第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、生き物の命を救い、守り続けることを唯一の目的とする「Animal is my life」を企業理念として掲げ、絶えず高度な知識や技術の習得に努め、動物医療の発展に寄与することを通じて、「人と変わりない幸せを動物たちに届けたい」及び「世界最先端の動物医療を実現したい」並びに「動物と社会が隔たりなくつながる世の中を実現したい」を使命としております。

 

(2)経営環境

 日本の動物医療(小動物)は、国民の生活レベルの向上に伴うペットの普及を背景に発展してまいりました。獣医療に対する要求度は、ペットからコンパニオンアニマル(伴侶動物)へといった、飼い主の意識変化につれて高まりを見せ、個人獣医師が全科の診療を行う施設が多数であった時代から、専門医への分化、高度医療の導入、総合病院化と動物病院も多様化が進んできたところです。

 現在、動物医療は、その診療内容について、かかりつけ病院による診療や処置(一次診療)と専門的で高度な設備を用いた検査や手術(二次診療)の大きく2つに分類されておりますが、依然として動物病院の8割以上が獣医師数2名以下の一次診療が主体の小規模病院となっている現状があります。なお、当該傾向は、当社主力拠点のある大阪、東京、沖縄でも同様であります。

 

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 動物病院開設獣医師数はここ10年ほぼ横ばいのまま高齢化が進みつつあります。被雇用者獣医師数は増加傾向にあることから、大学獣医学科の定員がボトルネックとなり獣医師の供給が限られる中、小規模の施設では後継者となるべき獣医師が確保しづらく、世代交代が進みづらい状況となっていることがうかがえます。

 高齢化の進展も手伝い、体力を必要とする職業である獣医師は慢性的に不足傾向にあります。個人診療施設においては、獣医師の高齢化と後継者の不在により廃業を余儀なくされることもあり、場合によっては地域での獣医療提供が不十分となる事態も想定されます。

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 飼育診療施設数の推移としましては、犬猫等小動物の飼育診療施設数は直近10年で約15.1%増加しておりますが、当該増加をけん引しているのは法人診療施設であり、個人診療施設は緩やかな減少傾向にあります。2023年では、犬猫等の飼育診療施設は法人施設が個人施設と同数程度となっております。

 

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 当該傾向は、高度化する飼い主のニーズに応えるためには、高額な設備の導入や、優秀な獣医師の確保、技術・サービスレベルの向上が欠かせないことから、競争力のある組織的な病院経営を志向する施設が増加しつつあるためであると考えております。

 ペット医療市場全体の傾向といたしましては、ペット数は漸減しているものの、ペット医療市場規模は拡大傾向にあります(株式会社矢野経済研究所「ペットビジネスマーケティング総覧2022年版」より)。

 これは、ペットのコンパニオンアニマル化に伴い飼い主がペット(犬・猫)にかける1匹当たり年間支出額が増加傾向にあることを示しており、高度医療を含む獣医療サービスに対するニーズも高まっているものと考えております。

 

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 以上より、ペットの家族化に伴い、獣医療に対する要求度が向上し、高度医療を含む獣医療へのニーズが全体として高まる一方で、安定的な病院運営を行いながら設備投資が必要な高度医療を提供できる施設へのアクセスは、地域によっては未だ十分とは言えない状況にあるものと当社は考えております。

 動物医療を更に発展させるためには、高度医療への対応が可能な獣医師の育成及び施設の充実が不可欠です。しかし、現在の業界構造下では高度医療にかかる獣医師の臨床教育や医療技術の向上の機会も限られており、高度医療サービスを提供可能な施設を展開し得る十分な規模を有する動物病院が不足していることが動物医療業界における重要な課題となっているものと考えております。

 当社グループは、当該課題を解決していくためには、動物病院の組織的運営を拡大していくことが重要であると考えております。

 

(3)経営戦略

 当社グループではこれらの課題を解決し、飼い主のニーズに応えることで当社グループの収益を拡大し、企業価値を増大させるとともに、動物医療の発展に貢献することを目標に、以下の基本的な戦略に基づいて経営を行っております。

① 持続的運営が可能な組織的動物病院経営モデルの確立

② 積極的な事業承継による動物医療の継続的発展への貢献

③ インフラ・教育面からの動物医療発展への貢献

 

① 持続的運営が可能な組織的動物病院経営モデルの確立

 動物医療業界では一次診療又は二次診療に特化した病院モデルが大半ですが、当社グループでは一次診療と二次診療のいずれかに特化するのではなく、爪切りなどの身近なケアからCTやMRI、放射線治療装置を備えた高度医療までシームレスかつ総合的に提供する経営モデルを構築しております。このような体制により、普段から飼い主と密接なコミュニケーションを築くことができ、飼い主の不安の緩和を実現しております。

 具体的には、各エリアにおいてセンター病院となる二次診療施設を置き、そのサテライト病院として一次診療施設を配置することで、グループ内で一次診療と二次診療の緊密な連携が図りやすく、また、長年の診療記録に関するデータが蓄積・共有されることにより適切な治療方針の策定、医療サービスの提供が行えるよう努めております。

 また、人材育成の観点からも、一次診療の基礎から二次診療に必要な高度医療までの臨床経験をグループ内で積むことが可能であるため、高度医療に必要となる知識や技術を身につけた獣医師の社内育成を促進する環境を構築しております。当社グループでは、病院1拠点あたり約3人の獣医師を配置し、複数の獣医師チームにより若手獣医師が相談できる体制を構築しております。また、社内獣医師のキャリア志向により複数の選択肢を提供しております。

 当社グループでは、このようなグループ内での医療知識の蓄積及び人材育成を組織的に行う経営モデルにより、動物病院を持続的に運営すること、及び動物医療における課題である高度医療提供施設及び人材の不足という課題解決が可能と考えており、この経営モデルを既存及び新エリアへと展開していくことを基本戦略としております。

 

② 積極的な事業承継による動物医療の継続的発展への貢献

 動物医療の現場において獣医師の高齢化が深刻な問題となっており、60歳以上の獣医師数は年々増加し、獣医師全体に占める割合も大きくなっております。また、犬・猫の飼育頭数が減少傾向にある一方で、全国の動物病院数は増加傾向にあり、今後一層市場競争が激しくなると予想されます(出典:ペットビジネスマーケティング総覧2022年版(矢野経済研究所))。

 当社グループは、後継者不足や経営難による動物病院の廃業・閉鎖を、その地域の飼い主や動物にとっての損失と捉えており、M&Aを主体とした事業承継を積極的に実施して既存病院を継続・発展させていくことにより、動物医療の継続的発展に貢献すべく事業を推進してまいります。

 

③ インフラ・教育面からの動物医療発展への貢献

 当社グループのコアビジネスは動物病院事業でありますが、より効率的かつ効果的に病院運営を行うことができる顧客管理システム「わん太郎」の開発及び販売を行うとともに、当社システム管理室を中心としたプロジェクトチームにより当該システムのクラウド化を進めております。これにより、かかりつけの小規模病院から高度医療に対応した大規模病院まで幅広く使いやすい形を実現し、動物医療のDXを推進してまいります。また、連結子会社である株式会社ペット・ベットでは小動物臨床獣医師向けの情報サイト「VMN(Veterinary Medical Network)」を運営しており、獣医師への教育コンテンツを配信しております。このようにインフラ面及び教育面からの事業展開を通じて、当社グループの発展だけでなく動物医療全体の発展に貢献することを基本的な戦略としております。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、「獣医師数」及び「診療件数」を最も重要な経営指標と考えております。獣医師数は当社グループが提供可能な医療サービスのキャパシティを把握することができる指標であり、獣医師数の増加により事業規模が左右されるものと認識しているためであります。また、「診療件数」は当社グループが提供した医療サービスを量的に把握することができる指標であり、これまでに行った診療サービスに対する飼い主の満足度が反映されるものと認識しているためであります。

 また、効果的かつ効率的な運営が行えているかを計る指標として「獣医師1人当たり売上高」も重視しております。

 2023年6月期における各経営指標の実績は、獣医師数は90名(平均在籍人数)、診療件数は343,446件、獣医師1人当たり売上高(動物病院運営にかかる年間売上高を稼働ベースの平均人員数で除して算出)は44,358千円(年間)、動物病院運営にかかる売上高は3,991,259千円となっております。2023年6月期の連結売上高4,651,067千円との差額は、ペットサロン運営、動物病院向けソフトウエアの提供、獣医療向教育セミナー配信その他に係る売上高となっております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 人材の確保と育成

 グループ病院を継続して拡大するためには、獣医師や看護師など現場スタッフの確保と育成が必要となります。日本最大級の動物病院グループという優位性を活かした積極的な採用活動を行い、研修制度の整備、労働環境の向上、福利厚生の充実など、働きやすい環境づくりを通じて定着を図ってまいります。

 

② 医療サービスの品質向上

 動物医療サービスを提供する会社として、日々高度な知識や技術の習得に努め、医療環境の充実や医療レベルの向上を図ってまいります。また、医療サービス従事者として、インフォームドコンセントの徹底、現場スタッフのホスピタリティ向上など、トータルでの顧客満足度向上に努めてまいります。

 

③ コーポレート・ガバナンスの強化

 内部統制システムの整備を推し進め、サステナブルな企業価値の向上を目指しております。透明性のある経営体制、健全性及び遵法性の確保、コンプライアンス体制の整備などを通じて、役員及び従業員の法令遵守意識を強化し、コーポレート・ガバナンス体制をより一層整備してまいります。

 

④ 財務上の課題

 当社は、LBOやM&Aにかかる金融機関からの借入金を有しており、今後の借入返済に備えて、更なる内部留保の確保と営業キャッシュ・フローの改善等により財務体質の強化を図ってまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)ガバナンス

 当社グループは、経営会議を定期的に開催しており、日常的にリスク事象の共有、対策・予防の検討を行っております。また、全社的なリスクマネジメントに係る統括組織として、リスクマネジメント委員会において、継続的にモニタリングを行っております。

 現在、サステナビリティに関する組織は設置しておりませんが、経営会議、リスクマネジメント委員会の中で、他の経営課題と同様に重要事項について検討を行い、定期的に取締役会において報告、協議することで、サステナビリティへの対応を含む経営品質の向上を図る体制としております。

 

(2)戦略

 当社グループは、創業時からの「Animal is my life」を経営理念とし、「人と変わりない幸せを動物たちに届けたい」、「世界最先端の動物医療を実現したい」、「動物と社会が隔たりなくつながる世の中を実現したい」を使命として、動物医療の将来の発展に向けて取り組んでおります。

 当社グループの営む動物医療は、労働集約的サービス産業であり、男女の別なく活躍できる労働環境の整備が不可欠となります。その中で、賃金、育児休業取得等において男女差の生じない運営に努めております。人材確保の面では、男女の別なく、新卒社員、中途採用の受け入れを積極的に進め、多様な人材の受け入れに注力しております。

 また、当社グループは各地で診療施設を開設しており、各拠点単位で様々な環境規制への対応や関連法令の遵守に努めております。一環として、省エネ機器への切替えにより、持続可能な社会の実現に向けて貢献してまいります。具体的な取り組みとして、各拠点のLED照明化や、機器入替の際の省エネ面での検討を行っております。

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、経営理念の実現に向けて、事業に関連するリスクの定期的・定量的な評価や、報告・モニタリングを行う体制として、取締役会を中心に、最適な体制の構築について検討してまいります。サステナビリティに関するリスク及び機会についても、他の事業上のリスクと同時に、経営会議、リスクマネジメント委員会の中で、識別・評価・管理を行い、定期的に取締役会において報告、協議する体制としております。

 なお、本書提出日現在における主要な事業等のリスク及びその管理体制・方針については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(4)指標及び目標

 当社グループのサステナビリティに関する指標及び目標は、現段階では定めておりませんが、当社グループの主力事業である動物病院事業は、獣医師をはじめとした人材あってのビジネスであることから、従業員の定着性を高めることが重要と認識しております。適性で効率的な人員配置を通して獣医師他医療スタッフにとって働きやすい環境つくりに努め、もって、顧客にとって、安心、安全な医療体制の提供品質の維持向上を図る所存です。

 当該観点で、「退職者人数」、「勤続年数」については、目標とすべき指標を検討中であります。

 当社グループでは、獣医師に対して豊富な診療機会(1日当たり20件、年間4,000件)を通じて能力向上の機会を提供し、ベテラン獣医師がOJTで指導することにより若手獣医師の育成に取り組んでおります。こうした、若手獣医師の育成の仕組みが大卒新人採用や獣医師の定着に寄与するものと考えております。

 その他、環境面においてもLED照明等の環境負荷が低い機器への入替を順次実施していき、省エネ性の高い病院運営ができるような体制を構築できるよう努力してまいります。

 

 

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)事業環境に由来するリスク

① 飼育動物頭数について(顕在化可能性:中/影響度:中)

 当社グループは、動物病院事業を主たる事業領域としていることから、飼育動物(特に犬猫)の頭数の影響を大きく受けると考えられます。飼育動物の全体の頭数は2013年以降緩やかに減少傾向にある一方で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でペットとの生活に癒しを求めることや、家族内でコミュニケーションを深めることを目的に新規飼育頭数は増加傾向にあります(出典:ペットビジネスマーケティング総覧2022年版(矢野経済研究所))。今後の飼育頭数の推移については人口動態や景気動向によると考えられますが、飼育頭数が減少した場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクは長期的な期間で顕在化する可能性はありますが、短期的に顕在化する可能性は低いと考えており、また、高品質の医療サービス及び高度医療を提供していく体制維持を継続することで、顧客の確保及び診療単価上昇によるリスクの軽減を図っております。

 

② 医薬品や医療用消耗品及び医療機器価格について(顕在化可能性:中/影響度:中)

 当社グループは、動物病院事業を主たる事業領域としていることから、動物病院運営で使用する医薬品や医療用消耗品及び医療機器の価格水準の影響を大きく受けると考えられます。新型コロナウイルス感染症拡大の影響等による昨今の世界的な原材料費や輸送費の高騰に伴い、医薬品、医療用消耗品、医療機器においてもメーカー側での値上げが相次いでおり、今後もこの状況が継続した場合には当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクが顕在化する可能性は高くはないと考えているものの、価格水準の上昇に合わせて医薬品代や診察単価の改定等の対応を実施することでリスクの軽減を図っております。

 

③ 競合について(顕在化可能性:小/影響度:小)

 当社グループが主たる事業領域としている動物医療業界におきましては、動物病院の数が増加傾向にありますが、その大半が少人数の獣医師で運営されている一次診療施設となっております。当社グループのような一次診療から二次診療までを自社グループ内で行っている病院は少なく、同様のモデル形成には多額の資金や人的資源が必要となることから、競合性は低いと考えております。ただし、今後新規参入等や業界再編等により競争が激化した影響で診療件数が減少した場合等には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクが顕在化する可能性は高くはないと考えているものの、提供サービスの差別化やM&Aによる事業承継を積極的に推進していくことで、リスクの軽減を図っております。

 

④ 関連法令の規制について(顕在化可能性:中/影響度:小~大)

 当社グループの動物病院事業につきましては、「獣医師法」、「獣医療法」、「動物の愛護及び管理に関する法律」その他法令により規制を受けておりますが、今後、それらの法令の改廃又は新たな規制が設けられる場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、リスクマネジメント委員会、コンプライアンス委員会を組織し、コンプライアンス体制の充実に向けた取り組みを推進する他、内部監査により法令遵守の状況を確認しております。なお、現時点においては、行政処分に該当する事象は発生していないものと認識しております。

 また、会社法及び金融商品取引法への対応も上記と同様の取り組みを行っております。当社グループにおいては2020年12月に実施したJ-STAR株式会社の組成する投資ファンドからの自己株式の取得が財源規制に違反しておりましたが、社外役員に法律専門家及び会計専門家を選任しガバナンス体制を強化するとともに、再発防止策として配当や自己株式の取得の際には財源規制に関するチェックリストを用いて確認するフローに変更しており、同様の違反が生じない体制が構築できていると認識しております。

 

イ.獣医師法

 獣医師法では、獣医師の任務、免許の取得、免許の取消・業務の停止、義務等について定められており、同法の規制の動向によっては当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

ロ.獣医療法

 獣医療法は、飼育動物の診療施設の開設及び管理に関し必要な事項並びに獣医療を提供する体制の整備のために必要な事項を定めること等により、適切な獣医療の確保を図ることを目的とした法律であります。また、診療施設の構造設備の基準、診療施設の管理、獣医療を提供する体制の整備のための基本方針等について定められております。同法の規制の動向によっては当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

ハ.動物の愛護及び管理に関する法律

 動物の愛護及び管理に関する法律では、動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項について定められており、ペットサロン運営にあたり第一種動物取扱業者としての登録が求められています。当社グループではペットサロン運営を行っているため、同法の規制の動向によっては当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

ニ.電波法

 電波法は電波の公平かつ能率的な利用を確保することによって公共の福祉を増進することを目的とした法律であり、その中で通信、医療、工業等の目的のために高周波電流のエネルギーを利用している設備(MRI等の高周波利用設備)のうち、一定の周波数及び電力を使用するものについては設置や変更にあたり許可を受けることが求められています。当社グループでは動物病院事業運営に当たり、高周波利用設備を使用しているため、同法の規制の動向によっては当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

ホ.放射性同位元素等の規制に関する法律

 放射性同位元素の使用、販売、賃貸、廃棄その他の取扱い、放射線発生装置の使用及び放射性同位元素又は放射線発生装置から発生した放射性汚染物の廃棄その他の取扱いを規制することにより、これらによる放射線障害を防止し、及び特定放射性同位元素を防護して、公共の安全を確保することを目的とする法律であり、放射性同位元素であってその種類若しくは密封の有無に応じて政令で定める数量を超えるもの又は放射線発生装置の使用、詰替え及び装備をしようとする者は、政令で定めるところにより、原子力規制委員会の許可を求められています。当社グループでは動物病院事業運営に当たり、放射線発生装置を使用しているため、同法の規制の動向によっては当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

ヘ.その他法令、及び法令改正対応

 獣医療法を始め当社グループが運営する事業に関係する法令改正については、本社人事総務部を中心に情報収集を行っており、各部署において必要に応じた対応を行っています。2019年6月に制定された「愛玩動物看護師法」は、今後ますます重要性が増していくことが想定される愛玩動物を対象とした動物看護師の資質向上・業務の適正を図ることを目的に、愛玩動物看護師の国家資格化を定める法律であり、当該制度を踏まえた獣医師と動物看護師の役割分担と連携をより明確にした医療体制の構築を図っていきます。当該法令に関して医療体制の変更等が必要となるような改正が行われた場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業内容に由来するリスク

① 医療サービスの過誤について(顕在化可能性:小/影響度:小)

 当社グループでは、高度医療サービスを提供しているため、提供する医療サービスの品質管理及び飼い主とのインフォームドコンセントに細心の注意を払って事業運営を行っておりますが、提供する医療サービスに過誤が生じるリスクがあります。その場合、医療サービスの過誤が原因で飼い主が被った損失に対する責任を追及される可能性があり、訴訟になった場合には状況によっては裁判が長期化することや、和解、敗訴に応じることにより、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、医療サービスに過誤を原因として風評等により当社グループのブランド価値が毀損した場合は、当社グループに対するニーズが低下し、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクが顕在化する可能性は高くないと考えており、直近で医療過誤による訴訟等は生じておらず、また、クレーム等が発生した場合にはクレーム報告書で社内に報告・共有する体制を構築して再発防止を図ることでリスクの軽減を図っております。

 

 

② M&A及び事業承継について(顕在化可能性:小~中/影響度:小~中)

 当社グループは、今後の事業拡大及び収益力向上のため、国内外を問わず動物医療施設の買収や事業承継を実施する可能性があります。当社グループといたしましては、M&A実施に当たり、リスク及び回収可能性を十分に事前評価した上で取引を行う方針ですが、将来的な買収先の事業の状況には不確実性が存在します。

 仮に、当初予測困難な事象の発生により投資額が回収できなくなった場合には、買収時ののれん等の減損処理が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある他、何らかの事情によりM&A後の統合プロセスが計画通りに進まない場合にも、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、「第1 企業の概況 (はじめに)」にて記載したとおり、設立当初に実施したLBO取引により生じたのれんについて、2020年6月期に2,054,303千円の減損損失を計上しております。当該減損損失の計上に至った直接の要因は、再編・経営統合のプロセスの中で生じたコスト増加等に起因する当初計画からの乖離でありますが、M&Aに対して多角的な検討を行い得る役員体制、管理体制が整っておらず、M&Aの検討・実施プロセスが十分に整備されていなかったことがその背景にあったものと分析しております。

 当社グループは、これを踏まえ、法律専門家、会計専門家等を社外取締役として招聘するなどの役員体制の充実に取り組むとともに、具体的な案件については、経営戦略会議及び取締役会において外部専門家を起用したデューデリジェンスや価値評価の結果をもとに慎重な議論を実施することとするなど、M&Aの検討・実施プロセスの整備に取り組んでまいりました。その結果、本書提出日現在ではM&Aに対して多角的な検討を行い得る体制が整備されたものと考えております。

 当社グループでは、適切なデューデリジェンス及び取引条件の検討・交渉を行い、取締役会等での慎重な議論を経て取引を実行する限り、当該リスクが顕在化する可能性は高くはないと考えておりますが、M&Aの検討・実施プロセスを適切に実行することにより、当該リスクの低減に努めてまいります。

 

(3)その他のリスクについて

① 人材の確保及び育成について(顕在化可能性:小/影響度:中)

 当社グループで提供する二次診療を含めた高度医療の継続的・安定的な供給のためには、臨床経験及び専門知識の高い優秀な獣医師の確保及びその育成と定着が重要な課題となります。獣医師数は近年増加傾向にありますが、獣医学生のリクルートに関しては激化傾向にあるため、上記取り組みによっても必要な人材を採用できない場合、また役職員の育成から想定通りの成果が得られない場合、もしくは育成した役職員が社外流出した場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、当該リスクが顕在化する可能性は高くないと考えておりますが、獣医大学や人材紹介会社と連携しながら説明会の開催や実習の受け入れを積極的に実施することで獣医大学新卒者を確保する取組みを進めるとともに、入社社員に対する定期的な研修、指導医によるOJT、獣医療教育コンテンツであるVMNの無料視聴等の教育施策の実施、社内評価制度の充実・労働環境の整備等を進めることで人材育成と定着率の向上を図り、リスクの低減を図っております。

 

② 情報管理に関するリスク(顕在化可能性:小/影響度:中)

 当社グループは、医療サービスの提供を通じて、飼い主の個人情報を入手・管理いたします。これらの情報管理につきましては、サイバー攻撃等による不正アクセスや改ざん、データの破壊、紛失、漏洩等が不測の事情により発生する可能性があります。これらの機密情報が第三者に漏洩、不正使用された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 当該リスクが顕在化する可能性は高くないと考えており、システム管理室を設置してグループ内のセキュリティシステムの強化を図るとともに、個人情報管理に関連する規程類を整備すること等によりリスク軽減を図っております。

 

③ 特定人物への依存について(顕在化可能性:小/影響度:小)

 当社グループの代表取締役CEOである北井正志は当社グループの創業以来の最高経営責任者であり、経営戦略や事業の立案、診療現場の運営等についてリーダーシップを発揮しております。そのため、不慮の事故等何らかの理由により当人が当社グループの事業展開に関与することが困難になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、上記のリスクが顕在化する可能性は低いと考えているものの、属人的な経営体制を避けるため、役員及び幹部社員の情報共有や権限の委譲、業務分掌に取り組んでおり、最高経営責任者に過度に依存しない経営体制の整備を進めることでリスクの軽減を図っております。

 

 

④ ストック・オプションについて(顕在化可能性:小/影響度:小)

 当社グループでは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的として新株予約権によるストック・オプション制度を採用しております。本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は398,000株であり、発行済株式総数の5.0%に相当しております。今後も、優秀な人材の獲得及び確保を主たる目的としてストック・オプションの付与を継続する方針であります。これらストック・オプションの行使がなされた場合、当社株式上場後の株価動向によっては需給バランスに変動が生じ、適正な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 関連当事者取引について(顕在化可能性:小/影響度:小)

 当社グループでは株式会社大冬辰(当社代表取締役CEO北井正志が議決権の過半数を保有する会社)と不動産賃貸契約等の取引を行っています。

 当社は、独立性の観点を踏まえ関連当事者との取引について「関連当事者取引管理規程」を定めており、その取引が当社グループの経営上合理的なものであるか、取引条件が外部取引と比較して適正であるかなどの観点から、都度取締役会の承認を得ることとしています。

 なお、2023年6月期における取引実績は次のとおりであります。

物件名

支払賃借料(千円)

備考

大阪動物医療センター駐車場(注)

10,608

取引価格は、周辺駐車場の賃料相場等を参考に価格を決定しております。

当該取引については将来的な取引解消に向けての取組を継続しております。

大阪動物病院店舗建物

12,720

取引価格は、不動産鑑定評価額等を参考に価格を決定しております。

当該取引については将来的な取引解消に向けての取組を継続しております。

阿波座動物医療センター駐車場

280

取引価格は、周辺駐車場の賃料相場等を参考に価格を決定しております。

2023年6月期において、契約を終了しております。

 (注) 株式会社大冬辰(当社代表取締役CEO北井正志が議決権の過半数を保有する会社)が所有している物件を、第三者の不動産管理会社を介して賃借しております。直接の取引ではないものの実質的な関連当事者取引として記載しております。

 

⑥ のれんについて(顕在化可能性:小/影響度:小~中)

 当社グループは、過去の動物病院事業買収に伴い、相当額ののれんを連結貸借対照表に計上しており、2023年6月期末現在、のれんの金額は連結総資産の29.7%(1,618百万円)を占めております。当社グループは、当該のれんにつきまして、それぞれの事業価値及び事業統合による将来のシナジー効果が発揮された結果得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えております。しかしながら、事業環境や競合状況の変化等により期待する投資成果が得られないと判断された場合、又は適用される割引率が高くなった場合等は、減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、「第1 企業の概況 (はじめに)」にて記載したとおり、設立当初に実施したLBO取引により生じたのれんについて、2020年6月期に2,054,303千円の減損損失を計上しておりますが、「(2)事業内容に由来するリスク ② M&A及び事業承継について(顕在化可能性:小~中/影響度:小~中))に記載しましたとおり、M&Aの検討・実施プロセスの整備に取り組み、直近の動物病院事業の買収に際しては、十分な検討・実施プロセスを経てM&Aを実施しております。

 こうした状況を踏まえ、現在では当社グループでは過年度に計上されたのれんも含め、収益力に照らして回収可能性が認められると判断された部分について計上していることから、今後のれんの減損リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。

 

⑦ 固定資産の減損について(顕在化可能性:小/影響度:小)

 当社グループでは、病院設備及び医療機器を中心にその資産性を検討した上で、事業用資産を計上しております。当該資産については固定資産の減損に係る会計基準に従い将来のキャッシュ・フローを算定し、減損損失の認識・測定を行っております。しかしながら、経営環境の著しい悪化や収益状況の悪化等により、対象となる資産に減損損失を計上する必要が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは現在計上している固定資産に関して、収益力に照らして回収可能性が認められる部分について資産計上しており、今後当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。

 

⑧ 借入金及び財務制限条項について(顕在化可能性:小/影響度:中)

 当社グループの過去の組織再編における買収資金及び病院運営に係る土地購入資金、建築費等は、主として個別案件毎に金融機関からの借入によって調達しているため、総資産に占める有利子負債の比率が常に一定程度あることから、将来において、金利が上昇した場合及び金融機関の融資姿勢に変化が生じた場合には、資金調達コストの増加や資金手当への影響により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、一部の借入金に財務制限条項が付されており、条項に抵触し一括返済をする場合には、当社グループの資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えているものの、対応策として、定期的に金利動向や金融機関の融資姿勢についてモニタリングを行うとともに、借入における機動的な資金確保のための融資枠設定や金利固定化を行う等、安定的かつ経済的な資金調達に努めております。

 

⑨ 資金使途について(顕在化可能性:小/影響度:小~中)

 当社グループは上場時に実施した公募増資による調達資金につきましては、その全額を運転資金として、事業拡大のための獣医師等の採用活動資金として2025年6月期に充当する予定であります。

 しかしながら、急激に変化する事業環境により柔軟に対応するため、現時点における計画以外の使途にも充当される可能性があります。また、計画に沿って資金を使用した場合でも想定通りの投資効果を上げられない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 配当政策について(顕在化可能性:小/影響度:小)

 当社グループは株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら、当社グループは現在、成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、より一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えており、創業以来配当を行っておりません。将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び当社グループを取り巻く事業環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針ではあるものの、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

⑪ 投資事業組合の当社株式保有割合に関するリスクについて(顕在化可能性:大/影響度:中)

 本書提出日現在における当社の発行済株式総数(自己株式を除く)は7,424,000株であり、このうちベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業有限責任組合(以下、「VC等」という。)が保有する株式数は3,852,000株と当社株式の発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合は51.9%となっております。また、投資事業組合からの派遣役員として荒川氏が社外役員に就任しております。当該VC等は当社の上場時の株式売出において、保有する当社株式の一部を売却する方針でありますが、一定割合の株式を引き続き保有することが想定されます。一般に、VC等にとって保有株式の売却によりキャピタルゲインを得ることは投資の目的の一つであり、いずれは売却が想定されます。VC等が当該継続保有する当社株式の一部または全部を市場にて売却した場合には、当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、株価の形成に影響を与える可能性があります。

 

⑫ 自然災害・火災・事故・感染症への対応について(顕在化可能性:小~大/影響度:小~大)

 当社グループの本社及び主要な施設は大阪・東京を中心とした都市部及び沖縄で運営を行っており、当該地域において、地震、津波、台風、洪水等の自然災害、火災、停電、感染症の蔓延等、予測の範囲を超える事態の発生により、事業活動の停止や事業運営への重大な支障が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの拠点は全国にあり、当該リスクによる影響は分散されると考えられるため、全社的な影響度は相対的に高くはないと考えているものの、各拠点において停電時における非常電源の確保を行う等の対応を進めてまいります。

 

 

⑬ 風評被害について(顕在化可能性:小/影響度:中)

 当社グループでは、噂、悪評、信用不安情報や誤解、誤認、誇大解釈等が、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)等やマスコミ、その他社会一般等に広がることにより当社の評価、評判が低下し、当社の業績に悪影響が生じる等の影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループではSNSやメディアでの報道等を注視して誤った情報の拡散状況の有無のモニタリングを実施するとともに、適切な診療サービスの提供を継続することで風評が発生するリスクの抑制に努めており、今後当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。

 

⑭ 業績の季節的変動について(顕在化可能性:大/影響度:小)

 当社グループの四半期における業績は、第4四半期において売上高及び営業利益が偏重する傾向にあります。これは、動物病院業界においては狂犬病ワクチンの接種やノミ・フィラリア薬等の購入が集中する3月から6月にかけて来院数が大幅に増加し、繁忙期になる傾向にあるためです。

 当社グループでは、当該季節的要因及び過年度の実績を踏まえた業績予測・利益計画の策定に努めているものの、何らかの事情により第4四半期の動向が予測と異なった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループの事業セグメントは、動物病院事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

① 経営成績等の状況

第5期連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限の緩和が進んだ一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、半導体の供給不安及び為替水準の変動等により、先行きの不透明感が強まりました。

 当社グループが属する動物医療業界におきましては、昨今のコロナ禍におけるペット関連市場の堅調さや、家計のペット向け支出の拡大傾向を受けて、ペットの家族化、高齢化を背景にした世帯あたりの動物病院への支出額の増加傾向の基調に変わりはなく、飼い主の動物医療に対する多様化・高度化要請はますます高まっているものと認識しております。

 このような情勢のもと、当社グループは、動物病院事業の業容拡大を企図し、2022年10月に株式会社モデナ動物病院を、2022年11月に株式会社ペットメディカルセンター・エイルを、それぞれ子会社化し、収益力の強化を図りました。

 以上の結果、当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりとなりました。

a.財政状態の状況

 

第4期連結会計年度

(2022年6月30日)

(千円)

第5期連結会計年度

(2023年6月30日)

(千円)

前連結会計年度末比増減

金額(千円)

比率(%)

資産合計

4,693,466

5,452,324

758,857

16.2

負債合計

3,679,788

3,932,350

252,561

6.9

純資産合計

1,013,678

1,519,974

506,296

49.9

 

b.経営成績の状況

 

第4期連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

(千円)

第5期連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

(千円)

前連結会計年度比増減

金額(千円)

比率(%)

売上高

4,295,031

4,651,067

356,035

8.3

営業利益

720,686

803,312

82,626

11.5

経常利益

713,325

800,881

87,555

12.3

親会社株主に帰属する当期純利益

316,866

506,125

189,259

59.7

 

c.キャッシュ・フローの状況

 

第4期連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

(千円)

第5期連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

(千円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

607,902

951,319

投資活動によるキャッシュ・フロー

△1,665,969

△644,294

財務活動によるキャッシュ・フロー

617,337

△160,816

現金及び現金同等物の増加額(△は減少額)

△440,728

146,208

現金及び現金同等物の期末残高

535,357

681,565

 

第6期第3四半期連結累計期間(自 2023年7月1日 至 2024年3月31日)

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。なお、当社は、前第3四半期連結累計期間については四半期連結財務諸表を作成していないため、前年同四半期連結累計期間との比較分析は行っておりません。

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う社会経済活動の正常化や、外国人観光客数の急回復に伴うインバウンド需要の高まり、堅調な株式市場等を受けて、国内景気全般に明るい材料が見られた一方、緊迫した国際情勢を受けた経済全般への不透明感や、エネルギー・資源価格の高騰、円安傾向の長期化に起因する国内物価の高騰、国内労働力人口の構造的な減少等、企業を取り巻く外的経営環境の不確実性はますます高まりを見せつつあるものと認識しております。

 当社グループが属する動物医療業界におきましては、昨今のコロナ禍におけるペット用品市場の堅調さや、家計のペット向け支出が拡大傾向にある中、ペットの家族化、高齢化を背景にした世帯あたりの動物病院への支出額の増加傾向の基調に変わりはなく、飼い主の動物医療に対する多様化・高度化要請はますます高まっているものと認識しております。

 このような情勢のもと、当社グループは、生き物の命を救い、守り続けることを唯一の目的とする「Animal is my life」を企業理念として掲げ、その具現化の一環として、サステナブルな動物病院経営の実現に向け、獣医師、愛玩動物看護士、トリミングスタッフ等の人材あってこその動物病院経営であるというヒューマンビジネスの原点に立ち返り、従業員の満足度を高めるための様々な内的な施策を実施した他、新卒、中堅社員等、それぞれの経歴に応じたOJTの実施による人材教育にも注力し、これらの基本的な施策を通して、もって顧客満足度の向上を企図した取り組みを行いました。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高3,523,301千円、営業利益516,236千円、経常利益508,018千円、親会社株主に帰属する四半期純利益310,326千円となりました。

 なお、当社グループの事業セグメントは、動物病院事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における資産合計は5,489,271千円(前連結会計年度末に比べ36,947千円の増加)となりました。

 流動資産は945,146千円(前連結会計年度末に比べ94,920千円の減少)となりました。その主な要因は、現金及び預金が122,929千円減少したこと等によるものであります。

 固定資産は4,544,124千円(前連結会計年度末に比べ131,868千円の増加)となりました。その主な要因は、のれんが110,249千円、繰延税金資産が48,396千円、それぞれ減少した一方、建物及び構築物が140,664千円、土地が130,310千円、それぞれ増加したことによるものであります。

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における負債合計は3,659,141千円(前連結会計年度末に比べ273,208千円の減少)となりました。

 流動負債は1,083,596千円(前連結会計年度末に比べ134,447千円の減少)となりました。その主な要因は、短期借入金が50,000千円、未払法人税等が102,409千円、未払消費税等が49,090千円それぞれ減少したことによるものであります。

 固定負債は2,575,544千円(前連結会計年度末に比べ138,761千円の減少)となりました。その主な要因は、長期借入金が135,391千円減少したことによるものであります。

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は1,830,130千円(前連結会計年度末に比べ310,156千円の増加)となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益310,326千円の計上に伴う利益剰余金の増加であります。

 

 

 なお、過年度の事業買収により生じたのれん等の影響を調整したEBITDAを含む経営成績の推移は以下のとおりであり、営業利益率はPMI期間を経て15%前後、EBITDAマージン(EBITDA÷売上高)は20%超で推移しております。

 

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② 生産、受注及び販売の実績

a)生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b)受注実績

 当社グループが行う事業は、提供するサービスの性格上受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c)販売実績

 第5期連結会計年度及び第6期第3四半期連結累計期間の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは、動物病院事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

セグメントの名称

第5期連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

第6期第3四半期連結累計期間

(自 2023年7月1日

至 2024年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

販売高(千円)

動物病院事業

4,651,067

8.3

3,523,301

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループにおきましては、事業基盤の強化に向けて連結子会社の吸収合併による経営の合理化や、飼い主の動物医療に対する多様化・高度化要請への対応力向上のための人材のリクルーティング等、諸施策を着実に実行してまいりました。また、昨今のコロナ禍の状況下におきましても、いわゆるエッセンシャルワーカー(生活必須職従事者)の一員としての役割を果たすべく、各医療拠点において医療提供の維持発展に努めてまいりました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

第5期連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

a.財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は5,452,324千円となり、前連結会計年度末と比べて758,857千円増加いたしました。

 流動資産は前連結会計年度末に比べ、248,228千円増加し、1,040,067千円となりました。これは主に、現金及び預金154,785千円増加によるものであります。

 固定資産は前連結会計年度末に比べ、510,628千円増加し、4,412,256千円となりました。これは主に、土地410,987千円の増加によるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は3,932,350千円となり、前連結会計年度末と比べて252,561千円増加いたしました。

 流動負債は1,218,044千円となり、前連結会計年度末に比べ317,506千円増加いたしました。これは主に、短期借入金48,074千円、1年内返済の長期借入金71,094千円、未払法人税等90,932千円及び未払消費税等87,865千円の増加によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は1,519,974千円となり、前連結会計年度末と比べて506,296千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益506,125千円によるものであります。

 

b.経営成績

(売上高)

 売上高は、既存拠点の売上高は前年を上回り堅調に推移しました。また、当連結会計年度において、新たに九州地方の出店の足掛かりとすべく、福岡県に一次診療病院の出店を行った他、株式会社ペットメディカルセンター・エイル(沖縄県沖縄市)の3病院及び株式会社モデナ動物病院(神戸市西区)1病院を新たに子会社化し、合計5拠点の増加がありました。診療件数については343,446件、獣医師1人当たり売上高は44,358千円となりました。

 以上から、売上高は4,651,067千円(前期比8.3%増)となりました。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

 売上原価は、売上高増加に伴う変動費の増加があった他、従業員の賃金見直しに伴う人件費増加もあり、3,365,468千円(前期比9.4%増)となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度において発生した研究開発費及び賃貸物件取得に伴う租税公課等の一時的な費用発生が無かったことから、482,286千円(前期比3.2%減)となりました。

 以上から、営業利益は803,312千円(前期比11.5%増)となりました。

 

(経常利益)

 経常利益は、営業利益の増加に伴い、800,881千円(前期比12.3%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の増加及び前連結会計年度に発生した減損損失等の発生が無かったことから、結果、506,125千円(前期比59.7%増)となりました。

 

第6期第3四半期連結累計期間(自 2023年7月1日 至 2024年3月31日)

経営成績

(売上高)

 売上高は、既存拠点が堅調に推移し前年を上回った他、前連結会計年度において子会社化した株式会社モデナ動物病院(神戸市西区。2022年10月取得。)1病院及び株式会社ペットメディカルセンター・エイル(沖縄県沖縄市。2022年11月取得。)の3病院について、前年は実質下半期のみの連結業績への貢献であったのに対し、当四半期連結累計期間においては期首からの9ヶ月間の業績寄与があったことにより、前年からの上乗せ要因となりました。

 以上から、売上高は3,523,301千円となりました。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

 売上原価は、売上高増加に伴う変動費の自然増の他、従業員の賃金見直しに伴い、売上増加率以上に人件費が増加しました。一方で、全体的なコストコントロールが図られたこと及び修繕費用の低減等が見られたことで、結果、売上原価の額は2,620,665千円となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に取得した子会社2社の取得時にかかるのれん償却費及び人件費が増加したことで、386,399千円となりました。

 以上から、営業利益は516,236千円となりました。

 

(経常利益)

 経常利益は、営業利益の増加に伴い、508,018千円となりました。

 

(親会社株主に帰属する四半期純利益)

 親会社株主に帰属する四半期純利益は、経常利益の増加及び賃借物件の立退きに伴う移転補償金収入があったことにより、結果、310,326千円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

第5期連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、681,565千円(前連結会計年度末は535,357千円)となり、146,208千円増加しました。

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

a.連結キャッシュ・フロー

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得られた資金は、951,319千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益798,276千円、減価償却費173,777千円、のれん償却額141,970千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は、644,294千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出432,501千円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出115,272千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は、160,816千円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出433,782千円及び長期借入れによる収入250,000千円によるものであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金の源泉は、主として営業キャッシュ・フローによる内部資金及び金融機関からの借入によっております。営業費用等の運転資金及び設備投資資金については、主として営業キャッシュ・フローによる内部資金で賄うほか、必要に応じて金融機関からの借入を行っております。調達時期及び方法については、事業計画に基づく資金需要、金利動向を考慮の上、決定しております。

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析について

 当社グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標達成状況を判断するための客観的指標等」に記載しているとおり、「獣医師数」及び「診療件数」を重要な経営指標と位置付けております。獣医師数は当社グループが提供可能な医療サービスのキャパシティを反映する指標であり、獣医師数は事業規模を左右する指標であると考えております。また、「診療件数」は当社グループが提供した医療サービスを量的に把握する指標であり、これまでに行った診療サービスに対する飼い主の満足度が反映されるものと認識しております。

 また、運営効率を計る指標として「獣医師1人当たり売上高」も重視しております。

 最近2連結会計年度及び第6期第3四半期連結累計期間の推移は以下のとおりであります。

 

 

第4期連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

第5期連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

第6期第3四半期連結累計期間

(自 2023年7月1日

至 2024年3月31日)

獣医師数(人)

78

90

88

診療件数(件)

317,720

343,446

258,759

獣医師1人当たり

売上高(千円)

45,895

44,358

34,213

(注)獣医師数及び獣医師1人当たり売上高の算出方法は以下のとおりであります。

獣医師数:稼働ベース平均在籍人数

獣医師1人当たり売上高:動物病院運営にかかる年間売上高を稼働ベースの平均人員数で除して算出

 

 上表に記載のとおり、第5期連結会計年度においては獣医師数が増加致しました。これは、獣医師が不足傾向にある中、積極的に獣医師確保に努めたこと及びM&Aを活用した拠点数の増加によるものです。診療件数は、当該規模の増加に伴い増加しております。また、獣医師1人当たり売上高は増員傾向の中、安定的に推移しております。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)運転資金調達のための借入契約

 当社は、既存借入金のリファイナンスを目的として、株式会社りそな銀行及び株式会社関西みらい銀行と2021年5月から2021年7月の間に金銭消費貸借契約を締結し、借入を実行しております。

 主な契約内容は以下のとおりであります。

① 2021年5月17日付 株式会社りそな銀行 金銭消費貸借契約

ⅰ.契約の種類

金銭消費貸借契約及び金銭消費貸借契約に関わる追加約定書

ⅱ.締結年月

2021年5月

ⅲ.契約の当事者

当社、株式会社りそな銀行

ⅳ.契約の概要

借入期間    :2021年5月17日~2026年5月17日

借入金額    :1,079,250千円

借入金利    :変動金利(基準金利に一定のマージンを加算)

主な債務者の義務:以下の財務制限条項を順守すること。

(1) 各会計年度末における連結損益計算書に記載される経常損益を2期連続して損失としないこと。

(2) 各会計年度末において、経常損益、減価償却費及びのれん償却費の合計から法人税等充当額を控除して算出されるキャッシュ・フローを350,000千円以上維持すること。

ⅴ.提出日現在の残高

685,780千円

 

② 2021年6月17日付 株式会社りそな銀行 金銭消費貸借契約

ⅰ.契約の種類

金銭消費貸借契約及び金銭消費貸借契約に関わる追加約定書

ⅱ.締結年月

2021年6月

ⅲ.契約の当事者

当社、株式会社りそな銀行

ⅳ.契約の概要

借入期間    :2021年6月17日~2026年6月17日

借入金額    :817,500千円

借入金利    :変動金利(基準金利に一定のマージンを加算)

主な債務者の義務:以下の財務制限条項を順守すること。

(1) 各会計年度末における連結損益計算書に記載される経常損益を2期連続して損失としないこと。

(2) 各会計年度末において、経常損益、減価償却費及びのれん償却費の合計から法人税等充当額を控除して算出されるキャッシュ・フローを350,000千円以上維持すること。

ⅴ.提出日現在の残高

527,990千円

 

③ 2021年7月16日付 株式会社関西みらい銀行 金銭消費貸借契約

ⅰ.契約の種類

金銭消費貸借契約及び金銭消費貸借契約に関わる追加約定書

ⅱ.締結年月

2021年7月

ⅲ.契約の当事者

当社、株式会社関西みらい銀行

ⅳ.契約の概要

借入期間    :2021年7月16日~2026年7月16日

借入金額    :342,250千円

借入金利    :変動金利(基準金利に一定のマージンを加算)

主な債務者の義務:以下の財務制限条項を順守すること。

(1) 各会計年度末における連結損益計算書に記載される経常損益を2期連続して損失としないこと。

(2) 各会計年度末において、経常損益、減価償却費及びのれん償却費の合計から法人税等充当額を控除して算出されるキャッシュ・フローを350,000千円以上維持すること。

ⅴ.提出日現在の残高

221,040千円

 

(2)土地及び建物購入のための借入契約

 当社は、関連当事者取引の解消のため、大阪動物医療センターの土地及び建物を株式会社大辰冬から購入することを目的として、国内金融機関2社各社のそれぞれと金銭消費貸借契約を締結し、借入を実行しております。

 主な契約内容は以下のとおりであります。

① 2021年9月30日付 株式会社りそな銀行 根抵当権設定金銭消費貸借契約

ⅰ.契約の種類

金銭消費貸借契約及び根抵当権設定契約

ⅱ.締結年月

2021年9月

ⅲ.契約の当事者

当社、株式会社りそな銀行

ⅳ.契約の概要

借入期間 :2021年9月30日~2041年9月30日

借入金額 :700,000千円

借入金利 :変動金利(基準金利に一定のマージンを加算)

根抵当物件:大阪動物医療センターの土地及び建物

ⅴ.提出日現在の残高

609,604千円

 

② 2021年9月30日付 株式会社関西みらい銀行 根抵当権設定金銭消費貸借契約

ⅰ.契約の種類

金銭消費貸借契約及び根抵当権設定契約

ⅱ.締結年月

2021年9月

ⅲ.契約の当事者

当社、株式会社関西みらい銀行

ⅳ.契約の概要

借入期間 :2021年9月30日~2041年9月30日

借入金額 :300,000千円

借入金利 :変動金利(基準金利に一定のマージンを加算)

根抵当物件:大阪動物医療センターの土地及び建物

ⅴ.提出日現在の残高

261,250千円

 

 また、当社は、動物病院施設用物件の取得資金として、株式会社りそな銀行と金銭消費貸借契約を締結し、借入を実行しております。

 主な契約内容は以下のとおりであります。

③ 2024年3月27日付 株式会社りそな銀行 金銭消費貸借契約

ⅰ.契約の種類

金銭消費貸借契約及び金銭消費貸借契約に関する追加約定並びに根抵当権設定契約

ⅱ.締結年月

2024年3月

ⅲ.契約の当事者

当社、株式会社りそな銀行

ⅳ.契約の概要

借入期間    :2024年3月29日~2034年3月31日

借入金額    :200,000千円

借入金利    :変動金利(基準金利に一定のマージンを加算)

根抵当物件   :土地建物(沖縄県中頭郡北谷町)

主な債務者の義務:以下の財務制限条項を順守すること。

(1) 各事業年度末における連結損益計算書に記載される営業損益を2期連続して損失としないこと。

(2) 各事業年度末において、「有利子負債」を連結損益計算書に示される「キャッシュ・フロー」で除した値を0以上10以下に維持すること。各指標の定義の概要は以下のとおり。

有利子負債    :借入金、コマーシャル・ペーパー、社債及び受取手形等の割引高

キャッシュ・フロー:経常損益+減価償却費+のれん償却費-法人税等充当額で計算される額

v. 提出日現在の残高

198,333千円

 

(3)子会社株式取得のための借入契約

 当社は、株式会社モデナ動物病院の株式取得を目的として、株式会社りそな銀行と金銭消費貸借契約を締結し、借入を実行しております。

 主な契約内容は以下のとおりであります。

  2022年12月21日付 株式会社りそな銀行 根抵当権設定金銭消費貸借契約

ⅰ.契約の種類

金銭消費貸借契約及び根抵当権設定契約

ⅱ.締結年月

2022年12月

ⅲ.契約の当事者

当社、株式会社りそな銀行

ⅳ.契約の概要

借入期間    :2022年12月21日~2027年11月30日

借入金額    :250,000千円

借入金利    :変動金利(基準金利に一定のマージンを加算)

主な債務者の義務:以下の財務制限条項を順守すること。

(1)各会計年度末における連結損益計算書に記載される営業損益を2期連続して損失としないこと。

(2)各会計年度末において、経常損益、減価償却費及びのれん償却費の合計から法人税等充当額を控除して算出されるキャッシュ・フローを400,000千円以上維持すること。

根抵当物件   :モデナ動物病院の土地及び建物

ⅴ.提出日現在の残高

179,161千円

 

6【研究開発活動】

第5期連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

 当社グループでは動物病院向け顧客管理システム「わん太郎」の開発及び販売を行っており、現状はオンプレミス型のソフトウエアとして展開しておりますが、当社システム管理室を中心としたプロジェクトチームによりクラウド化を進めるための研究開発活動を行うとともに、併せて電子カルテと連動した顧客向け予約アプリ(電子診察券)の制作を行っておりますが、研究開発費として会計処理すべき支出はありませんでした。

 

第6期第3四半期連結累計期間(自 2023年7月1日 至 2024年3月31日)

 当第3四半期連結累計期間においても、引き続き「わん太郎」のクラウド化に向けた取り組み等を進めておりますが、研究開発費として会計処理すべき支出はありませんでした。