【連結財務諸表注記】
1.報告企業
リガク・ホールディングス株式会社(以下「当社」という。)は日本に所在する株式会社です。登記上の本社の住所は東京都昭島市松原町三丁目9番12号です。当社の最終的な親会社はAtom Investment, L.P.であります。2023年12月31日に終了する連結財務諸表は、当社及びその子会社(以下「当社グループ」という。)から構成されております。当社グループは理科学機器の製造販売を主な事業としております。また、製品に関連した保証、修理・保守、移設などのサービス業務を提供しております。(「6.事業セグメント」参照)。
2.作成の基礎
連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。当社グループは、2023年12月31日に終了する連結会計年度にIFRSを初めて適用し、IFRSへの移行日は2022年1月1日です。
IFRSへの移行にあたり、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」(以下「IFRS第1号」という。)を適用しております。また、IFRSへの移行が、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与える影響は「41.初度適用」に記載しております。
連結財務諸表は、公正価値で測定する金融商品等を除き取得原価を基礎として作成されております。
連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円(百万円単位、単位未満切捨て)で表示しております。
3.重要性のある会計方針
連結財務諸表には、すべての子会社を含めております。子会社は、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループが以下の各要素をすべて有している場合にのみ、投資先を支配していると考えております。
・投資先に対するパワー
・投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利
・投資者のリターンの額に影響を及ぼすように投資先に対するパワーを用いる能力
当社グループによる支配の有無は、議決権又は類似の権利の状況や投資先に関する契約内容などに基づき、総合的に判断しております。
子会社の収益及び費用は、子会社の取得日から連結財務諸表に含めております。
子会社の決算日は当社の決算日と一致しております。当社及び子会社は、類似の状況における同様の取引及び事象に関し、統一した会計方針を用いております。
当社グループ内の残高、取引高、収益及び費用は、重要性が乏しい場合を除き、全額を相殺消去しております。包括利益合計は、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分とに帰属させております。
子会社に対する所有持分の変動のうち、子会社に対する支配の喪失とならないものについては、資本取引として処理しております。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失は純損益で認識しております。
企業結合は、取得法を用いて会計処理をしております。
取得対価は、取得企業が移転した資産、引き受けた負債及び発行した資本持分の取得日公正価値の合計額で測定しております。
被取得企業の識別可能な資産、負債及び偶発負債は、限定的な例外を除いて、取得日の公正価値で測定しております。
のれんは、取得対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び取得企業が以前に所有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計金額が、取得日時点における識別可能な資産及び負債の正味価額を上回る場合に、その超過額として測定しております。この差額が負の金額である場合には、直ちに純損益として認識しております。
企業結合を達成するために発生した取得関連費用は、発生時に純損益として認識しております。
外貨建取引については、当初認識時に取引日の為替レート又はそれに近似するレートにより機能通貨に換算しております。期末日における外貨建貨幣性項目は決算日レートを用いて機能通貨に換算し、外貨建非貨幣項目は取得原価で測定されているものは取引日の為替レート、公正価値で測定されているものは、公正価値が測定された日の為替レートを用いて換算しております。
貨幣性項目の為替差額は、発生する期間の純損益に認識しております。ただし、非貨幣性項目の利得又は損失がその他の包括利益に認識される場合は、当該為替差額もその他の包括利益に認識しております。
在外営業活動体の資産及び負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については決算日レート、収益及び費用については期中平均レートで換算し、在外営業活動体の換算差額はその他の包括利益に認識しております。
在外営業活動体の処分時には、その他の包括利益に認識され資本に累積されていた、在外営業活動体の換算差額は、処分による利得又は損失が認識される時に資本から純損益に振り替えております。
当社グループは、金融資産について、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、償却原価で測定する金融資産に分類しております。この分類は当初認識時に決定しております。
当社グループが保有する金融資産のうち、次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類し、それ以外の場合には公正価値で測定する金融資産へ分類しております。
(ⅰ)契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
(ⅱ)金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
公正価値で測定される金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有される資本性金融商品を除き、個々の資本性金融商品ごとに、純損益を通じて公正価値で測定するか、公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示する取消不能の選択を行ったうえで、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するかを指定し、当該指定を継続的に適用しております。
なお、金融資産の売買は、取引日において認識又は認識の中止を行っております。
(b) 事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(ⅰ)償却原価により測定する金融資産
償却原価により測定する金融資産については実効金利法による償却原価により測定しております。
(ⅱ)その他の金融資産
償却原価により測定する金融資産以外の金融資産は公正価値で測定しております。
公正価値で測定される金融資産の公正価値の変動額は純損益として認識しております。ただし、資本性金融商品のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識し、認識を中止した場合、あるいは公正価値が著しく下落した場合には利益剰余金に振り替えております。なお、当該金融資産からの配当金については当期の純損益として認識しております。
(ⅲ)認識の中止
金融資産は、便益を受領する権利が消滅したか、譲渡されたか、又は実質的に所有に伴うすべてのリスクと経済価値が移転した場合に認識を中止しております。
②金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品について、期末日ごとに信用リスクが当初認識時点から著しく増大しているか否かについて判断しております。
金融資産の信用リスクが当初認識後に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
金融資産の信用リスクが当初認識後に著しく増大していない場合には、当該金融資産に係る損失評価引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
金融資産の信用リスクが当初認識後に著しく増大しているか否かは、当初認識時における債務不履行リスクと各報告期末日における債務不履行リスクを比較して判断しております。
これには、期日経過情報や過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において利用可能な合理的かつ裏付けのための将来の見通しに関する情報を織り込み、考慮しております。
ただし、営業債権及びその他の債権については、常に、損失評価引当金を全期間の予想損失に等しい金額で測定しております。当該測定に係る金額は、純損益で認識しております。
また、当社グループにおいては主として、債権について契約上の支払の期日経過が90日以上かつ、個別に支払い能力を検討し、支払能力に問題があると判断した場合に債務不履行が生じていると判断しております。債務不履行に該当した場合には信用減損の客観的な証拠が存在すると判断し、信用減損金融資産に分類します。なお、法的に債権が消滅する場合等、金融資産の全部又は一部について回収できないと合理的に判断される場合には、当該金融資産の帳簿価額を直接償却しております。
③金融負債
(a) 当初認識及び測定
当社グループは、金融負債について、償却原価で測定する金融負債に分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。
すべての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引コストを控除した金額で測定しております。
(b) 事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失は、金融費用の一部として当期の純損益として認識しております。
(c) 認識の中止
金融負債は、契約上の義務が履行されるか、債務が免責、取消し、又は失効並びに定量的ないし定性的な要素を踏まえ大幅に異なる条件に変更した場合に認識を中止しております。
④金融商品の公正価値
各決算日現在で活発な金融市場において取引されている金融商品の公正価値は、市場における公表価格又はディーラー価格を参照しております。
活発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法を使用して算定しております。
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わないものであります。
棚卸資産は、原価と正味実現可能価額とのいずれか低い額により測定しております。棚卸資産の原価には、購入原価、加工費、及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他の原価のすべてを含めております。加工費には、生産設備の正常生産能力に基づく固定製造間接費を含みます。
正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積コストを控除した額です。
各棚卸資産の評価方法は、次のとおりです。
商品、原材料、貯蔵品…移動平均法
製品、仕掛品…個別法
有形固定資産は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用等を含めております。
土地等の償却を行わない資産を除き、各資産はそれぞれの見積り耐用年数にわたって、定額法で減価償却を行っております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、次のとおりです。
なお、見積耐用年数及び減価償却方法等は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
①のれん
のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した価格で表示しております。のれんは償却を行わず、企業結合からの便益を享受できると期待される資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、毎年又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損損失は連結損益計算書において認識され、その後の戻入は行っておりません。
当初認識時における測定については、「(2)企業結合」に掲載しております。
②無形資産
無形資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識に際し取得原価で測定しており、企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。なお、内部創出の無形資産については、以下の資産化の要件を満たす開発費用を除き、その支出額はすべて発生した期の費用として計上しております。
・使用又は売却に利用できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性があること
・無形資産を完成させて、使用するか又は売却するという意図があること
・無形資産を使用又は売却できること
・無形資産が将来の経済的便益を創出する可能性が高いこと
・開発を完了させて、無形資産を使用するか又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性があること
・開発期間中の無形資産に起因する支出を信頼性をもって測定できること
有限の耐用年数を有する無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却し、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。有限の耐用年数を有する無形資産の見積耐用年数及び償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
有限の耐用年数を有する無形資産の主な見積耐用年数は、以下のとおりです。
また、当社に正味のキャッシュ・インフローをもたらすと見込まれる期間について予測可能な限度がない無形資産については、耐用年数が確定できない無形資産とみなしています。耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産については、償却を行わず、毎年又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、個別に又は各資金生成単位で減損テストを実施しております。
当社グループは、契約の開始時に、契約がリース又はリースを含んだものであるのかどうかを判定しております。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判断しております。
借手リース
使用権資産及びリース負債をリース開始日に認識しております。
使用権資産は取得原価で当初測定しております。当該取得原価には、リース開始日以前に支払ったリース料を調整したリース負債の当初測定の金額、当初直接コスト、及び、原状回復費用の合計から受け取ったリース・インセンティブを控除したもので構成されています。
使用権資産は当初測定後、リース開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方で定額法を用いて減価償却しております。当社グループが購入オプションを行使することが合理的に確実である場合には、原資産の耐用年数にわたって償却します。また、使用権資産に対して、減損が存在する場合には減損損失を認識しております。
開始日後におけるリース負債はリース開始日現在で支払われていないリース料の現在価値で当初測定しております。当該リース料は、当社グループの追加借入利子率を用いて割り引いております。リース負債の測定に含まれているリース料は、固定リース料(実質上の固定リース料を含む。)、変動リース料のうち指数又はレートに応じて決まる金額、残価保証に基づいて支払うと見込まれる金額、行使が合理的に確実である場合の購入オプションの行使価格、及び、早期解約しないことが合理的に確実である場合を除いたリースの解約に対するペナルティの支払額から構成されております。
リース負債は実効金利法を用いて償却原価で測定しております。当該リース負債は指数又はレートの変更により将来のリース料が変更となる場合、残価保証に基づいた支払金額の見積りの変更が生じた場合、又は、購入オプション、延長オプション、解約オプションの行使可能性の評価の変更が生じた場合に再測定することとなります。
当社グループは、リース期間が12ヵ月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについて、使用権資産及びリース負債を認識せず、リース料総額をリース期間にわたって、定額法により純損益に認識しております。
当社グループは各年度において、各資産についての減損の兆候の有無の判定を行い、何らかの兆候が存在する場合又は毎年減損テストが要求されている場合、その資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び耐用年数が確定できない無形資産については、毎期減損テストを実施しております。個々の資産について回収可能価額を見積ることができない場合には、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を見積っております。回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定しております。資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合は、その資産について減損を認識し、回収可能価額まで評価減しております。また、使用価値の評価における見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値に関する現在の市場評価及び当該資産に固有のリスク等を反映した税引前割引率を使用して、現在価値まで割引いております。処分コスト控除後の公正価値の算定にあたっては、利用可能な公正価値指標に裏付けられた適切な評価モデルを使用しております。
当社グループは、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)を有しており、債務の決済を要求される可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼できる見積りが可能である場合に引当金を認識しております。
貨幣の時間価値が重要な場合には、決済のために要すると見積もられた支出額の現在価値で測定しております。現在価値の算定には、貨幣の時間的価値の現在の市場評価とその負債に固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いております。
製品保証引当金は、販売済製品の保証期間中の補修費用、その他販売済製品の品質問題に対処する費用に充てるため、売上高を基準として過去の実績率により算定した額を計上しております。
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しております。賞与及び有給休暇費用については、当社グループが、従業員から過去に提供された勤務の対価として支払うべき現在の法的又は推定的債務を負っており、かつ、その金額について信頼性をもって見積ることができる場合、それらの制度に基づいて支払われると見積られる金額を負債として認識しております。
当社グループは、退職給付制度として主に確定拠出制度を採用しており、確定拠出制度への拠出は、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識しております。
政府補助金は、補助金交付のための条件を満たし、補助金を受領することに合理的な保証がある場合は、補助金収入を公正価値で測定し、以下の方法で認識しております。
資産に関する補助金は、取得原価から補助金を控除して、資産の帳簿価格を算定する方法で認識しております。収益に関する補助金は、関連する費用から当該補助金を控除する方法で認識しています。
当社が発行する資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に認識しております。また、その発行に直接起因する取引コストは資本剰余金から控除しております。
自己株式を取得した場合には、取得原価で認識し、資本から控除して表示しております。また、その取得に直接起因する取引コストは、資本から控除しております。自己株式を売却した場合、受取対価を資本の増加として認識し、帳簿価額と受取対価との差額は資本剰余金に含めております。
ストック・オプション
当社は、持分決済型の株式報酬制度として、ストック・オプション制度を採用しております。ストック・オプションは、付与日における公正価値によって見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用で認識し、同額を資本の増加として認識しております。
当社グループは、IFRS第9号「金融商品」(以下「IFRS第9号」という。)に基づく金融収益を除き、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:履行義務の充足時に又は充足するにつれて収益を認識する
具体的な収益認識の基準は注記「25.売上収益」に記載しております。
約束された対価は履行義務の充足時点から、国内取引では主に150日以内により支払いを受けており、海外取引では主として前払いにより支払いを受けており、約束した対価の金額に、重大な金融要素や、重要な対価の変動性、重要な変動対価の見積り等は含まれておりません。
金融収益は、主として受取利息及び受取配当金等から構成されております。受取利息は、実効金利法により発生時に認識しております。受取配当金は、当社グループの受領権が確定したときに認識しております。
金融費用は、主として支払利息等から構成されております。支払利息は、実効金利法により発生時に認識しております。
連結損益計算書上の法人所得税費用は、当期法人所得税と繰延法人所得税の合計として表示しております。
当期法人所得税は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の算定に使用する税率及び税法は、決算日までに制定又は実質的に制定されたものです。当期法人所得税は、その他の包括利益又は資本において直接認識される項目から生じる税金及び企業結合から生じる税金を除き、純損益として認識しております。
繰延法人所得税は、決算日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異に基づいて算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識し、繰延税金負債は、原則として、将来加算一時差異について認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産又は負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる場合
・企業結合でない取引で、取引時に会計上の利益にも課税所得(税務上の欠損金)にも影響を与えず、かつ取引に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
・子会社に係る将来減算一時差異に関しては、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
子会社に係る将来加算一時差異に関しては、一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合繰延税金資産及び負債は、決算日までに制定又は実質的に制定されている税率に基づいて、当該資産が実現される又は負債が決済される年度の税率を見積り、算定しております。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産及び当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ次のいずれかの場合に相殺しております。
・法人所得税費用が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合
・異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産及び当期税金負債を純額ベースで決済することを意図している、若しくは当期税金資産を実現させると同時に当期税金負債を決済することを意図している場合
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する純損益を、各報告期間の自己株式を調整した発行済普通株式の期中平均株式数で除して計算しております。
希薄化後1株当たり当期利益は、すべての希薄化性潜在的普通株式による影響について調整して計算しております。
4.重要な会計上の見積り及び判断
当社グループの連結財務諸表は、収益及び費用、資産及び負債の測定並びに決算日現在の偶発事象の開示等に関する経営者の見積り及び仮定を含んでいます。これらの見積り及び仮定は過去の実績及び決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかし、その性質上、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。
見積り及び仮定は経営者により継続して見直しております。これらの見積り及び仮定の見直しによる影響は、その見積り及び仮定を見直した期間及びそれ以降の期間において認識しております。
見積り及び仮定のうち、当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定は、以下のとおりです。
(1) 非金融資産の減損
当社グループは、有形固定資産、無形資産について、回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損テストを実施しております。
減損テストを実施する契機となる重要な要素には、過去あるいは見込まれる営業成績に対しての著しい実績の悪化、取得した資産の用途の著しい変更ないし戦略全体の変更、業界トレンドや経済トレンドの著しい悪化等が含まれます。さらに、のれん及び商標権については、回収可能価額がその帳簿価額を下回っていないことを確認するため、最低年1回、兆候の有無に係わらず減損テストを実施しております。
減損テストは、資産の帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には減損損失を計上することとなります。回収可能価額は、主に割引キャッシュ・フロー・モデルにより算定しており、算定に際しては、資産の耐用年数や将来のキャッシュ・フロー、割引率等について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
回収可能価額の算定方法については、「14.非金融資産の減損」に記載しております。
(2) 棚卸資産の評価
棚卸資産については、期末にその正味実現可能価格が陳腐化・品質低下などの理由で帳簿価額を下回った場合、その下回った価額で評価しております。当該評価額と帳簿価額との差額を売上原価として計上しております。
当該見積りは、市場の受給変化などによって影響を受ける可能性があり、今後の需給変化によって翌連結会計年度の棚卸資産や売上原価の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(3) 法人所得税
当社グループは、繰延税金資産の認識について、将来の事業計画に基づく課税所得の発生時期及び金額によって見積っております。当該見積りは、将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。繰延税金資産に関連する内容及び金額については、「16.法人所得税」に記載しております。
5.未適用の新基準
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が公表された基準書及び解釈指針のうち、当社グループが適用していない主なものは以下の通りです。IFRS第18号の適用による当社グループへの影響は検討中であります。
6.事業セグメント
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっております。
当社グループは、「理科学機器の製造・販売」の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
製品及びサービスごとの外部顧客への売上収益は、以下のとおりです。
外部顧客からの売上収益及び非流動資産の地域別内訳は、以下のとおりです。
(注) 売上収益は当社及び連結子会社の所在地を基礎として区分しております。
(注) 非流動資産は資産の所在地によっており、金融商品、繰延税金資産を含んでおりません。
外部顧客への売上収益のうち連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がいないため、記載を省略しております。
7.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりです。なお、移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度の連結財政状態計算書上における「現金及び現金同等物」の残高と連結キャッシュ・フロー計算書上における「現金及び現金同等物」の残高は、一致しております。
8.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりです。
9.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下のとおりです。
(注) 負債の担保に供した棚卸資産の金額については、「18. 借入金」をご参照ください。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、費用として認識した棚卸資産の評価減の金額は、それぞれ82百万円及び249百万円であります。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度において費用として認識され、売上原価に含まれている棚卸資産は、連結損益計算書の「売上原価」とほぼ同額です。
10.その他の資産
その他の流動資産及びその他の非流動資産の内訳は、以下のとおりです。
11.有形固定資産
帳簿価額
取得原価
減価償却累計額及び減損損失累計額
(注) 1.建設中の有形固定資産に関する金額は建設仮勘定として表示しております。
2.負債の担保に供した有形固定資産の金額については、「18. 借入金」をご参照ください。
3.有形固定資産の取得に関するコミットメントについては、「38. コミットメント及び偶発事象」をご参照ください。
4.減価償却費は連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
5.減損損失は認識しておりません。
6.有形固定資産の取得原価に含めた借入費用はありません。
12.のれん及び無形資産
帳簿価額
取得原価
償却累計額及び減損損失累計額
(注) 1.負債の担保に供した無形資産の金額については、注記「18.借入金」に記載しております。
2.無形資産の償却費は、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含めております。
3.商標商号の一部について、耐用年数を確定できないと判断し、償却しておりません。
(2) 費用認識した研究開発支出
資産認識基準を満たさない研究費及び開発費は、発生時に費用として認識しております。当社グループの前連結会計年度及び当連結会計年度における期中に費用として認識された研究開発支出は4,462百万円及び5,160百万円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。
13.リース
リースの管理は各社が責任を負っていることから、リース契約は各社で管理されており、その条件は個別交渉されるため、多様な契約条件を含んでいます。延長及び解約オプションは、使用権資産を各社のマネジメントがより柔軟に使用する目的で設けられたものです。
リース期間は2年から36年で、リース開始時において、当社による延長オプションの行使が合理的に確実な場合には、当該オプションの行使によって延長されるリース期間に関連する支払はリース負債に含めております。また、解約オプションの行使が合理的に確実でない場合には、当該オプションの行使によって解約されないリース期間に関連する支払はリース負債に含めております。
リースに係る純損益の内訳は、次のとおりです。
(注) リース負債の測定に含めていない変動リース料に係る費用であります。
使用権資産の帳簿価額の内訳は、次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の増加額は、それぞれ2,207百万円及び2,994百万円であります。
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、それぞれ721百万円及び888百万円であります。
リース負債の1年毎に区分した期日別残高は、注記「35.金融商品(2)財務上のリスク管理」に記載しております。
14.非金融資産の減損
当社グループは、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資金生成単位でグルーピングを行っており、のれんの資金生成単位又は資金生成単位グループについては、のれんが内部報告目的で管理される単位に基づき決定しておりますが、原則として会社単位を資金生成単位としております。
当社グループは、資産の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に減損損失を認識しております。減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に含まれております。
減損損失の資産の種類別内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自2022年1月1日 至2022年12月31日)
(のれんに係る減損損失)
当社グループは、2022年度において、連結子会社であるMILabs B.V.に係るのれんについて、2021年8月の株式取得時に検討した事業計画と比較し、2022年度の実績及び将来予測が大幅に下回ったことから、減損損失5,418百万円を計上しました。これは、当該報告単位の使用価値が帳簿価額を下回ったことによります。
当連結会計年度(自2023年1月1日 至2023年12月31日)
該当事項はありません。
のれん及び耐用年数が確定できない無形資産が配分されている資金生成単位グループについては毎期、さらに減損の兆候がある場合には都度、減損テストを行っております。資金生成単位グループに配分されたのれん及び耐用年数が確定できない無形資産のうち重要なものは、次のとおりです。
(注)「株式会社リガクグループ」には、株式会社リガクに加え、2021年2月の当社による株式会社リガク買収時に同社傘下であった子会社を含んでおります。
各資金生成単位又は資金生成単位グループののれん及び耐用年数が確定できない無形資産の回収可能価額は使用価値により測定しております。
株式会社リガクグループに係るのれん及び耐用年数が確定できない無形資産株
株式会社リガクグループに係るのれん及び耐用年数が確定できない無形資産の回収可能価額は使用価値により測定しております。使用価値は、過去の経験と外部からの情報を反映し、取締役会が承認した今後5年分の事業計画を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引くことにより算定しております。使用価値算定に影響を及ぼす重要な仮定には、事業計画に含まれる売上成長率及び割引率などが含まれます。また、取締役会が承認した5年間の予測を超える期間におけるキャッシュ・フローについては各期とも売上成長率を2.0%として使用価値を測定しております。当連結会計年度の使用価値の算定に使用した割引率は、税引前加重平均資本コストの11.8%(前連結会計年度は12.8%)です。
移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度における株式会社リガクグループに係るのれん及び耐用年数が確定できない無形資産については、当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を十分に上回っていることから、減損テストに用いた主要な仮定が合理的な範囲で変更されたとしても、それにより当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと考えております。
MILabs B.V.に係るのれん
MILabs B.V.に係るのれんの回収可能価額は使用価値により測定しております。使用価値は、過去の経験と外部からの情報を反映し、取締役会が承認した2027年度を最終事業年度とする事業計画を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引くことにより算定しております。使用価値の測定に用いた主要な仮定には、事業計画に含まれる売上成長率及び割引率が含まれます。当連結会計年度の使用価値の算定に使用した売上成長率は16.0%~22.5%(前連結会計年度は16.0%~29.4%)です。また、取締役会が承認した将来の事業計画の対象期間を超える期間におけるキャッシュ・フローについては各期とも売上成長率を2.0%として使用価値を測定しております。当連結会計年度の使用価値の算定に使用した割引率は、税引前加重平均資本コストの18.5%(前連結会計年度は17.5%)です。
前連結会計年度においては、仮に売上成長率が0.1%下落した場合、又は割引率が0.1%上昇した場合、帳簿価額が回収可能価額を上回ることになります。また、当連結会計年度末においては、回収可能価額が帳簿価額を2,672百万円上回っておりますが、仮に売上成長率が1.5%下落した場合、又は割引率が1.6%上昇した場合、帳簿価額が回収可能価額を上回ることになります。
15.その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は、以下のとおりです。
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
当社グループは、取引先との関係維持、強化による収益基盤の拡大を目的とする長期保有の株式等について、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に指定しております。
①主な銘柄及び公正価値
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の主な銘柄及び公正価値は、次のとおりです。
②受取配当金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に関する受取配当金の内訳は、次のとおりです。
③認識を中止したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
期中に認識を中止した、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の認識中止日時点の公正価値、税効果考慮前の累積利得又は損失は、次のとおりです。
(注) 1.主として取引関係の見直しを目的に、前連結会計年度及び当連結会計年度において、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の一部を売却により処分し、認識を中止しております。
2.その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は、認識を中止した場合、若しくは著しく公正価値が取得原価を下回る場合に、その他の包括利益にて認識していた累積利得又は損失を利益剰余金に振り替えております。前連結会計年度及び当連結会計年度における税効果考慮後の当該金額は、それぞれ13百万円及び△4百万円です。
16.法人所得税
繰延税金資産及び繰延税金負債の主な原因別の内訳及び増減内容は、以下のとおりです。
(注) 1.当社グループは、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異又は繰越欠損金の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しております。
2.移行日(2022年1月1日)における繰延税金資産は1,446百万円、繰延税金負債は11,130百万円となっております。
3.2022年12月31日における繰延税金資産は784百万円、繰延税金負債は9,817百万円となっております。
(注) 1.当社グループは、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異又は繰越欠損金の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しております。
2.2023年1月1日における繰延税金資産は784百万円、繰延税金負債は9,817百万円となっております。
3.2023年12月31日における繰延税金資産は876百万円、繰延税金負債は8,633百万円となっております。
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の金額は、以下のとおりです。
(注) 繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の繰越期限は、以下のとおりです。
繰延税金負債を認識していない子会社に対する投資に係る将来加算一時差異の総額は、2022年12月31日及び2023年12月31日現在、それぞれ9,899百万円及び6,921百万円であります。
法人所得税費用の内訳は、以下のとおりです。
法定実効税率と平均実際負担税率との調整は、以下のとおりです。
(注)当社は、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として法定実効税率を計算しております。
17.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりです。
18.借入金
借入金の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1.借入金は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。債務不履行の借入金はありません。
2.借入金の期日別残高については、「35.金融商品」をご参照ください。
3.平均利率については、借入金の当連結会計年度の期末残高に対する加重平均利率を記載しております。
4.当社の借入金については、一定の純資産水準、営業損益水準、純損益水準の維持等を求める財務制限条項が付されており、当社はこの財務制限条項を遵守しております。
(2) 担保に供している資産
借入金等の債務の担保に供している資産及び対応する債務は、次のとおりです。
(注) 1.上記の貸付金は関係会社間の貸付であり、連結財務諸表上、相殺消去しております。
2.上記の関係会社株式は、連結財務諸表上、相殺消去しております。
19.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、以下のとおりです。
20.引当金
引当金の内訳及び増減内容は、以下のとおりです。
製品保証引当金
販売済製品の保証期間中の補修費用、その他販売済製品の品質問題に対処する費用に充てるため、売上高を基準として過去の実績率により算定した額を計上しております。経済的便益の流出が予測される時期は、各連結会計年度末日より1年以内であることが見込まれます。
21.その他の負債
その他の流動負債及びその他の非流動負債の内訳は、以下のとおりです。
22.従業員給付
(1) 従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結損益計算書に含まれる従業員給付に係る費用は、それぞれ15,024百万円及び19,832百万円であり、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれております。
当社及び連結子会社は、主に確定拠出年金制度を採用しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、確定拠出年金への要拠出額等に係る費用は、それぞれ384百万円及び473百万円です。なお、厚生年金保険料については、確定拠出型制度と同様に会計処理され、従業員給付費用に含まれております。
(3) その他の従業員給付
短期従業員給付、長期従業員給付として、連結財政状態計算書で認識した金額は以下のとおりです。
(注) 役員退職慰労金制度は2021年度に終了しておりますが、退任時に支給することとしております。なお、2023年度における増加額は保留となっていた功労加算の見直しを行ったことによるものです。
23.政府補助金
また、関連する費用から控除された政府補助金は実用化に向けた中核技術の構築を産学共同等で行う研究開発活動に係るものです。前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ73百万円及び180百万円を主に研究開発費から控除しております。
上記の政府補助金に付随する未履行の条件又はその他の偶発事象はありません。
24.資本及びその他の資本項目
授権株式数及び発行済株式数の増減は、以下のとおりです。
(注) 1.当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面普通株式であります。
2.当社は、2024年7月11日を効力発生日として普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っておりますが、上記の事項は、当該株式分割前の株式数を記載しております。
日本における会社法では、株式の発行に対しての払込み又は給付に係る額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されております。また、会社法では、資本準備金の額は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができることとされております。
在外営業活動体の財務諸表を表示通貨である日本円に換算したことから生じる換算差額です。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の取得原価と期末時点の公正価値との差額です。
当社は新株予約権方式によるストック・オプション制度を採用しており、会社法の規定に基づき、新株予約権を付与しております。
25.売上収益
製品及び仕向地別に分解した顧客との契約から認識した収益の分解は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当社グループでは、理科学機器の製造販売を主な事業としています。また、製品に関連した保証、修理、保守、移設などのサービス業務を提供しております。それぞれの履行義務の内容は以下のとおりであります。
①機器販売(「多目的分析機器」及び「半導体プロセス・コントロール機器」)
「多目的分析機器」では、主に、X線回折装置、蛍光X線分析装置等の多目的にわたる機器の販売を行っております。「半導体プロセス・コントロール機器」では、主に、半導体X線検査装置、X線透過装置といった半導体プロセスにおける機器の販売を行っております。これらは用いられる機器の用途が異なるのみであり、主な収益認識の時期は機器販売として同一となります。
当社グループの機器販売における履行義務は、顧客との契約に基づく関連機器の納入にあります。関連機器の納入は、主に製品が検収された時点で顧客に支配が移転し、履行義務が充足されると判断し、収益を認識しております。輸出販売においてはインコタームズ等で定められた貿易条件に基づき、顧客に支配が移転し履行義務が充足されると判断し、その時点で収益を認識しております。
約束された対価は履行義務の充足時点から、国内取引では主として150日以内に支払いを受けており、海外取引では主として前払いにより支払いを受けており、約束した対価の金額に重大な金融要素は含まれていません。
また、当社グループの機器販売取引において、検収時等、顧客が当該製品の支配を獲得する時点より前に顧客から受け取った前受金は、契約負債に計上しております。
なお、製品の販売における顧客との契約には製品が合意された仕様に従っていることを保証する条項が含まれており、当社グループは、この保証に関連する費用に対して製品保証引当金を認識しています。製品保証引当金の詳細につきましては、「3.重要性のある会計方針 (11) 引当金」をご参照ください。
②部品の販売及びサービス売上(「部品・サービス」)
(a) 部品の販売
部品の販売は、主に、製品の高い精度を長く保持するために必要不可欠となる消耗部品や補修部品を販売しております。当社グループの部品販売における履行義務は、関連部品の納入にあります。国内販売においては、主に顧客の検収時点で顧客へ製品の支配が移転し、履行義務が充足されると判断し、収益を認識しております。輸出販売においてはインコタームズ等で定められた貿易条件に基づき、製品の支配が移転し、履行義務が充足されると判断し、その時点で収益を認識しております。
約束された対価は履行義務の充足時点から、国内取引では主に150日以内により支払いを受けており、海外取引では主として前払いにより支払いを受けており、約束した対価の金額に重大な金融要素は含まれていません。
(b) サービスの販売
サービスの販売の主な内容は、装置の修理や移設、保証メンテナンス等となっております。機器の修理や移設の取引における履行義務は、顧客との契約に基づき、装置ソフトウェアの置き換えや修理にあり、作業が完了し顧客により検収された時点で支配が顧客に移転し、履行義務が充足されると判断し、収益を認識しております。また、保証メンテナンスにおける履行義務は、契約期間にわたって製品のメンテナンスサービスを提供することであり、経過期間にわたりサービスに対する支配が顧客に移転し、履行義務が充足されると判断し、経過期間を指標としたアウトプット法に基づいて収益を認識しております。当社グループは、契約期間に応じて均一のサービスを提供していることから、経過期間を指標としたアウトプット法に基づいて収益を認識することが、サービスの移転を忠実に描写すると判断しております。
約束された対価は履行義務の充足時点から、国内では概ね150日、海外では主に前払いで支払いを受けており、対価の金額に重要な金融要素は含まれていません。
また、当社グループのサービスの販売取引において、機器の改造や移設の取引については検収時等、作業が完了し顧客が当該製品の支配を獲得する時点より前に顧客から受け取った前受金を、メンテナンス等については、サービスに対する支配が顧客に移転するより前に顧客から受け取った前受金を契約負債に計上しております。
なお、これらの機器の販売やサービスの販売において、返品や返金に応じる重要な義務はなく、約束した対価の金額に、重要な対価の変動性、重要な変動対価の見積り等は含まれておりません。
顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債の内訳は、次のとおりです。
契約資産は、主に顧客との契約に基づいて、期末日時点で完了しているが未請求の対価に対する権利に関連するものであります。契約資産は、対価に対する当社の権利が無条件になった時点で顧客との契約から生じた債権に振替えられます。契約資産の増減は、主として収益認識(契約資産の増加)と、営業債権への振替(契約資産の減少)により生じたものです。
契約負債は、主に顧客から顧客と約束した財又はサービスを顧客に移転する前に前受金として対価の支払いを受けた際に認識しています。契約負債は、当社グループが履行義務を充足した時点で契約負債としての認識を中止し、収益として認識しています。契約負債の増減は、主に前受金の受取(契約負債の増加)と、収益認識(契約負債の減少)により生じたものです。なお、契約負債が増加した主な理由は当社グループの機器販売取引及びサービスの販売取引の増加に伴う前受金の増加によるものであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度に認識された収益のうち、期首現在の契約負債残高に含まれていた金額は、それぞれ3,276百万円、3,541百万円であります。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の金額に重要性はありません。
残存履行義務に配分した取引価格の総額及び収益の認識が見込まれる期間は、次のとおりです。
上記の金額には、顧客との契約から生じるすべての対価が含まれております。
なお、当社グループはIFRS第1号D34 項に規定されている免除規定に基づいて、IFRS第15号C5項(d)の実務上の便法を適用し、前連結会計年度以前の残存履行義務に配分した取引価格の総額及び収益認識時期の見込みを開示しておりません。
また、当社グループはIFRS第15号第121項(a)の実務上の便法を適用し、当初の予想期間が1年以内の契約について、残存履行義務に配分した取引価格の総額に含めておりません。
26.売上原価
売上原価の内訳は、次のとおりです。
27.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりです。
(注)販売費及び一般管理費に研究開発費が含まれております。なお、研究開発費の主な内訳は、研究開発に係る材料費であり、その他、外注費、従業員給料手当等が含まれます。
28.その他の収益
その他の収益の内訳は、以下のとおりです。
29.その他の費用
その他の費用の内訳は、以下のとおりです。
30.金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用の内訳は、以下のとおりです。
(注)前連結会計年度のアレンジメントフィーは借換えに伴うものであり、従前の借入金の消滅による損失(1,163百万円)を含んでおります。
31.その他の包括利益
その他の包括利益の内訳項目ごとの組替調整額及び税効果額は、以下のとおりです。
32.1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益及びその算定上の基礎は、以下のとおりです。
(注)当社は、2024年7月11日を効力発生日として、普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、基本的1株当たり当期利益を算定しています。
希薄化後1株当たり当期利益及びその算定上の基礎は、次のとおりです。
(注)当社は、2024年7月11日を効力発生日として、普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、希薄化後1株当たり当期利益を算定しています。
33.キャッシュ・フロー情報
(1) 財務活動から生じた負債の変動
財務活動から生じた負債の変動は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自2022年1月1日 至2022年12月31日)
(注) 長期借入金には1年内返済予定の残高を含んでおります。
当連結会計年度(自2023年1月1日 至2023年12月31日)
(注) 長期借入金には1年内返済予定の残高を含んでおります。
(2) 非資金取引
重要な非資金取引の内容は、以下のとおりです。
34.株式報酬
当社グループは、取締役及び従業員等に対するインセンティブ制度として、ストック・オプション制度を採用しております。
当社は、2023年12月期まで当社グループの取締役及び使用人にストック・オプションとして新株予約権を付与しております。ストック・オプションの行使期間は、割当契約に定められた期間であり、その期間内に行使されない場合は、当該オプションは失効します。また、権利確定日までに対象者が当社グループを退職する場合も、当該オプションは失効します。ただし、任期満了による退任等、新株予約権割当契約で認められた場合は、この限りではありません。
当社のストック・オプション制度は、持分決済型として会計処理しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度に存在する株式報酬契約は、以下のとおりです。
(注) 1.対象者に発行された新株予約権数の2分の1の割合の個数について、割当日(2021年10月15日)及び翌年の応当日に最大計2回権利付与します。割当日から2年間を経過する日までの間に、その時点の行使価額を下回る価格を発行価格とする当社の普通株式の発行等が行われたとき等は、当該新株予約権は行使できません。累積したストック・オプションは、当社の新規株式公開が実施される等の条件が成立し、新株予約権の行使時点において、対象者が当社又は当社の子会社の役員、執行役員又は従業員である場合に限り、権利行使することができます。その他の権利行使の条件は、割当契約に定めるところによります。
2.対象者に発行された新株予約権数の5分の1の割合の個数について、割当日(2021年10月15日)及び翌年以降の応当日に最大計5回権利付与します。割当日から2年間を経過する日までの間に、その時点の行使価額を下回る価格を発行価格とする当社の普通株式の発行等が行われたとき等は、当該新株予約権は行使できません。累積したストック・オプションは、当社の新規株式公開が実施される等の条件が成立し、新株予約権の行使時点において、対象者が当社又は当社の子会社の役員、執行役員又は従業員である場合に限り、権利行使することができます。その他の権利行使の条件は、割当契約に定めるところによります。
3.対象者に発行された新株予約権数の5分の1の割合の個数について、割当日(2022年2月28日)及び翌年以降の応当日に最大計5回権利付与します。累積したストック・オプションは、当社の新規株式公開が実施される等の条件が成立し、新株予約権の行使時点において、対象者が当社又は当社の子会社の役員、執行役員又は従業員である場合に限り、権利行使することができます。その他の権利行使の条件は、割当契約に定めるところによります。
(注) 4.対象者に発行された新株予約権数の5分の1の割合の個数について、割当日(2022年10月31日)及び翌年以降の応当日に最大計5回権利付与します。割当日から2年間を経過する日までの間に、その時点の行使価額を下回る価格を発行価格とする当社の普通株式の発行等が行われたとき等は、当該新株予約権は行使できません。累積したストック・オプションは、当社の新規株式公開が実施される等の条件が成立し、新株予約権の行使時点において、対象者が当社又は当社の子会社の役員、執行役員又は従業員である場合に限り、権利行使することができます。その他の権利行使の条件は、割当契約に定めるところによります。
5.対象者に発行された新株予約権数の5分の1の割合の個数について、割当日(2022年10月31日)及び翌年以降の応当日に最大計5回権利付与します。累積したストック・オプションは、当社の新規株式公開が実施される等の条件が成立し、新株予約権の行使時点において、対象者が当社又は当社の子会社の役員、執行役員又は従業員である場合に限り、権利行使することができます。その他の権利行使の条件は、割当契約に定めるところによります。
(注) 6.対象者に発行された新株予約権数の5分の1の割合の個数について、割当日(2023年6月1日)及び翌年以降の応当日に最大計5回権利付与します。割当日から2年間を経過する日までの間に、その時点の行使価額を下回る価格を発行価格とする当社の普通株式の発行等が行われたとき等は、当該新株予約権は行使できません。累積したストック・オプションは、当社の新規株式公開が実施される等の条件が成立し、新株予約権の行使時点において、対象者が当社又は当社の子会社の役員、執行役員又は従業員である場合に限り、権利行使することができます。その他の権利行使の条件は、割当契約に定めるところによります。
7.対象者に発行された新株予約権数の5分の1の割合の個数について、割当日(2023年6月1日)及び翌年以降の応当日に最大計5回権利付与します。累積したストック・オプションは、当社の新規株式公開が実施される等の条件が成立し、新株予約権の行使時点において、対象者が当社又は当社の子会社の役員、執行役員又は従業員である場合に限り、権利行使することができます。その他の権利行使の条件は、割当契約に定めるところによります。
(注) 8.対象者に発行された新株予約権数の5分の1の割合の個数について、割当日(2023年9月1日)及び翌年以降の応当日に最大計5回権利付与します。割当日から2年間を経過する日までの間に、その時点の行使価額を下回る価格を発行価格とする当社の普通株式の発行等が行われたとき等は、当該新株予約権は行使できません。累積したストック・オプションは、当社の新規株式公開が実施される等の条件が成立し、新株予約権の行使時点において、対象者が当社又は当社の子会社の役員、執行役員又は従業員である場合に限り、権利行使することができます。その他の権利行使の条件は、割当契約に定めるところによります。
9.当社は、2024年7月11日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っておりますが、当該株式分割の影響を反映させておりません。
期中に付与されたストック・オプションの数量及び加重平均行使価格は、以下のとおりです。ストック・オプションの数量については、株式数に換算して記載しております。
(注) 1.期末時点で残存している発行済みのオプションの行使価格は前連結会計年度50,800円~60,100円、当連結会計年度50,800円~110,000円であり、加重平均残存契約年数は前連結会計年度末現在8.98年、当連結会計年度末現在8.14年です。
2.当社は、2024年7月11日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っておりますが、当該株式分割の影響を反映させておりません。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
前連結会計年度に付与されたストック・オプションの公正価値は、二項モデルを用いて評価しており、評価に用いられた基礎データは以下の通りであります。
(注) 1.ストック・オプションの対象株式は付与日時点で非上場株式である為、対象会社の連結純資産額をもとに評価額を算定しております。
2.当社と類似上場企業のボラティリティをもとに見積っております。
3.当社は、2024年7月11日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っておりますが、当該株式分割の影響を反映させておりません。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当連結会計年度に付与されたストック・オプションの公正価値は、二項モデルを用いて評価しており、評価に用いられた基礎データは以下の通りであります。
(注) 1.ストック・オプションの対象株式は付与日時点で非上場株式である為、対象会社の連結純資産額をもとに評価額を算定しております。
2.当社と類似上場企業のボラティリティをもとに見積っております。
3.当社は、2024年7月11日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っておりますが、当該株式分割の影響を反映させておりません。
前連結会計年度及び当連結会計年度に認識した株式報酬費用の総額に重要性はありません。
当社グループは、適切な資本比率を維持し株主価値を最大化するため、適切な配当金の決定、自己株式の取得、新株予約権の付与、他人資本又は自己資本による資金調達を実施します。
当社グループが資本管理において用いる主な指標は、以下のとおりです。自己資本額は「親会社の所有者に帰属する持分合計」であり、自己資本比率はこれを「負債及び資本合計」で除することによって計算しております。
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
当社グループは、事業活動を遂行する過程において、様々な財務上のリスク(信用リスク、流動性リスク及び市場リスク)に晒されております。そのため、社内管理規程等に基づき、定期的に財務上のリスクのモニタリングを行い、リスクを回避又は低減するための対応を必要に応じて実施しております。
営業債権、契約資産及びその他の債権は、顧客の信用リスクに晒されております。
当社は、与信管理規則に従い、営業債権及び長期貸付金について、各事業部門における営業管理部が主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。連結子会社についても、当社の与信管理規則に準じて、同様の管理を行っております。なお、特定の取引先について重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を有する信用リスクの過度の集中はありません。
(b) 信用リスクに対する最大エクスポージャー
報告期間の末日現在の信用リスクに対する最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている帳簿価額となります。
(c) 貸倒引当金の増減
貸倒引当金の増減は、次のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
前連結会計年度及び当連結会計年度において、貸倒引当金の変動に影響を与えるような、総額での帳簿価額の著しい変動はありません。
貸倒引当金に関する金融資産の帳簿価額(貸倒引当金控除前)は、次のとおりです。
(e) 信用リスクの分析
営業債権の年齢分析は、次のとおりです。
当社グループは、主にX線回折装置、熱分析装置、蛍光X線分析装置、非破壊検査装置、真空機器及び水銀分析計等の製造販売事業を行うため、設備投資計画に照らし、必要な資金(主に銀行借入)を調達しており、支払債務の履行が困難になる流動性リスクに晒されております。当該リスクに関し、各部署からの報告に基づき財務部が適時に資金繰り計画を作成、更新するとともに、流動性リスクを管理しております。
また、当社グループは、国内の大手金融機関との間で借入枠を設定し、流動性リスクの軽減を図っております。
国内の大手金融機関との間の借入枠は、注記「38.コミットメント及び偶発事象」に記載しております。
金融負債の期日別残高は、次のとおりです。
市場環境が変動するリスクにおいて、当社グループが晒されている主要なものには為替リスク、金利リスク、価格変動リスクがあります。
(ⅰ)為替リスク管理
当社グループは、外貨建の営業取引や金融取引を行っており、外国為替相場の変動リスクに晒されております。
(ⅱ)為替変動リスクのエクスポージャー
為替変動リスクのエクスポージャー(純額)は、以下のとおりです。
(ⅲ)感応度分析
当社グループが報告日現在において保有する外貨建金融商品について、日本円が米ドル及びユーロに対して10円の通貨高となった場合に、税引前利益に与える影響額は、以下のとおりです。
(ⅰ)金利リスク管理
当社グループは、事業活動を進める上で、運転資金及び設備投資等に必要となる資金を調達することに伴い発生する利息を支払っておりますが、変動金利での借入を行っている場合には、利息の金額は市場金利の変動に影響を受けることから、利息の将来キャッシュ・フローが変動する金利リスクに晒されております。
(ⅱ)金利リスク感応度分析
前連結会計年度及び当連結会計年度に当社グループが保有する変動金利の金融商品につき、その他すべての変数が一定であることを前提として、期末日における金利が1.0%上昇した場合における連結損益計算書の「税引前当期利益」への影響額は、以下のとおりです。
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを次のように分類しております。
レベル1: 活発な市場における公表価格により測定された公正価値
レベル2: レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3: 観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
公正価値の測定に使用される公正価値ヒエラルキーのレベルは、公正価値の測定に用いた重要なインプットのうち、もっともレベルの低いインプットに応じて決定しております。公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各報告期間の期末に発生したものとして認識しております。
公正価値ヒエラルキーのレベルごとに分類された、経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の内訳は、次のとおりです。
公正価値の測定方法は、次のとおりです。
レベル1に区分した金融商品は、活発な市場における同一銘柄の市場価格が入手できる株式であり、当該市場価格を使用して評価しております。
レベル3に区分した金融資産は、非上場株式及び保険積立金であります。
非上場株式については、類似会社の市場価格及び割引キャッシュ・フロー法を使用して評価しております。保険積立金については、保険会社の提示する、解約した場合の解約返戻金に基づき評価しております。
レベル3に区分された経常的及び非経常的な公正価値測定は、当社の評価方針及び手続に従って、財務部門により行われており、金融商品の個々の資産性質、特徴並びにリスクを最も適切に反映できる評価モデルを決定しております。また、財務部門は公正価値の変動に影響を与え得る重要な指標の推移を継続的に検証しております。検証の結果、金融商品の公正価値の毀損が著しい際は、部門管理者のレビューと承認を行っております。
なお、レベル3に区分されるもののインプットについて、それぞれ合理的と考えられる代替的な仮定に変更した場合に、公正価値の金額に重要な変動はないと考えております。
公正価値ヒエラルキーレベル3に区分した経常的な公正価値測定について、期首残高から期末残高への調整表は、以下のとおりです。
(注) 1.レベル間の振替は該当ありません。
2.純損益に認識した利得又は損失は、連結損益計算書の金融収益に表示しております。
3.その他の包括利益に認識した利得又は損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に表示しております。
③償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額は、公正価値と極めて近似しているため、公正価値の開示を省略しております。
(a) 現金及び現金同等物、並びに営業債権及びその他の債権
これらはすべて短期で決済されるため、公正価値は帳簿価額と近似しております。
(b)営業債務及びその他の債務、借入金(流動)
これらはすべて短期で決済されるため、公正価値は帳簿価額と近似しております。
(c)長期借入金
変動金利の長期借入金については、短期間で市場金利を反映することから、公正価値は帳簿価額と近似していると考えられるため、当該帳簿価額によっております。
36.関連当事者取引
(1) 親会社
当社グループの親会社はAtom Investment, L.P.です。
(2) 関連当事者との取引
当社グループと関連当事者との間の取引及び債権債務の残高は、以下のとおりです。
関連当事者との取引は、独立第三者間取引を基礎として行っております。
(注)当社グループの親会社はAtom Investment, L.P.であり、カーライル・ジャパン・エルエルシー及びCIM Global LLCはその他の関連当事者に該当します。
(3) 主要な経営幹部に対する報酬
当社グループの主要な経営幹部に対する報酬は以下のとおりです。
主要な経営幹部に対する報酬は、当社の取締役及び監査役に対する報酬であります。
(4) 主要な経営幹部に対する未決済残高
当社グループの主要な経営幹部に対し、報告期間末日現在で以下の残高が未決済となっております。なお、役員退職慰労金制度は2021年度に終了しております。なお、2023年度における増加額は保留となっていた功労加算の見直しを行ったことによるものです。
37.主要な子会社
当連結会計年度末における主要な子会社の状況は、次のとおりです。
(注) 「議決権の所有割合」欄の( )内は、間接所有割合で内数を記載しております。
38.コミットメント及び偶発事象
資産の取得に関するコミットメントは、以下のとおりです。
金融機関と締結したコミットメント
当社及び一部の連結子会社においては、運転資金の効率的な調達を行うため複数の金融機関とコミットメント契約を締結しております。各連結会計年度におけるコミットメントラインに係る総額と借入未実行残高は、次の通りです。
上記の他、記載すべき重要なコミットメント及び偶発事象はありません。
39.後発事象
(株式分割)
2024年6月20日開催の取締役会において、株式分割及び株式分割にともなう定款の一部変更について決議しました。
(1) 株式分割の目的
上場後の株価水準を株式会社東京証券取引所の求める望ましい投資金額である1単元が50万円未満になることを目的としています。
(2) 株式分割の概要
①株式分割の方法
2024年7月10日を基準日として、同日最終の株主名簿に記載又は記録された株主の所有する普通株式を、2024年7月11日付で1株につき200株の割合をもって分割します。
②株式分割により増加する株式数
③株式分割の日程
40.承認日
2024年9月13日に本連結財務諸表は、代表取締役社長及び最高財務責任者によって承認されております。
41.初度適用
当社グループは、当連結会計年度からIFRSに準拠した連結財務諸表を開示しております。日本基準に準拠して作成された直近の連結財務諸表は2022年12月31日に終了する連結会計年度に関するものであり、IFRSへの移行日は2022年1月1日です。
(1) IFRS第1号の免除規定
IFRSでは、IFRSを初めて適用する会社(以下、初度適用企業)に対して、原則として、IFRSで要求される基準を遡及して適用することを求めております。ただし、IFRS第1号IFRS第1号では、IFRSで要求される基準の一部について強制的に免除規定を適用しなければならないものと任意に免除規定を適用するものを定めております。これらの規定の適用に基づく影響は、IFRS移行日において利益剰余金、又はその他の資本の構成要素で調整しております。当社グループが日本基準からIFRSへ移行するにあたり、採用した免除規定は次のとおりです。
①企業結合
初度適用企業は、IFRS移行日前に行われた企業結合に対して、IFRS第3号「企業結合」(以下、IFRS第3号)を遡及適用しないことを選択することが認められております。当社グループは、当該免除規定を適用し、移行日前に行われた企業結合に対して、IFRS第3号を適用しないことを選択しております。この結果、移行日前の企業結合から生じたのれんの額については、日本基準に基づく移行日時点での帳簿価額によっております。なお、のれんについては、減損の兆候の有無に関わらず、移行日時点で減損テストを実施しております。
②在外営業活動体の換算差額
IFRS第1号では、IFRS移行日現在の在外営業活動体の換算差額の累計額をゼロとみなすことを選択することが認められております。当社グループは、在外営業活動体の換算差額の累計額を移行日現在でゼロとみなすことを選択しております。
③株式に基づく報酬
当社グループは移行日より前に権利確定した株式報酬に対しては、IFRS第2号「株式に基づく報酬」を適用しないことを選択しております。
④リース
IFRS第1号では、初度適用企業は、契約にリースが含まれているか否かの評価をIFRS移行日時点で判断することが求められております。当社グループは、当該免除規定を適用し、移行日時点で存在する事実と状況に基づいて、契約にリースが含まれているかを判断しております。
⑤以前に認識した金融商品の指定
IFRS第1号では、IFRS第9号「金融商品」(以下、IFRS第9号)における分類について、当初認識時点で存在する事実及び状況ではなく、移行日時点の事実及び状況に基づき判断することが認められております。また、移行日時点に存在する事実及び状況に基づき資本性金融商品をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定することが認められております。
当社グループは、IFRS第9号における分類について、移行日時点で存在する事実及び状況に基づき判断を行っており、一部の資本性金融資産についてその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定しております。
(2) 調整表
IFRSの初度適用において開示が求められる調整表は次のとおりです。
なお、調整表の「表示組替」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼさない項目を、「認識及び測定の差異」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼす項目を含めて表示しております。
2022年12月31日(直近の日本基準の連結財務諸表作成日)現在の資本に対する調整
資本に対する調整の主な内容は以下のとおりです。
①営業債権及び営業債務の振替
日本基準では区分掲記していた「電子記録債権」「受取手形及び売掛金」「未収入金」「貸倒引当金(流動)」については、IFRSでは「営業債権及びその他の債権」に振替えて表示し、また、日本基準では区分掲記していた「支払手形及び買掛金」「電子記録債務」「未払金」については、IFRSでは「営業債務及びその他の債務」に振替えて表示しております。
②貸倒引当金の振替
日本基準では区分掲記していた「貸倒引当金」については、IFRSでは、「営業債権及びその他の債権」及び「その他の金融資産」から直接控除して純額で表示するように組替えております。
③その他の金融資産及びその他の金融負債の振替
日本基準では区分掲記していた「投資有価証券」については、IFRSでは「その他の金融資産(非流動)」に振替えて表示しております。
④繰延税金資産の回収可能性の再検討
IFRSの適用に伴い、全ての繰延税金資産の回収可能性を再検討しております。
⑤有形固定資産の計上額の調整
日本基準では有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法について、主として定率法を採用していましたが、IFRSでは定額法を採用しております。
⑥使用権資産及びリース負債の計上額の調整
日本基準では、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースについては通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っておりましたが、IFRSでは借手リースの分類を行わず、「使用権資産」として計上しております。また、当該リース取引の資産計上に伴うリース負債を「リース負債」に計上しております。
⑦借入金の振替
日本基準では流動負債として区分掲記していた「1年内返済予定の長期借入金」については、IFRSでは「借入金(流動)」に組替えて表示しております。また、日本基準では有利子負債に関連する手数料について発生時に一括費用処理しておりましたが、IFRSでは償却原価で測定する金融負債から控除し、実効金利法により償却原価で処理しております。
⑧その他の負債の振替
日本基準では流動負債に区分掲記していた「未払費用」は、IFRSでは「その他の流動負債」に組替えて表示しております。また、日本基準では会計処理していなかった未消化の有給休暇について、IFRSでは「短期従業員給付」として負債計上しております。
⑨在外子会社に係る累積換算差額の振替
初度適用に際して、IFRS第1号に規定されている免除規定を選択し、移行日における累積換算差額を全て利益剰余金に振り替えております。
⑩のれん償却
日本基準ではのれんについて償却しますが、IFRSでは非償却にしております。
⑪商標・商号償却
日本基準では商標・商号について償却しますが、IFRSでは一部非償却にしております。
⑫利益剰余金に対する調整
利益剰余金の認識・測定の差異調整の主な項目は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)(直近の日本基準の連結財務諸表作成年度)に係る純損益及び包括利益に対する調整
純損益及び包括利益に対する調整の主な内容は以下のとおりです。
①減価償却方法の変更
日本基準では有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法について主として定率法を採用していましたが、IFRSでは定額法を採用しております。当該変更により、減価償却費が含まれる売上原価並びに販売費及び一般管理費を調整するとともに、従来の減価償却方法を前提として計上されていた固定資産売却損益についても再計算を行っております。
②表示科目に対する調整
日本基準では「営業外収益」、「営業外費用」、「特別利益」及び「特別損失」に表示していた項目を、IFRSでは財務関係損益については「金融収益」及び「金融費用」として計上し、それ以外の項目については「その他の収益」、「その他の費用」等に表示しております。
③未消化の有給休暇
日本基準において認識していない未消化の有給休暇を、IFRSにおいては費用として認識しているため「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」を調整しております。
④法人所得税費用
日本基準では「法人税、住民税及び事業税」、「法人税等調整額」を区分掲記していましたが、IFRSでは「法人所得税費用」として一括して表示しております。また、IFRSの適用に伴い、全ての繰延税金資産の回収可能性を再検討しております。
⑤のれん償却
日本基準ではのれんについて償却しますが、IFRSでは非償却にしております。
⑥商標・商号償却
日本基準では商標・商号について償却しますが、IFRSでは一部非償却にしております。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)(直近の日本基準の連結財務諸表作成年度)に係るキャッシュ・フローに対する調整
日本基準では「営業活動によるキャッシュ・フロー」に区分していた借手リースのオペレーティング・リースの賃借料支払額を、IFRSではリース負債の返済による支出として、「財務活動によるキャッシュ・フロー」に区分しております。