【連結財務諸表注記】
1.報告企業
株式会社アストロスケールホールディングス(以下「当社」という)は日本の会社法に基づいて設立された株式会社であり、日本に所在する企業であります。当社グループの連結財務諸表は2023年4月30日を決算日とし、当社及びその子会社(以下「当社グループ」)で構成されております。当社グループは、デブリの除去等の軌道上サービスに関する技術の研究開発及び宇宙空間における実証を行っております。当社グループの2023年4月30日に終了する連結会計年度の連結財務諸表は、2024年4月23日に代表取締役社長兼CEO 岡田 光信によって承認されております。
当社グループは、2013年5月にシンガポール会社法に基づきASTROSCALE PTE. LTD.をシンガポールにて設立し、事業を開始致しました。2018年11月に、日本の会社法に基づき合同会社アストロスケールを設立、2018年12月に、日本の会社法に基づき、株式会社アストロスケールホールディングス(当社)に組織変更を実施しております。2019年1月において、当社の子会社であるAstroscale Singapore Pte. Ltd.を合併会社、ASTROSCALE PTE. LTD.を被合併会社とするAmalgamation(シンガポール会社法上の組織再編)を実施し、当社を親会社とする現在の当社グループを形成しております。
2.作成の基礎
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同93条の規定により国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しております。
報告企業である当社は、2019年4月期に終了する連結会計年度からIFRSを初めて適用しております。当社は実質的にASTROSCALE PTE. LTD.の事業活動を継続しており、かつ当社が当社グループの親会社となった組織再編は共通支配下の企業結合に該当するため、当社グループの連結財務諸表はASTROSCALE PTE. LTD.からの継続性を基礎として作成されております。
当社グループは継続企業として事業を継続するという基礎に基づき、連結財務諸表を作成しております。
当社グループの連結財務諸表は「3.重要な会計方針」に記載する会計方針に基づいて作成しております。資産及び負債の残高は、別途記載がない限り、取得原価に基づいて測定しております。
当社グループ各社の財務諸表に含まれる項目は、当社グループ各社がそれぞれ営業活動を行う主たる経済環境の通貨(以下、「機能通貨」)を用いて測定しています。当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨であり、又、当社グループの表示通貨である日本円(千円単位、単位未満を切り捨て)で表示しています。
3.重要な会計方針
当社グループの重要な会計方針は次の通りであり、連結財務諸表が表示されている全ての期間について適用しております。
子会社とは、当社グループにより支配されている企業であります。支配とは、投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動に晒され、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を与える能力を有する場合をいいます。子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結財務諸表に含まれております。当社グループの連結財務諸表に含まれる子会社の決算日は、連結決算日と一致しております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業であります。当社は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、関連会社を有しておりません。
当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社が発行する資本性金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。
外貨建取引については、取引日における直物為替レートにより機能通貨に換算しております。決算日における外貨建貨幣性項目は決算日の為替レートを用いて機能通貨に換算し、外貨建非貨幣性項目は取得原価で測定しているものは取引日の為替レート、公正価値で測定しているものは、公正価値を算定した日の為替レートを用いて機能通貨に換算しております。
換算又は決済により生じる換算差額は、発生した期間の純損益として認識しております。
在外営業活動体の資産及び負債は、決算日の為替レートで、収益、費用及びキャッシュ・フローは、期中平均為替レートで、それぞれ日本円に換算しております。換算から発生した為替換算差額は連結包括利益計算書の「その他の包括利益」で認識し、為替換算差額の累積額は連結財政状態計算書の「その他の資本の構成要素」に計上しております。在外営業活動体の処分時には、当該在外営業活動体に関連するその他の包括利益の累計額を純損益に振り替えております。
契約資産は、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に基づき履行義務を充足した時点で当初認識し、対価に対する無条件の権利を獲得した時点で営業債権に振り替えております。その他の金融資産は、当該金融資産の契約当事者となった取引日に当初認識しております。金融資産は、当初認識時に、償却原価で測定する金融資産と公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(i) 償却原価で測定する金融資産
金融資産は、次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類し、それ以外の場合には公正価値で測定する金融資産へ分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
(ⅱ) 公正価値で測定する金融資産
・負債性金融資産
負債性金融資産のうち、次の条件がともに満たされる場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しており、それ以外の場合には純損益を通じて公正価値で測定する金融資産へ分類しております。
- 契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
- 金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
・資本性金融資産
資本性金融資産のうち、売買目的で保有されるものを除いては、事後の公正価値の変動を純損益を通じて測定するか、その他の包括利益を通じて測定するかを当初認識時に指定し、当該指定を継続的に適用しております。売買目的で保有される資本性金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産へ分類しております。
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて次の通りに測定しております。
(i) 償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については、実効金利法による償却原価で測定しております。
(ⅱ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
・その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る公正価値の変動額は、減損利得又は減損損失、実効金利法を用いて算出した金利及び為替差損益を除き、当該金融資産の認識の中止が行われるまで、その他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識を中止する場合、過去に認識したその他の包括利益は純損益に振り替えております。
・その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に係る公正価値の変動額は、その他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識を中止する場合、又は公正価値が著しく下落した場合、過去に認識したその他の包括利益は利益剰余金に直接振り替えております。
(ⅲ)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
当社グループは、償却原価で測定する金融資産に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識することとしております。又、各決算日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しております。
信用リスクが著しく増加しているか否かは、金融資産が当初認識以降に債務不履行となるリスクの変化に基づいて判断しており、債務不履行が発生するリスクに変化があるかどうかの判断にあたっては、期日経過情報のほか、取引先の業績等悪化による財政困難など、当社グループが合理的に利用可能かつ裏付け可能な情報を考慮しております。
金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失と同額で測定し、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。
ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権及び契約資産については常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。金融商品の予想信用損失は、次のものを反映する方法で見積っております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、決算日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
金融資産が信用減損金融資産であるかどうかは、債務者による支払不履行又は支払期日の経過、当社グループが債務者に対してそのような状況でなければ実施しなかったであろう条件で行った債権の回収期限の延長、債務者又は発行企業が破産する兆候等により判断しております。なお、金融資産は、法的に請求権が消滅する等、契約上のキャッシュ・フローの全部又は一部を回収することが合理的に見込まれない場合には直接償却しております。
当社グループは、以下の場合に、金融資産の認識を中止しております。
・金融資産からのキャッシュ・フローを受領する契約上の権利が消滅した場合
・金融資産からのキャッシュ・フローを受領する契約上の権利を譲渡したか、又は「パス・スルー契約」に基づき、受領したキャッシュ・フローの全てを重大な遅滞なく第三者に対して引き渡す義務を負っており、かつ、以下のいずれかを満たす場合
(a)当社グループが当該資産のリスクと経済価値のほとんど全てを移転した場合
(b)当社グループは当該資産のリスクと経済価値のほとんど全てを移転も保持もしていないが、資産に対する支配を移転している場合
全ての金融負債は、当該金融負債の契約当事者となった取引日時点で当初認識し、当初認識時に、償却原価で測定する金融負債と純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。全ての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しております。
(i) 償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債については、実効金利法による償却原価で測定しております。
(ⅱ)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債については、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
当社グループは、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消、又は失効となった場合に、金融負債の認識を中止しております。
当社グループは、デリバティブ取引は為替変動リスク等をヘッジする目的でのみ行うこととしており、投機的なデリバティブ取引は行わない方針であります。
デリバティブは、契約が締結された日の公正価値で当初認識され、関連する取引費用を発生時に純損益として認識しております。当初認識後は、公正価値で再測定し、公正価値の変動額を純損益として認識しております。当社グループにおいては、ヘッジ会計を適用しているデリバティブ取引はありません。
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期的な投資から構成されております。
棚卸資産の取得原価には、購入原価、加工費、及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他の全ての原価を含めております。
棚卸資産は当初認識後において取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しますが、正味実現可能価額が取得原価を下回る場合にはその差額を評価減として費用認識しております。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成に要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除して算定しております。
又、原価は次の方法により算定しております。
仕掛品…個別法
原材料及び貯蔵品…主に移動平均法
有形固定資産の取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び原状回復費用、並びに資産計上の要件を満たす借入費用を含めております。有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
土地及び建設仮勘定を除き、各資産の残存価額控除後の取得原価は、それぞれの見積耐用年数にわたり定額法で減価償却を行っております。
見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は各連結会計年度末に見直し、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として見積りを変更した期間及び将来の期間において適用しております。
主要な資産の見積耐用年数は次の通りであります。
当初認識時におけるのれんの測定については、取得対価、被取得企業の非支配持分及び取得企業が以前より保有していた被取得企業の持分の支配獲得日における公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び負債の正味の金額を上回る場合に、その超過額をのれんとして認識しております。反対に下回る場合には、直ちに純損益として認識しております。発生した取得関連費用は純損益として認識しております。当初認識後ののれんについては償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
のれんは、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、のれんが配分された資金生成単位又は資金生成単位グループは、各連結会計年度の一定の時期、及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。なお、のれんの減損損失に関しては、減損を行った場合は純損益として認識されますが、その後における当該損失の戻入れは行っておりません。
② 無形資産(使用権資産を除く)及び研究開発費
無形資産は原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。
企業結合により取得した無形資産は、当該無形資産の取得原価を取得日現在の公正価値で測定しております。これには技術関連資産及び顧客関連資産が含まれます。
被取得企業の企業結合時点において既に開発済みの技術などから期待される将来の超過収益力を反映したものを技術関連資産として認識しております。
被取得企業の企業結合時点において存在した顧客から期待される将来の超過収益力を反映したものを顧客関連資産として認識しております。
研究とは、新規の科学的又は技術的な知識及び理解を得る目的で実施される基礎的及び計画的調査をいい、開発とは、商業生産又は使用の開始以前における、新規の又は大幅に改良された材料、装置、製品、工程、システム又はサービスによる生産のための計画又は設計に対する研究成果又は他の知識の応用をいいます。当社グループでは、研究から生じた支出は発生時に純損益で認識しております。開発における支出は、次の全てを立証できる場合にのみ資産計上し、それ以外の場合は発生時に純損益で認識しております。
・使用又は売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
・無形資産を完成させ、さらにそれを使用又は売却するという企業の意図
・無形資産を使用又は売却できる能力
・無形資産が可能性の高い将来の経済的便益を創出する方法
・無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
・開発期間中の無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力
なお、当社グループは、前連結会計年度及び当連結会計年度において、自己創設無形資産を計上しておりません。
耐用年数を確定できる無形資産はそれぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却し、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。耐用年数を確定できる無形資産の見積耐用年数及び償却方法は各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として見積りを変更した期間及び将来の期間において適用しております。
主要な無形資産の見積耐用年数は次の通りであります。
当社グループは、契約時点において当該契約がリース又はリースを含んだものであるかを判定しております。リース資産の使用期間全体を通じて、当社グループが、特定された資産の使用からの経済的便益のほとんど全てを得る権利と特定された資産の使用を指図する権利の両方を有している場合、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判断しております。
リース期間は、解約不能なリース期間に、リース契約を延長又は解約するオプションの対象期間を加えた期間としております。当該オプションの対象期間は、当社グループが延長オプションを行使すること又は解約オプションを行使しないことが合理的に確実である場合にのみ、解約不能期間に加えております。
当社グループは、リース開始日において、リース契約に係る使用権資産及びリース負債を認識しております。使用権資産は、リース負債の当初測定金額に、リース開始日以前に支払ったリース料を加え、受け取ったリース・インセンティブを控除し、発生した当初直接コスト及びリースの契約条件で要求されているリース資産の解体及び除去、リース資産の敷地の原状回復又はリース資産の原状回復の際に生じるコストの見積りを加算して算定しております。リース負債は、リース開始日における未払リース料の現在価値で測定しております。現在価値の測定にあたっては、通常、当社グループの追加借入利子率を使用しております。
使用権資産は、リース開始日から、使用権資産の耐用年数又はリース期間のいずれか短い期間にわたって規則的に減価償却しております。
リース契約の更新などリース期間に変更があった場合、変更後のリース期間に基づいてリース負債を再測定し、当該再測定による変動額を使用権資産の修正として認識しております。
又、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び少額資産のリースについて、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択しており、これらのリースに係るリース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
当社グループは、各決算日において非金融資産(棚卸資産及び繰延税金資産を除く)についての減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候が存在する場合には、減損テストを実施しております。ただし、のれんについては、各連結会計年度の一定の時期及び減損の兆候を識別した時に減損テストを実施しております。
減損テストでは、回収可能価額を見積り、帳簿価額と回収可能価額の比較を行っております。資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか高い方の金額で算定しております。
減損テストの結果、資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合には減損損失を認識しております。のれんを含む資金生成単位の減損損失の認識にあたっては、まず、その単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しております。
決算日において、のれんを除く資産について、過去の期間に認識した減損損失の減少または消滅を示す兆候の有無を評価しており、減損損失の戻入れは、その兆候が存在し、回収可能価額の見積りを行った結果、回収可能価額が帳簿価額を上回る場合に行っております。戻入金額は、戻入れが発生した時点まで減価償却又は償却を続けた場合における帳簿価額を上限としております。なお、のれんに係る減損損失の戻入れは行っておりません。
当社グループは、過去の事象の結果として、当社グループが法的債務又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に引当金を認識しております。
引当金の貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しております。
当社グループが受注するプロジェクトのうち、見積総原価が見積総収益を超過する可能性が高いものについて、損失見込額を計上しております。
使用する事務所の不動産賃貸借契約に伴う原状回復義務に対して、当該義務を履行する際に必要と見込まれる金額について、資産除去債務として計上しております。
政府が法令に従って企業に求める経済的便益のある資源の流出である賦課金については、法令により規定される賦課金の支払いの契機となる活動により債務発生事象が生じた時点で、支払見込額を債務認識しております。
短期従業員給付とは、従業員が関連する勤務を提供した期間の末日後12ヶ月以内に全てが決済されると予想される従業員給付をいい、ある会計期間中に従業員が企業に勤務を提供した時に、当社グループは当該勤務の見返りに支払うと見込まれる金額を認識しております。当社グループにおける短期従業員給付には、株式報酬費用及び有給休暇に係るものを含んでおります。
累積型の有給休暇に関する従業員給付の予想コストは、将来の有給休暇の権利を増加させる勤務を従業員が提供した時に認識しております。又、当社グループは、累積型有給休暇の予想コストを、決算日現在で累積されている未使用の権利の結果として当社グループが支払うと見込まれる追加金額として測定しております。
当社グループは所在地各国の公的年金制度に対して掛金を拠出しています。当該公的年金制度(確定拠出制度)への拠出は、発生時に費用処理され、従業員給付に含めて処理しています。
当社グループは、取締役及び従業員等に対するインセンティブ制度として、持分決済型の株式報酬制度を採用しております。
株式報酬(以下「ストック・オプション」)は、付与日における公正価値によって見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮して算定しており、詳細は、注記「24.株式報酬制度」に記載しております。又、その後の情報により確定すると見込まれるストック・オプションの数が従前の見積りと異なることが示された場合には、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しております。
当社グループは、次の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:別個の履行義務へ取引価格を配分する。
ステップ5:履行義務の充足時又は充足するにつれて、収益を認識する。
当社グループは、デブリ除去等の軌道上サービスに関する技術の研究開発及び宇宙空間における実証を行っており、合意された研究開発あるいは実証に関する成果物の提供を履行義務として識別しております。当社グループが提供する軌道上サービスに関連するプロジェクトについては、契約開始時点において、一定の期間にわたり充足される履行義務かどうかを判断し、当該履行義務に該当しないと判断されるものについては、一時点で充足する履行義務としています。
一定期間にわたり充足される履行義務については、履行義務の完全な充足に向けた進捗度を合理的に測定できる場合には、進捗度の測定に基づいて収益を認識しております。進捗度の測定は、当社グループによる作業の実施に伴いコストが発生し、またプロジェクトが進捗していくことから、原則としてプロジェクトの見積総原価に対する連結会計年度末までの発生原価の割合で進捗度を測定する方法によっております。進捗度を合理的に測定できない場合には、履行義務の結果を合理的に測定できるようになるまで発生した原価のうち、回収可能性が高いと判断される部分と同額を収益として認識しております。
顧客に移転した財又はサービスと交換に受け取る対価に対する権利のうち、時の経過以外の条件付きの権利がある場合には、契約資産として計上しております。又、財又はサービスを顧客に移転する前に、顧客から対価を受け取っている又は対価の支払期限が到来しているものについては、契約負債として計上しております。
長期の前払い、後払い等、ある取引が実質的に重大な金融要素(資金提供の重大な便益が提供されている)を含む場合、売上収益は実効金利を用いて現在価値で測定しますが、契約開始時点で財又はサービスを顧客に移転する時点と、顧客が支払いを行う時点との間が1年以内であると見込まれる場合、重大な金融要素の影響について対価の調整は実施しておりません。
金融収益は、利息収入、為替差益等から構成されております。利息収入は、実効金利法により発生時に認識しております。
金融費用は、借入金及びリース負債に係る利息費用、為替差損等から構成されております。リースにおける最低リース料総額は、金融費用と負債残高の未返済部分に配分しており、金融費用は、未返済債務残高に対して一定の利子率となるようにリース期間にわたって配分しております。
当期税金及び繰延税金は、企業結合に関連するもの、及びその他の包括利益又は直接資本の部で認識される項目を除き、連結損益計算書上で法人所得税費用として表示しております。
その他の包括利益に認識される項目に関する当期税金及び繰延税金は、その他の包括利益として認識しております。
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の算定に使用する税率及び税法は、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる純損益を稼得する国において、決算日までに制定又は実質的に制定されたものであります。
繰延税金は、決算日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異に基づいて算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識し、繰延税金負債は、原則として、将来加算一時差異について認識しております。
なお、次の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引(企業結合取引を除く)によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社、関連会社に対する投資並びに共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異について、解消する時期をコントロールでき、かつ、予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高い場合
・子会社、関連会社に対する投資並びに共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異のうち、予測可能な将来に当該一時差異が解消する可能性が高くない場合又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が高くない場合
繰延税金資産及び負債は、決算日までに制定又は実質的に制定されている法定税率(及び税法)に基づいて、資産が実現される又は負債が決済される期に適用されると予想される税率(及び税法)によって測定しております。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産及び当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ次のいずれかの場合に相殺しております。
・法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合
・異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産及び当期税金負債を純額ベースで決済することを意図している、若しくは当期税金資産を実現させると同時に当期税金負債を決済することを意図している場合
繰延税金資産の帳簿価額は決算日において再検討しております。一部又は全部の繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった場合、繰延税金資産の帳簿価額をその範囲で減額しております。又、当該評価減額は、十分な課税所得を稼得する可能性が高くなった範囲で戻し入れております。
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者(普通株主)に帰属する純損益を、各連結会計年度中の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。
希薄化後1株当たり当期利益は、全ての希薄化性潜在的普通株式による影響について調整して計算しております。
政府補助金は、その交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時点で公正価値で認識しています。発生した費用に対する補助金は、当該費用の発生と同じ期間に収益として認識しています。資産の取得に対する補助金は、繰延収益として認識し、関連資産の見積耐用年数にわたり規則的に純損益として認識しています。
4.重要な会計上の見積り及び判断
当社グループは、連結財務諸表の作成において、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定を用いております。これらの見積り及び仮定は、過去の経験及び利用可能な情報を収集し、決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかしながら、その性質上、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。これらの見積りの見直しによる影響は、当該見積りを見直した期間及び将来の期間において認識しております。
連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定は、次の通りであります。
当社グループは、非金融資産(棚卸資産及び繰延税金資産を除く)について、回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候が存在する場合には減損テストを実施しております。ただし、のれんについては、各連結会計年度の一定の時期及び減損の兆候を識別した時に減損テストを実施しております。
減損テストは、資産の帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には減損損失を計上することとなります。回収可能価額は、主に割引キャッシュ・フロー・モデルにより算定しており、算定に際しては、資産の耐用年数や将来のキャッシュ・フロー、資産の耐用年数の終了時点において生じる正味キャッシュ・フロー、割引率、長期成長率等について一定の仮定を設定しております。
これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
非金融資産の減損に関連する内容及び金額については注記「12.非金融資産の減損」に記載しております。
当社グループが受注するプロジェクトについて、見積総原価が見積総収益を超過する可能性が高く、かつその金額を合理的に見積ることができる場合、損失見込額を受注損失引当金として計上し、引当金の変動額については連結損益計算書の売上原価に計上しております。当社グループにおいては、プロジェクトの開始時点において最善の見積を行い、プロジェクトに対する見積総原価及び見積総収益を算定しておりますが、プロジェクトの状況に応じて、契約金額の変更や追加コストの発生等によって当初見積りの修正が発生した場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループは、使用する事務所の不動産賃貸借契約に伴う原状回復義務に対して、当該義務を履行する際に必要と見込まれる金額を資産除去債務として計上しております。これらの金額は、専門業者による見積額等を基礎として算出した最善の見積額を計上しており、退去時に支払うことが見込まれますが、退去を見込む時期の見直し等によって、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
引当金に関連する内容及び金額については注記「17.引当金」に記載しております。
繰延税金資産の認識に際しては、課税所得が生じる可能性の判断において、事業計画に基づいて将来獲得しうる課税所得の時期及びその金額を見積り算定しております。
課税所得が生じる時期及び金額は、将来の当社グループの業績による影響を受けるため、実際に発生する時期及び金額が見積りと異なった場合には翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
繰延税金資産に関連する内容及び金額については注記「14.繰延税金及び法人所得税」に記載しております。
当社グループが認識する売上収益に係る履行義務は、その多くが一定の期間にわたり充足される履行義務と判断しております。一定期間にわたり充足される履行義務については、履行義務の完全な充足に向けた進捗度を合理的に測定できる場合には、その取引の成果について信頼性をもった見積りを行ったうえで、進捗度に応じて収益を計上し、進捗度を合理的に測定できない場合には、進捗度を合理的に測定できるようになるまでに発生した原価のうち、回収可能性が高いと判断される部分と同額を売上収益として認識しております。主要なプロジェクトについては、発生した原価のうち、回収可能性が高いと判断される部分と同額を売上収益として認識しております。
当社グループにおける進捗度の測定には、原則としてプロジェクトの見積総原価に対する連結会計年度末までの発生原価の割合で進捗度を測定する方法を適用しております。そのため、一定期間にわたり充足される履行義務に関する売上収益の認識方法は、主にプロジェクトの総原価を合理的に見積もることが出来るかの判断に基づき決定しており、その判断が連結財務諸表において認識する売上収益の金額に重要な影響を与える可能性があります。
また、進捗度に応じて売上収益を計上している場合において、これらの見積り及びその基礎となる仮定に変更があった場合には、その影響額を信頼性をもって見積ることが可能となった連結会計年度に認識しております。プロジェクトの状況に応じて、契約金額の変更や追加コストの発生等によって当初見積りの修正が発生した場合、連結財務諸表において認識する売上収益の金額に重要な影響を与える可能性があります。
収益認識に関連する内容及び金額については注記「21.売上収益」に記載しております。
5.未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりであります。これらの基準書を適用することによる連結財務諸表への影響は検討中であります。
6.セグメント情報
製品及びサービスごとの外部顧客からの売上収益は、次の通りであります。
(注) 1.受託プロジェクト収益には、当社グループが開発する軌道上サービスに関連する研究開発プロジェクト及び実証プロジェクトにより獲得した収益が含まれております。
2.その他の収益には、ロゴマーク掲載等のスポンサーシップによる収益等が含まれております。
外部顧客からの売上収益及び非流動資産の地域別内訳は、次の通りであります。
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
非流動資産の対象は、有形固定資産、のれん及び無形資産としております。
(4) 主要な顧客に関する情報
売上収益の10%以上を占める単一の外部顧客からの売上収益は、次の通りであります。
7.現金及び現金同等物
前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結財政状態計算書における現金及び現金同等物と連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物の期末残高は一致しております。
8.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下の通りであります。
(単位:千円)
(注)1.当社グループは、営業債権及びその他の債権のうち、減損額に対して貸倒引当金を設定し、その後、減損額の追加的な回収が見込めない場合及び減損額が回収された場合には貸倒引当金を減額します。
2.前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、貸倒引当金は認識しておりません。
3.営業債権及びその他の債権の年齢分析は、注記「23.金融商品」に記載しております。
4.営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
9.その他の資産及び負債
その他の資産の内訳は、以下の通りであります。
(単位:千円)
(注) 前払費用は、主に事業経費や借入金に係る利息費用の前払額であります。
その他の負債の内訳は、以下の通りであります。
(単位:千円)
10.有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は、以下の通りであります。
(単位:千円)
(単位:千円)
(単位:千円)
(注) 1.所有権に対する制限がある有形固定資産及び負債の担保として抵当権が設定された有形固定資産はありません。
2.有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
3.有形固定資産の取得原価に含めた借入コストはありません。
4.建設中の有形固定資産項目の帳簿価額に含めて認識した支出額は建設仮勘定に含めて表示しており、前連結会計年度及び当連結会計年度における金額はそれぞれ406,342千円、1,212,520千円であります。
5.当連結会計年度における使用権資産の取得の額は、主に、本社オフィスの賃借契約の締結に伴い計上したものです。また、当連結会計年度における建設仮勘定の取得の額は、主に、本社オフィスに関する内部造作等に関し計上したものです。
11.のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は、以下の通りであります。
(単位:千円)
(単位:千円)
(単位:千円)
(注) 1.無形資産のソフトウェアのうち、自己創設に該当する帳簿価額はありません。
2.所有権に対する制限及び負債の担保として抵当権が設定された無形資産はありません。
3.無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
無形資産のうち主なものは、2020年6月に企業結合により取得した技術関連資産であります。当該企業結合により取得した技術関連資産の帳簿価額は前連結会計年度末において118,845千円、当連結会計年度末において115,564千円であり、残存償却年数は前連結会計年度末において1年~14年、当連結会計年度末において1年~13年です。
無形資産のうち、未だ使用可能でない無形資産はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度の研究開発費は以下の通りであります。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において発生した開発における支出のうち、資産計上の要件を満たしたものはなく、発生時に純損益として認識しております。
(単位:千円)
12.非金融資産の減損
当社グループは、資産の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に減損損失を認識しております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社グループは、減損損失を認識しておりません。
のれんが配分されている資金生成単位については、各連結会計年度の一定の時期及び減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを行っております。
連結財政状態計算書に計上されているのれんは2021年4月期に実施した企業結合に伴い認識したものであり、その全額を軌道上サービス事業の資金生成単位に配分しております。
資金生成単位の回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値により測定しております。当社が取り組む軌道上サービスについては、その市場が世界的にも未だ確立しておらず、また、その期間が研究開発から顧客開拓、衛星開発、打ち上げ、運用等に至るまで長期間に亘ることから、中長期の持続的な成長のため、事業計画の対象期間を10年間として策定しており、処分コスト控除後の公正価値は、今後10年の事業計画とその後の期間における見積成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を税引前割引率を用いて現在価値に割り引くことにより算出しております。公正価値算定に影響を及ぼす主要な仮定には、事業計画に含まれる受注予測並びにキャッシュ・フローの永久成長率、割引率などが含まれます。これらの仮定は、過去の経験と外部からの情報を反映して決定しております。観察可能な市場データに基づいていない重要なインプットを使用するため、この評価手法は公正価値ヒエラルキーにおいてレベル3に分類されています。
割引率は加重平均資本コストを基礎として算定しております。公正価値の算定に使用した税引前の割引率は10.3%(前連結会計年度は10.0%)であります。
将来の事業計画の予測を超える期間におけるキャッシュ・フローについては、当社事業が属する市場に関し、外部機関によって公表された市場規模成長予測の範囲とされている期間については、当該予測を基礎として算定し、それ以降の期間については、日本の潜在成長率に基づき永久成長率を0.5%(前連結会計年度は0.5%)として公正価値を算定しております。
当連結会計年度において当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を十分に上回っており、減損テストに用いた主要な仮定(永久成長率/税引前の割引率)が合理的な範囲で変更されたとしても、それにより当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと考えております。
なお、減損テストに用いた主要な仮定(永久成長率/税引前の割引率)の変動が合理的に予想される範囲は次の通りであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度における減損テストの結果、処分コスト控除後の公正価値が当該資金生成単位の帳簿価額を上回っているため、減損損失を認識しておりません。
13.金融資産
金融資産の内訳は、次の通りであります。
(単位:千円)
(注) 1.その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に分類しております。
2.償却原価で測定する金融資産に分類しております。
当社グループは、取引関係の維持・強化を目的として保有する長期保有の株式について、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に指定しております。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の主な銘柄、及び公正価値等は、次の通りであります。
(単位:千円)
14.繰延税金及び法人所得税
(単位:千円)
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の金額は、次の通りであります。
(単位:千円)
(注) 将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除は所得ベースの金額であります。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の繰越期限は、次の通りであります。
(単位:千円)
法人所得税費用の内訳は、以下の通りであります。
(単位:千円)
(注) 1.当期税金費用には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額は含まれておりません。
2.当連結会計年度において生じた過去の期の利益に対する税金費用は、前年度以前の決算にて計上していた税額控除による還付見込額について、当該還付を受ける見込みが高まったことに伴うものです。
適用税率と実際負担税率との調整は以下の通りであります。実際負担税率は税引前当期利益に対する法人所得税費用の負担割合を表示しております。
(単位:%)
(注) 当社及び国内連結子会社は、所得に対する税金として、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、前連結会計年度及び当連結会計年度の適用税率は国税23.3%と地方税11.3%の合計であります。海外連結子会社についてはその所在地における法人税等が課されております。
15.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下の通りであります。
(単位:千円)
(注)営業債務及びその他の債務は償却原価で測定する金融負債に分類しております。
16.リース取引
リースに係る費用、収益、キャッシュ・フローは、次の通りであります。
(単位:千円)
有形固定資産の帳簿価額に含まれる使用権資産の帳簿価額及び帳簿価額の増加額は、次の通りであります。
(単位:千円)
(注)前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の増加額はそれぞれ1,043,487千円、2,185,257千円であります。
当社グループでは、事業に使用するオフィスのほか、軌道上サービスに関する技術の研究開発及び実証に使用する機械装置、工具器具及び備品をリースにより調達しております。
延長オプション及び解約オプションは、当社グループの建物及び機械装置、工具器具及び備品のリースの多くの契約に含まれています。主にオフィスのリースは2年から20年、機械装置、工具器具及び備品のリースは3年から5年の契約であり、契約終了後に1年間ないし原契約と同じ期間リースを延長するオプションが含まれている契約があります。又、契約期間満了の6ヶ月から1年前までに相手方に書面をもって通知した場合に早期解約を行うオプションが含まれる契約があります。これらのオプションは、当社グループの事業で使用される資産の管理の観点から運用上の柔軟性を最大化するために使用されます。
17.引当金
引当金の内訳は、以下の通りであります。
(単位:千円)
① 資産除去債務
当社グループが使用する事務所の不動産賃貸借契約に伴う原状回復義務に対して、当該義務を履行する際に必要と見込まれる金額を引当金として計上しております。これらの債務は使用見込期間を2年~8年と見積っております。支出の時期は退去の時期等により影響を受けます。
② 受注損失引当金
当社グループで受注したプロジェクトのうち、見積総原価が見積総収益を超過する可能性が高いものについて、損失見込額を計上しております。支出の時期は将来のプロジェクトの進捗に影響を受けます。
18.従業員給付
当社グループでは、独自の退職後給付制度を採用しておりませんが、所在地各国の公的年金制度への拠出を確定拠出制度として扱っております。当該制度に関連して期中に認識した費用の金額は、次の通りであります。
(単位:千円)
(注) 当該金額は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
従業員給付費用の内訳は、以下の通りであります。
(単位:千円)
(注) 上記の金額は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれております。
19.資本及びその他の資本項目
授権株式総数及び発行済株式総数の増減は、以下の通りであります。
(注) 1.当社の発行する株式は、全て無額面株式であります。
2.発行済株式は、全額払込済となっております。
3.ストック・オプションの行使による増加であります。
4.当社は2022年2月14日付で普通株式を対価とする取得条項に基づき、発行済優先株式(A種優先株式、B種優先株式、C種優先株式、D種優先株式、E種優先株式及びF種優先株式)の全てを自己株式として取得し、対価としてA種優先株式、B種優先株式、C種優先株式、D種優先株式、及びF種優先株式1株につき、それぞれ普通株式1株を、E種優先株式1株につき、普通株式1.1株の交付を行い、同日付で当社が取得した優先株式の全てを消却しております。
5.第三者割当増資による増加であります。当社は、2021年11月12日開催の臨時株主総会並びに2021年11月12日、2021年11月15日及び2021年11月24日開催の取締役会決議に基づき、普通株式14,744株、F種優先株式100,634株を発行し、これにより資本金が6,212,761千円、資本準備金が6,212,761千円それぞれ増加しております。
6.当社は2022年2月14日開催の取締役会決議に基づき、2022年3月4日を効力発生日として、当社の普通株式1株を100株とする株式分割を行っております。その結果、発行済株式数は81,091,989株増加し、819,111株から81,911,100株になっております。連結財務諸表全体における当社の発行済株式数、1株当たり利益の金額及びストックオプションに係る開示は、別記ある場合を除き、当該株式分割の影響に伴う調整を全ての連結会計年度において反映しております。
7.当社は2022年7月29日開催の株主総会決議により、同日付で定款の一部変更を行い、発行可能株式総数を普通株式140,000,000株、A種優先株式、B種優先株式、C種優先株式、D種優先株式、E種優先株式及びF種優先株式各々30,000,000株としております。また、同日付で普通株式の一部を優先株式へ変更し、発行済株式数は、普通株式29,874,900株、A種優先株式5,390,000 株、B種優先株式9,302,400株、C種優先株式7,471,500株、D種優先株式13,876,400株、E種優先株式5,956,500株、F種優先株式10,063,400株としております。
8.当社は2022年10月31日付で普通株式を対価とする取得条項に基づき、発行済みのB種優先株式123,300株を自己株式として取得し、対価として普通株式123,300株の交付を行い、同日付で当社が取得したB種優先株式の全てを消却しております。
9.当社は2023年2月21日開催の株主総会決議により、同日付で定款の一部変更を行い、発行可能株式総数を普通株式210,000,000株、A種優先株式、B種優先株式、C種優先株式、D種優先株式、E種優先株式及びF種優先株式各々15,000,000株、G種優先株式20,000,000株としております。
10.第三者割当増資による増加であります。当社は、2023年2月21日開催の株主総会並びに2023年2月21日開催の取締役会決議に基づき、普通株式838,700株、G種優先株式7,226,400株を発行し、これにより資本金が5,112,591千円、資本準備金が5,112,591千円それぞれ増加しております。
11.当社は前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、自己株式を保有しておりません。また、注4及び注8に記載の取得を除き、自己株式を取得しておりません。
12. 当社が前連結会計年度末及び当連結会計年度末において発行している種類株式の主な内容は、残余財産の優先分配権となります。
なお、当社は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、資本金の額の減少及び剰余金の処分を行っております。
前連結会計年度においては、2022年1月26日開催の株主総会において、剰余金の処分について承認可決され、2022年2月28日にその効力が発生しております。剰余金の処分は、その他資本剰余金17,886,772千円を繰越利益剰余金に振り替えることで、欠損填補に充当したものです。また、2022年3月31日開催の株主総会において、資本金の額の減少について承認可決され、2022年4月26日にその効力が発生しております。資本金の額の減少は、資本金の額6,258,101千円を減少し、減少させた全額を資本準備金に振り替えたものです。
当連結会計年度においては、2023年3月16日開催の株主総会において、資本金の額の減少及び剰余金の処分について承認可決され、2023年4月17日にその効力が発生しております。資本金の額の減少は、資本金の額5,128,522千円を減少し、減少させた全額を資本準備金に振り替えたものです。剰余金の処分は、その他資本剰余金5,460,145千円を繰越利益剰余金に振り替えることで、欠損填補に充当したものです。
日本における会社法では、株式の発行に対しての払込み又は給付に係る額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されております。又、会社法では、資本準備金の額は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。又、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができることとされております。
20.その他の包括利益
その他の包括利益の内訳項目ごとの組替調整額及び税効果額は、次の通りであります。
(単位:千円)
21.売上収益
当社グループは、外部顧客との契約から認識した売上収益を、軌道上サービスに関連する受託プロジェクト収益とその他の収益に、又地域別に分解しており、「6.セグメント情報」の「(2) 製品及びサービスに関する情報」及び「(3) 地域別に関する情報」に記載しております。
(単位:千円)
(注) 1.契約資産は、一定期間にわたり充足される履行義務に関して認識した売上収益に対応する未請求の売掛金であり、顧客による検収等により当社グループが対価に対する権利を取得した時点において営業債権へ振り替えられます。契約資産は、連結財政状態計算書において流動資産の部に記載しております。
2. 契約負債は、契約に基づく履行に先だって受領した対価に関連するものであり、当社グループが契約に基づき履行した時点で収益に振り替えられます。契約負債は、連結財政状態計算書において流動負債の部に記載しております。
3. 前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益はありません。
4. 前連結会計年度に認識した収益のうち、期首現在の契約負債残高に含まれていた金額はありません。当連結会計年度に認識した収益のうち、期首現在の契約負債残高に含まれていた金額は109,287千円です。
当社グループが提供する財又はサービスの履行義務については、「3.重要な会計方針」をご参照下さい。
なお、審査等のマイルストーンが定められている契約においては、マイルストーンに応じた対価の支払が行われる場合があります。また、対価の一部について前払いの条件が付されている場合があります。前払い及び後払いのいずれの場合においても、履行義務の充足と対価の支払は1年以内に発生するものと見込まれており、長期の前払いや後払いの支払条件が設定されている重要な取引はありません。
当社グループにおいては、軌道上サービスに関する技術の研究開発及び実証に関する契約において、長期にわたり収益が認識される契約を有しており、連結会計年度末において未充足の履行義務に配分した取引価格は以下の通りです。
又、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(単位:千円)
当社グループにおいては、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産はありません。
22.配当金
前連結会計年度及び当連結会計年度において、配当金の支払はなく、また基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となる配当もありません。
23.金融商品
当社グループは、事業の競争力を維持・強化することによる持続的な成長を実現し、企業価値を最大化することを目指して資本管理をしており、財務体質の強化及び中長期的な業績の向上のための積極的な事業展開に備えるため、適正な水準まで内部留保を充実させることを目指しております。
当社グループは、主に資本を管理対象としており、関連する残高及び当社グループが資本管理において用いる主な指標は、次の通りであります。
(単位:千円)
(注) 自己資本額は、資本合計より非支配持分及び新株予約権を控除して算定しております。
経営活動を行う過程において、常に財務上のリスクが発生します。当社グループは、当該財務上のリスクを軽減するために、リスク管理を行っております。リスク発生要因の根本からの発生を防止し、回避できないリスクについてはその低減を図るようにしております。
当社グループにおいては、事業活動における資金需要に基づき、主に株式の発行及び金融機関からの借入によって資金を調達しております。一時的な余剰資金については、事業活動に必要な流動性を確保のうえ、安全性の高い金融資産にて運用しております。デリバティブ取引については、ヘッジを目的として利用する場合がありますが、投機目的及びトレーディング目的では行っておりません。
当社グループの営業活動から生ずる営業債権及び契約資産は、顧客の業種や規模に応じた信用リスクに晒されております。当社グループにおいては、取引先ごとに債権の期日管理及び残高管理を行うとともに、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングしております。当社グループにおいては、前連結会計年度及び当連結会計年度の売上収益は少数の企業及び組織に集中しているものの、関連する取引先ごとの債権額は当社グループの財政状態からみて多額なものではなく、特段の管理を要する信用リスクの過度の集中はないと考えております。
財務諸表に表示されている金融資産の帳簿価額は、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値です。当社グループの顧客は信用力の高い企業及び組織が多く、信用リスクは限定的であり、また、過年度において重要な貸倒損失を認識した実績はなく、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、貸倒引当金を計上しておりません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、期日が経過しているが、減損していない金融資産はありません。
当社グループは、金融機関からの借入及びリース取引による利付負債を有しております。金融機関からの借入には固定金利のものと変動金利のものがあり、変動金利のものは市場金利の変動による金利リスクに晒されております。当社グループは、このリスクについて、固定金利と変動金利の借入金の適切な組み合わせ、及び自己資本による資金調達と借入による資金調達の適切な組み合わせを図ることにより、リスクの軽減を図っております。
なお、リース取引による利付負債については、当該リース取引に関する支払額は固定されており、金利変動リスクに晒されておりません。
前連結会計年度及び当連結会計年度に当社グループが有する利付負債について、その他全ての変数が一定であることを前提として、変動金利が1.0%上昇した場合の連結損益計算書の「税引前当期利益」に与える影響は、次の通りであります。
(単位:千円)
当社グループは、キャッシュ・フローの予算及び実績の分析を通じてグループ各社を含めた資金需要を把握し、流動性リスクを管理しております。必要となる流動性については、主に株式発行による資金調達及び金融機関からの借入によって確保しております。各年度末における金融負債の期日別残高は以下の通りであります。
(単位:千円)
当社グループは、機能通貨以外の通貨建ての債権債務及びキャッシュ・フローについて、外国為替相場の変動リスクに晒されております。当該外国為替相場の変動リスクを低減するために、必要に応じて、為替予約取引等の取引を利用することとしております。
各年度末における、為替変動リスクのエクスポージャー(純額)は、次の通りであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度に当社グループが保有する機能通貨以外の通貨建て金融商品につき、その他全ての変数が一定であることを前提として、日本円が米ドルに対して1.0%円高となった場合における連結損益計算書の「税引前当期利益(△は損失)」への影響額は、次の通りであります。なお、在外営業活動体の資産及び負債、収益及び費用を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。
(単位:千円)
金融資産及び金融負債の公正価値は、以下の通り決定しております。金融商品の公正価値の見積りにおいて、市場価格が入手できる場合は、市場価格を用いております。市場価格が入手できない金融商品の公正価値に関しては、将来キャッシュ・フローを割り引く方法、又はその他の適切な評価方法により見積っております。
現金及び現金同等物に含まれる短期投資については、満期までの期間が短期であるため、帳簿価額と公正価値はほぼ同額であります。
当社グループの債権債務は、主として短期間で決済される金融商品であるため帳簿価額と公正価値がほぼ同額であります。
活発な市場における同一銘柄の市場価格が入手できる場合は、当該市場価格を使用して公正価値を測定しており、レベル1に分類しております。市場価格が入手できない場合の公正価値は、主として純資産に基づく評価技法(株式発行会社の純資産に基づき、必要に応じて修正を加えて算出する方法)により測定しており、レベル3に分類しております。
敷金保証金については、償還予定時期を見積もり、安全性の高い長期の債券の利回りで割り引いた現在価値により算定しており、レベル2に分類しております。
変動金利による借入金は、短期間で市場金利が反映されるため、帳簿価額と公正価値はほぼ同額であります。固定金利による借入金は、同様の新規借入を行った場合に想定される利率で元利金の合計額を割り引く方法により、公正価値を算定しております。
公正価値で測定される金融商品について、測定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じた公正価値測定額を、レベル1からレベル3まで分類しております。なお、各レベル間の振替はありません。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格(無調整)
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:重要な観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は、次の通りであります。なお、公正価値で測定する金融商品、帳簿価額と公正価値が極めて近似している金融商品及びリース負債については含めておりません。
前連結会計年度(2022年4月30日)
(単位:千円)
当連結会計年度(2023年4月30日)
(単位:千円)
公正価値ヒエラルキーの各レベルごとに分類された、経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の内訳は、次の通りであります。
前連結会計年度(2022年4月30日)
(単位:千円)
当連結会計年度(2023年4月30日)
(単位:千円)
レベル3に分類された金融商品の増減は、次の通りであります。
(単位:千円)
(注) 1.レベル間の振替は該当ありません。
2.当期の利得又は損失合計は全て、報告期間末時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するもので、連結包括利益計算書上の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に表示しております。
3.レベル3に分類されている金融商品は、非上場株式により構成されております。非上場株式の公正価値は、当社グループの担当部門が四半期ごとに入手可能な直前の数値を用いて公正価値を測定しております。公正価値測定結果については、適切な権限者がレビュー、承認しております。なお、レベル3に分類された金融商品について、それぞれ合理的と考えられる代替的な仮定に変更した場合に、公正価値の金額に重要な変動はないと考えております。
当社グループは、主に機能通貨以外の通貨建ての営業債権及び営業債務に係る為替リスクの軽減、又機能通貨以外の通貨建てキャッシュフローの変動に係る為替リスクの軽減を目的として、為替予約、通貨スワップ等のデリバティブ取引を行うことがあります。また、市場金利の変動による金利リスクの軽減を目的として、金利スワップ等のデリバティブ取引を行うことがあります。
当社グループにおいては、投機目的でのデリバティブ取引は行わない方針です。前連結会計年度末及び当連結会計年度末においては、当社グループにおいてデリバティブ取引の未決済残高は存在しておりません。
当社グループが有する有利子負債の内訳は以下の通りであります。
(単位:千円)
(注) 1.「平均利率」については、期末残高に対する加重平均利率を記載しております。
2.担保の差し入れを行っている借入金はありません。
当社グループが有する有利子負債に関する契約については、財務制限条項が付されているものがあり、当該契約及び財務制限条項の主な内容は以下の通りであります。
借入限度額 : 5,000,000千円
借入金残高 : 5,000,000千円
財務制限条項の内容 :
(a) 各四半期の末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計額を、0円以上に維持すること。
(b) 現預金に将来収入予定額(注)を加えた金額を、総借入元本金額以上に維持すること。
(注) 借入人より貸付人に対して提出された各プロジェクト契約に記載された契約金額の合計額のうち、受領済の契約金額を差し引いた金額
借越極度額 : 3,000,000千円
借入金残高 : -
財務制限条項の内容 :
(a) 各年度の決算期の末日における連結貸借対照表における純資産の部の金額を、マイナスとしないこと。
(b) 現預金の額と現金補完価額(注)の合計金額を、50億円以上に維持すること。
(注) 取引期間中に資金化が見込まれる営業上の債権
取引期間 : 2023年5月1日~2026年6月30日
借入極度額 : 3,000,000千円
借入金残高 : -
財務制限条項の内容 :
各四半期の末日における借入人の連結貸借対照表において、純資産の部の合計額を0円以上に維持すること。
コミットメント期間 : 2023年5月1日~2025年4月30日
24.株式報酬制度
当社は、ストック・オプション制度を採用しており、当社及び子会社の取締役、当社及び子会社の従業員、並びに外部協力者にストック・オプションを付与しております。この制度の目的は、当社及び子会社の取締役が株価上昇によるメリットを株主と共有することで、業績向上への貢献意欲や、株主重視の経営意識を高めるためのインセンティブを与えることを目的としております。又、従業員及び外部協力者に関して、当社グループの業績及び企業価値向上に対する意欲や士気を高めるとともに、優秀な人材を確保することであります。
ストック・オプションは、当社株主総会において承認された内容に基づき、当社取締役会で決議された対象者に対して付与されております。行使期間は新株予約権割当契約書に定められた期間であり、その期間内に行使されない場合は、当該オプションは失効いたします。又、付与日以降、権利確定日までに、対象者が当社を退職する場合、又は当社と対象者が契約関係・協力関係を有しないこととなったと当社取締役会が判断した場合は、当該オプションは失効いたしますが、当社取締役会が別途認める場合はこの限りではありません。
なお、対象者に付与されるストック・オプションは全て持分決済型のストック・オプションであります。
当社が発行し、当連結会計年度末において存在するストック・オプションの内容は、以下の通りであります。
(注)1.付与対象者の区分については、決議時点の情報を記載しております。
2.ストック・オプションの数については、株式数に換算して記載しております。
3.第1回、第2回及び第3回新株予約権については、それぞれAstroscale Pte Ltd.にて2015年5月、2017年5月、2018年8月に付与した新株予約権につき、2019年1月に「1.報告企業」に記載の当社グループ内での組織再編を行ったことに伴い、経済的にほぼ同等の条件となるよう発行済み新株予約権と引き換えに新規発行したものです。そのため、付与及び行使に関する経済的な条件は、当初付与時の経済的環境に従い決定されております。
4.付与日以降、権利確定日まで継続して勤務していること、又は継続して契約関係・協力関係にあることが権利確定条件となっております。ただし、当社取締役会が別途認める場合はこの限りではありません。
5.当社子会社Astroscale Israel Ltd.の役職員に対するインセンティブプランとして、イスラエルの税制上の適格要件を満たすために、同国所在の信託会社向けに付与したものであります。
(注1) 期末時点で未行使のストック・オプションの加重平均残存契約年数は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ3.6年、4.1年であります。
(注2) 期末時点で未行使のストック・オプションの行使価格は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ124円~862円、124円~862円であります。
(4) ストック・オプションの公正価値及びその見積方法
前連結会計年度及び当連結会計年度に付与されたストック・オプションについては、オプション評価に際して、2項モデルを採用しており、評価モデルに使用したインプット及び公正価値は以下の通りであります。
(注) 1.ストック・オプションの対象株式は付与時点で非上場株式であったため、各新株予約権の発行時点における直近の資金調達実績に基づくバックソルブ法により、普通株主に帰属する企業価値を算定しております。
2.当社と類似の上場企業の実績ボラティリティをもとに見積もっております。
3.当社は2022年2月14日開催の取締役会決議に基づき、2022年3月4日を効力発生日として、当社の普通株式1株を100株とする株式分割を行っております。それに伴い、効力発生日以前に発行した新株予約権につき、新株予約権1個当たりの目的とする株式の数、及び行使価格の調整を行っておりますが、上記の表については新株予約権の発行時点の条件に基づき記載しております。
連結損益計算書の売上原価及び販売費及び一般管理費に含まれている株式報酬費用計上額は、前連結会計年度において11,947千円、当連結会計年度において4,265千円であります。
25.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、以下の通りであります。
(単位:千円)
(注) 研究開発費の主な内容は、外注費、人件費及び材料費であります。
26.その他の収益及び費用
その他の収益の内訳は、以下の通りであります。
(単位:千円)
(注) 1.保険金収入は、当社グループが実施した宇宙空間での実証実験において、当初想定と異なる事象が発生したことに対し受領したものであり、その全額を「その他の収益」として認識しております。
2.政府補助金収入は、スペースデブリ除去等の軌道上サービスに関する開発及び運用に充てるために受領したものであり、その全額を「その他の収益」として認識しております。これらの補助金に付帯する未達の条件又は偶発事象はありません。
27.金融収益及び金融費用
金融収益の内訳は、以下の通りであります。
(単位:千円)
金融費用の内訳は、以下の通りであります。
(単位:千円)
28.1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益(△は損失)及び希薄化後1株当たり当期利益(△は損失)は、次の通りであります。
(注) 1.前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社が発行する新株予約権は逆希薄化効果を有しており、希薄化効果を有する潜在株式が存在しないため、基本的1株当たり当期利益(△は損失)と希薄化後1株当たり当期利益(△は損失)は同額であります。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度において当社が発行する種類株式は、当期利益の分配に関して普通株式と同じ権利を有することから、1株当たり当期利益の計算上、普通株式数に含めております。
3.当社は、2022年3月4日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首にこれらの取引が行われたと仮定して、「基本的1株当たり当期利益(△は損失)」及び「希薄化後1株当たり当期利益(△は損失)」を算定しております。
29.関連当事者との取引
前連結会計年度及び当連結会計年度において、開示すべき関連当事者との取引はありません。
当社の主要な経営幹部に対する報酬は、以下の通りであります。
(単位:千円)
30.主要な子会社
当社グループの連結財務諸表には、全ての子会社を連結の範囲に含めております。主要な子会社の状況は、次の通りです。
重要な非支配持分を有する子会社はありません。
31.後発事象
当社は2023年5月15日開催の取締役会において下記子会社を設立することを決議し、2023年6月7日に設立いたしました。
グローバル活動の更なる強化を図ることを目的として設立するものです。
1株につき 9.4350米ドル(払込通貨が日本円の場合は、1株につき1,250円)
第三者割当の方法による
G種優先株式
2023年10月6日
運転資金として、衛星開発費用に充当する予定であります。
(1) 2024年1月5日における臨時株主総会及び2024年1月16日開催の取締役会において、ストック・オプションとして新株予約権を発行することを決議し、2024年1月23日に発行しました。
第9回新株予約権
(2) 2024年1月5日における臨時株主総会及び2024年2月7日開催の取締役会において、ストック・オプションとして新株予約権を発行することを決議し、2024年2月8日に発行しました。
第9回(その2)新株予約権
(3) 2024年1月5日における臨時株主総会及び2024年2月7日開催の取締役会において、ストック・オプションとして新株予約権を発行することを決議し、2024年2月8日に発行しました。
第9回(その3)新株予約権
(4) 2024年1月5日における臨時株主総会及び2024年2月7日開催の取締役会において、ストック・オプションとして新株予約権を発行することを決議し、2024年2月8日に発行しました。
第10回新株予約権
(注)当社子会社Astroscale Israel Ltd.の役職員に対するインセンティブプランとして、イスラエルの税制上の適格要件を満たすために、同国所在の信託会社向けに付与したものであります。
当社は、2024年4月2日開催の臨時株主総会決議により、2024年4月2日付で定款の一部を変更し、1単元を100株とする単元株制度を採用しております。
当社は、2024年3月15日開催の取締役会において、2024年4月2日開催の臨時株主総会に資本金の額の減少、資本準備金の額の減少及び剰余金の処分に係る議案を付議することを決議し、2024年4月9日を効力発生日として同株主総会で承認されております。
財務体質の強化を目的として、会社法第447条第1項及び第448条第1項の規定に基づき、資本金の額及び資本準備金の額を減少し、資本金を資本準備金に、資本準備金をその他資本剰余金に振り替え、また、会社法第452条の規定に基づき、その他資本剰余金を繰越利益剰余金に振り替えるものです。
会社法第447条第1項の規定に基づき、資本金を資本準備金に振り替えます。
資本金 501,719千円
資本準備金 501,719千円
会社法第448条第1項の規定に基づき、資本準備金をその他資本剰余金に振り替えます。
資本準備金 12,784,164千円
その他資本剰余金 12,784,164千円
会社法第452条の規定に基づき、資本準備金の額の減少によって増加したその他資本剰余金を減少して、繰越利益剰余金に振り替え、欠損補填に充当いたします。
その他資本剰余金 12,784,164千円
繰越利益剰余金 12,784,164千円
当社は、2024年3月15日の取締役会決議に基づき、2024年3月15日付で普通株式を対価とする取得条項に基づき、発行済優先株式(A種優先株式、B種優先株式、C種優先株式、D種優先株式、E種優先株式、F種優先株式及びG種優先株式)の全てを自己株式として取得し、対価として各優先株式1株につき、それぞれ普通株式1株の交付を行い、同日付で当社が取得した優先株式の全てを消却しております。なお、これらの優先株式は、当期利益の分配に関して普通株式と同じ権利を有することから、1株当たり当期利益の計算に対する影響はありません。
優先株式の普通株式への交換状況
A種優先株式 5,390,000株
B種優先株式 9,179,100株
C種優先株式 7,471,500株
D種優先株式 13,876,400株
E種優先株式 5,956,500株
F種優先株式 10,063,400株
G種優先株式 8,026,400株
普通株式 59,963,300株
普通株式 90,859,200株
(リボルビング・クレジット・ファシリティ契約)
当社は、プロジェクトに係る事業性資金への充当を目的として、2024年2月7日の取締役会決議に基づき、2024年3月15日に株式会社三菱UFJ銀行とのリボルビング・クレジット・ファシリティ契約を締結しました。なお、連結財務諸表の承認日時点において、本契約に関する借入実行残高はありません。
主な契約内容は、以下の通りであります。
株式会社三菱UFJ銀行
5,000,000千円
2024年5月1日
2027年4月30日
基準金利+スプレッド
担保:無担保
保証:子会社保証
① 各四半期の末日における借入人の連結貸借対照表において、純資産の部の合計額を0円以上に維持すること。
② 各四半期の末日において、現預金に将来収入予定額(注)を加えた金額を、総借入元本金額以上に維持すること。
(注) 借入人より借入先に対して提出された各プロジェクト契約に記載された契約金額の合計額より、受領済の契約金額を差し引いた金額(残存契約金額)のうち、借入先が残存契約金額の健全性について疑義がないと判断した金額をいう。
(劣後特約付金銭消費貸借契約)
当社は、研究開発資金への充当を目的として、2024年2月7日の取締役会決議に基づき、2024年3月15日に株式会社三菱UFJ銀行との劣後特約付金銭消費貸借契約を締結し、2024年3月27日付で借入を実施しました。
主な契約内容は、以下の通りであります。
株式会社三菱UFJ銀行
2,000,000千円
2024年3月27日
2029年3月27日
基準金利+スプレッド
担保:無担保
保証:子会社保証
① 各四半期の末日における借入人の連結貸借対照表において、純資産の部の合計額を0円以上に維持すること。
② 各四半期の末日において、現預金に将来収入予定額(注)を加えた金額を、総借入元本金額のうち満期日までに返済を要する金額の合計額以上に維持すること。
(注) 借入人より借入先に対して提出された各プロジェクト契約に記載された契約金額の合計額より、受領済の契約金額を差し引いた金額(残存契約金額)のうち、満期日までに入金が到来し、かつ、借入先が残存契約金額の健全性について疑義がないと判断した金額をいう。