【要約四半期連結財務諸表注記】
1.報告企業
株式会社アストロスケールホールディングス(以下「当社」という)は日本の会社法に基づいて設立された株式会社であり、日本に所在する企業であります。当第3四半期連結累計期間の要約四半期連結財務諸表は、当社およびその子会社(以下「当社グループ」)から構成されております。当社グループは、デブリの除去等の軌道上サービスに関する技術の研究開発及び宇宙空間における実証を行っております。
本要約四半期連結財務諸表は、2024年4月23日に代表取締役社長 岡田光信によって承認されております。
2.作成の基礎
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、四半期連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により、IAS第34号に準拠して作成しております。
要約四半期連結財務諸表は、連結会計年度の連結財務諸表で要求されているすべての情報が含まれていないため、前連結会計年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものです。
要約四半期連結財務諸表は、公正価値で測定する金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成されております。
当社グループ各社の財務諸表に含まれる項目は、当社グループ各社がそれぞれ営業活動を行う主たる経済環境の通貨(以下、「機能通貨」という。)を用いて測定しています。当社グループの要約四半期連結財務諸表は、当社の機能通貨であり、また、当社グループの表示通貨である日本円(千円単位、単位未満を切り捨て)で表示しています。
当社グループの要約四半期連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりであります。これらの基準書を適用することによる要約四半期連結財務諸表への影響は検討中であります。
3.重要性がある会計方針
以下に記載される事項を除き、当社グループが本要約四半期連結財務諸表において適用する重要性がある会計方針は、前連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同様であります。なお、当第3四半期連結累計期間の法人所得税費用は、見積平均年次実効税率を基に算定しております。
当社グループは、第1四半期連結累計期間より、以下の基準書を適用しています。当該基準書の適用が要約四半期連結財務諸表に与える重要な影響はありません。
4.重要な会計上の見積りおよび判断
当社グループは、要約四半期連結財務諸表の作成において、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積りおよび仮定を用いております。会計上の見積りおよび仮定は、過去の経験および利用可能な情報を収集し、決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかしながら、その性質上、会計上の見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの見直しによる影響は、当該見積りを見直した会計期間および将来の会計期間において認識しております。
本要約四半期連結財務諸表における重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断は、原則として前連結会計年度に係る連結財務諸表と同様であります。
5.連結の範囲に関する事項
第1四半期連結会計期間より、新たに設立したAstroscale France SASを連結の範囲に含めております。
6.セグメント情報
製品およびサービスごとの外部顧客からの売上収益は、次の通りであります。
(第3四半期連結累計期間)
(注)1.受託プロジェクト収益には、当社グループが開発する軌道上サービスに関連する研究開発プロジェクト及び実証プロジェクトにより獲得した収益が含まれております。
2.その他の収益には、ロゴマーク掲載等のスポンサーシップによる収益等が含まれております。
(第3四半期連結会計期間)
(注)1.受託プロジェクト収益には、当社グループが開発する軌道上サービスに関連する研究開発プロジェクト及び実証プロジェクトにより獲得した収益が含まれております。
2.その他の収益には、ロゴマーク掲載等のスポンサーシップによる収益等が含まれております。
外部顧客からの売上収益の地域別内訳は、次の通りであります。売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
(第3四半期連結累計期間)
(第3四半期連結会計期間)
7.売上収益
当社グループは、デブリ除去等の軌道上サービスに関する技術の研究開発及び宇宙空間における実証を行っており、合意された研究開発あるいは実証に関する成果物の提供を履行義務として識別しております。当社グループは、外部顧客との契約から認識した売上収益を、軌道上サービスの受託プロジェクトに係る収益とそれ以外の収益に、また地域別に分解しており、「6.セグメント情報」の「(2) 製品およびサービスに関する情報」及び「(3) 地域別に関する情報」に記載しております。
8.研究開発費
前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間の研究開発費は以下の通りであります。
なお、前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間において発生した開発における支出のうち、資産計上の要件を満たしたものはなく、発生時に純損益として認識しております。
(単位:千円)
9.1株当たり利益
基本的1株当たり四半期利益(△は損失)及び希薄化後1株当たり四半期利益(△は損失)は、次の通りであります。
(注) 1.前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間において、当社が発行する新株予約権は逆希薄化効果を有しており、希薄化効果を有する潜在株式が存在しないため、基本的1株当たり四半期利益(△は損失)と希薄化後1株当たり四半期利益(△は損失)は同額であります。
2.前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間において当社が発行する種類株式は、四半期利益の分配に関して普通株式と同じ権利を有することから、1株当たり利益の計算上、普通株式数に含めております。
(注) 1.前第3四半期連結会計期間及び当第3四半期連結会計期間において、当社が発行する新株予約権は逆希薄化効果を有しており、希薄化効果を有する潜在株式が存在しないため、基本的1株当たり四半期利益(△は損失)と希薄化後1株当たり四半期利益(△は損失)は同額であります。
2.前第3四半期連結会計期間及び当第3四半期連結会計期間において当社が発行する種類株式は、四半期利益の分配に関して普通株式と同じ権利を有することから、1株当たり利益の計算上、普通株式数に含めております。
10.金融商品
(1) 公正価値の測定方法
金融資産及び金融負債の公正価値は、以下の通り決定しております。金融商品の公正価値の見積りにおいて、市場価格が入手できる場合は、市場価格を用いております。市場価格が入手できない金融商品の公正価値に関しては、将来キャッシュ・フローを割り引く方法、又はその他の適切な評価方法により見積っております。
現金及び現金同等物に含まれる短期投資については、満期までの期間が短期であるため、帳簿価額と公正価値はほぼ同額であります。
当社グループの債権債務は、主として短期間で決済される金融商品であるため帳簿価額と公正価値がほぼ同額であります。
活発な市場における同一銘柄の市場価格が入手できる場合は、当該市場価格を使用して公正価値を測定しており、レベル1に分類しております。市場価格が入手できない場合の公正価値は、主として純資産に基づく評価技法(株式発行会社の純資産に基づき、必要に応じて修正を加えて算出する方法)により測定しており、レベル3に分類しております。
敷金保証金については、償還予定時期を見積もり、安全性の高い長期の債券の利回りで割り引いた現在価値により算定しており、レベル2に分類しております。
変動金利による借入金は、短期間で市場金利が反映されるため、帳簿価額と公正価値はほぼ同額であります。固定金利による借入金は、同様の新規借り入れを行った場合に想定される利率で元利金の合計額を割り引く方法により、公正価値を算定しております。
公正価値で測定される金融商品について、測定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じた公正価値測定額を、レベル1からレベル3まで分類しております。なお、各レベル間の振替はありません。
レベル1:活発な市場における同一の資産または負債の市場価格(無調整)
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接または間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:重要な観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は、次の通りであります。なお、公正価値で測定する金融商品、帳簿価額と公正価値が極めて近似している金融商品及びリース負債については含めておりません。
前連結会計年度(2023年4月30日)
(単位:千円)
当第3四半期連結会計期間(2024年1月31日)
(単位:千円)
公正価値ヒエラルキーの各レベルごとに分類された、経常的に公正価値で測定する金融資産および金融負債の内訳は、次の通りであります。
前連結会計年度(2023年4月30日)
(単位:千円)
当第3四半期連結会計期間(2024年1月31日)
(単位:千円)
レベル3に分類された金融商品の増減は、次の通りであります。
(単位:千円)
(注) 1.レベル間の振替は該当ありません。
2.当期の利得または損失合計は全て、報告期間末時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するもので、要約四半期連結包括利益計算書上の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に表示しております。
3.レベル3に分類されている金融商品は、非上場株式により構成されております。非上場株式の公正価値は、当社グループの担当部門が四半期ごとに入手可能な直前の数値を用いて公正価値を測定しております。公正価値測定結果については、適切な権限者がレビュー、承認しております。なお、レベル3に分類された金融商品について、それぞれ合理的と考えられる代替的な仮定に変更した場合に、公正価値の金額に重要な変動はないと考えております。
11.その他の収益
その他の収益の内訳は、以下の通りであります。
(第3四半期連結累計期間)
(単位:千円)
(第3四半期連結会計期間)
(単位:千円)
前第3四半期連結累計期間の政府補助金収入の内容は、デブリ除去等の軌道上サービスに関する開発及び運用に充てるために受領したものであり、要約四半期連結損益計算書の「その他の収益」に計上しております。これらの補助金に付帯する未達の条件又は偶発事象はありません。
当第3四半期連結累計期間の政府補助金収入の内容は、以下の2件であり、いずれも、要約四半期連結損益計算書の「その他の収益」に計上しております。発生した費用に対する補助金は、当該費用の発生と同じ期間に収益として認識しており、これらの補助金に付帯する未達の条件又は偶発事象はありません。
株式会社アストロスケールにて、文部科学省が実施する中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR)により、大型衛星デブリの撮影・診断のための実証事業に充てるために受領するものであり、第2四半期連結会計期間より計上しております。同補助金について、交付決定通知書に記載された補助金の額は2,690,000千円であり、当第3四半期連結会計期間末までに840,037千円の交付を受けており、残額の1,849,963千円は2025年1月末までに交付を受ける予定です。交付を受けた同補助金のうち、当該事業の遂行によって当第3四半期連結累計期間の要約四半期連結損益計算書に計上した「その他の収益」の額は297,605千円であり、542,431千円は要約四半期連結財政状態計算書の流動負債の区分に「その他の負債」として計上しております。
Astroscale U.S. Inc.にて米国宇宙軍より受注した、軌道上で互換性のある衛星に燃料補給を実施する衛星のプロトタイプの開発を行うプログラムに関する補助金であり、第2四半期連結会計期間より計上しております。契約にて定められた補助金の額は25,523千米ドルであり、当第3四半期連結会計期間末までに5,104千米ドルの交付を受けており、残額の20,418千米ドルは2025年9月末までに交付を受ける予定です。交付を受けた同補助金のうち、当該事業の遂行によって当第3四半期連結累計期間の要約四半期連結損益計算書に計上した「その他の収益」の額は388,789千円であり、355,812千円は要約四半期連結財政状態計算書の流動負債の区分に「その他の負債」として計上しております。
12.資本及びその他の資本項目
当社は、2023年10月6日を払込期日とする第三者割当により、G種優先株式を800,000株発行しており、資本金が500,000千円、資本剰余金が500,000千円、それぞれ増加しております。また、当該新株発行に関する新株発行費用3,500千円は、資本剰余金より控除しております。
13.後発事象
(1) 2024年1月5日における臨時株主総会及び2024年2月7日開催の取締役会において、ストック・オプションとして新株予約権を発行することを決議し、2024年2月8日に発行しました。
第9回(その2)新株予約権
(2) 2024年1月5日における臨時株主総会及び2024年2月7日開催の取締役会において、ストック・オプションとして新株予約権を発行することを決議し、2024年2月8日に発行しました。
第9回(その3)新株予約権
(3) 2024年1月5日における臨時株主総会及び2024年2月7日開催の取締役会において、ストック・オプションとして新株予約権を発行することを決議し、2024年2月8日に発行しました。
第10回新株予約権
(注)当社子会社Astroscale Israel Ltd.の役職員に対するインセンティブプランとして、イスラエルの税制上の適格要件を満たすために、同国所在の信託会社向けに付与したものであります。
当社は、2024年4月2日開催の臨時株主総会決議により、2024年4月2日付で定款の一部を変更し、1単元を100株とする単元株制度を採用しております。
当社は、2024年3月15日開催の取締役会において、2024年4月2日開催の臨時株主総会に資本金の額の減少、資本準備金の額の減少及び剰余金の処分に係る議案を付議することを決議し、2024年4月9日を効力発生日として同株主総会で承認されております。
財務体質の強化を目的として、会社法第447条第1項及び第448条第1項の規定に基づき、資本金の額及び資本準備金の額を減少し、資本金を資本準備金に、資本準備金をその他資本剰余金に振り替え、また、会社法第452条の規定に基づき、その他資本剰余金を繰越利益剰余金に振り替えるものです。
会社法第447条第1項の規定に基づき、資本金を資本準備金に振り替えます。
資本金 501,719千円
資本準備金 501,719千円
会社法第448条第1項の規定に基づき、資本準備金をその他資本剰余金に振り替えます。
資本準備金 12,784,164千円
その他資本剰余金 12,784,164千円
会社法第452条の規定に基づき、資本準備金の額の減少によって増加したその他資本剰余金を減少して、繰越利益剰余金に振り替え、欠損補填に充当いたします。
その他資本剰余金 12,784,164千円
繰越利益剰余金 12,784,164千円
当社は、2024年3月15日の取締役会決議に基づき、2024年3月15日付で普通株式を対価とする取得条項に基づき、発行済優先株式(A種優先株式、B種優先株式、C種優先株式、D種優先株式、E種優先株式、F種優先株式及びG種優先株式)の全てを自己株式として取得し、対価として各優先株式1株につき、それぞれ普通株式1株の交付を行い、同日付で当社が取得した優先株式の全てを消却しております。なお、これらの優先株式は、当期利益の分配に関して普通株式と同じ権利を有することから、1株当たり当期利益の計算に対する影響はありません。
優先株式の普通株式への交換状況
A種優先株式 5,390,000株
B種優先株式 9,179,100株
C種優先株式 7,471,500株
D種優先株式 13,876,400株
E種優先株式 5,956,500株
F種優先株式 10,063,400株
G種優先株式 8,026,400株
普通株式 59,963,300株
普通株式 90,859,200株
(リボルビング・クレジット・ファシリティ契約)
当社は、プロジェクトに係る事業性資金への充当を目的として、2024年2月7日の取締役会決議に基づき、2024年3月15日に株式会社三菱UFJ銀行とのリボルビング・クレジット・ファシリティ契約を締結しました。なお、要約四半期連結財務諸表の承認日時点において、本契約に関する借入実行残高はありません。
主な契約内容は、以下の通りであります。
株式会社三菱UFJ銀行
5,000,000千円
2024年5月1日
2027年4月30日
基準金利+スプレッド
担保:無担保
保証:子会社保証
① 各四半期の末日における借入人の連結貸借対照表において、純資産の部の合計額を0円以上に維持すること。
② 各四半期の末日において、現預金に将来収入予定額(注)を加えた金額を、総借入元本金額以上に維持すること。
(注) 借入人より借入先に対して提出された各プロジェクト契約に記載された契約金額の合計額より、受領済の契約金額を差し引いた金額(残存契約金額)のうち、借入先が残存契約金額の健全性について疑義がないと判断した金額をいう。
(劣後特約付金銭消費貸借契約)
当社は、研究開発資金への充当を目的として、2024年2月7日の取締役会決議に基づき、2024年3月15日に株式会社三菱UFJ銀行との劣後特約付金銭消費貸借契約を締結し、2024年3月27日付で借入を実施しました。
主な契約内容は、以下の通りであります。
株式会社三菱UFJ銀行
2,000,000千円
2024年3月27日
2029年3月27日
基準金利+スプレッド
担保:無担保
保証:子会社保証
① 各四半期の末日における借入人の連結貸借対照表において、純資産の部の合計額を0円以上に維持すること。
② 各四半期の末日において、現預金に将来収入予定額(注)を加えた金額を、総借入元本金額のうち満期日までに返済を要する金額の合計額以上に維持すること。
(注) 借入人より借入先に対して提出された各プロジェクト契約に記載された契約金額の合計額より、受領済の契約金額を差し引いた金額(残存契約金額)のうち、満期日までに入金が到来し、かつ、借入先が残存契約金額の健全性について疑義がないと判断した金額をいう。