第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループの経営方針は、「日本の家づくりをつくる。」です。当社グループは、北海道という広大かつ厳しい自然環境下で創業したため、厳しい自然にも負けない「北海道品質、北海道価格(注)1」を旗印に高品質な家を、手の届く適正な価格で提供することを追求してまいりました。

日本全国には約3万社(注)2もの地方工務店があります。彼らはこれまで何十年に渡って各地方の気候や風土を考えた家づくりを行い、家守りとして地域の住文化をになってきました。今、その地方工務店がコロナやSNS の普及等の急激な環境の変化や後継者不在の問題に直面し多くの課題にさらされています。このままでは地方工務店は廃業を余儀なくされ、地域の住文化の衰退につながりかねません。私たちロゴスホールディングスは自社が持つ強みである、デジタルを駆使した家づくりを全国の工務店に提供し、彼らの強みである地域密着の家づくりを残したまま生産性を向上させ、日本の家づくりにイノベーションを起こそうとしています。

(注)1.北海道の激しい寒暖差・地震・強風等の様々な環境に耐えうる住宅が必要であるため、激しい寒暖差・地震・強風にも強い住宅及び北海道で働く誰もが手の届く価格設定という意味合いで定義しております。

2.経済産業省「令和3年経済センサス-活動調査」による「木造建築工事業」と「大工工事業」の事業所数(支所・支社・支店を除く)を合計したものです。

 

(2) 中長期的な経営戦略及び経営環境

2021年4月頃からの世界的なウッドショックの発生以降、建築コストは当初急激に上昇した後、その後は供給不安こそ後退したものの価格は高止まりしており、主要部材である木材のほかにも、金属類、諸資材、資材運搬費及び人件費等も高止まりしております。また、2020年より本格化した新型コロナウイルス感染症の影響は、依然としてわが国の経済環境に大きな影響を及ぼしたのと同時に、人々のライフスタイルにも大きな変化が起こりました。それに伴い、このコロナ禍において「家」が持つ役割がより多様化・重要化しております。仕事場という役割が付加され、家で家族と過ごす時間が増大したことにより、住まいの重要性が従来より一層高まりました。経営環境は不透明な状況が継続していますが、住宅の価値観が高まったことは好機と捉えて事業活動に邁進したいと考えております。

市場規模(注)1としても、2023年度における日本全国では8兆4,439億円(当社グループのシェア(注)2:0.26%)、当社グループが重点的に展開する北海道では2,626億円(当社グループのシェア:7.3%)、北海道+本州進出エリア(青森県、岩手県、宮城県、福島県及び栃木県)では8,985億円(当社グループのシェア:2.5%)となっております。自然環境など地域による違いが大きく現場作業が多い戸建住宅業界では、規模による優位性が効かず寡占化しづらい市場のため、シェア拡大の余地が大きいと認識しております。

こうした経営環境下において、あらゆる業界・分野においてテクノロジーの普及に伴い、不動産業界も大きな変革の時を迎えております。変革に適応できる人員拡充、商圏の拡大及びIT化により業務効率化を図って、より便利・安全で満足度の高い不動産取引の実現及び価値の提供を行ってまいります。

(注)1.国土交通省が発表する2023年度「建築着工統計調査」による戸建住宅(注文戸建住宅及び分譲戸建住宅)の戸数に工事費予定額(全国平均:持家2,732万円、分譲1,686万円)をかけた数値を市場規模として算出しております。

2.2023年5月期連結ベースの売上高のうち該当エリアの注文住宅と建売住宅の合計額(宅地販売とその他を除外)を算出しております。

 

中長期的な経営戦略として、次の4つの施策により成長を実現します。

①出店拡大

株式会社ロゴスホームは、北海道内での出店拡大を経て、世帯数の少ないエリアでも採算が取れる出店形態を構築できているため、全国に出店可能エリアが多数存在します。株式会社ロゴスホームは今後も出店によって本州のエリア拡大を図り、成長し続けていきます。

また、北海道のシェアを高める施策として、株式会社ロゴスホーム及び豊栄建設株式会社では、体験型ハウジングミュージアム「北海道クラシアム」を活用してまいります。北海道の世帯数は2008年2,618千世帯、2023年2,804千世帯(注)と年平均成長率約0.5%で安定的に増加して推移しており、シェア拡大の余地があると見込んでおります。

(注)総務省自治行政局「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」(2008年から2013年までは同年3末時点の世帯数、2014年以降は同年1月1日時点の世帯数)より算出しております。

「北海道クラシアム」には、センターハウスと6棟のモデルハウスがあります。

センターハウスは、UA 値(外皮平均熱貫流率)の違いを実際に体験できる「温度体験室」や、制震ダンパーの有無で体感震度がどのくらい変わるのかを体験できる「地震体験室」を備えるほか、太陽光パネルで発電できる電気量などがわかる「発電体験」、換気システム、基礎、工法の違いなどが分かりやすく展示されており、家作りの基本を体感できる施設となっています。

様々なライフステージに対応したモデルハウスは、全て無料で宿泊体験ができます。より暮らしをイメージできるように、モデルハウスのキッチンでは実際に料理することも可能です。長い時間滞在することで気になる点を隅々までチェックでき、家事がしやすいか、快適に暮らせるかなど、カタログ検討だけでは分からない使い心地を確かめられます。また、通常のモデルハウスでは見られない深夜や早朝の家の様子も観察できますので、断熱、防音、日当たり、風通しを体感できます。

 

②新規事業の拡大

a 土地活用:ノマリス(障がい者グループホーム建築)

障がい者向けの共同生活援助(グループホーム)とは、障害のある人が一軒家やアパートなどに定員10人以下で共同生活をする形態です。「世話人」や「支援員」と呼ばれる職員が利用者の食事の用意やお風呂、トイレなど介助といった日常生活上の援助を提供します。株式会社GALLERY HOUSEにて障がい者グループホームを建築しています。オーナーに運営事業者を紹介することで、賃借人が確定した投資案件となる点が特長です。

(単位:千人)

2013年

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

障がい者グループホーム利用者数

74

74

83

87

93

113

123

130

144

157

 

出所:厚生労働省「社会福祉施設等調査」(各年9月末日利用者数)

 

b 中古リノベーション:VINJOY(コンセプトデザイン中古住宅)

中古戸建やマンションの1室を、コンセプトとデザインに特色を持たせたリノベーションを実施。デザインだけでなく、全棟品質保証をつけることにより、差別化しています。オーナー住宅のリノベーションのほか、空室の多い古いアパートを買い取り、入居者ターゲットに合わせたデザインリノベーションをして入居付けも行い、家賃を上げて再度販売するアパート買取再販事業も展開しています。

総務省「住宅・土地統計調査(令和5年・速報値)」によると、全国の空き家数は899.5万戸となり、過去最多を更新。一方、国土交通省の調査によると全住宅流通量(既存流通+新築着工)に占める既存住宅の流通シェアは近年14%前後で推移している。既存住宅の流通シェアが伸びない要因の1つとして、消費者が既存住宅を購入する際に、隠れた不具合や品質について不安を抱えており、売主と買主の間には情報の非対称性が生じているとの指摘があります。

VINJOYでは、第三者機関による品質保証を全棟に提供することにより、中古リノベーションの買取再販事業は今後も売上拡大が見込めると考えております。

(単位:%)

2013年

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

既存住宅流通シェア

14.7

14.9

14.5

14.0

13.3

14.5

 

出所:国土交通省「既存住宅市場の活性化について」(2020年5月7日)

 

③MCB工法(特許出願中)

一般的に木造建築は、工事現場に材料を運んで建築します。当社のMCB工法(注1)は、自社工場にて住宅の壁や床を箱型のモジュール(注2)に生産して、トラックに積載して運び、工事現場にて基礎の上にクレーンで積み上げて設置していきます。

(注)1.工場でつくって(Manufacturing)、トラックで運んで(Carry)、現場で建てる(Build)、製造~輸送~建造という建築の流れの頭文字を略したもの。

2.規格化された建築材料の組み立てユニットのこと

 

 


 

MCB工法のメリットは次の3つです。

a 職人不足の解消

MCB 工法は、自社工場でモジュールを生産し、現場で積み上げる方式のため、熟練工を必要とせず、高齢化による今後の職人不足に対して有効な解決策となります。

 

b 原価削減

MCB 工法は、基礎工事の間に工場でモジュールを生産し、現場で積み上げるため、一般的な現場で一から組み立てる工法と比べ大工現場の工期が約5割短縮(注)され、大幅な工期短縮による原価削減を実現できます。

(注)大工工期の当社比削減率、データ取得期間:2023年6月~2024年5月の平均値

 

c 品質の向上

MCB 工法は、モジュールを自社工場で生産してから出荷するため、気温の変化、雨や雪などの天候による影響を受けないことから、高品質な住宅を提供できます。

 

④M&A

当社は今後も積極的なM&Aを進めます。M&Aを進めるための軸となるのが、工務店支援プラットフォームです。「工務店支援プラットフォーム」とは、当社のグループ会社である株式会社ROOTLINKが全国の工務店に対して提供するサービスの総称で、営業・顧客管理システムの導入支援、設計業務受託サービスを行います。CADオペレーションやDX支援など、各事業会社の現場で実践し、高い生産性を実現したノウハウを、 M&Aで取得した全国の住宅会社へ展開していくだけではなく、取得した会社の強みを吸い上げて、さらにプラットフォームを強化して参ります。

 

(3) 目標とする経営指標等

当社グループでは、安定的に成長投資資金を調達できる強固な財務基盤の確保を目指すために、「引渡棟数」、「営業利益」及び「当期純利益」をKPI(Key Performance Indicator)と設定して、経営状況の管理を行っております。

また、サステナビリティ経営を推進する上での重要課題(マテリアリティ)に対しても、経営目標を設定し、計画的な取り組みを推進すべく検討しております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 建築コストの上昇への対策

2021年4月頃からの世界的なウッドショックの発生以降、建築コストは当初急激に上昇した後、その後は供給不安こそ後退したものの価格は高止まりしており、主要部材である木材のほかにも、金属類、諸資材、資材運搬費及び人件費等も高止まりしております。2023年5月期にウッドショック、円安、原油価格の高騰等により資材及び外注費が高騰した影響で赤字になったことを踏まえ、現在は申込を獲得した物件の状況を月次でアップデートし、利益率の状況・変動・推移を可視化し、且つその精度向上に日々努めております。月次の物件状況及び取引業者からの情報収集を以って、早めに原材料の値上げの可能性を察知することに努め、値上げの可能性が判明した場合は、値上げ又は販売費及び一般管理費の削減を含む対応策を検討・実行できる体制を整えております。設計・施工・技術基準の見直しやスケールメリットを活かしたコスト低減及び完成在庫期間の短縮化を図ることにより、品質を維持しながら収益の確保向上に努めてまいります。

 

② 人材の確保及び育成

当社グループは、事業を拡大し持続的な成長を達成するために、人材の確保と育成を重要な経営課題と位置付けて、他社との差別化を図ってまいります。新卒採用については早期の戦力化を図るための教育研修を実施するほか、職種別、階層別に教育計画を作成し、知識とスキルを高めるとともに、経営理念及び行動指針を実践する社員の育成を行ってまいります。また、有能で即戦力となる中途採用についても、新卒採用と同様に社内教育を実施し積極的に対応してまいります。

なお、大工職人や協力施工業者の数は年々減少しており、今後不足することが予想されます。そのため、当社グループは既存大工職人や協力施工業者と良好な関係を保持しつつ、新規大工職人や協力施工業者の開拓を進めております。

 

③ 財務管理の強化

当社グループは、土地の取得資金等を主として金融機関からの借入れにより行ってきたため、有利子負債の純資産に対する割合が155%と高く、金利動向に大きな影響を受ける財務体質となっております。今後の事業拡大においては、より精緻な棚卸資産の管理と財務バランスの管理を行っていく必要があると認識しております。在庫回転期間を重視し、事業の成長と財務バランスの安定性を考慮した財務管理を行ってまいります。

 

④ 内部管理体制の充実

当社グループは、内部管理体制の充実を図り、将来にわたって経営の健全性及び透明性を確保してまいります。内部統制システム等に関する基本方針について適時見直しを行いながら、その確実な運用の徹底に努めておりますが、今後とも、コンプライアンス体制、リスク管理体制並びに情報管理体制が有効に機能するように、コーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。

 

⑤ 持続的な成長の実現に向けたSDGsへの取組

日本政府は、2022年5月に国際的社会課題である2050年カーボンニュートラルに貢献すべく、2030年度までの中間目標として、パリ協定直前の2014年度実績比でCO2排出量を50%削減する目標を掲げました。当社グループは、地域の特性に合わせた商品やZEH対応型の省エネ住宅等の住宅の提供を推進し、CO2排出量削減目標達成に向けて取り組んでまいります。

当社グループは、事業活動を通じて社会課題の解決に貢献しつつ、企業価値の最大化を目指してまいります。

 

⑥ DXへの取組

当社グループは、一人当たり生産性の向上による全社的なコスト低減に努めております。今後住宅販売事業を成長させるために、単に商圏エリアの拡大を図るだけでなく、ロゴスホームでは住宅関連の市場環境の変化と多様化するお客様のニーズに対応するために最少人数(営業2人+設計1人+事務0.5人)で効率的な出店を行っており、MA(マーケティングオートメーション)ツール、SFA(注)及びオフショアの活用による商談~設計~受注スピードを速くする等のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しております。デジタルマーケティングで集客した見込客をSFAで管理し、インサイドセールスやMAによって育客を行い、安定的に顧客を獲得することによって、グループ全体として安定した収益基盤の構築に努めてまいります。

(注)「Sales Force Automation」略であり、営業支援システムのことをいいます。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス及びリスク管理について

当社グループは、気候変動問題や様々な社会の変化が起こるなかで、私たちの生活やくらし方も多様化し、求められる家の在り方も変わってきていると考えております。私たちは、そのような変化に対応し、住まう人々に新しい生活価値を創造することで住む人・建てる人の双方を豊かに、幸せにすることを目指しています。

 

当社グループは、「サステナビリティ委員会規程」を制定しており、当社の代表取締役社長、業務執行取締役、執行役員、各部門長及び子会社の代表取締役社長等で構成されるサステナビリティ委員会を四半期に一度開催しております。当委員会では、全般的サステナビリティ・ESG戦略方針に関する事項、サステナビリティ・ESG中長期目標に関する事項及び事業活動・経営戦略に対するサステナビリティ視点での検証に関する事項等の審議を行っております。

当委員会の下部組織として部門横断型の分科会を設置しており、当分科会では当社グループが特定したマテリアリティごとにKPIを策定し、策定したKPIを達成するための施策の検討や、当社グループ全体の取組みを推進しています。策定したKPIに関する進捗報告は当分科会から当委員会に報告され、報告を受けた委員会は、進捗状況をモニタリングするとともに、必要に応じて当分科会の活動を支援しています。サステナビリティ委員会は各事業会社の代表取締役社長が集まる経営会議と同時開催しており、各事業会社の代表取締役社長は、経営会議の内容を踏まえて事業会社内に指示・報告することで、グループ全体でサステナビリティの取組みを推進しています。

具体的には、2023年5月期の活動は当社グループ全体でサステナビリティ活動に統合的に取組むことを目的として、サステナビリティ委員会で協議の上、2022年9月22日に開催された取締役会にて、「サステナビリティポリシー策定」を決議しております。またマテリアリティの特定とKPIの策定について協議したほか、策定したKPIの進捗確認、サステナビリティポリシーの策定及びESGロゴマークの制定についても協議・報告を行っております。

 

サステナビリティ活動における体制は次のとおりであります。


 

(2) 人的資本に関する戦略並びに指標及び目標について

当社グループでは、「ESG取組方針」として、多様な人材がより健康的かつ柔軟に働くことができ、やりがいを持って個人も企業も成長し続けることができるような環境を整備することを掲げております。具体的には、新卒・中途採用と幅広く採用活動を行い、不動産業界内での当社グループの知名度・成長性・地域貢献性等を理想とする『人財』を積極的に採用し、経験豊富な『人財』を起点としてプロフェッショナリズムを継承する『人財』育成を強化することにより、従業員の能力・やりがいを向上させることで、事業規模拡大を支えられる『人財』の確保に努めてまいります。「ESG取組方針」にて設定している具体的な課題・目標については、以下の通りです。

重要課題

目標

環境にやさしい社会の実現

環境管理体制の構築、強化

CO2排出量

再生可能エネルギー利用量

MCB工法による建設の推進

次世代環境配慮型住宅の開発と普及促進

ZEH販売率

多様な人材が安心して活躍できる環境の整備

女性管理職比率

新卒採用女性比率

障がい者雇用率

ダイバーシティに関する研修の実施回数

長時間労働者率

テレワーク推進率

人材定着率

ESSの若手人材の満足度

従業員のキャリア選択支援の充実

スキル制度の構築

地域社会への貢献

OB感謝祭の参加人数(延べ人数)

地域貢献活動に対する従業員の参画人数(延べ人数)

グループ全体で地域貢献活動を推進するための仕組みづくり

各拠点での主体的な地域貢献活動の新規実施件数

新たな地域貢献活動に関連するニュースリリース数

安全・安心な住環境の提供

施工管理ツール活用率向上

顧客への情報提供のDX化推進

希望者に対するリモートサービス提供率

全点検に占めるリモート実施率

ホールディングス全体の品質の統一化と底上げ

品質検査の評価点

品質検査の業者評価システムの構築

顧客満足度の向上

ガバナンスの強化とコンプライアンスの推進

ESGの取り組みに関する理解度調査

ESG活動や企業理念の体現活動の社内表彰

内部通報制度に関する理解度調査

コンプライアンス研修の受講率

協力会社向けコンプライアンス理解浸透活動

ガバナンス体制の強化

 

 

(3)過年度の取り組みについて

a CO2排出量削減

グループ会社である豊栄建設株式会社の大型ショールーム「ハウジングラボ」で使用する電力を実質再生可能エネルギーに切り替えております。豊栄建設株式会社では、販売代理店である株式会社エゾデンを介し、株式会社エネットと小売供給契約を締結しておりますが、株式会社エネットの再エネ導入支援メニュー「EnneGreen」を導入し、電気(主に天然ガス発電等の電気)に再生可能エネルギー指定の非化石証書を組み合わせることで実質的に再生可能エネルギー電気(二酸化炭素排出量がゼロ)100%を実現しました。

 

b 環境配慮型商品の導入

当社では、サーキュラー石膏ボード(廃石膏ボードリサイクル率100%)や、主原料の85%がリサイクルガラスであるグラスウール、コーヒー豆カスを再利用したリサイクル内装材など、環境配慮型商品の導入を進めています。

 

c 地域社会への貢献

札幌学院大学経済経営学部と産学連携し、コロナ渦で社会との接点が減少した学生に対し、モデルハウスを共同企画するというプロジェクトを実施しました。参加した学生は約1年をかけて、市場調査やペルソナ設定から、販促・広告等まで12 回の定例ミーティングに参加し、モデルハウス建築にかかわる一連の流れを学び、体験し、最終的に建築に至りました。これからの時代に求められる「新しい家づくり」を考えるうえで、若者世代の新鮮な視点は、当社グループにとっても貴重な財産となりました。

 

 

 

3 【事業等のリスク】

本有価証券届出書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境について

① 競合等の影響によるリスク

当社グループが属する不動産業界においては、大手企業を含む事業者が多数存在し、これらの事業者との競合が生じております。市況としては、令和5年度の全国の持家の新設住宅着工戸数は219,622戸(前年比11.5%減)、新設住宅着工床面積は 25,026千㎡(前年比12.9%減)、北海道の持家の新設住宅着工戸数は8,157戸(前年比14.1%減)、新設住宅着工床面積は957千㎡(前年比15.8%減)(出典:国土交通省 建築着工統計調査報告 令和5年度計)となっておりますが、同業他社においては、当社グループと比較して、資本力、ブランド力等に優れる企業が多数あり、これらの企業との競合等により想定どおりに業績が進捗する保証はなく、更に競合が激化した場合には、販売期間の長期化や値引販売による採算悪化等が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、上記リスクに対して、営業エリアの拡大による事業規模の拡大を図り、特定の営業エリアに過度に集中することのないようリスク分散する方針としております。なお、当社グループの営業エリアにおける不動産市況や人口動態、景況感の変動は当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性がありますが、デザイン・設計力・高性能・適正価格等の強みを表現した商品、「注文住宅」×「土地の仲介」のワンストップ・プラットフォームによる当社グループの強みを最大限に生かして、競合他社との差別化を図ることにより対処してまいります。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 

② 建築コストについて

当社グループでは建物の建築やサービスの提供にあたり、主に木材、住宅用設備機器などを使用しております。2021年4月頃からの世界的なウッドショックの発生以降、建築コストは当初急激に上昇した後、その後は供給不安こそ後退したものの価格は高止まりしており、主要部材である木材のほかにも、金属類、諸資材、資材運搬費及び人件費等も高止まりしております。このような建築コストの上昇や建築コスト上昇に伴う調達困難といった事態が生じるリスクがあります。これらのリスクの発生により、コストダウンや販売価格へ転嫁又は見直し等が難しい場合や建物の完成・引渡しの遅延が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループでは2023年5月期にウッドショック、円安、原油価格の高騰等により資材及び外注費が高騰した影響で赤字になったことを踏まえ、現在は申込を獲得した物件の状況を月次でアップデートし、利益率の状況・変動・推移を可視化し、且つその精度向上に日々努めております。月次の物件状況及び取引業者からの情報収集を以って、早めに原材料の値上げの可能性を察知することに努め、値上げの可能性が判明した場合は、値上げ又は販売費及び一般管理費の削減を含む対応策を検討・実行できる体制を整えております。

当社グループは、上記のリスクに対して、常に情報収集を行い、仕様の見直し、調達先の複数化・分散化、代替品の検討を行うことで資材等の調達リスクの低減を図っており、今後もリスク低減に努めてまいります。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 

③ 法的規制等について

当社グループは、事業運営上、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、建設業法、建築士法、国土利用計画法等による法的規制を受けております。今後、これらの関連法令が改廃された場合や新たな法的規制が設けられた場合、又は、これらの法令等の規制について遵守できなかった場合や新たな有資格者等の設置義務が発生する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、上記リスクに対して、許認可等を受けるための諸条件及び関連法令の遵守に努めており、今後も従業員に対する情報発信・研修等などの対策を継続してまいります。具体的には、リスク・コンプライアンス委員会を開催しているほか、入社時のフォローアップ研修に加え、入社後には四半期に一度全員に対して、eラーニング研修を実施しており、法令遵守、コンプライアンスに対しての教育を実施しております。

また、関連法令の改廃や新たな法的規制の設置等については、事前モニタリングを実施しており、施行日までに適切な対応ができる体制を構築しております。

なお、現状において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

(主要な許認可等の状況)

許認可等の名称

会社名

許認可(登録)番号/有効期限

法令違反の要件及び

主な許認可取消事由

一般建設業許可

株式会社ロゴスホーム

国土交通大臣許可(般-3)石第27425号

2029年4月9日まで(5年毎の更新)

建設業法第29条

豊栄建設株式会社

北海道知事許可(般-3)石第24005号

2026年6月1日まで(5年毎の更新)

株式会社GALLERY HOUSE

栃木県知事許可(般-2)第022009号

2025年6月26日まで(5年毎の更新)

宅地建物取引業者免許

株式会社ロゴスホーム

国土交通大臣(2)第9407号

2028年8月31日まで(5年毎の更新)

宅地建物取引業法第66条

豊栄建設株式会社

北海道知事石狩(1)第9017号

2026年3月1日まで(5年毎の更新)

株式会社GALLERY HOUSE

栃木県知事(01)第005242号

2025年12月21日まで(5年毎の更新)

一級建築士事務所登録

株式会社ロゴスホーム

北海道知事登録(十)第385号

2028年8月31日まで(5年毎の更新)

建築士法第26条

豊栄建設株式会社

北海道知事登録(石)第6083号

2028年12月19日まで(5年毎の更新)

 

 

④ 外注管理について

当社グループは、住宅の建築工事について、一定の技術水準を満たす建築工事業者を選定して発注しており、また、建築工事を実施する際は、当該業者と当社グループとの間で連絡を密に取り、コスト、品質及び工期を管理しております。しかしながら、今後において取扱い物件の増加や営業地域を拡大した場合又は建築工事業者の減少又は従事者の不足等によって当社グループの要求水準を満たす建築工事業者を確保できなかった場合や、適切なコントロールができず建築工事についてトラブル等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、上記リスクに対して、既存の外注先からの紹介等の新規の外注先の確保に努める対応策をとっております。外注先の選定にあたっては、その経営状態、技術力、評判及び反社会的勢力との関係の有無などを調査しております。また、外注先に対する報告会等を開催することにより、当社グループの経営理念の共有及び安全・品質管理の徹底等に十分に留意しております。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑤ 安全管理・環境について

当社グループは、品質管理・現場の安全管理に万全を期しておりますが、建築・工事等の外注先や業務委託先、あるいは建築素材メーカーの製造過程等に起因する建築素材等に関わる重大な品質問題、労災事故及び想定されない瑕疵担保責任等が発生した場合には、当社グループの信用失墜や多額の損害賠償請求等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、上記リスクに対して、施工管理を行う部署を中心に徹底した品質管理を行うことで品質の維持に努めており、販売後のクレーム等に関しましても、迅速かつ適切な対応ができる体制を構築しております。また、保証責任を十分履行するために完成工事補償引当金の計上や各種損害保険の付保を行っております。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑥ 土地仕入について

当社グループは、土地仕入について社内調査・検討・選別を行なった上で、基準に合致した物件を取得しておりますが、常に円滑な土地仕入が行なわれる保証はなく、土地仕入に支障が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑦ 瑕疵担保責任について

当社グループは、チェックリストを用いて完了チェックを行い、品質管理に万全を期するとともに、アフターメンテナンス等を実施することによって、瑕疵発生リスクの軽減に努めておりますが、当社グループの販売した住宅に重大な瑕疵や契約不適合があるとされた場合には、その直接的な原因が当社グループ以外の責任によるものであっても当社グループは売主としてこれらの責任を負うことがあります。その結果、補償工事費の増加や信用力低下により、当社グループの業績及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑧ エリア展開について

当社グループの営業地域は、北海道を中心としたエリアに集中しております。当該地域において、地域経済の悪化や人口動態に変化が生じた場合又は台風や地震等の大規模災害による影響が発生した場合には、当該エリアにおける不動産市況等に影響が生じ、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループは、北海道のほか、既に東北と北関東に進出しております。既に進出しているエリアに近接する地域から事業エリア拡大を推進していく方針でありますが、新たな営業エリアにおける競合や業績が限定的であること等に起因して、当社グループの想定する事業拡大が実現出来ない可能性があり、営業拠点分散に伴う業務効率の悪化等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 

⑨ 少子高齢化について

日本国内の人口・世帯数の減少は今後の住宅着工戸数にも大きな影響を与えると思われます。市場の縮小が予想される環境のなか、当社グループでは株式会社ロゴスホームの出店拡大戦略や宿泊体験可能なショールーム「北海道クラシアム」の活用、新規事業の拡大、全国の地場工務店のM&Aにより、市場シェアの拡大を目指します。

また、少子高齢化による職人不足への対策として、MCB工法による住宅の販売を推進して参ります。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑩ 訴訟について

当社グループでは、現段階において業績に重大な影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、当社グループの販売する住宅、不動産において、契約不適合(瑕疵)等の発生、又は工事期間中における近隣からの様々なクレーム等が発生した場合、これらに起因する訴訟その他の請求が発生する可能性があります。

当社グループでは、施工に対するお客様の満足度を高めるため、徹底した品質管理に努めておりますが、重大な訴訟等が発生した場合には、当該状況に対応するために多額の費用が発生するとともに、当社グループの信用を大きく毀損する恐れがあり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑪ カントリーリスクについて

当社グループでは、現在フィリピンに子会社を設置しております。当社にて同国の経済・社会・政治情勢及び法規制の動向について情報収集と対応の統括を行っておりますが、テロ活動、軍事クーデター、大規模な騒乱、法制度の大幅な変化等が生じた場合、一部の業務執行に影響が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

 

(2) 事業体制について

① 資産について

当社グループは、不動産の仕入を行っており、常に一定規模の販売用不動産等を所有しております。総資産に占める販売用不動産及び仕掛販売用不動産の割合は、当連結会計年度末において31.6%となっております。

しかしながら、経済環境の変化等により、想定していた価格での販売が困難になる場合や予定どおりの販売が行えず在庫の保有期間が長期化することで評価損が発生する場合、値引きによる販売の実施に伴い利益が減少する場合や何らかの理由によって商品の引き渡しができなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、収益不動産の時価が著しく下落した場合、又は、住宅展示場の収益性が著しく低下した場合等には、減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

現在、該当するような事象は発生しておりません。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 

② 品質不良について

設計・施工等の不備が発生した場合には、当社グループの信用の失墜、想定外の費用の発生及び開発計画、運営計画の遅延が生じる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、上記リスクに対して、一定の信用力・技術力を有する第三者に建物の設計・施工業務等を発注し、その設計・施工における品質を確保するため、設計・施工業務等の発注先による法令遵守の徹底を図るとともに、発注者として施工状況の確認及び品質検査を実施しております。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

③ 人材確保及び育成について

当社グループは、従業員を『人財』として位置付けており、重要な経営資源として認識しております。さらなる企業成長を推し進めるうえで、優秀な『人財』の確保・育成は必要不可欠であると考えております。そうした『人財』が十分に確保できない場合、又は現在在籍している『人財』が流出する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、上記リスクに対して、新卒・中途採用と幅広く採用活動を行い、当社グループの経営理念に共感していただける方々を積極的に採用し、プロフェッショナルな『人財』育成を強化することにより、従業員の能力・やりがいを向上させることで、事業規模拡大を支えられる『人財』の確保及び維持に努めてまいります。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 

④ 業績の季節変動について

当社グループの住宅事業における売上高は第4四半期に集中する傾向にあります。そのため、販売計画の変更、販売動向の変化及び建設工事等の遅延による引渡時期の変更が生じることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、上記リスクに対して、注文住宅の着工時期及び分譲住宅の引渡時期の平準化を図ることにより、季節的変動を抑制しております。

当連結会計年度における四半期ごとの売上高、売上総利益及び営業利益の推移は下記のとおりです。

 

 

第1四半期

(6月~8月)

第2四半期

(9月~11月)

第3四半期

(12月~2月)

第4四半期

(3月~5月)

当連結会計年度

売上高

(千円)

4,347,674

6,784,980

5,748,855

11,144,281

28,025,793

売上総利益

(千円)

608,290

925,675

807,562

1,752,808

4,094,336

営業利益又は営業損失(△)

(千円)

△393,224

△91,230

△293,000

658,937

△118,517

 

(注)上記第1四半期乃至第4四半期については、三優監査法人の四半期レビューを受けておりません。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 

⑤ 内部管理体制について

当社グループの持続的な成長のためには、コンプライアンス及びコーポレート・ガバナンスが適切に機能することが必要不可欠であると認識しております。また、業務の適正化、財務報告の信頼性及び各社内規程及び法令遵守を徹底することにより、内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、コーポレート・ガバナンスが有効に機能しなかった場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

(3) その他について

① 政治・社会情勢・景気動向・制度について

当社グループが属する不動産業界は、景気動向、経済情勢、金利動向、地価の動向等に影響を受けやすい特性があり、これらの影響から購入者の需要動向が悪化した場合、取得価額と正味売却価額を比較し、正味売却価額が取得価額を下回っている場合には、商品評価損を計上することとしており、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

固定資産についても、将来キャッシュ・フロー等を算定し、減損損失の認識・測定を行っておりますので、地価動向や景気動向によっては、固定資産の減損損失を計上することも予想され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、販売用不動産の販売状況などにおいて適時にモニタリングを行い、販売価格等の収支状況を把握し、適正価格の検証を行い、収益力の逓減を抑制するための対策を検討・実施しております。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

② 災害(火災・地震・台風・洪水・津波)について

火災・地震・台風等の大規模な自然災害の発生時には、被災した自社保有設備、建設現場、引渡し前の建物の損壊等の物的被害及び従業員等の被災による人的損害が発生する可能性があります。また、社会インフラの大規模な損壊で建設現場の資材・部材等の確保が困難になる可能性があります。これらの場合には、損壊等が発生した設備等の修復に加え、建物の点検や応急措置等の初動対応等により、多額の費用が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらは自然災害であるため、リスクが顕在化する可能性の程度や業績への影響の程度を見積もることは困難ですが、当社グループでは、資材・部材等の備蓄の対策等を行っております。

(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 

③ 感染症等について

2020年に急速に拡大した新型コロナウイルス感染症は、世界的な大流行に至り、日本を含む感染拡大国において出入国制限及び都市閉鎖、外出制限又は自粛要請等が行われ、企業活動だけではなく、日常生活にも大きな制約が発生しております。新型コロナウイルス感染症の拡大による最大の懸念は、当社グループの従業員及び家族の安全と健康が損なわれるだけでなく、各拠点における職場の労働安全衛生を担保することが困難となることにより、人的被害が発生する可能性があることです。また、労働安全衛生に加え、政府による移動制限処置等の影響を受けて職場環境へのアクセスが困難となり、従来どおりの業務が行えなくなる可能性もあります。新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動への影響については不確定要素が多く、状況変化が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、上記のリスクに対して、従業員に関しては集合形式の会議、研修、出張を極力リモート形式にすると共に、衛生管理の安全対策を施しております。また、営業活動に関してもWEBを活用した見学会、相談会などによる非対面型を推進しております。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

④ 情報管理について

当社グループは、事業活動により多種多様な個人情報をお預かりします。当社グループは、個人情報の取扱いに関して、「個人情報保護管理規程」を設け、体制整備を行っております。また、システム上においては、ファイル保管の厳重化、監視ソフトの導入、アクセス権限の制限等を行っており、個人情報以外の情報の取扱いも含めて情報管理全般にわたる体制強化を図っております。しかしながら、不測の事態により、個人情報が外部に漏洩するような事態となった場合は、当社グループの信用の失墜、賠償責任を課せられる可能性もあり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、上記のリスクに対して、個人情報を含む情報の管理については、情報に応じた閲覧権限の設定、ID登録、外部侵入防止システムの採用及び持ち出し制限システムなどにより情報流出の防止を図っております。また、「特定個人情報等取扱規程」を定め、情報管理の知識及び意識の徹底を図ることにより情報漏えいリスクの低減に努めております。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑤ 特定人物への依存について

当社の代表取締役社長である池田雄一は、創業以来当社グループの事業に深く関与しており、豊富な経験と知識を有していることから、経営戦略の構築やその実行に際して極めて重要な役割を担っております。何らかの理由により当社の代表取締役社長である池田雄一の当社グループにおける業務執行が困難になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、上記リスクに対して、後継者候補の育成を十分な時間をかけて計画的に行い、特定の個人に過度に依存しない経営体制の構築を進め役職員の質的レベルの向上に注力していく方針であります。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑥ クレーム及び風評被害について

当社グループの事業は、その性質上、顧客から品質、サービス及び納期等に対する指摘・意見・不満等のクレームを受ける可能性があります。こうしたクレームの発生により顧客からの信頼が低下した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループに対する否定的な意見や批評がマスコミ報道やインターネット上の書き込み等により発生・拡散した場合、それが正確な事実に基づいたものであるか否かにかかわらず、当社グループの事業の展開、業績、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、上記リスクに対して、法令遵守、品質管理に努めるとともに、風評が生じる原因となるような行動を厳に慎むよう全社員への教育・研修・指導を行い、風評リスクの防止対策を実施しております。また、正確な事実に基づかない虚偽情報の流布につきましては、適宜のモニタリングを実施し、顧問弁護士等外部の専門家と緊密に連携することで、その拡散に対応するための体制を構築しております。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑦ 大株主について

本書提出日現在において、エンデバー・ユナイテッド株式会社が運営するエンデバー・ユナイテッド2号投資事業有限責任組合によって株式数は3,451,252株、発行済株式総数の89.5%の株式を保有されております。なお、当社とエンデバー・ユナイテッド株式会社との間に営業上の取引関係はありません。エンデバー・ユナイテッド2号投資事業有限責任組合は上場後においても一定程度の当社株式を保有する見込みとなっております。一般的にファンド等による株式の所有目的は、株式上場後に株式を売却の上キャピタルゲインを得ることにあたるため、当社の株式上場後にファンド等が所有する株式の一部又は全部を売却することが想定されます。その場合、エンデバー・ユナイテッド2号投資事業有限責任組合が当社株式の全てを売却するまで、短期的に株式の需給バランスの変動が生じる可能性があり、当社株式の株価形成に影響を及ぼす可能性がございます。なお、当社は、独自性、自主性に基づき企業運営を行っております。本書提出日現在において当社の取締役である中真人は、当社株主であるエンデバー・ユナイテッド2号投資事業有限責任組合を運営するエンデバー・ユナイテッド株式会社より派遣されておりますが、上場後は当社株式の持分比率等も踏まえ当社グループの取締役の適切な退任時期を検討する方針であります。

(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑧ 当社株式の流動性について

当社は東京証券取引所グロース市場への上場を予定しており、上場に際しては公募増資及び売出しによって当社株式の流動性の確保に可能な限り努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める上場維持基準は25.0%であるところ、当社の新規上場時における流通株式比率は、本募集、引受人の買取引受による売出し及び引受人に要請する予定の当社指定先への売付け(親引け)を勘案した場合、当該上場維持基準に近接する見込みです。

今後は、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、既存株主への一部売出しの要請、新株予約権の行使による流通株式数の増加等により流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑨ 配当政策について

当社グループは、剰余金の配当につきましては、業績の推移を見据え、将来の事業の発展と財務基盤の強化のための内部留保とのバランスを保ちながら、経営成績や配当性向等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当を実施することを基本方針としております。

将来的には、業績及び財政状態等を勘案しながら株主への利益還元を目指していく方針でありますが、2025年5月期以降の配当性向水準につきましては、同業各社の連結配当性向も参考に30.0~50.0%程度を目標値としております。なお、業績が計画どおりに進展しない場合は配当を減少する、又は実施できない可能性があります。

(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 

⑩ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社役員、従業員又は当社子会社役員、従業員に対して、優秀な人材の確保・獲得及び経営参画意識の向上のためのインセンティブとして、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化することになり、将来における株価へ影響を及ぼす可能性があります。

本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は237,971株であり、発行済株式総数3,858,066株に対する割合は6.2%となっておりますが、権利行使期間において段階的に行使が可能となる条件を付与することで、希薄化の影響が分散するようにしております。なお、新株予約権の詳細については、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。

(発生可能性:中、発生時期:1年以内、影響度:中)

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という))の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況
  第3期連結会計年度(自 2022年6月1日 至 2023年5月31日)

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症によるコロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある中、緩やかな持ち直しが続いております。その一方で、世界的なエネルギー、食料価格の高騰や欧米各国の金融引き締め等による世界的な景気後退懸念など、我が国経済を取り巻く環境は厳しさを増しております。当社グループの主たる事業である住宅・不動産業界におきましては、国土交通省発表による全国の新設住宅着工戸数(出典:国土交通省 建築着工統計調査 )の「持家」では、2021年12月以降は対前年比マイナスの推移が続いており、依然不透明な状況で推移することが懸念されております。

このような状況下で当社グループは成長を加速させるため、新たな店舗の開設、店舗の統合等を行うなどのドミナント戦略による重要拠点への事業・店舗展開などの取組みに注力しましたが、2021年4月頃からの世界的なウッドショックの発生以降、建築コストは当初急激に上昇した後、その後は供給不安こそ後退したものの価格は高止まりしており、主要部材である木材のほかにも、金属類、諸資材、資材運搬費及び人件費等も高止まりしております。このような建築コストの上昇は、当社グループの主に材料費及び外注費等の売上原価を圧迫し、売上総利益が減少いたしました。また、マーケティング施策や新規出店、人財獲得等への積極的な投資を行った結果、販売費及び一般管理費に関しては、主にWeb広告等の広告宣伝費、住宅展示場等の展開による地代家賃、減価償却費、消耗品費、人件費等が増加しております。

 

その結果、当連結会計年度は、売上高28,025,793千円(前年同期比12.8%増)、販売費及び一般管理費は4,212,854千円(前年同期比28.0%増)、営業損失は118,517千円(前年同期は1,185,754千円の営業利益)、経常損失は139,664千円(前年同期は1,189,239千円の経常利益)、税金等調整前当期純損失は83,610千円(前年同期は1,194,128千円の税金等調整前当期純利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は80,865千円(前年同期は774,024千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。なお、当社グループは単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略いたします。

 

第4期第3四半期連結累計期間(自 2023年6月1日 至 2024年2月29日)

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行などによる経済活動の正常化を受け、景気は緩やかな回復を続けております。一方で、欧米や中国を中心とした海外の景気減退の可能性や、円安や原油価格の高止まり等に伴う燃料や原材料価格の高騰、及びロシアのウクライナ侵攻等の地政学的リスクの高まり等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社グループの主たる事業である住宅・不動産業界におきましては、国土交通省発表による全国の新設住宅着工戸数(出典:国土交通省 建築着工統計調査)の「持家」では2021年12月以降は対前年比マイナスの推移が続いており、資源や原材料価格の上昇による影響が引き続きみられております。

当社グループでは第3期連結会計年度に引き続き、デジタルマーケティングを展開して関心の高い顧客層へ当社グループの情報を到達させるとともに、住宅購入を検討中の潜在層へ幅広くアプローチする効率的な集客を行い、積極的に取り込んでまいりました。

その結果、売上高は20,257,022千円、販売費及び一般管理費は3,338,268千円、営業利益は380,046千円、経常利益は357,766千円、税金等調整前四半期純利益は326,663千円、親会社株主に帰属する四半期純利益は181,529千円となりました。なお、当社は単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略いたします。

 

 

 

 

② 財政状態の状況

 第3期連結会計年度(自 2022年6月1日 至 2023年5月31日)

(資産)

当連結会計年度末における資産の合計は、前連結会計年度末と比較すると180,913千円増加し、14,692,621千円となりました。これは流動資産が297,319千円減少し、11,045,869千円となったこと及び固定資産が478,233千円増加し、3,646,752千円となったことによるものであります。

流動資産の減少は、仕掛販売用不動産が895,888千円増加した一方で、現金及び預金が379,648千円、販売用不動産が121,857千円、未成工事支出金が612,589千円減少したこと等によるものであります。

固定資産の増加は、のれんが88,493千円、有形固定資産のその他に含まれる建設仮勘定が40,732千円減少した一方で、土地が374,380千円、建物及び構築物が175,554千円増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債の合計は、前連結会計年度末と比較すると260,975千円増加し、11,501,819千円となりました。これは流動負債が391,916千円減少し、8,778,829千円となったこと及び固定負債が652,891千円増加し、2,722,989千円となったことによるものであります。

流動負債の減少は、短期借入金が947,337千円増加した一方で、未払金が5,443千円、未成工事受入金316,437千円、預り金334,951千円が減少したこと等によるものであります。

固定負債の増加は、繰延税金負債が16,626千円減少した一方で、長期借入金が673,229千円増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の合計は、前連結会計年度末と比較すると80,061千円減少し、3,190,802千円となりました。

主な要因としては利益剰余金が80,865千円減少したためであります。

 

第4期第3四半期連結累計期間(自 2023年6月1日 至 2024年2月29日)

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における資産の合計は、16,113,619千円と前連結会計年度末比1,420,997千円増加となりました。

流動資産は12,223,924千円と前連結会計年度末比1,178,054千円増加となりました。主な要因としては未成工事支出金及び販売用不動産が増加し、仕掛販売用不動産が減少したためであります。

固定資産は3,889,695千円と前連結会計年度末比242,943千円増加となりました。主な要因としては建物及び構築物が増加したためであります。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債の合計は、12,729,508千円と前連結会計年度末比1,227,688千円増加となりました。

流動負債は10,474,455千円と前連結会計年度末比1,695,625千円増加となりました。主な要因としては未成工事受入金が増加し、預り金が減少したためであります。

固定負債は2,255,053千円と前連結会計年度末比467,936千円減少となりました。主な要因としては長期借入金が減少したためであります。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産の合計は、3,384,111千円と前連結会計年度末比193,309千円増加となりました。主な要因としては利益剰余金及び為替換算調整勘定が増加したためであります。

 

 

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

第3期連結会計年度(自 2022年6月1日 至 2023年5月31日)

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末比379,648千円減少し、4,945,383千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は1,523,439千円(前年同期は3,043,376千円の獲得)となりました。主な要因としては、仕入債務の減少567,558千円及び預り金の減少334,951千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は534,903千円(前年同期は296,148千円の使用)となりました。主な要因としては、有形固定資産の売却による収入209,338千円があった一方で、有形固定資産の取得による支出715,063千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は1,677,889千円(前年同期は413,216円の使用)となりました。主な要因としては、長期借入れによる収入1,350,000千円及び短期借入金の純増減額947,337千円によるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

当社グループは、生産実績を定義することが困難であるため、記載しておりません。

 

b 受注実績

当社グループは住宅販売事業の単一セグメントであり、第3期連結会計年度及び第4期第3四半期連結累計期間における受注実績は、次のとおりであります。

セグメントの

名称

第3期連結会計年度
(自 2022年6月1日

 至 2023年5月31日)

第4期第3四半期連結累計期間

 (自 2023年6月1日

  至 2024年2月29日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

住宅販売事業

21,650,356

115.5

9,037,852

97.7

20,839,469

133.9

合計

21,650,356

115.5

9,037,852

97.7

20,839,469

133.9

 

(注)1.住宅販売事業のうち、注文住宅及び分譲住宅の該当金額を記載しております。

2.宅地販売及びその他については、事業の性質上記載を省略しております。

 

c 販売実績

当社グループは住宅販売事業の単一セグメントであり、第3期連結会計年度及び第4期第3四半期連結累計期間における販売実績は次のとおりであります。

セグメントの

名称

第3期連結会計年度
(自 2022年6月1日

至 2023年5月31日)

第4期第3四半期連結累計期間

 (自 2023年6月1日

  至 2024年2月29日)

販売高

(千円)

前年同期比

(%)

販売高

(千円)

住宅販売事業

注文住宅

20,216,769

116.7

15,203,794

分譲住宅

1,989,351

91.2

910,027

宅地販売

4,622,726

96.7

3,183,841

その他

1,196,945

209.9

959,358

合計

28,025,793

112.8

20,257,022

 

 (注)  第3期連結会計年度及び第4期第3四半期連結累計期間における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであり、将来生じる実際の結果と異なる可能性がありますのでご留意ください。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の状況の分析

第3期連結会計年度 (自 2022年6月1日 至 2023年5月31日)

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、28,025,793千円となりました。

売上高の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は、23,931,456千円となりました。

この結果、売上総利益は、4,094,336千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業損益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、4,212,854千円となりました。

主な要因は、事業拡大に伴う広告宣伝費、販売促進費、給与及び手当、のれん償却額等の増加によります。

この結果、営業損失は、118,517千円となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常損益)

当連結会計年度において、営業外収益は29,664千円、営業外費用は50,811千円発生しました。

主な要因は、営業外収益では保険解約返戻金、受取保険金が発生したことによるものであり、営業外費用では支払利息、為替差損、雑損失が発生したことによるものであります。この結果、経常損失は、139,664千円となりました。

 

(特別損失、法人税等、親会社株主に帰属する当期純損益)

当連結会計年度において、特別利益は94,417千円、特別損失は38,363千円発生しました。主な要因は、特別利益では固定資産売却益が発生したことによるものであり、特別損失では減損損失が発生したことによるものです。

法人税、住民税及び事業税を69,298千円、法人税等調整額 △72,042千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、80,865千円となりました。

 

第4期第3四半期連結累計期間(自 2023年6月1日 至 2024年2月29日)

(売上高)

当第3四半期連結累計期間の売上高は、20,257,022千円となりました。

売上高の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(売上原価、売上総利益)

当第3四半期連結累計期間の売上原価は、16,538,707千円となりました。

この結果、売上総利益は、3,718,314千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、3,338,268千円となりました。

主な要因は、事業拡大に伴う広告宣伝費、人件費、のれん償却額等の増加によります。

この結果、営業利益は、380,046千円となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

当第3四半期連結累計期間において、営業外収益は17,390千円、営業外費用は39,670千円発生しました。

主な要因は、営業外収益では受取利息及び配当金、受取保険金が発生したことによるものであり、営業外費用では支払利息、為替差損が発生したことによるものであります。この結果、経常利益は、357,766千円となりました。

 

(特別損益、法人税等、親会社株主に帰属する四半期純利益)

当第3四半期連結累計期間において、特別利益は2千円、特別損失は31,104千円発生しました。主な要因は、特別利益では固定資産売却益が発生したことによるものであり、特別損失では固定資産除却損及び和解金が発生したことによるものです。この結果、税金等調整前四半期純利益は326,663千円、親会社株主に帰属する四半期純利益は181,529千円となりました。

 

b.財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析

財政状態の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に、キャッシュ・フローの状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

 

② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの主な資金需要は住宅販売事業における土地又は原材料等の仕入、外注費及び人件費等であります。運転資金の調達は自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。本報告書提出時点において、安定的かつ機動的に運転資金を確保することを目的として、取引金融機関と当座貸越契約を締結しております。設備投資の必要性が生じた際には投資金額、手元資金、資本コスト等を総合的に考慮して最適な手段により調達することとしております。

現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は4,945,383千円であり、資金の流動性は十分に確保できております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。経営者は債権、繰延税金資産、引当金等に関する見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、主な経営指標として「引渡棟数」、「営業利益」及び「当期純利益」を重視しております。その中でも特に「引渡棟数」が重要であると考えており、「引渡棟数」の指標の推移は以下のとおりであります。

 

2022年5月期

2023年5月期

前年同期比

引渡棟数 (棟数)

924

937

101.4%

営業利益 (百万円)

1,185

△118

当期純利益 (百万円)

774

△80

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。