当社は、「人を通じて、喜びを作り、幸せを作る」を企業理念とし、目指すゴールとして、「地域を問わず全ての人が、心豊かに、能力や個性を発揮できる社会の実現」を掲げ、在宅医療・地方創生領域において、地域社会と日本の未来に貢献することに取り組んでおります。
在宅医療事業においては、利用者数、訪問件数、常勤換算看護師数(注1)、1利用者あたり訪問件数、1常勤換算看護師あたり訪問件数を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としております。なお、これら経営指標の推移は、「4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 (b)在宅医療事業における収益構造上の特徴と主な経営指標」をご参照下さい。
(注) 1.所定労働時間週40時間以上の勤務をしている在籍看護師職員数を指します。なお、小数点は所定労働時間週40時間未満の勤務をしている在籍看護師職員数を按分換算したものとなります。
障がい者雇用支援事業においては、サービスを利用する企業に雇用されている障がい者受入純増数や、障がい者受入数合計を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としております。また、観光物産事業においては旅行及び民泊取扱人数を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としております。なお、これら経営指標の推移は、「4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 (d)地方創生事業における収益構造上の特徴と主な経営指標」をご参照下さい。
2020年度における精神疾患を有する患者総数は615万人(注1)となり、年々増加する医療費を削減すること等を目的として、厚生労働省の精神保健福祉対策本部では、入院医療中心の診療から地域生活支援を 前提とした診療へと切り替えること等を柱とした方向性を示しています(注1)。
この方向性を反映し、2020年度における精神疾患を有する入院患者数は23.7万人(注2)と2017年度比で 6.1%減少しております。更に、2020年5月の「第6期障害福祉計画に係る国の基本指針(厚生労働大臣告示)」においては、統合失調症等で精神科に長期入院する患者を2018年度末の17.2万人から2023年度末までに全国で最大6.6万人減らす成果目標が定められることとなりました。精神科の医療施設に目を向けると、2020年において20床以上の病床を有する精神科病院数は1,059施設と2008年の1,079施設をピークに年々減少しているのに対し、19床以下の精神科診療所数は2017年で6,864施設と2008年の5,629施設(注3)との対比においても年々増加しております。
(注) 1.2022年10月 厚生労働省 「社会保障審議会障害者部会(第133回)」資料より。
2.厚生労働省「令和2年患者調査」より。
3.厚生労働省「医療施設調査」(令和2年、平成29年、平成20年各版)より。
2018年度の診療報酬改定においては、医療機関が精神疾患を有する患者に対して訪問診療を実施する際の「精神科在宅患者支援管理料」が新設されておりますが、医療機関が「精神科在宅患者支援管理料」を得るためには、通院が困難な患者に対して、精神科医、看護師等が患者の同意を得て、計画的な医学管理のもとに定期的な訪問診療・訪問看護を行っていることに加え、患者の容体に応じて臨機応変な診療又は看護ができる医師と看護師との綿密なコミュニケーションが取れる体制が整備されていること等が要件となっており、精神科医療においては入院へ対応できる中規模~大規模な医療機関への入院を中心とした医療体制から地域における小規模な医療機関への通院に在宅での治療を加えた医療体制へ移行しつつあると認識しております。
そのため、複数の地域に分散している患者に対して訪問看護を効率的に行うための体制の整備状況と、医師による訪問診療を行うに際しての看護師との情報連携面での質が医療機関からは問われることとなります。
当社は、訪問診療を理解し、訪問診療と連携した訪問看護サービスの提供に事業機会があると認識しています。
2021年3月より民間企業(注1)における障がい者の法定雇用率(障害者雇用促進法にて定められた民間企業の障がい者雇用率)が2.2%から2.3%へと引き上げられたことから、民間企業による障がい者雇用の需要は大きく拡大しております。また、法定雇用率は2024年4月より2.5%に、2026年7月からは2.7%に引き上げられることが決定しており、更なる需要の拡大が見込まれております。2023年6月において、障がい者の法定雇用率を達成している民間企業の割合は50.1%にとどまり、法定雇用率未達成企業は全国で53,963社となっております(注2)。
厚生労働省の資料(注2)によると、都市部における障がい者雇用の状況をみてみると、例えば東京都では法定雇用率達成企業の割合は34.4%となっており、法定雇用義務を負っている民間企業のうちおよそ3社に2社が義務を達成できておりません。
また、厚生労働省の調べでは2016年度における障がい者求人の充足率(障がい者新規求人数に占める障がい者就職数の割合)は東京都が30%を下回っており、全国で最低水準となっております。愛知県、大阪府においてもその水準は40%を下回り、大都市を中心として障がい者の採用環境が厳しい状況にあることが窺えます(注3)。
さらに、障がい者の就業が困難であると、雇用する労働者数を計算する際に、除外率に相当する労働者数を控除する制度(除外率制度)が設置されておりましたが、ノーマライゼーションの観点から、除外率制度は2002年の法改正により2004年に廃止され、現在は経過措置としてこの制度が継続しているものの、2020年2月の労働政策審議会障害者雇用分科会においては経過措置の廃止が検討されており、2023年1月には、同分科会において2025年4月に除外率を一律10%引き下げることが決定しております。今後も経過措置の一部または全部が廃止された場合には、除外率が適用されている業界に属している企業において障がい者の雇用不足が発生すると考えられます。
こうした状況に加え、これまで民間企業が積極的に採用してきた身体障がい者の高齢化が進展しております。2023年6月1日時点において民間企業が雇用している障がい者のうち56%が身体障がい者(注2)ですが、身体障がい者では55歳以上の比率が高く、今後10年で10万人以上が退職見込みと推定されます(注4)。
上記のように民間企業においては今後障がい者の雇用不足が拡大することが想定される一方で、地方においては障がい者の就労機会が限られており、都市と地方における就労機会の不均衡が存在していると認識しております。
本書提出日現在において当社が農園を運営している九州地域では、法定雇用義務が発生する規模の企業数が少ないことから、法定雇用義務がある企業の障がい者雇用求人と、九州地域在住の障がい者の求職者の需給が都市部と比較して緩く、九州地域の企業にとっては障がい者を雇用しやすい環境であり、法定雇用率の達成企業の割合の上位10県中4県が九州地域である(注2)ことから、同地域においては地元の企業による新たな障がい者の雇用が生まれにくい状況にあると考えており、当社は、同地域における農園を活用した雇用創出に事業機会が存在すると認識しております。
今後、障がい者雇用においては量的な面で需要が大きく拡大することが見込まれている一方、足元においては雇用の質の面においても大きな変化が生じております。2022年10月3日に召集された第210回臨時国会において、障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)の一部改正が成立しました。法改正により、事業主(障がい者の雇用主)の責務として障害者の職業能力の開発及び向上が含まれることが明確化され、2023年4月1日から施行されました。
また、厚生労働省においては、2023年4月17日に開催された第128回労働政策審議会(障害者雇用分科会)において「いわゆる障害者雇用ビジネスに係る実態把握の取組について」が公表され、2023年6月12日に開催された第129回労働政策審議会(障害者雇用分科会)においては「障害者が活躍できる職場づくりのための望ましい取組のポイント(リーフレット)」が、2023年12月27日に開催された第130回労働政策審議会(障害者雇用分科会)においては障害者雇用ビジネス実施事業者やその利用企業の状況等について2023年11月末時点に更新された「いわゆる障害者雇用ビジネスに係る実態把握の取組について」(令和5年度における労働局・ハローワークによる指導・助言の実施事案の例等含む)が公表されたことにより、障害者が活躍できる職場環境の整備や適正な雇用管理のため事業主が行うことが望ましい取組のポイントが整理され、当社の障がい者雇用支援サービスにおいては、サービスを利用する企業(事業主)が上記リーフレットで示された望ましい取組のポイントを実現できることが求められております。
(注) 1.従業員数43.5人以上を雇用している事業主。事業主には毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告する必要があり、障害者雇用の促進と継続を図るために「障害者雇用推進者」を選任するよう努めなければならないとされております。
2.厚生労働省「令和5年 障害者雇用状況の集計結果」より。
3.厚生労働省「平成31年 第82回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料)」より。
4.厚生労働省「平成30年 障害者雇用実態調査」より。
当社が観光物産事業を主に展開している長崎県五島市は「五島市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン総合戦略」を市政運営の基本方針とし、人口減少に歯止めをかけ、2060年に人口2万人を確保することを目標に街づくりを進めています。
2018年6月に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(長崎県、熊本県)」が世界文化遺産に登録されたことをきっかけとして、五島市を訪れる観光客は増加傾向にあり、2019年は前年比+5.2%となる252,657人まで増加(注4)しておりましたが、2020年、2021年は新型コロナウイルス感染症の影響で123,703人、118,441人となっており、2022年には166,979人と復調傾向にありますが、未だ観光需要は減退している状況です。
(注) 4.令和4年 五島市観光統計より。
精神疾患を有する患者総数が増加傾向にある中で、精神科病院及び入院患者が減少し、入院をせずに自宅において医療サービスを受ける患者が増加し、在宅医療の需要が拡大していると考えられ、当社は医療機関との連携を強化し、在宅医療の需要拡大へ対応できる体制の構築に取り組んでおります。
2020年1月に開催された第98回社会保障審議会障害者部会においては、第6期障害福祉計画における成果目標(案)として、2023年度末の長期入院患者数を2018年度と比べて6.6~4.9万人減少させることや精神障がい者の精神病床から退院後1年以内の地域における平均生活日数を316日以上とすることが明記されており、精神疾患を抱える退院患者に対する診療・看護を提供する受け皿の拡充が待たれる環境認識の下、当社では「精神科訪問診療の始め方」というセミナーを開催し、参加医療機関との関係構築・強化を図ることで、医療機関から患者紹介を受け、在宅医療の更なる普及に努めております。
また、実効性のある訪問診療・訪問看護を効率的に実施していくためには、医師及び看護師の移動時間や移動距離の短縮化を図る必要があることから、主治医と看護師による効率的な訪問診療・訪問看護を実施できる拠点体制の整備に取り組んでおります。
事業所及び営業所の出店においては、連携する医療機関の周辺地域への展開や既存拠点の訪問効率の向上、新たな地域への拡大等を検討してまいります。
また、地域の特性や看護師の採用・育成を考慮し、拠点数だけでなく、拠点の適正な規模についても検討してまいります。
当社は、本書提出日現在において営業所を含め、20箇所に訪問看護ステーションを開設しております(地方創生事業における3箇所の訪問看護ステーションを含む。)。
当社の障がい者雇用支援事業は、地方に在住している多数かつ幅広い障がい者の雇用を創出することを目的としているため、企業に紹介している障がい者は、当社が展開している農園で就労することで、障がいの特性や程度に応じた働き方が可能となり、職業能力の開発・向上に関する支援を受けることができます。
農園においては水耕栽培設備を利用し、障がい者が安全に安心して働くことができる環境を整えていることに加え、当社の在宅医療事業におけるノウハウを活用した障がい者への配慮や定着に向けた支援も行っております。
障がい者雇用支援事業においては、農園における障害者雇用促進法において明示された事業主による障がい者の能力開発の責務に対する支援、厚生労働省が公表したリーフレットへの対応を図るとともに、サービス利用企業数の拡大及び1企業当たりの障がい者の雇用人数の拡大に取り組みます。また、農園の新規開設においては、開設候補地における障がい者の雇用状況や障がい者手帳の保有者数、交通の利便性等を考慮した展開を行ってまいります。
当社が運営する農園においては多様な障がい者が就労できる環境を整えておりますが、特に精神障がい者については就労機会の拡大と定着率の向上が望まれております。
厚生労働省の「令和4年度 障害者の職業紹介状況等」によれば、身体障がい者の新規求職申込件数は58,095件、知的障がい者の新規求職申込件数は35,610件、精神障がい者の新規求職申込件数は123,593件となっており、精神障がい者の新規求職申込件数は身体障がい者及び知的障がい者の新規求職申込件数の合計を上回る水準となっております。
また、2023年6月1日時点において民間企業が雇用する障がい者を障がい別でみると、身体障がい者が56%と最も比率が高く、精神障がい者は20%(注1)と最も比率が低くなっており、精神障がい者のより一層の社会進出が望まれております。
他方、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構が2017年4月に公表した「障がい者の就職状況等に関する調査研究」によれば、精神障がい者の就職後1年経過後の職場定着率は49.3%と50%を下回る水準にあり、民間企業にとっては精神障がい者を積極的に採用することが難しい状況となっておりますが、当社では精神科領域における在宅医療事業のノウハウを活用し、農園における精神障がい者の定着率の向上に取り組んでおります。
また、訪問看護サービスの利用者を地方創生事業の障がい者雇用支援事業において企業に紹介していくことも視野に入れ、農園近隣の訪問看護ステーションの設置を2019年9月より開始するなど、より幅広い障がい者の就労機会を創出する為の施策を推進しております(障がい者雇用支援事業とのさらなるシナジーの発揮のため、2022年4月より、九州地域に所在のある訪問看護ステーションは地方創生事業に管掌変えを行っております)。
(注) 1.厚生労働省「令和5年 障害者雇用状況の集計結果」より。
観光物産事業においては、新型コロナウイルス感染症収束後の修学旅行生の誘致や個人観光客の誘客を見据え、民泊受入れ家庭の拡大や新たな体験プログラムの開発に取り組んでまいります。
地方創生事業の中軸をなす障がい者雇用支援事業において地方の障がい者の雇用を拡大するためには、より多くの企業の障がい者雇用を支援することが重要な課題であり、新たにサービスを利用する企業の確保に努めるとともに、既存のサービス利用企業のニーズをより一層汲み上げ、農園においてより多くの障がい者の就労を支援できるよう取り組んでまいります。
② 地方創生事業における障がい者雇用支援サービスの質的向上
地方に在住する障がい者の雇用創出を図るためには、より多くの企業(事業主)に当社サービスを利用してもらうことが必要であり、そのためには当社が運営する農園を利用する事業主が、障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)を遵守して、障がい者の職業能力の開発及び向上へ対応できることが求められます。また、厚生労働省が2023年4月17日に開催された第128回労働政策審議会(障害者雇用分科会)において障害者雇用ビジネス実施事業者の実態把握の取組として「把握した事例と課題等への対応に求められる望ましい取組のポイント(①~⑦)」が公表され、2023年6月12日に開催された第129回労働政策審議会(障害者雇用分科会)においては「障害者が活躍できる職場づくりのための望ましい取組のポイント(リーフレット)」が、2023年12月27日に開催された第130回労働政策審議会(障害者雇用分科会)においては「令和5年度における労働局・ハローワークによる指導・助言の実施事案の例(①~②)」が公表されていることを踏まえ、当社としては農園を利用する事業主が障害者雇用促進法のみならず障害者雇用分科会にて公表された課題を解決し、望ましい取組に沿った障がい者雇用に主体的に取り組めるよう、障がい者各自の障がい特性の把握や合理的配慮の提供、職業能力の開発、適正な雇用管理等の支援に取り組んでまいります。
医療業界においては、少子高齢化による人口構造の変化、社会保障制度や医療制度の変化等により、長期入院患者の退院を促し、患者が居住している地域において医療サービスを受ける方向へ構造変化が生じております。
訪問看護を提供する事業所数は、2023年4月1日時点で全国に15,697事業所(注1)がありますが、訪問看護の利用者数(医療保険)は2001年の48,830人から2019年には287,811人となり、2001年の約6倍にまで増加しております(注2)。また、2025年には団塊の世代の年齢が75歳を超え、人口の5人に1人が高齢者である超高齢社会が到来し(注3)、病院改革・医療技術の向上による在院日数の短縮化が進められ、ますます訪問看護の利用ニーズは高まっていくと推測されます。
上記の通り訪問看護に対する社会的な需要は年々高まっておりますが、当社は医療機関と連携を図ることにより地域においてより質の高い在宅医療サービスを提供していくことを重要な課題と考え、医療機関からの信頼確保に努め、地域の医療機関との連携強化を図るとともに、医療機関が在宅医療への対応をスムーズに行えるよう、支援する能力を高めていく必要があると認識しております。
(注) 1.一般社団法人全国訪問看護事業協会「令和5年度訪問看護ステーション数調査結果」より。
2.第434回中央社会保険医療協議会総会(2019年11月20日開催)会議資料のP9記載内容を引用。
3.厚生労働省による広報誌「厚生労働2017年2月号」への記載内容を引用。
「人を通じて、喜びを作り、幸せを作る」という当社の企業理念を実践し、地方創生事業および在宅医療事業において質の高いサービスを提供するために、人材育成の強化に取り組んでまいります。外部機関が開催する研修・セミナーへの参加、社内の研修・勉強会などのカリキュラムの充実を図ってまいります。
特に地方創生事業では、障がい者雇用支援事業従事者を対象に、精神科訪問看護ノウハウを利用した社内の研修・勉強会などを行い、教育体制の充実を図ってまいります。
2019年9月4日付の厚生労働省の「平成30年衛生行政報告例の概況」によれば、2018年度末時点において約122万人の看護師が就業しているとされていますが、その中で在宅医療に関わる訪問看護事業所で就労する看護師は僅か4.3%の51,740人にとどまっている状況下にあります。
今後、国の方針が「治す医療」から「治し、支える医療」へと転換していく中で、当社が在宅医療事業において十分な訪問診療サポートサービスを提供していくためには、サービス提供者である看護師等の人材の確保が特に重要な課題であると認識しております。一人でも多くの方が、住み慣れた家で生活が送れるようにサポートできる人材を確保してまいります。
他方、地方創生事業では、多岐にわたるサービスを提供しており、障がい者雇用を理解した人材等、各事業内容に造詣の深い人材の確保に努めてまいります。
なお、事業拡大にあたり、人材の確保が急務である為、雇用条件の改善にとどまらず、福利厚生の充実等、働きやすい環境づくりに注力してまいります。
当社は、財務基盤の安定性を維持しながら、様々な事業上の課題を解決するための事業資金を確保し、また、 新たな事業価値創出のために機動的な資金調達を実行できるよう、内部留保の確保と株主還元の適切なバランス を模索していくことが、財務上の課題であると認識しております。
(1) ガバナンス
コンプライアンス委員会において、コンプライアンスマニュアルに基づき、経営層がESG分野全般の方向性、適正性について、2回/年以上のマネジメントレビューを実施しています。年2回開催するコンプライアンス委員会において、コンプライアンス・リスク管理会議から報告を受け、内容を審議しています。これらの審議の結果のうち、重要事項は取締役会や経営会議に報告されています。
当社は、リスク管理委員会において、コンプライアンス・リスク管理会議から報告を受けた経営に重要な影響を与えるリスクに対して、総合的な管理を実施しています。コンプライアンス・リスク管理会議から報告されてきたリスクは、抽出・分析・評価を行ったうえで優先的対応リスクを選定し、所管部署が中心となってリスク低減に関する各種施策を実施しています。
コンプライアンス・リスク管理会議では、各種施策の進捗状況やリスクの最新状況を確認するとともに、リスク管理委員会に報告します。リスク管理委員会は、報告に基づいてリスク管理に関する指示・監督を行っています。
当社は、「人を通じて、喜びを作り、幸せを作る」という企業理念のもと、在宅医療事業及び地方創生事業の2つの事業を通じて「地域を問わず全ての人が、心豊かに、能力や個性を発揮できる社会の実現」を目指すゴールとし、ゴールの実現に向けて、企業の継続的な成長を目指し、従業員の職業能力の向上に取り組んでいます。当社の事業の特性上、人に依拠するところが大きいため、人的資本について記載しています。
当社は、「従業員一人ひとりの個性を尊重し、強みを最大限活かすこと、従業員の努力を支援すること、成果に対して正しく報いること」に注力し、様々な取り組みを行っています。
当社は、全従業員がモチベーション高く、いきいきと仕事に取り組み、結果として自身の成長に繋げられるよう、下記のような人事施策を行い、積極的に社内環境整備に努めています。
・勤務形態の多様化
週4日勤務や朝夕の時短勤務、またコロナ禍における対策として導入した在宅勤務にかかる取扱いを継続するなど、勤務形態を幅広く制度化することで、従業員一人ひとりに合った働き方を支援しています。
・ICT技術の活用
各種業務用SaaS、ICTを最大限に活用することで、ノンコア業務の負担軽減を図り、生産性の向上、学習機会の増加に繋げております。
・従業員アンケートの実施
全従業員を対象に定期的なアンケートを実施し、従業員一人ひとりの考え方や価値観の理解に努め、個々の教育方針やプログラムに繋げ、エンゲージメント向上及び離職率の引き下げに努めております。
・研修制度
「従業員の自律的な成長意欲に対して最大限支援を行う」という考え方のもと、基本的な教育内容はもちろん、外部講師の活用も含め、テーマ別の研修を多岐にわたって実施することで、従業員一人ひとりのキャリア・スキルアップに注力しています。
また、安全運転等の実技を伴う研修を除き、研修はオンラインで実施し、録画した動画を随時見ることができるようにすることで、研修への参加率の向上に取組んでおります。
(研修例)
新入職者研修、OJT研修、フォローアップ研修、次世代リーダー育成研修、職種別研修、職位別研修、管理者研修、人事考課者・考課対象者研修、専門的知識向上研修、コンプライアンス研修、リスク管理研修等
・評価制度
従業員の努力と成果を公正に評価し、処遇に結びつけるとともに、人事考課制度を運用しております。
当社においては、人的資本に関する目標として、次の指標を掲げております。
(注)1.将来に関する事項は、有価証券届出書提出日現在において当社が判断した値であります。
2.実績値は、2024年1月31日時点のものであります。
また、人材育成方針に関する重要指標として、以下を掲げております。
・女性従業員比率
在宅医療事業、地方創生事業ともに女性が多く活躍しており、女性の従業員比率が56.7%(2024年1月31日時点)と半数を超えております。
(注)全ての労働者:「正規労働者+非正規労働者」となります。以下同様。
・男女賃金格差
正規労働者については、男性の77.8%(2024年1月31日時点)となっております。当社においては、同じ役割であれば男女で賃金の差を設けていないため、この差は、上級管理職(執行役員、部長・室長)において男性比率が高いことによるものと考えております。但し、全ての労働者で見ると、女性の賃金が男性を上回っており賃金格差は小さい状態です。今後、上級管理職への女性登用等を検討し、乖離解消に努めていきます。
(注) 1.平均年間賃金:「2023年2月支払分~2024年1月支払分の賃金÷年間平均従業員数」となります。
2.男女賃金格差:「平均年間賃金(女性)÷平均年間賃金(男性)」となります。
※平均年間賃金:2023年2月~2024年1月に従業員支払われた賃金の合計を月平均の従業員数で除したもの
・女性管理職比率
全従業員のうち管理職(課長以上)が占める割合は12.5%となっており、女性管理職比率(女性管理職数÷男性管理職数)は37.7%となっております(2024年1月31日時点)。管理職全体で見ると格差は小さいですが、「部長・室長及び執行役員」においては男性優位となっております。今後、格差の解消に努めていきます。
(注)管理職:課長以上の役職となります。
・障がい者雇用について
障がい者雇用支援を主事業の一つとする企業として、自社においての障がい者雇用にも積極的に取組んでおります。障がい者が職業人として自立して継続的に働けるように、障がい者が働きやすい職場環境整備の促進、また様々な研修会を企画するなど、職業能力の開発及び向上に関する取り組みを実施しており、結果、前年同時期を上回る雇用を実現しております。※2024年1月31日時点の障害者雇用数(2022年:7.0人 2023年:7.5人)
・有給休暇取得率(注1、2)
(注) 1.「有給休暇取得率」は、「付与日から1年間の取得日数÷当該年付与の有給休暇日数」となります。
2.付与日数が10日以上の従業員が対象となります。
・健康経営
企業が健全な成長を実現するため、従業員が心身ともに健康であることが重要であると考え、従業員一人ひとりの健康推進に取り組んでいます。有給休暇取得率の毎年の改善を目標としています。
(4) 戦略(気候変動対策)について
当社は、「人を通じて、喜びを作り、幸せを作る」という企業理念のもと、在宅医療事業及び地方創生事業の2つの事業を通じて「地域を問わず全ての人が、心豊かに、能力や個性を発揮できる社会の実現」を目指すゴールとし、ゴールの実現に向けて、企業の継続的な成長を目指し、従業員の職業能力の向上に取り組んでいます。
当社の事業の特性上、地方の環境に依拠するところが大きいため、気候変動対策について記載しています。
当社は、2021年9月15日に五島版RE100(注1)の認定を受け、全てのコルディアーレ農園で再生可能エネルギー100%の電力を活用してCO2排出削減に取り組んでおります。
(注) 1.五島版RE100とは事業者・団体の活動で使用する電力を全て五島産および再生可能エネルギーで賄い、CO2ゼロを目指す取り組みであり、RE100とはRenewable Energy(再生可能エネルギー)100%の略称です。五島版RE100の認定条件は下記となります。
1.企業や団体が「使用する電力を脱炭素化する」趣旨に賛同し、それを実施する宣言を行う。
2.企業や団体は、宣言の根拠となる「長期行動計画」を作成し、それを認定委員会が認定する。
また、毎年、実績報告を認定委員会に提出し認定委員会が確認する。
3.宣言では目標到達期限を、計画策定後5年以内とする(五島市が今回認定された各施設は、2022年度に目標達成予定)。
4.長期行動計画では、初年度より1ヶ所以上の事業所にて「五島産電気」を使用し、かつ、「再エネ100%・CO2ゼロ」を実施する条件を盛り込む。ただし、テナント入居などで「五島産電気」を使用できない場所のみ、例外的に「再エネ100%・CO2ゼロ」のみで認定可能とする。
5.五島市以外の事業所の申請については、五島市内の事業所の申請を妨げることにならないように五島産電力を供給する販売会社と協議の上、認定する。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであり、リスクを把握し、管理する体制・枠組みに関しては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の記載を参照ください。
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の在宅医療事業は、下表のとおり介護保険法に基づく指定居宅サービス事業者の指定を都道府県知事から、健康保険法に基づく指定訪問看護事業者の指定を厚生労働省地方厚生局から受けています。介護保険法においては、訪問看護の適正な運営を確保するために、事業主が欠格事由に該当した場合や条文に基づく命令処分に違反した場合において事業の許可の取り消しや事業の全部もしくは一部の停止を命じられる旨が定められております。また、本許可には有効期限があるため、その円滑な更新に努める必要があります。当社としては、引き続き法令を遵守した事業運営を行っていくべく、今後も法令遵守体制の強化や社内教育等を行いリスクの管理等に努めてまいります。
当社が在宅医療事業を開始して以降、本書提出日までの間に本許可が取り消しとなる事由や業務停止処分等を受けた事由は発生しておりませんが、指定居宅サービス事業者や指定訪問看護事業者の取り消しや当該業務の一部の停止の命令を受けた場合、許可の有効期限内に許可の更新がされない場合には、訪問看護サービスを提供することができず、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
(在宅医療事業における許認可等の状況)
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
在宅医療事業では、精神疾患を有する患者を主たる対象者として、外来での診療を中心としている医療機関に対する経営コンサルティングや精神科訪問診療に関する各種セミナーの開催等を通じて、医療機関等との関係性の構築を図り、医師による訪問診療を促し、利用者を当社に紹介していただいております。
しかしながら、当社がサービスを提供している医療機関を取り巻く経営環境の変化によって、患者の入院期間が長期化した場合、医療機関が外来患者の対応を中心とした診療方針を採用し続ける場合、訪問診療を始めた医療機関が再び外来中心の診療方針へと切り替えられた場合には、訪問看護の機会を失うことになることから、これら医療機関側の経営方針によって、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
当社では、特定の医療機関だけではなく、多様な医療機関や市役所、保健センター、就労移行支援事業者等との関係構築にも注力し、利用者紹介元の拡大を図っており、競合する企業は決して多くはないと認識しておりますが、高い資本力を有する企業や知名度を有する企業等の新規参入が相次ぎ、競争が激化した場合には、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:数年に1度、影響度:中)
看護師や准看護師等が利用者の居宅等に訪問した場合の訪問看護診療費は、「精神科訪問看護基本療養費」と「訪問看護療養費」により構成され、国民健康保険法・社会保険診療報酬支払基金法により、全国一律の診療報酬制が敷かれております。
医療保険制度に基づく診療報酬は2年に1回、介護保険制度に基づく介護報酬は3年に1回の頻度で改定が実施されることから、当社としては報酬改定を含む業界動向・環境変化については情報収集等を積極的に行い事業戦略を策定しております。しかしながら、在宅医療事業における連携先である医療機関の経営環境や診療報酬制度、訪問診療等の診療報酬が改正された場合には、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の行う在宅医療事業では、介護保険法、医療保険各法、国民健康保険法、社会保険診療報酬支払基金法、障害者総合支援法、個人情報保護法、その他の関連法令・関連制度等の規制の影響を受けることになります。なかでも、精神疾患を有する患者の多くは、障害者総合支援法の適用を受けることとなりますが、当社では障害者総合支援法に基づく「指定自立支援医療機関」の指定を訪問看護ステーションの設置地域の都道府県知事から得ているため、当社の訪問看護ステーションは病院等と同じ医療機関としての枠組みに区分されることになります。病院と同じように医療保険(社会保険・国民保険等)が適用され、訪問看護を利用された場合の費用(自己負担)は、3割負担となります。訪問看護を利用された方の診療報酬明細書を作成して、社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会に提出することで、7割の診療報酬が支払われ、疾患や障がいの程度によっては、国の助成制度や医療扶助があるため自己負担が軽減される場合があります。当社としては法的規制を含む業界動向・環境変化については情報収集等を積極的に行い事業戦略を策定しております。しかしながら、これら法的規制の改正等が行われた場合には、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は、在宅医療事業における利用者の看護履歴、服薬情報、疾患情報等のセンシティブな利用者情報の一元的管理を実施することを目的とした専用のネットワークシステムを全拠点に導入しております。システムの利用に際しては、ID、パスワード、アクセス制限等、システム上の一定の制御を行っており、システムの導入元からは定期的な保守・メンテナンスを受けております。また、当該システムを導入して以降、事業運営面で重大な支障を及ぼしたシステムトラブルや利用者の個人情報等の漏洩事案等は生じておりません。
しかしながら、これらの対応策を以ってしても防ぎきることのできないシステムの誤作動やその他何らかのシステム障害等が生じた場合、利用者情報の正確な記録、保存が出来なくなることで、事業運営面での支障が生じる可能性があるほか、これら社内システムへの外部からの不正侵入によるウィルスの拡散や利用者情報の漏洩等が生じた場合には、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境 ②地方創生事業」に記載した通り、民間企業等における障がい者の法定雇用率(障害者雇用促進法で規定)は引き上げられる傾向にありますが、障がい者の法定雇用率の変化や障がい者の求職動向等、企業の障がい者雇用を取り巻く環境が変化した場合には、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
特に法定雇用率は2021年3月に2.3%へ引き上げられ、2024年4月には2.5%、2026年7月には2.7%への引き上げが決定しております。この2.3%から2.7%への2回の引き上げにより新たに11万人以上※の障がい者の雇用が生まれる可能性があり、当社のサービスに対するニーズも高まることが想定されます。法改正を含む業界動向・環境変化については情報収集等を積極的に行い事業戦略を策定しておりますが、今後の法改正等によって法定雇用率の引き上げが中止された場合や、雇用義務そのものがなくなった場合には、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。 (※令和5年障害者雇用状況の集計結果の民間企業における算定基礎労働者数2,752万人に0.4%を乗じて計算)
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社における障がい者雇用支援事業では、企業等に障がい者及び管理者を単に紹介しているだけではなく、就労機会が限定的な地方において障がい者の雇用を創出する仕組みを備える「コルディアーレ農園」を開設し、企業等に採用された障がい者等に対して就労の場を提供しております。また、障がい者雇用の創出に加え、職場定着に向けた取り組みとして、当社の訪問看護ノウハウを持った看護師による健康面への配慮や、当社農園スタッフによる障がい者の特性を理解したサポート等を通じて、障がい者が働きがいをもって就労することができる職場環境づくりに努めており、障がい者自らの経済的な自立支援を視野に入れたビジネスモデルと認識しております。
障害者雇用促進法では、事業主による障がい者と健常者との均等な雇用機会の確保、障がい者に対する差別の禁止、障がい者への合理的配慮の確保等に関する諸規定や指針が示されております。当社からの紹介によって企業等に採用された障がい者やその管理者は、当該企業等の本支店等ではなく、当社が就労の場として提供している「コルディアーレ農園」にて就業していること自体が障害者雇用促進法その他の労働関連法令に違反するものではないことを外部の法律専門家(弁護士)に確認しております。
また、外部の法律専門家を通して厚生労働省にも照会を行い、適法性を確認しております。
しかしながら、当社の障がい者雇用支援事業のような仕組みに対しては否定的な風評が存在していることを認識しております。このような風評等を踏まえて、厚生労働省は実態調査を行い、2023年4月17日に開催された第128回労働政策審議会(障害者雇用分科会)において障害者雇用ビジネス実施事業者の実態把握の取組として「把握した事例と課題等への対応に求められる望ましい取組のポイント①~⑦」を公表し、2023年6月12日に開催された第129回労働政策審議会(障害者雇用分科会)においては「障害者が活躍できる職場づくりのための望ましい取組のポイント(リーフレット)」(注1)を、2023年12月27日に開催された第130回労働政策審議会(障害者雇用分科会)においては「令和5年度における労働局・ハローワークによる指導・助言の実施事案の例①~②」を公表するなど、利用企業への注意喚起や障害者雇用ビジネス実施事業者に対して利用企業への誤解を与えないような指導がなされております。
(注)1.「事業主の皆様へ」と題した農園等の利用企業が行うことが望ましい取組のポイントを紹介した冊子
当社は法令の趣旨や、当該リーフレットの内容を踏まえ、利用企業が望ましい取組みを行うことができるような働きかけや各種取組みを実施し、さらに、同業他社と業界団体(一般社団法人障害者雇用促進事業者協会)を設立し、法令及び法令の趣旨に沿った運営に取り組んでおりますが、今後新たな風評等が発生した場合や当社の障がい者雇用支援事業のビジネスモデルを規制するような法改正や条例の制定等が行われた場合には、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
地方創生事業では、障害者雇用促進法や雇用機会均等法以外にも、労働関連法令、職業安定法、農地法、旅行業法、特定商取引法、食品衛生法、酒税法、建築基準法等、規制を受ける関係法令は多岐にわたっており、それらの法令・規則を遵守する必要があります。
当社では関連業法をまとめた一覧を作成し、四半期毎に見直しを実施することで関連法令への遵守に注力しておりますが、関連法令の規制強化等が生じた場合、障がい者雇用支援事業における有料職業紹介事業許可や、観光物産事業における第2種旅行業の登録取り消しや抹消事由が生じた場合には、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
(地方創生事業における許認可等の状況)
(a) 障がい者雇用支援事業
(b) 観光物産事業
(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の障がい者雇用支援事業において提供しているサービスと同様に民間企業に対して障がい者の人材紹介を含む雇用支援サービスを提供する競合企業は多数存在しております。当社は、調査会社による調査等も活用し当社の競合優位性を確認したうえで、サービス内容やマーケティング手法の改善に日々取り組んでおりますが、サービスの改善等により既存の競合企業の競争力が向上した場合や、新規参入等による競争環境の変化により当社が提供しているサービスが優位性を保てなくなり、当社が顧客を維持・獲得できなかった場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は長崎県五島市において民泊事業を運営しております。毎年、民泊を受け入れる家庭に対して、五島保健所による衛生管理講習や五島病院によるアレルギー講習会を受講いただいておりますが、民泊を受け入れる家庭において食中毒が発生する等の安全衛生面での問題が発生した場合や、各種の体験プログラムにおける不慮の事故等が発生した場合には、風評が報道機関等を通じて報じられることによって、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社が展開している観光物産事業は、多数の競合企業が存在していることに加え、宿泊事業者や特産品製造業者等のサプライヤーの直販等により、厳しい競争環境にあります。当社では障がい者雇用支援事業との連携により、農園利用企業の利便性に特化した出張パッケージや、農園を活用した独自のダイバーシティ研修プランの企画・販売などにより単純な価格競争に陥らない差別化に努めておりますが、今後更なる競争環境や価格競争に晒された場合には、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
在宅医療事業及び地方創生事業が今後持続的な成長を遂げていくためには、看護師をはじめとする人材の安定的確保が必要となってまいります。中でも看護師、准看護師等に関しては、人材の流動性が相対的に高い職種であると当社では認識していることから、これら有資格者の採用活動においては、社内紹介制度の導入、公的機関への募集広告の掲載、人材紹介会社の活用等の施策を講じ、標準的な週休2日の勤務形態のほかにも各人の働き方に合わせた複数の就業形態を導入していることに加え、保有資格や成果等に応じた処遇を行うことで、従業員の定着策を講じております。
また、定着化という面においては、両事業ともに労働集約的な事業であり、利用者宅や農園という業務実施環境の特性から生じるストレスや長時間労働の発生等により、人材が流出するリスクも高い事業であると認識しており、適度な休憩や長時間労働の防止、有給取得の推進などを行っておりますが、これらの諸施策による効果を得られず、人材の確保や定着化が進まない場合には、両事業の持続的な成長を遂げていく上での支障が生じ、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
在宅医療事業の訪問看護ステーション等の新たな事業拠点の開設に際しては、訪問看護サービス利用者の紹介元となっている医療機関の医師による訪問診療と当社の看護師等による訪問看護が効率的に行うことが可能な立地条件、地域特性等を慎重に分析した上で、開設の意思決定をしております。
また、地方創生事業の障がい者雇用支援事業において、企業等に採用された障がい者及び管理者の就業場所となる農園を新たに開園するに際しては、当該開園候補地における障がい者数、立地条件、地域特性等を慎重に分析した上で、新規開設の意思決定をしております。
しかしながら、これら新規拠点の開設が計画通りに進まなかった場合や開設に必要とされる人員確保が進まなかった場合には、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の事業拠点は、そのほとんどが賃借物件であることから、賃貸借契約の期間満了にあたり契約の更新または新たな契約の締結ができない場合、若しくは予期せぬ事情により契約期間内に終了する場合には、近隣に代替拠点を開設し、または既存の他拠点を活用し、サービス提供の継続を図る方針ですが、これらの対策が奏功しない場合、顧客との契約を継続できないことや設備の処分・除却等により、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
また、当社は、賃貸人とコミュニケーションを密にして良好な関係を維持することで状況変化の徴候を早期に捉えるよう努めるとともに、新たに事業拠点の賃借をする際には、物件の物理的状況、賃貸人の経済的状況等を確認するよう努めて参りますが、賃貸人に破産等の倒産手続が生じ、敷金及び保証金の回収が不能となる場合、あるいは、事業拠点の賃料が増加する場合には、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の創業者である野口和輝は、当社の創業者であると同時に、代表取締役として、当社の経営方針及び事業戦略の立案・決定・事業化に重要な役割を果たしております。また、野口和輝が直接、間接含め保有する当社株式の合計が当社発行済株式総数の42.8%を有する上位株主でもあります。当社では権限委譲を進めており、野口和輝に対する依存度を低下させておりますが、不測の事態等の発生により、野口和輝による経営面での関与・執行継続が困難になった場合には、当社の今後の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は在宅医療事業、地方創生事業を通して関東、九州を中心に多数の事業所を開設しております。当社の運営する農園は屋内型農園を主とする方針でありますが、既存の農園の一部は屋外型農園であるため施設賠償保険に加入しております。また、感染症に対応し、本書提出日現在においても、農園運営と訪問看護に従事する従業員についてはマスク着用を原則とする等の対応を行っております。しかしながら、これらの事業所を開設している地域において地震や、台風、竜巻等の自然災害が生じ、当社所有の設備に被害が生じた場合や、感染症等の流行による訪問看護サービスの実施や農園運営に障害が発生した場合等については、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
在宅医療事業では訪問看護サービスの利用者情報、地方創生事業では農園利用企業が農園において雇用している障がい者の個人情報等、センシティブな情報を保持しており、これらの個人情報は所定の社内規程等に基づき厳重に管理しております。部署毎に情報システムにアクセスできる権限を細分化し、不必要な情報にアクセスができないようにし、情報管理を徹底しておりますが、何らかの理由で個人情報が漏洩した場合には、当社に対する社会的信用が毀損すること等により、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
在宅医療事業、地方創生事業ともに利用者とその家族、医療機関及び行政機関等のステークホルダーとの信頼関係のもとに成立している事業であることから、利用者の容体や症状等の変化に臨機応変に対応するための訪問看護マニュアルなどのマニュアルの整備や、従業員への定期的な教育研修の実施等を通じて、利用者への安定的かつ質の高いサービスの提供に努め、緊急を要する事態において適切な処置等が出来るような社内体制を整えております。
しかし、このような体制を整備していながら、当社従業員の過失責任によって、利用者の症状や容体の深刻化を招いてしまった場合や、業務中に利用者に負わせてしまった怪我、人命に関わるような不慮の事故、人権等を無視した利用者に対する不適切行為等によって、利用者またはその家族等から、慰謝料の請求や訴訟を提起された場合や、そうした風評が報道機関等を通じて報じられた場合には、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。なお、本書提出日現在において、重大な訴訟は発生しておりません。
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、役員及び従業員に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しており、本書提出日現在における付与数は353,000株であり、発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は、7.6%となります。これらの新株予約権が行使された場合、当社株式が発行され、既存株主が保有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、株主に対する利益還元については経営の重要課題の一つと位置付けておりますが、現時点において配当を実施しておりません。今後におきましては、経営成績、財政状態、事業計画の達成状況等を勘案しながら、株主への利益配当を検討していく方針であります。
しかしながら、当社の事業が計画どおり推移しない場合など、配当を実施できない可能性があります。
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
ベンチャー・キャピタルまたはベンチャー・キャピタルが運営するファンド(以下、VC)が保有する当社株式の合計が当社発行済株式総数の50.0%となっており、一般的にVCが保有する株式は上場後、段階を追って売却がなされる可能性が高く、ロックアップ期間(元引受契約締結日から上場日(当日を含む。)経過後もしくは株価が公開価格比で1.5倍に値上がりした場合にこれらVCが当社株式を売却しようとする場合、当社株式の市場価格等に悪影響が生じる可能性があります。
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社が予定している公募増資による調達資金については、新たな農園設備費用、広告宣伝費用に充当する予定であります。
しかしながら、事業環境の急激な変化等により、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定した投資効果が得られない可能性があります。
なお、資金使途を変更する場合には、適時適切に開示等を行ってまいります。また、投資効果については継続的に投資効果を測定、改善を行い、想定どおりの成果をあげられるように取り組んでまいります。
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:中)
当事業年度末において、当社は税務上の繰越欠損金を有しております。当社の業績が順調に推移することにより、繰越欠損金が解消された場合には、所定の税率に基づく納税負担が発生するため、当期純利益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社が保有する固定資産について、経営環境の変化による収益性の低下等により、減損損失が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:全期間、影響度:中)
わが国においては、商慣習上3月を期末月とする企業が多く、地方創生事業の障がい者雇用支援事業は企業向けに提供するサービスであることから、顧客企業は新年度である4月に向けて、3月末までに当社サービスの提供を求める例がみられること等により、障がい者雇用支援事業の障がい者紹介数、人材紹介売上の計上が下期偏重になりやすく、当社の業績も下期偏重になりやすい傾向があると認識しており、第1四半期から第3四半期の決算数値における通期利益計画の進捗率が低くなりやすいことから、投資家の投資判断に影響を及ぼすリスクがあります。
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:全期間、影響度:中)
当社の株主構成は本書提出日現在、当社代表取締役野口和輝、ベンチャーキャピタル及び事業会社であり、本公募によって当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める上場維持基準は25%であるところ当社の流通株式比率は29.3%にとどまる見込みです。
今後は、ベンチャーキャピタルによる当社株式の売却や、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加等により流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。通期利益計画の進捗率が低くなりやすいことから、投資家の投資判断に影響を及ぼすリスクがあります。
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、事業を展開していく過程において、各種契約や法令の違反、労働問題、知的財産権に係る問題等に関して、取引先・従業員等により訴訟を提起される可能性やその他の法的手続きの当事者となるリスクを有しております。そのようなリスクを低減させるために、当社は「リスク管理規程」及び「コンプライアンス管理規程」を制定し、両規程に基づいてリスク管理体制及びコンプライアンス管理体制を整備しており、役職員には社会的責任や社会貢献を重視し、法令等を遵守した行動、高い倫理観をもった行動をとることを周知徹底しております。しかしながら、上記のリスクが顕在化し、当社が当事者となる訴訟やその他法的手続きにおいて、敗訴若しくは当社にとって不利な内容の和解がなされる場合、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
また、当社は、将来的な労務リスクを低減する目的で、2023年4月に労働基準法上の管理監督者の範囲を縮小変更しており、その結果、2023年4月以降、管理監督者から除外された従業員が存在しております。当社は、管理監督者から除外された従業員から過去(2023 年3月以前)の未払賃金は存在しない旨を確認する同意書を取得しており、また、管理監督者の適用範囲の変更前においても、管理監督者性が否定される可能性は極めて低い旨の見解を外部の社会保険労務士法人より受領しております。従って、当社としては、過去の管理監督者の範囲変更に起因する未払賃金に係る労使トラブルが顕在化するリスクは低いと考えておりますが、既に労使関係の存在していない者からのものも含め、未払賃金請求が発生した場合、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:時期特定なし、影響度:大)
当社には株式会社N・フィールド出身の取締役が4名在籍しており、各取締役は、株式会社N・フィールドとの間で役員等退任後1年間の競業避止契約を締結しておりました。当該期間中に各取締役は競業避止義務に違反した行為をおこなっておらず、各取締役が株式会社N・フィールドと締結していた競業避止契約に違反していないことは外部の法律専門家(弁護士)にも確認をしておりますが、株式会社N・フィールドより競業行為の差止請求や損害賠償請求があり、当該違反が認められた場合には、当社の事業及び業績は影響を受ける可能性があります。なお、本書提出日現在において、民法上の時効期間を過ぎていると認識しておりますが、現時点までに株式会社N・フィールドからの請求等は受けておりません。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
第7期事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(資産の状況)
当事業年度末における流動資産は、1,258,471千円となり、前事業年度末に比べ175,666千円増加いたしました。これは主に、営業活動による収入等により現金及び預金が127,855千円、売上の増加により売掛金及び契約資産が55,028千円増加したことによるものであります。
当事業年度末における固定資産は、734,623千円となり、前事業年度末に比べ246,913千円増加いたしました。これは、のれんの償却及び減価償却により無形固定資産が6,605千円減少したものの、主に農園開園に伴う設備投資により有形固定資産が191,028千円、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、繰延税金資産の計上により投資その他の資産が62,490千円増加したことによるものであります。
(負債の状況)
当事業年度末における流動負債は、404,538千円となり、前事業年度末に比べ267,263千円減少いたしました。これは主に、従業員の増加に伴う給料手当の増加により未払費用が20,928千円、設備投資及び広告宣伝にかかる未払金が19,200千円、リース車両の取得によりリース債務が10,715千円増加したものの、銀行への借入返済により短期借入金が320,000千円減少したことによるものであります。
当事業年度末における固定負債は、255,966千円となり、前事業年度末に比べ20,484千円増加いたしました。これは主に、銀行への借入返済により長期借入金が45,372千円減少したものの、リース車両の取得によりリース債務が36,360千円、農園開園に伴う造作等により資産除去債務が19,233千円、農園開園に伴う設備投資により長期未払金が7,309千円増加したことによるものであります。
(純資産の状況)
当事業年度末における純資産は、1,332,589千円となり、前事業年度末に比べ669,358千円増加いたしました。これは、第三者割当増資により資本金及び資本準備金がそれぞれ240,750千円増加したこと及び当期純利益を187,858千円計上したことによるものであります。
第8期第3四半期累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
(資産の状況)
当第3四半期会計期間末における流動資産は、1,319,844千円となり、前事業年度末に比べ61,373千円増加いたしました。これは主に、銀行への借入返済等により現金及び預金が31,261千円減少したものの、売上の増加により売掛金及び契約資産が72,072千円増加、従業員増加に伴うシステム利用料の一括支払の増加等により流動資産のその他に含まれる前払費用が13,842千円増加したことによるものであります。
当第3四半期会計期間末における固定資産は、709,741千円となり、前事業年度末に比べ24,882千円減少いたしました。これは主に、繰延税金資産の取り崩しにより投資その他の資産に含まれる繰延税金資産が19,543千円減少したことによるものであります。
(負債の状況)
当第3四半期会計期間末における流動負債は、431,423千円となり、前事業年度末に比べ26,884千円増加いたしました。これは主に、銀行への借入返済により1年内返済予定の長期借入金が28,446千円減少、賞与の支給により賞与引当金が17,076千円減少したものの、当第3四半期会計期間末が金融機関休業日であったことにより流動負債のその他に含まれる未払費用が43,062千円増加、当第3四半期会計期間末が金融機関休業日であったことにより流動負債のその他に含まれる預り金が23,101千円増加したことによるものであります。
当第3四半期会計期間末における固定負債は、167,036千円となり、前事業年度末に比べ88,930千円減少いたしました。これは主に、銀行への借入返済により長期借入金が77,553千円減少、リース債務の返済により固定負債のその他に含まれるリース債務が7,484千円減少したことによるものであります。
(純資産の状況)
当第3四半期会計期間末における純資産は、1,431,126千円となり、前事業年度末に比べ98,537千円増加いたしました。これは、四半期純利益の計上により利益剰余金が98,537千円増加したことによるものであります。
第7期事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による規制が緩和され、経済活動も正常化に向けて進んでまいりました。一方で、資源・エネルギー価格の高騰や円安に伴う物価上昇などの影響により、先行き不透明な状況が続きました。
このような状況のなか、当社では「人を通じて、喜びを作り、幸せを作る」を企業理念に掲げ、「地域を問わず全ての人が、心豊かに、能力や個性を発揮できる社会の実現」を目指すゴールとし、「在宅医療事業」及び「地方創生事業」を柱とした事業を展開しております。「在宅医療事業」につきましては、精神疾患者に対し良質で適切な医療の提供を行うため、訪問診療の支援や訪問看護サービスを通じて医療機関等と連携を図り、精神疾患者に対する在宅医療を地域社会において推進してまいりました。「地方創生事業」につきましては、地方における雇用の創出及び地方に在住している障がい者の社会参加の支援に取り組む障がい者雇用支援事業に注力してまいりました。また、財務面につきましては、2022年6月に今後の事業拡大及び財務基盤の強化を図るため、第三者割当増資を実施いたしました。
以上の結果、当事業年度における売上高は2,967,671千円(前期比27.4%増)、営業利益は164,687千円(同84.3%増)、経常利益は160,762千円(同94.4%増)、当期純利益は187,858千円(同209.0%増)となりました。
なお、セグメント別の状況は、「(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
第8期第3四半期累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による規制が緩和され、経済活動の正常化が進み、景気の持ち直しの動きが見受けられました。一方で、日米金利差拡大を背景とした急激な円安による物価上昇圧力、地政学的リスクの高まりや世界的な原材料価格の高騰など、先行き不透明な状況が続きました。
このような状況のなか、当社では「人を通じて、喜びを作り、幸せを作る」を企業理念に掲げ、「地域を問わず全ての人が、心豊かに、能力や個性を発揮できる社会の実現」を目指すゴールとし、地域課題の解決や社会へのインパクト創出の実現に向けて、「在宅医療事業」及び「地方創生事業」を柱とした事業を展開しております。「在宅医療事業」につきましては、持続可能な医療体制のもと、住み慣れた地域で社会的な生活を家族と共に営むことができる社会の実現に向けて、訪問診療の支援や訪問看護サービスを通じて医療機関等と連携を図り、在宅医療を推進してまいりました。「地方創生事業」につきましては、障がいの特性や職業能力等に関わらず、住み慣れた地域で仕事を通じて自己実現ができる社会の実現に向けて、地方における雇用の創出及び地方に在住している障がい者の雇用促進、職業能力開発・向上の支援に取り組む障がい者雇用支援事業に注力してまいりました。
以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は2,545,603千円、営業利益は133,141千円、経常利益は131,308千円、四半期純利益は98,537千円となりました。
なお、セグメント別の状況は、「(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
第7期事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末の680,202千円に比べ123,263千円増加し、当事業年度末残高は803,465千円となりました。
なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果、獲得した資金は224,538千円(前事業年度は145,266千円の獲得)となりました。これは主に、売上の増加により売上債権の増加額が55,028千円(前事業年度は売上債権の増加額が82,637千円)であったものの、税引前当期純利益が161,322千円(前事業年度は税引前当期純利益が75,989千円)減価償却費が87,264千円(前事業年度は減価償却費が49,090千円)、従業員増加に伴う給与手当の増加により未払費用の増加額が20,928千円(前事業年度は未払費用の増加額が23,291千円)であったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果、支出した資金は195,499千円(前事業年度は176,257千円の使用)となりました。これは主に、農園開園に伴う設備投資により有形固定資産の取得による支出171,724千円(前事業年度は有形固定資産の取得による支出134,635千円)、農園開園に伴う敷金等の支払により差入保証金の差入による支出28,477千円(前事業年度は差入保証金の差入による支出39,285千円)があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果、獲得した資金は94,224千円(前事業年度は485,802千円の獲得)となりました。これは主に、銀行への借入返済により短期借入金の純減額320,000千円(前事業年度は短期借入金の純減額130,000千円)、銀行への借入返済により長期借入金の返済による支出42,938千円(前事業年度は長期借入金の返済による支出36,960千円)、リース債務の返済によりリース債務の返済による支出14,307千円(前事業年度はリース債務の返済による支出6,882千円)があり、長期借入れによる収入がなかった(前事業年度は長期借入れによる収入150,000千円)ものの、第三者割当増資により株式の発行による収入481,500千円(前事業年度は株式の発行による収入518,400千円)があったことによるものであります。
当社では生産活動等を行う事業は行っておりませんので、該当事項はありません。
② 受注実績
当社では受注生産等を行う事業は行っておりませんので、該当事項はありません。
第7期事業年度及び第8期第3四半期累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.第7期事業年度において、地方創生事業の販売実績に著しい変動がありました。これは、主に障がい者雇用支援事業における新規企業との契約獲得及び既存のサービス利用契約締結企業との追加契約獲得によるものであります。
(注)2. 最近2事業年度及び第8期第3四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販
売実績に対する割合
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
また、第7期事業年度より報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当事業年度の比較・分析は変更後の区分に基づいております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産については、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異を計上しております。繰延税金資産の回収可能性に用いられる将来の課税所得の見積りは、事業計画を基礎としており、外部環境や収益動向等を考慮の上で設定した売上予測をその主要な仮定としております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を及ぼす可能性があります。
第7期事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(売上高)
当事業年度における売上高は、2,967,671千円(前期比27.4%増)となりました。これは主に地方創生事業の障がい者雇用支援事業における新規契約獲得、ストック収入増及び在宅医療事業における新規利用者数の増加に伴う訪問件数の増加によるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は、1,836,964千円(前期比29.4%増)となりました。これは主に事業規模拡大により原価部門の人員数が増加したことに伴う人件費等の増加及び地方創生事業の障がい者雇用支援事業における新規農園開園に伴う地代家賃の増加によるものであります。
この結果、売上総利益は、1,130,707千円(前期比24.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、966,019千円(前期比17.7%増)となりました。これは主に事業規模拡大により事務員の人員数が増加したことに伴う人件費等の増加及び地方創生事業の障がい者雇用支援事業における広告宣伝費の増加によるものであります。
この結果、営業利益は、164,687千円(前期比84.3%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度における営業外収益は、3,906千円(前期比31.9%減)となりました。これは主に補助金収入が減少したことによるものであります。また、営業外費用は、7,831千円(前期比36.8%減)となりました。これは主に支払利息が減少したことによるものであります。
この結果、経常利益は、160,762千円(前期比94.4%増)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度における特別利益は、1,533千円(前事業年度は発生しておりません)となりました。これは主に受取保険金が発生したことによるものであります。また、特別損失は、974千円(前期比85.5%減)となりました。これは主に前事業年度に発生した固定資産除去損が当事業年度においては発生しなかったことによるものであります。当事業年度における法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は、△26,536千円(前事業年度は15,187千円)となりました。これは主に新たに繰延税金資産を計上したことによるものであります。
この結果、当期純利益は、187,858千円(前期比209.0%増)となりました。
第8期第3四半期累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
(売上高)
当第3四半期累計期間における売上高は、2,545,603千円となりました。これは主に在宅医療事業における診療報酬及び地方創生事業の障がい者雇用支援事業における人材紹介料、サポート料等によるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当第3四半期累計期間における売上原価は、1,649,128千円となりました。これは主に原価部門の人件費、在宅医療事業における事業所及び地方創生事業の障がい者雇用支援事業における農園の地代家賃によるものであります。
この結果、売上総利益は、896,474千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当第3四半期累計期間における販売費及び一般管理費は、763,333千円となりました。これは主に管理部門の人件費、在宅医療事業における看護師の採用費用及び地方創生事業の障がい者雇用支援事業における広告宣伝費によるものであります。
この結果、営業利益は、133,141千円となりました。
(営業外損益、経常利益)
当第3四半期累計期間における営業外収益は、3,318千円となりました。これは主に受取手数料によるものであります。また、営業外費用は、5,151千円となりました。これは株式公開費用及び支払利息によるものであります。
この結果、経常利益は、131,308千円となりました。
(特別損益、四半期純利益)
当第3四半期累計期間における特別損益は、発生しておりません。当第3四半期累計期間における法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は、32,771千円となりました。
この結果、四半期純利益は、98,537千円となりました。
(b) 在宅医療事業における経営成績
第7期事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
わが国の医療環境につきましては、2022年度診療報酬改定の基本方針における重点課題の一つとして、効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築が示されていること等から、当社は、質の高い在宅医療・訪問看護の提供体制の確保及び地域包括ケアシステム構築へ向けた取組みの推進が必要であると考えております。
このような状況のなか、当社は、医療機関に対する経営支援を通じて訪問診療を促す一方で、地域の医療機関と連携し、精神疾患者に対する医師による訪問診療をサポートする形で訪問看護サービスを提供し、地域社会における在宅医療を推進しております。当事業年度におきましては、コロナ禍のなか感染防止に努めながら、地域の医療機関との連携を図った結果、新規利用者数の増加に伴い、訪問看護ステーション1営業所の事業所化を行うとともに、1事業所の増床移転を行いました。当事業年度末においては、訪問看護ステーション14事業所及び2営業所の計16拠点において事業運営を行ってまいりました。
以上の結果、当事業年度における売上高は1,355,221千円(前期比6.4%増)、セグメント利益は217,816千円(同11.1%増)となりました。
第8期第3四半期累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
わが国の医療環境につきましては、2024年度診療報酬改定の基本方針における重点課題の一つとして、安心・安全で質の高い医療の推進が示されていること等から、当社は、質の高い在宅医療・訪問看護の提供体制の確保及び地域全体での医療機能の分化強化、連携の推進が必要であると考えております。
このような状況のなか、当社は、訪問診療の支援や訪問看護サービスを通じて医療機関等と連携を図り、質の高い在宅医療を提供し、地域共生社会の実現に向けて取り組んでおります。当第3四半期累計期間におきましては、新規エリアへの出店による事業領域の拡大及び事業基盤の確立を図るため、北海道札幌市に訪問看護ステーション1事業所を開設いたしました。また、サービス提供体制の整備により2事業所の営業所への形態変更を行い、当第3四半期会計期間末においては、北海道、東京都、埼玉県及び大阪府にて訪問看護ステーション13事業所及び4営業所の計17拠点での事業運営を行ってまいりました。
以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は1,053,837千円、セグメント利益は128,935千円となりました。
在宅医療事業では、下表の経営指標に着眼した業績管理を実施しております。
在宅医療事業における売上高の9割以上は国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金等からの診療報酬と利用者から自己負担していただく診療報酬により構成されており、当事業年度におけるこれら診療報酬単価(平均)は1回の訪問看護あたり約9千円となっております。在宅医療事業における売上高のうち診療報酬に相当する売上高は、当該診療報酬単価に訪問件数を乗じることで、その概算額が算出されます。つまり、診療報酬単価が一定であれば、訪問件数を着実に伸ばしていくことで、在宅医療事業における売上高も着実に伸ばしていくことができる収益構造上の特徴があります。
訪問件数を伸ばしていくための取組みとしては、利用者数や訪問看護ステーションの面展開の状況に応じた看護師職員を着実に増やしていくこと、効率の良い訪問行程に基づく利用者向けの訪問看護サービスを提供すること等によって、全体の訪問件数を伸ばしていくことが可能となります。また、看護師1人当たりの訪問件数を伸ばしていくことで、全体の労務費やその他諸経費の削減にもつながる収益構造上の特徴も有しております。
なお、在宅医療事業における主たる経営指標の定義と2022年4月以降におけるその推移は下表のとおりです。
下表のとおり、利用者数及び常勤換算看護師数は着実に増加しており、今後も地域の医療機関と連携し、精神疾患者に対する医師による訪問診療をサポートする形での訪問看護サービスに注力するとともに、更なる看護師の定着率の向上及び効率の良い訪問行程の策定等により1常勤換算看護師あたり訪問件数を伸ばし、着実な業績の向上に努めてまいります。
※所長も常勤1と換算した場合
※所長も常勤1と換算した場合
(d) 地方創生事業における経営成績
第7期事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
わが国におきましては、加速度的に進む人口減少が、日本の経済社会にとって大きな重荷であると考えられております。そのため、地方の人口減少に歯止めをかけ、地域の活性化を図ることが日本全体の活力向上をもたらすものと考えております。また、当社の主要事業である地方における障がい者雇用支援事業を取り巻く環境につきましては、2018年に改正された障害者雇用促進法において、障害者雇用の法定雇用率が2.0%から2.3%に引き上げが実施されたこと、更に2024年4月に2.5%、2026年7月に2.7%へと段階的な引き上げが予定されていること、また、ダイバーシティの推進及びESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)の視点に代表される「サステナビリティ(持続可能性)」への取組みに対する意識の高まりからも、障がい者の更なる雇用促進、職業能力開発・向上による共生社会の実現及び地方における就労機会の拡充を図ることが必要であると考えております。
このような状況のなか、当社は、障がい者雇用における地域間格差を解消し、就労機会が限定的な地方に在住している障がい者の雇用及び定着支援のサポートサービスを企業に対して提供しております。当事業年度におきましては、企業の障がい者雇用に対する意識が一段と高まっていることに併せて、販路拡大に向けた営業活動及び定着支援のサポートサービスにおける品質向上に努めた結果、新規企業との契約獲得及び既存のサービス利用契約締結企業との追加契約獲得が進み、業績は堅調に推移いたしました。当事業年度におきましては、新たに農園4拠点を開設するとともに、農園の近隣に訪問看護ステーション1事業所を開設し、在宅医療事業における知見を農園利用企業の障がい者の定着支援に対しても活用を図り、当事業年度末においては、農園15拠点及び訪問看護ステーション3事業所において事業運営を行ってまいりました。また、地域社会の活性化を図るべく、修学旅行生の教育体験民泊等の観光による地方誘客及び地方の魅力ある特産品の販売も行ってまいりました。
以上の結果、当事業年度における売上高は1,612,449千円(前期比52.6%増)、セグメント利益は336,917千円(前期比46.8%増)となりました。
第8期第3四半期累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
わが国におきましては、少子高齢化による地域の人口減少や東京一極集中等による地方都市の衰退が課題であり、当社は、地方創生への取り組みを推進し地域の活性化を図ることが必要であると考えております。また、当社の主要事業である地方における障がい者雇用支援事業を取り巻く環境につきましては、2018年に改正された障害者雇用促進法において、障害者雇用の法定雇用率が2.0%から2.3%に引き上げが実施されたこと、更に2024年4月に2.5%、2026年7月に2.7%へと段階的な引き上げが予定されていること、また、ダイバーシティの推進及びESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)の視点に代表される「サステナビリティ(持続可能性)」への取組みに対する意識の高まりからも、障がい者の更なる雇用促進、職業能力の開発・向上による共生社会の実現及び地方における就労機会の拡充を図ることが必要であると考えております。
このような状況のなか、当社は、障がい者雇用における地域間格差を解消し、就労機会が限定的な地方に在住している障がい者の雇用及び定着支援のサポートサービスを企業に対して提供しております。当第3四半期累計期間におきましては、企業が抱える課題やニーズに対するソリューション営業を強化し、販路拡大を推進した結果、新規企業との契約獲得及び既存のサービス利用契約締結企業との追加契約獲得が順調に推移したことに伴い、新たに長崎県長崎市に農園を開園いたしました。また、2023年4月に施行された障害者雇用促進法及び2023年4月と6月に開催された厚生労働省の労働政策審議会(障害者雇用分科会)において公表された、障がい者が活躍できる職場環境の整備や適正な雇用管理のため事業主が行うことが望ましい取組のポイントへの対応として、障がい者の職業能力の開発・向上への取り組みをサポートできる体制の整備を図るとともに、在宅医療事業における知見や蓄積されたノウハウとの融合によるシナジー効果も活用し、サポート体制の品質向上に努めてまいりました。当第3四半期会計期間末においては、長崎県、宮崎県、熊本県、佐賀県、福岡県及び大分県にて農園16拠点及び宮崎県、大分県及び佐賀県にて訪問看護ステーション3事業所での事業運営を行ってまいりました。また、地域社会の活性化を図るべく、修学旅行生の教育体験民泊等の観光による地方誘客及び地方の魅力ある特産品の販売の拡充を図ってまいりました。
以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は1,491,765千円、セグメント利益は318,953千円となりました。
(e) 地方創生事業における収益構造上の特徴と主な経営指標
地方創生事業では、下表の経営指標に着眼した業績管理を実施しております。
地方創生事業における障がい者雇用支援事業の売上高では、企業に当社から紹介した障がい者及びその管理者が当該企業に採用された際の人材紹介料のほか、これら障がい者が当社の設置しているコルディアーレ農園で就労する際に発生する農園利用料、水耕栽培設備レンタル料、当社スタッフによる障がい者の就労支援に際しての定着支援サポート料等を月額課金しております。従いまして、下記の障がい者サポート数を安定的に増やし、且つそれに応じた新たな農園の開設を計画的に進めていくことができれば、変動費の増加は抑制されるため、利益率の上昇も見込むことが出来ます。
また、観光物産事業に関しては、旅行代理店業務にとどまることなく、2019年6月からは五島市から民泊事業を受託し、旅行会社や五島市で活動する体験交流協議会とともに個人旅行としてだけではなく、教育旅行(修学旅行)として全国から多くの若者を受け入れてまいりました。
なお、地方創生事業における主たる経営指標の定義と2022年4月以降におけるその推移は下表のとおりです。
下表のとおり、障がい者受入数合計、旅行及び民泊取扱人数は着実に増加しており、今後、特に障がい者雇用支援事業において、企業が抱える課題やニーズに対するソリューション営業を強化してまいります。また、在宅医療事業における知見を農園利用企業の障がい者の定着支援に対して活用を図るとともに、障がい者の能力開発への取り組みをサポートできる体制の整備に注力し、サポート体制の品質向上に努めることにより、着実な業績の向上に努めてまいります。
(f)財政状態の分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」をご参照ください。
(g)キャッシュ・フローの分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社は、「第2[事業の状況] 3[事業等のリスク]」に記載のとおり、経営環境、事業内容、法的規制等様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材の確保育成に努め、サービスの質の向上を図ることにより、当該リスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、当社のサービスを拡大していくための労務費及び組織強化のための管理部門の人件費等であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。これらの資金需要につきましては、原則として自己資金及び金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。当社は、健全な財務バランスを保ちつつ、効率的な資金調達を図り、流動性の維持に努めております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。