当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは令和6年11月1日より持株会社体制に移行するとともに、「新しいサービスの創造と団結力の発揮でお客様のニーズにしっかりと応え、関わる全ての人々を幸せにする」をグループの理念に掲げ、時代とともに変わりゆくお客様のニーズに的確にお応えすべく、安全とサインの融合による新たなサービスの創造へと、グループ一丸となって取り組みを推進しております。
また、当社グループでは従業員とその家族の健康を重要な経営課題として、令和2年6月に「健康経営宣言」を制定しております。健康経営の推進につきましては、ウォーキングイベントの開催や外部セミナーの受講、ストレスチェックの実施など、従業員とその家族が心身そして社会的な健康の保持・増進を行うための取り組みを行いました。その成果として、令和7年3月には、主たる事業会社である株式会社グリーンクロスにおいて「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」認定企業の上位500法人に与えられる「ホワイト500」に2年連続で認定されるとともに、株式会社アスコにおいても「健康経営優良法人2025(中小規模法人部門)」の認定を受けることができました。今後も、グループ全体で健康増進施策を推進することにより、従業員が健康に個々の能力を発揮できるよう取り組みを進めてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループが目標とする経営指標は、連結配当性向30%並びに株主資本利益率(ROE)10%以上としております。
経営の基本方針に基づく成長企業への道を力強く着実に歩む戦略を、全社の各々の経営指標を基準とする経営目標体系として統一のもと強力に推進し、着実な収益力の向上に基づき株主の皆様への還元を実現してゆくことに努めてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
社会が求める、新たな安全・サインメディアへの環境ニーズに、営業戦略推進に機能する当社独自のシステム・インフラを活用のもと、当社のコアスキルであるサインメディアのノウハウを活かし、新たな市場開拓・需要創造を図ると共に、多様化・高度化した安全へのレンタルニーズにより専門性を活かした積極的提案営業活動を全営業拠点ネットワーク網の有効化による組織機能力に相乗化させ、新たな需要創造・シェア拡張等、安全・サイン・レンタルを融合のもと、トータル的な提案営業を強力に推進し、従来市場である建設関連市場への深耕開拓はもとより、官公庁・学校・病院・一般企業等あらゆる市場領域に的確に応えていく事をもってより優位な拡販体制構築等、営業基盤の一層の拡充を進めてまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後のわが国経済は、雇用、所得環境の改善、インバウンド需要の増加等による景気回復が期待される一方で、米国の通商政策による世界経済への影響や金融資本市場の変動リスクも依然として大きく、引き続き先行き不透明な状況が続くものと想定されます。
このような状勢において、当社グループの当面の課題は、確実な収益の向上にむけたレンタル事業の促進とグループ間シナジーを最大限に生かす事業構造の構築に加え、その機動力となる組織能力の強化を図るとともに、長きに亘っての成長企業の確立に向けた次世代人材の確保と育成に向けた人材採用・育成プログラムの実行にあります。今後もグループ会社と連携し、更なる市場の開拓に努め、総合安全産業の立脚を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、社会・環境の持続的な発展を目指すために、取締役を中心としたSDGsプロジェクトを設置しております。当社グループのサステナビリティの取り組みについて、各部門からSDGsプロジェクトへ定期的な報告を実施しています。特に人的資本関連の方針及び計画策定は、取締役会にて承諾の上、取り組んでいます。
(2)戦略
(3)リスク管理
当社グループは、取締役会に報告されたサステナビリティに関するリスク及び機会について、議論を行い、担当の部門へ指示を行っております。指示された部門において、サステナビリティに関するリスク及び機会について、詳細な検討を行い、実行に移しております。検討や実行の結果につきましては、担当の取締役を通じて、取締役会へ進捗状況及びリスクの報告を行うことにより、サステナビリティに関するリスク及び機会について、管理を行っております。
(4)指標及び目標
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指標 |
対象範囲 |
目標 |
実績 |
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競争力の源泉となる人材の確保 |
株式会社グリーンクロス |
(目標: |
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安心して働ける環境の整備 |
株式会社グリーンクロス |
(目標: |
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株式会社グリーンクロス |
(目標: |
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正規従業員の中途採用比率
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対象範囲 |
令和5年 4月期 |
令和6年 4月期 |
令和7年 4月期 |
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(目標: |
株式会社グリーンクロス |
84% |
88% |
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有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①事業環境の変化
想定を超える需要の減少や主要な商品及び原材料等の急激な価格上昇等、当社グループの事業に係る著しい環境変化が生じた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
②保有資産の価格変動
投資有価証券等の保有資産の時価が著しく下落した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、「固定資産の減損に係る会計基準」に従い、事業用不動産の収益性が著しく低下した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
③貸倒れの発生
受注時には信用リスクの回避に最大限の注意をはらっておりますが、景気の悪化等により当社グループが計上している貸倒引当金を上回る予想し得ない貸倒れが発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、令和6年11月1日に単独株式移転により株式会社グリーンクロスの完全親会社として設立されましたが、連結の範囲に実質的な変更はないため、前連結会計年度と比較を行っている項目については、株式会社グリーンクロスの令和6年4月期連結会計年度(令和5年5月1日から令和6年4月30日まで)と、また、前連結会計年度末と比較を行っている項目については、株式会社グリーンクロスの令和6年4月期連結会計年度末(令和6年4月30日)と比較しております。
また、当連結会計年度(令和6年5月1日から令和7年4月30日まで)の連結財務諸表は、単独株式移転により完全子会社となった株式会社グリーンクロスの連結財務諸表を引き継いで作成しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、金融政策の正常化が進む中、雇用情勢や所得環境の改善、好調なインバウンド需要等を背景に、引き続き緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米国の通商政策による世界経済への影響や、継続的な物価上昇に伴う消費者マインドの下振れ等、景気の下押しリスクも依然として大きく、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが関係する安全対策業界及びサインメディア業界におきましては、政府による国土強靭化計画やインフラの老朽化対策などを背景に公共事業投資が堅調に推移するとともに、民間設備投資においても持ち直しの動きが続いているものの、原材料の高騰や慢性的な人材不足による労務費の上昇など、コスト増加による業績への影響は依然として拡大傾向にあり、注視が必要な状況が継続しております。
このような状勢のもと、当社グループは令和6年11月1日より持株会社体制に移行するとともに、「新しいサービスの創造と団結力の発揮でお客様のニーズにしっかりと応え、関わる全ての人々を幸せにする」をグループの理念に掲げ、時代とともに変わりゆくお客様のニーズに的確にお応えすべく、安全とサインの融合による新たなサービスの創造へと、グループ一丸となって取り組みを進めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の連結業績につきましては、売上高は27,878百万円(前期比14.5%増)、営業利益は1,983百万円(前期比20.4%増)、経常利益は1,992百万円(前期比20.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,212百万円(前期比6.5%増)となり、当社グループとしては増収増益となりました。
また、令和7年1月には株式会社システムエリアをグループ企業として迎え、同社の技術力やノウハウの活用による業務効率化や新たなグループシナジーの創出に向け、総合力の強化に努めてまいりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ144百万円増加し、4,733百万円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、3,256百万円の収入(前連結会計年度は3,121百万円の収入)となりました。
主な要因は税金等調整前当期純利益2,005百万円、減価償却費1,503百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,780百万円の支出(前連結会計年度は3,566百万円の支出)となりました。
主な要因は有形固定資産の取得による支出1,709百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,331百万円の支出(前連結会計年度は1,721百万円の収入)となりました。
主な要因は長期借入金の返済による支出896百万円、割賦債務の返済による支出391百万円等によるものです。
(3) 仕入及び販売の実績
①商品等仕入実績
当社グループには、道路安全資材、建築防災用品、保安用品、保護具及び各種看板・標識等サインメディアの製
作、販売、レンタルを行う部門以外の重要なセグメントがないため、セグメント情報の記載を省略しております。
当連結会計年度の商品等仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
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品目 |
当連結会計年度 (自 令和6年5月1日 至 令和7年4月30日) |
前年同期比(%) |
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安全機材用品 |
|
|
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工事標示板・標識(千円) |
1,489,892 |
△0.9 |
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仮設防護柵(千円) |
1,200,015 |
22.9 |
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保安灯・警告灯(千円) |
907,757 |
11.1 |
|
防災用品・環境整備用品(千円) |
2,052,404 |
6.0 |
|
その他商品(千円) |
3,809,770 |
26.8 |
|
小計(千円) |
9,459,839 |
14.8 |
|
グリーンレンタル(千円) |
3,685,056 |
18.3 |
|
サインメディア材料(千円) |
3,220,913 |
△6.3 |
|
合計(千円) |
16,365,808 |
10.7 |
②販売実績
当社グループには、道路安全資材、建築防災用品、保安用品、保護具及び各種看板・標識等サインメディアの製
作、販売、レンタルを行う部門以外の重要なセグメントがないため、セグメント情報の記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
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品目 |
当連結会計年度 (自 令和6年5月1日 至 令和7年4月30日) |
前年同期比(%) |
|
安全機材用品 |
|
|
|
工事標示板・標識(千円) |
1,638,660 |
△3.4 |
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仮設防護柵(千円) |
1,010,180 |
4.9 |
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保安灯・警告灯(千円) |
504,947 |
△1.7 |
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防災用品・環境整備用品(千円) |
2,703,207 |
3.7 |
|
その他商品(千円) |
5,683,410 |
20.6 |
|
小計(千円) |
11,540,407 |
10.0 |
|
グリーンレンタル(千円) |
8,060,553 |
16.8 |
|
サインメディア(千円) |
8,277,885 |
19.0 |
|
合計(千円) |
27,878,846 |
14.5 |
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績、翌期以降の事業計画等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における資産につきましては、現金及び預金が144百万円増加、売掛金が219百万円増加、商品が261百万円増加、受取手形が159百万円減少し、流動資産合計は、前連結会計年度末に比べ250百万円増加しました。また、建物及び構築物が383百万円増加、建設仮勘定が106百万円増加等により、固定資産合計は、前連結会計年度末に比べ464百万円増加しました。その結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ714百万円増加し、26,167百万円となりました。
(負債の部)
負債につきましては、流動負債では、支払手形及び買掛金が300百万円増加、電子記録債務が233百万円増加、固定負債では長期借入金が706百万円減少しました。その結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ226百万円減少し、14,161百万円となりました。
(純資産の部)
純資産につきましては、利益剰余金が903百万円増加、その他有価証券評価差額金が68百万円減少しました。その結果、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ940百万円増加し、12,006百万円となりました。
また、1株当たり純資産額は前連結会計年度末に比べ93円42銭増加し、1,343円25銭となり、自己資本比率は前連結会計年度末の43.3%から45.7%となりました。
③当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループが関係する安全対策業界及びサインメディア業界におきましては、政府による国土強靭化計画やインフラの老朽化対策などを背景に公共事業投資が堅調に推移するとともに、民間設備投資においても持ち直しの動きが続いているものの、原材料の高騰や慢性的な人材不足による労務費の上昇など、コスト増加による業績への影響は依然として拡大傾向にあり、注視が必要な状況が継続しております。
当社グループの経営成績に影響を与える要因については、「3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
このような状勢のもと、当社グループは安全やサインメディアへの様々なニーズに広範囲かつ適切にお応えするべく、グループ全体の営業体制の一層の整備に努めてまいりました。
また、中長期的な経営戦略に基づき、新たな需要創造・シェア拡張等、安全・サイン・レンタルを融合のもと、トータル的な提案営業を強力に推進し、従来市場である建設関連市場への深耕開拓はもとより、官公庁・学校・病院・一般企業等あらゆる市場領域に的確に応えていく事をもってより優位な拡販体制構築等、営業基盤の一層の拡充を進めてまいります。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品、レンタル品等の購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は基本的に自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の資金調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
⑤経営上の客観的な指標等
当社グループが目標とする経営指標は、株主資本利益率(ROE)10%以上としております。
当連結会計年度における株主資本利益率(ROE)は10.6%(前期比0.2ポイント減)であり、引き続き当該指標の改善に邁進するとともに、当社グループが関係する安全機材業界の動向やニーズの多様化等、当社を取り巻く経営環境の変化に適応し、今後とも更なる業績の向上に努めてまいります。
(単独株式移転による純粋持株会社の設立)
当社は、令和6年11月1日に株式会社グリーンクロスの単独株式移転により設立されました。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。