおけるコンサルティング機能の付加などのコンサルティングサービスとSOCサービスを融合し、顧客満足度の高いサービスを提供することに努めております。
⑰新規契約の獲得及び既存契約の更新について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中)
当社のサービスは、原則として年間契約に基づき提供しているストック売上が売上全体の80.5%(2023年3月期実績)を占めており、契約の獲得・更新によりストック売上が積上げられ、単月のストック売上は期初から期末にかけて逓増していくビジネスモデルとなっております。そのため、上期に比べて、ストック売上が増加している下期に売上が偏重することとなり、何らかの要因により契約の獲得ができず、解約が多く発生し解約率が増加するなどのストック売上が計画通りに積上げられない場合には、下期の売上が計画を下回ることになり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社は、積極的な営業によるストック売上の獲得、顧客満足度を高めることによる解約率の低減等によるストック売上を積上げる取組みに努めております。
⑱受注案件の採算性について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:小)
当社は、契約の受注時においては一定の採算性を確保しておりますが、予期せぬ事象の発生や想定以上に工数が超過した場合には採算が悪化します。不採算案件が増加し、長期間継続すると売上原価率の悪化につながり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社は、受注案件をモニタリングしており、採算性が悪化したプロジェクトを発見、対処できる仕組みを導入しています。しかしながら、これらの取組みによってもすべての不採算案件を防止できない可能性があります。
(2)事業体制について
①経営者への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:中)
当社の代表取締役社長である三輪信雄は、当社の株主であるとともに、当社の技術面を含む経営及び事業運営の全般にわたり大きく関与しております。このため、当社では、取締役会その他の重要会議等における役職員間の意思疎通等を通じて、事業体制に関するリスク軽減に努めております。
しかしながら、三輪が当社における職務を遂行できなくなるような事態が生じた場合には、当社の事業に大きな影響を与える可能性があります。
②小規模組織及び人材確保・育成について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社が事業を拡大及び継続するために、開発力の強化・技術ノウハウの蓄積・営業力の増大、そのための高度なサイバーセキュリティ技術や知識を有する優秀な人材の確保が重要な課題となります。当社は、当該人材の確保の施策としてテレワークでの就業や福利厚生制度の充実及び社内教育の強化に努めておりますが、十分な人員が確保できない場合あるいは従業員教育が進展しない場合には、当社の成長が鈍化する可能性があります。また、技術や営業の担当者が退職するなどして、当社のノウハウが他社に流失した、あるいは当社に蓄積されないといった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③情報管理体制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:大)
当社は、2015年7月以降、情報セキュリティサービスの提供に関し、「ISO27001(ISMS)」の認証を受けており、サービス提供の適切な遂行に必要となる顧客の重要情報や当社の顧客・役員及び従業員の個人情報を含めた社内の情報管理等には十分な注意を払っております。
しかしながら、このような対策を行っても個人情報を含む重要情報にかかる社外漏洩を防止できず、当該情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生した場合には、当社が損害賠償請求を受ける可能性があります。また、そのような場合には、当社の信用が失われ、事業に影響を及ぼす可能性があります。
④内部管理体制の強化について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社は、企業価値の継続的増大を図るためにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠と認識しております。また、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のために内部統制システムの適切な運用が必要と認識し、そのための内部管理体制整備に注力しております。
しかし、事業の拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない等の状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。
⑤訴訟等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:小)
当社の事業運営にあたって、予期せぬトラブルや問題が生じた場合、当社の瑕疵にかかわらずこれらに起因する損害賠償の請求や、訴訟の提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合には、起訴内容や損害賠償額の状況及びその結果によっては当社の社会的信用が低下することに加え、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社は、内部統制の充実や役職員に対するコンプライアンス研修の実施などのコンプライアンス体制の構築等により、トラブルを未然に防止する取組みに努めております。
(3)グループ会社との関係について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社の親会社はマクニカホールディングス株式会社(東京証券取引所プライム市場に上場。以下、親会社等といいます。)であり、当社は非連結子会社として親会社等グループに属しております。
当社が上場を行うこととした目的・意義は以下のとおりです。
成長段階にある当社において、今後もさらなる企業価値の拡大を目指すために、信用力や知名度の向上や資金調達手段の多様化を行うことが最適と判断し、親会社等を有する形での上場を選択しております。
なお、当社と親会社等グループとの関係は以下のとおりであります。
①資本関係について
親会社等は、当社の議決権の57.63%(本書提出日現在)を間接保有しており、当社に対する大株主としての一定の権利を有しております。当社の上場時において所有する当社株式の一部を売却する予定ですが、上場後においても相当数の当社の議決権を間接保有することから、親会社等は議決権行使等により当社の経営等に影響を及ぼし得る立場にあり、同社の利益は他の株主の利益と一致しない可能性があります。また、株式市場での売却ではなく、特定の相手先への譲渡を行った場合には、当該譲渡先の保有株数や当社に対する方針によっては、当社の事業戦略等に影響を与える可能性があります。
②人的関係について
本書提出日現在、当社の取締役である星野喬は、マクニカホールディングス株式会社の連結子会社である株式会社マクニカに所属しております。これは、同社における経験や知見を得ることを目的としております。なお、当社の経営方針及び事業展開については、マクニカホールディングス株式会社の事前承認を要するものはなく、独自の意思決定によって進めております。
本書提出日現在、親会社等グループから受入出向者が2名おります。これはセキュリティ事業における知見やキャリアパス等の観点から人材交流を実施しているものであり、当社の経営方針及び事業展開に影響を及ぼすものではありません。
③取引関係について
親会社等グループとの取引については、売上高は代理店契約を締結している複数の代理店のひとつとしての代理店販売466,497千円(2023年3月期 売上高の36.4%)、その他一部製品の仕入れ等の取引が発生しておりますが、取引条件については、独立第三者間取引と同様の一般的な取引条件で行っております。
なお、親会社等グループとの間で取引を行う場合は、一般株主との間に利益相反関係が発生するリスクが存在することを踏まえ、取引条件の適切性を確保するため、当社の関連当事者取引管理規程に基づき、取引の合理性、必要性及び取引条件の妥当性等について、取締役会にて審議・検討した上で決議するものとしております。
④親会社等からの独立性の確保について
当社の経営判断及び事業展開にあたっては、親会社等の指示や事前承認に基づいてこれを行うのではなく、親会社等から独立した立場で一般株主の利益保護に配慮しつつ、当社の企業価値向上に貢献できるかという観点から選任される独立役員候補者である取締役監査等委員3名を含む取締役会を中心とした当社経営陣の判断のもと、独自に意思決定を実行しており、親会社等グループからの独立性は確保されていると認識しております。
(4)その他のリスクについて
①配当政策について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:小)
当社は、設立以来、当期純利益を計上した場合であっても、財務基盤を強固にすることが重要であると考え、配当を実施しておりません。株主への利益還元については、重要な経営課題の一つであると認識しており、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、利益及び剰余金の配当を検討する所存でありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
②新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:中期、影響度:
小)
当社では、役員及び従業員に対するインセンティブを目的とした第3回新株予約権を2023年3月24日付で発行しております。今後もインセンティブを目的とする役員あるいは従業員への新株予約権発行を行うかどうかについては未定でありますが、現在付与している新株予約権に加え、今後新株予約権が付与され、それらの行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は474,800株であり、潜在株式数を含む発行済株式総数5,454,800株の8.7%に相当しております。
③ベンチャーキャピタル等の株式所有割合に伴うリスクについて(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:短期、影響度:小)
当社の発行済株式に対する親会社等グループに属する株式会社マクニカが組成した民法上の組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)の所有割合は本書提出日現在、発行済株式総数(潜在株式数を除く。)の7.43%であります。当社の株式公開後において、当社株式の株価推移あるいは当社事業提携先との関係変動等により、ベンチャーキャピタル等が所有する当社株式の一部あるいは全部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
④資金使途について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社株式の上場時に計画する公募増資による調達資金の使途につきましては、人材採用費、ブランディング等の広告宣伝費、本社設備の移転を含む業務設備の充実等に充当する予定です。
しかしながら、情報セキュリティ関連市場は変化が激しく、その変化に柔軟に対応するため、上記計画以外の使途に充当する可能性もあります。また、計画どおりに資金を使用したとしても、期待どおりの成果が挙げられない可能性があります。
また、市場環境の変化により、計画の変更を迫られ調達資金を上記以外の目的で使用する可能性が発生した場合は、速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。
⑤コンプライアンスリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:中)
当社では、コンプライアンスに関する諸規程を制定し、役員及び従業員による遵守を徹底すること、顧問弁護士との連携を図ることで、法令違反や顧客とのトラブルの発生リスクの低減に努めております。
しかしながら、法令違反や、顧客・取引先・第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、当社側に法令違反や契約違反等の問題があった場合には、訴訟への発展や損害賠償の必要、あるいは当社サービスへの信頼性毀損等が生じる可能性があります。そのような事態に立ち至った場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥流通株式比率について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:小)
当社は、株式会社東京証券取引所グロース市場への上場を予定しており、上場に際しては、公募増資及び売出しによって当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める上場維持基準は25%であるところ、流通株式比率は新規上場時において29.12%にとどまる見込みです。今後はストック・オプションの行使による流通株式数の増加分を勘案し、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
第15期事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(資産)
当事業年度末における資産合計は1,545,457千円となり、前事業年度末に比べ553,102千円増加しました。
流動資産は1,487,913千円となり、前事業年度末に比べ530,055千円増加しました。これは主に、セキュリティプロダクトの仕入減少により前渡金が4,879千円減少したものの、ストック型売上の増加に起因する契約負債の増加等により現金及び預金が513,984千円増加、売上高の増加により売掛金が18,315千円増加したことによるものであります。
固定資産は57,543千円となり、前事業年度末に比べ23,046千円増加しました。これは主に、将来減算一時差異の増加により繰延税金資産が9,534千円、本社事務所の追加敷金差入により敷金及び保証金が12,668千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は791,888千円となり、前事業年度末に比べ342,579千円増加しました。
流動負債は791,888千円となり、前事業年度末に比べ381,183千円増加いたしました。これは主に銀行借入の約定返済により短期借入金が50,000千円、期限前弁済を行ったことにより1年内返済予定の長期借入金が20,676千円減少したものの、人員増に伴う諸経費の増加により未払金が22,005千円、課税所得の増加により未払法人税等が105,768千円、ストック型売上の受注が堅調に推移したことにより契約負債が302,343千円増加したことによるものです。
固定負債は前事業年度末に比べ38,604千円減少し、残高がなくなりました。これは、期限前弁済を行ったことにより長期借入金が38,604千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は753,568千円となり、前事業年度末に比べ210,523千円増加しました。これは当期純利益210,523千円を計上したためであります。
この結果、自己資本比率は48.8%(前事業年度末は54.7%)となりました。
第16期第2四半期累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
(資産)
当第2四半期会計期間末における資産合計は1,451,272千円となり、前事業年度末に比べ94,184千円減少いたしました。
流動資産は1,394,922千円となり、前事業年度末に比べ92,991千円減少いたしました。これは主に流動資産のその他に含まれる前払費用がサービス提供に利用しているライセンス契約の更新により10,301千円増加したものの、法人税等の支払により現金及び預金が80,091千円、ストック型以外の売上が前事業年度末と比較して減少したため売掛金が24,133千円減少したことによるものであります。
固定資産は56,349千円となり、前事業年度末に比べ1,193千円減少いたしました。これは主に有形固定資産に含まれる工具、器具及び備品が従業員の増加に伴うパソコンの購入等により9,416千円増加したものの、投資その他の資産に含まれる繰延税金資産が将来減算一時差異の減少により7,606千円減少したことによるものであります。
(負債)
当第2四半期会計期間末における負債合計は621,671千円となり、前事業年度末に比べ170,216千円減少いたしました。
流動負債は621,671千円となり、前事業年度末に比べ170,216千円減少いたしました。これは主に外注費の減少により買掛金が11,274千円、課税所得の減少及び申告・納付により未払法人税等が83,004千円、未払消費税等が20,411千円、ストック型売上への振替により契約負債が59,539千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第2四半期会計期間末における純資産合計は829,600千円となり、前事業年度末に比べ76,031千円増加いたしました。これは四半期純利益76,031千円を計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は57.2%(前事業年度末は48.8%)となりました。
②経営成績の状況
第15期事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する規制が徐々に緩和されたことにより、経済活動の正常化が進み、一部では景気の持ち直しの動きがみられました。一方で、長期化するウクライナ情勢による原油・原材料価格の高騰や急激な円安に起因するインフレの加速などが続いていることから、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。
当社の属する情報セキュリティ業界においては、多くの事業者・団体においてランサムウェアの被害が拡大しており、特にセキュリティ対策が脆弱な企業・団体へのサイバー攻撃が増加傾向にあることから、セキュリティ対策の重要性が認識され、具体的な対策の実施についての関心が高まっております。そのため、情報セキュリティ関連のIT投資は幅広い業種・事業者にて増加傾向にあることから、需要は比較的堅調に推移しております。
このような経営環境のもと、当事業年度の業績につきましては、監視サービス等の新規案件を着実に獲得したことに加え、セキュリティ評価案件やセキュリティインシデントへの対応及びセキュリティ訓練の支援等が堅調に推移しました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高は1,281,425千円(前期比18.9%増)、営業利益は331,951千円(同31.9%増)、経常利益は321,612千円(同28.8%増)となりました。一方、前事業年度は繰越欠損金の影響により法人税等の計上が抑えられていた反動から、当期純利益は210,523千円(同5.8%減)となりました。
なお、当社は「サイバーセキュリティ事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。サービス区分別の状況は、次のとおりであります。
(1)SOCサービス
既存顧客への監視・運用サービスを継続して提供したことに加え、KeepEye等の新規案件が獲得できたことにより、SOCサービスの売上高は928,904千円(前期比29.0%増)となりました。
(2)コンサルティングサービス
セキュリティ評価案件やセキュリティインシデントへの対応及びセキュリティ訓練の支援等が堅調に推移しましたが、前事業年度の大型インシデント案件の反動により、コンサルティングサービスの売上高は352,521千円(前期比1.4%減)となりました。
第16期第2四半期累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
当第2四半期累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の分類移行に伴う、社会経済活動の正常化が進む一方で、海外経済の減速懸念やエネルギー価格の高騰などによる世界的なインフレ加速、急激な為替変動により、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
当社の属する情報セキュリティ業界を取り巻く環境としては、サプライチェーンに影響が及ぶ事業者・団体を狙ったサイバー攻撃が頻発していることや、中堅・中小企業におけるランサムウェア被害の発生が増加傾向となっております。大企業に比べてセキュリティ対策が脆弱な中堅・中小企業においても対策の重要性が改めて認識されていることなどから、情報セキュリティ関連のIT投資は幅広い業種・事業者にて増加傾向にあり、需要は比較的堅調に推移しております。
このような経営環境のもと、当第2四半期累計期間の業績につきましては、監視サービス等の新規案件を着実に獲得したことに加え、メール訓練の支援やセキュリティインシデントへの対応等を実施いたしました。
この結果、当第2四半期累計期間の経営成績は、売上高713,305千円、営業利益122,924千円、経常利益115,999千円、四半期純利益76,031千円となりました。
なお、当社は「サイバーセキュリティ事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。サービス区分別の状況は、次のとおりであります。
(1)SOCサービス
既存顧客への監視・運用サービスを継続して提供したことに加え、KeepEye等の新規案件の獲得により、SOC事業の売上高は540,975千円となりました。
(2)コンサルティングサービス
セキュリティ評価案件やメール訓練案件の獲得により、コンサルティング事業の売上高は172,329千円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
第15期事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ513,984千円増加し、1,353,734千円となりました。
当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は645,709千円(前事業年度は421,420千円の獲得)となりました。主な減少要因としては、売上債権の増加額18,315千円(前年同期は売上債権の減少額34,900千円)、法人税等の支払額14,855千円(前年同期比14,564千円増加)であり、主な増加要因としては、税引前当期純利益321,612千円(前年同期比71,971千円増加)、未払金の増加額22,005千円(前年同期は未払金の減少額10,324千円)、ストック型売上の受注が堅調に推移したことに伴う契約負債の増加額302,343千円(前年同期比160,889千円増加)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は22,444千円(前事業年度は28千円の使用)となりました。主な要因は有形固定資産の取得による支出8,668千円(前年同期比11,541千円減少)、本社事務所の敷金及び保証金の差入による支出13,786千円(前年同期はありません)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は109,280千円(前事業年度は21,376千円の獲得)となりました。これは銀行借入の約定返済により短期借入金の純減少額50,000千円(前年同期は短期借入金の純増加額50,000千円)、期限前弁済を行ったことに伴う長期借入金の返済による支出59,280千円(前年同期比30,656千円増加)によるものであります。
第16期第2四半期累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ80,091千円減少し、1,273,643千円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は68,941千円となりました。主な増加要因としては、税引前四半期純利益115,999千円、売上債権の減少額24,133千円であり、主な減少要因としては、仕入債務の減少額11,274千円、未払消費税等の減少額20,411千円、契約負債の減少額59,539千円、法人税等の支払額115,366千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は11,149千円となりました。これは有形固定資産の取得による支出11,149千円よるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
該当事項はありません。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
第15期事業年度及び第16期第2四半期累計期間の受注実績は次のとおりであります。なお、当社は、サイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、主なサービス区分別に記載しております。
|
サービス区分の名称 |
第15期事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
第16期第2四半期累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日) |
||||
|
受注高 (千円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比(%) |
受注高 (千円) |
受注残高 (千円) |
|
|
SOCサービス |
1,219,717 |
141.6 |
834,659 |
153.5 |
433,339 |
727,022 |
|
コンサルティングサービス |
400,892 |
112.3 |
133,319 |
156.9 |
233,583 |
194,573 |
|
合計 |
1,620,610 |
133.0 |
967,978 |
153.9 |
666,923 |
921,596 |
(注)第15期事業年度において、SOCサービス及びコンサルティングサービスの受注実績に著しい変動がありました。これはいずれもストック型売上の受注が堅調に推移したことのよるものです。
c.販売実績
第15期事業年度及び第16期第2四半期累計期間の販売実績は次のとおりであります。なお、当社は、サイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、主なサービス区分別に記載しております。
|
サービス区分の名称 |
第15期事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
第16期第2四半期累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
金額(千円) |
|
|
SOCサービス |
928,904 |
129.0 |
540,975 |
|
コンサルティングサービス |
352,521 |
98.6 |
172,329 |
|
合計 |
1,281,425 |
118.9 |
713,305 |
(注)1.最近2事業年度及び第16期第2四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
第14期事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
第15期事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
第16期第2四半期累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日) |
|||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社マクニカ |
384,655 |
35.7 |
466,497 |
36.4 |
241,815 |
33.9 |
|
日興システムソリューションズ株式会社 |
141,615 |
13.1 |
170,220 |
13.3 |
91,030 |
12.8 |
|
株式会社ソフトクリエイト |
- |
- |
170,194 |
13.3 |
100,815 |
14.1 |
2.最近2事業年度及び第16期第2四半期累計期間の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
財政状態の記載は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載しております。
b.経営成績
第15期事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(売上高)
当事業年度における売上高は1,281,425千円(前期比18.9%増)となりました。これは主に、監視サービス等の新規案件を着実に獲得したことに加え、セキュリティ評価案件やセキュリティインシデントへの対応及びセキュリティ訓練の支援等が堅調に推移したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は653,511千円(前期比10.0%増)となりました。これは主に、コンサルティングサービスにおける脆弱性診断の受注が減少したことにより外注費が減少したものの、売上高の増加に伴い採用活動を進めたことによる人件費の増加、宿泊を伴う研修の実施、インフレへの対応のためのインフレ手当(賞与)を支給したこと等により、当事業年度の売上総利益は627,913千円(同29.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は295,962千円(前期比27.6%増)となりました。これは主に、売上高が前事業年度と比較して大幅な増加となる一方、専門スキルを持った人材投資や事業拡大に伴う事業基盤整備費用などの先行コストにより売上原価、販売費及び一般管理費が増加したこと等により営業利益は331,951千円(同31.9%増)となりました。
(経常利益)
当事業年度における経常利益は321,612千円(前期比28.8%増)となりました。これは主に、営業利益と同様の理由によることに加え、上場関連費用の発生によるものであります。
(当期純利益)
当事業年度における法人税等は111,089千円(前期比326.4%増)となりました。これは主に、経常利益と同様の理由によることに加え、前事業年度は税務上の繰越欠損金の影響により、法人税等の負担が抑えられておりましたが、当事業年度ではそれが無くなったため税金費用が増加したことによるものであります。これらの結果、当期純利益は210,523千円(同5.8%減)となりました。
第16期第2四半期累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
(売上高)
当第2四半期累計期間における売上高は713,305千円となりました。これは主に、監視サービス等の新規案件を着実に獲得したことに加え、メール訓練の支援やセキュリティインシデントへの対応が堅調に推移したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当第2四半期累計期間における売上原価は393,280千円となりました。これは主に、売上高の増加に伴う人件費の増加及び派遣社員等の増員によるものであります。
この結果、当第2四半期累計期間における売上総利益は320,024千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当第2四半期累計期間における販売費及び一般管理費は197,100千円となりました。これは主に、従業員の増加による人件費や上場に関連する一時的な費用等によるものであります。
この結果、営業利益は122,924千円となりました。
(経常利益)
当第2四半期累計期間における経常利益は115,999千円となりました。これは主に、営業外費用で上場関連費用7,486千円を計上したことによるものであります。
(四半期純利益)
当第2四半期累計期間において法人税等を39,967千円計上した結果、四半期純利益は76,031千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資金需要
当社の運転資金需要のうち主なものは、サービスの提供のための外注費及びセキュリティ機器の仕入のほか、人件費、家賃等の営業経費であります。
c.財務政策
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社では、運転資金及び設備資金については、主に内部留保により調達を行っております。なお、当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物の残高は1,273,643千円となっております。
③経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、継続的なサービスの提供によるストック型売上の積上げであるARRを成長性の重要な経営指標としております。
第15期事業年度末のARRは1,231,091千円(前期比41.4%増)となりました。これは、セキュリティアドバイザーやSOCサービスにおける新規獲得が好調であったことに加え、年間契約を基本とした顧客との長期的な関係性を構築したことから、高い継続率を維持できたことによります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。課税所得の見積りにあたって当該見積りの基礎となる次年度予算ならびに中期経営計画といった将来の利益計画は、計画の策定時点で得られる情報に基づいており、これらの情報により市場環境及び顧客の獲得動向や継続状況などを考慮したうえで将来の利益計画を見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じて減少した場合には、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
経営上の重要な契約は以下のとおりであります。
|
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
|
マクニカネットワークス株式会社 |
日本 |
代理店契約書 |
2017年7月3日 |
当社製品・保守・サービスの販売代理店契約 |
2017年7月3日から 2018年7月2日まで その後、1年ごと自動更新 |
(注)マクニカネットワークス株式会社は2021年10月1日付で株式会社マクニカに吸収合併されております。
該当事項はありません。