第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。また、当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。

 

(1) 経営方針

当社は、「時代の転換点を創る」をミッションとし、テクノロジーを活用することでノンデスクワーカーの正社員化を推進するHR Techカンパニーとして、日本の労働問題を解消していくことで社会に貢献してまいります。

 

(2) 経営環境及び経営戦略

当社の事業が対象とする市場はノンデスクワーカーの人材市場であります。現在の日本の給与所得者の半数以上は年収400万円未満、非大卒は66%、非正規雇用の割合も37%(注)1.に上ります。一方で、既存の人材紹介サービスの多くは、専門性やキャリアを持つ即戦力の求人・転職ニーズのマッチングが主な領域であります。年収に比例した成果報酬、求職者・求人ニーズの違いから、ノンデスク領域へ進出するプレイヤーはまだ多くない状況だと認識しております。非正規雇用の分野では、新たな人材確保の手段としてスキマバイトが急拡大している一方で、各業界においては物流業界やタクシー業界におけるドライバー職、専門性を伴う建築やIT分野、アルバイトを管理する店長など、正社員が担っている業務の人材不足や中核社員の育成などは深刻な課題となっております。そうした中、求人企業は応募数を増やすために、採用ターゲットの拡大や学歴職歴を不問にするなど、未経験者を積極的に募集する求人情報も最近5年間で3倍程度増加(注)2.しております。その結果、これから正社員を目指す求職者にとっては、これまでの経験を問わず新たなチャレンジがしやすく、専門性を身につけることで所得が上がるきっかけも増えていると認識しております。当社としては、機会が増加しているノンデスク領域における人材マッチングを増やすことで、日本全体の所得向上の実現を目指してまいります。

 

(日本の給与所得者の属性割合)


(出典 年収:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査(給与所得者数)、学歴:総務省「令和4年 労働力調査年報」、雇用形態:総務省「令和4年 労働力調査年報」)

 

 

(未経験者採用に関する求人状況)


(出典 左図:厚生労働省「令和4年分 雇用動向調査」、「令和4年賃金構造基本統計調査」、右図:2024年1月リクルート社発表 「リクルートエージェントの求人分析」)

 

2022年時点で3,510億円(注)3.と試算されている従来の人材紹介業の市場規模は主にホワイトカラー・医療領域のみで構成されており、当社が特化しているノンデスク領域は既存の市場規模には含まれておりません。そのような状況の下、当社では我が国においてノンデスクワーカーの労働者数は約3,457万人(注)4.、ノンデスクワーカーの年間転職者数は約209万人(注)5.、ノンデスクワーカーの人材市場規模は約6,500億円(注)6.と試算しており、ホワイトカラー・医療領域の人材市場よりも大きな市場規模が存在すると考えております。また、Zキャリアがターゲットとするノンデスク領域では、事業の継続及び拡大において正規雇用社員数の確保が不可欠であることから、足元の正規雇用社員不足に加え、急激な労働人口の減少を背景に、引き続き採用需要は拡大すると考えております。今後は転職支援に加え、リファレンスチェック機能、AI面接機能等など、ミスマッチ防止や採用効率の向上を実現するプロダクト展開を強化することにより、周辺領域への拡大も可能と考えております。

 

今後の方針としては、主力サービス「Zキャリア」において蓄積されたデータの活用、AI技術を活用したサービス開発強化により、AI面接を受けた直後に即時的に合否判断、内定オファーが出る等の「早い」選考・転職体験の構築及びマス広告を中心とする求職者からのサービス認知率の向上により、ノンデスク領域における確固たるポジショニングの確立を目指してまいります。当該ノンデスク領域は従来の人材支援サービスが行き届いていない市場であることから、いち早くユーザーが求めるサービスを市場に投下し、求職者会員登録数及びGMV(注)7.を最大化することが重要と考えております。また、GMVに対するテイクレート(注)8.は、2024年9月期には30%台で推移しておりますが、今後ダイレクトリクルーティングに関する機能を強化すること等により、2026年9月期までに50%前後まで引き上げることを目指してまいります。ダイレクトリクルーティングによる採用決定比率が向上していくことで、人が介在しないマッチングが増加し、人件費の抑制、収益性の向上が期待されます。

 

 

(Zキャリアにおけるデータ蓄積・AI技術活用による転職体験向上を生み出す成長サイクル)


(注)1.年収:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査(給与所得者数)」

学歴:総務省「令和4年 労働力調査年報」

雇用形態:総務省「令和4年 労働力調査年報」

2.左図:厚生労働省「令和4年分 雇用動向調査」、「令和4年賃金構造基本統計調査」

右図:2024年1月リクルート社発表 「リクルートエージェントの求人分析」

3.株式会社矢野経済研究所「2023年版 人材ビジネスの現状と展望 PART1 総合人材サービス編」。

4.厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況」より情報通信業、金融業,保険業、不動産業,物品賃貸業、学術研究,専門・技術サービス業、教育,学習支援業、医療、福祉以外の産業の常用労働者数。

5.厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況」より以下の方法にて独自に推計。パートタイム労働者を除いた一般労働者への転職の中で情報通信業、金融業,保険業、不動産業,物品賃貸業、学術研究,専門・技術サービス業、教育,学習支援業、医療、福祉以外への業種への年間転職人数の合計にて算出。

6.(注)5.に記載の年間転職者数に国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査結果」における年収400万円未満比率(約52.6%)及びZキャリアの平均成約単価(約60万円)を乗じて算出。

7.GMV(Gross Merchandise Value)とはZキャリア内で転職が決定し、発生した採用成果報酬及び採用事務手数料の総額を指す。

8.プラットフォーム全体のGMVに対して当社の売上となる比率を示す。パフォーマンス収入(採用成果報酬+採用事務手数料)÷GMVにて算出。パートナー紹介会社経由によって発生した採用成果報酬はパフォーマンス収入には含まれず、GMVのみに含まれる。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社は、売上高の最大化が営業キャッシュ・フローの最大化ひいては企業価値向上につながると考えております。そのため、売上高を重要な経営指標と位置付け、将来的な売上高100億円の達成を目指し、高い成長率の維持を図ってまいります。サービス別では、主要サービスであるZキャリアはプラットフォームの規模・価値を表すGMV(注)1.、テイクレート(注)2.及びGMVの先行指標となる求職者登録数(注)3.と成約単価(注)4.を重視しております。back checkにおいてはサブスクリプション(定期購入による継続課金)型のサービスを提供しており、一社あたりのリファレンス/コンプライアンスチェックの利用頻度の向上に伴いARPU(注)5.が向上していきます。そのため年間採用人数が多い大手企業を主要なターゲットとしており、当面は獲得した大手企業に対してリファレンス/コンプライアンスチェックの利用頻度の向上に注力していることから契約企業のARPUが向上することを重視しております。

(注)1.GMV(Gross Merchandise Value)とはZキャリア内で転職が決定し、発生した採用成果報酬及び採用事務手数料の総額を指す。

2.プラットフォーム全体のGMVに対して当社の売上となる比率を示す。パフォーマンス収入(採用成果報酬+採用事務手数料)÷GMVにて算出。パートナー紹介会社経由によって発生した採用成果報酬はパフォーマンス収入には含まれず、GMVのみに含まれる。

3.Zキャリアに登録された累計の求職者登録数。

4.Zキャリア内で転職が決定した際の1名あたりの採用成果報酬及び採用事務手数料の総額を指す。GMV÷入社人数にて算出。

5.Average Revenue Per Userの略称。顧客あたりの売上高を指し、対象期間におけるback checkの売上高÷対象期間の期中平均顧客数。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

上記を踏まえ、当社の中長期的な経営戦略を達成するために対処すべき課題として以下のような課題を認識し、これに対処してまいります。

 

① 知名度・集客力の向上

当社は、運営するサービスの飛躍的な成長にとって、ノンデスクワーカー及び求人企業からの健全な知名度の向上を図ることが必要と考えております。特に、求職者の知名度はサービスの集客力に直結すると考えているため、各サービスの積極的な広告宣伝活動及び全社的な広報活動を推進してまいります。

 

② 自社による求職者と求人企業のマッチング機能の強化

当社は、Zキャリアにおいて継続的なGMV(注)1.及びテイクレート(注)2.の向上を実現するため自社によるマッチング機能の強化が重要であると考えております。具体的にはダイレクトリクルーティングに関する機能(求人企業が直接求職者を探し出し、スカウトを送付する機能等)の強化を図ってまいります。これらの結果、パートナー紹介会社を経由しない転職支援人数が増加することで、GMVの継続的な増加とテイクレートの向上を目指してまいります。

(注)1.GMV(Gross Merchandise Value)とはZキャリア内で転職が決定し、発生した採用成果報酬及び採用事務手数料の総額を指す。

2.プラットフォーム全体のGMVに対して当社の売上となる比率を示す。パフォーマンス収入(採用成果報酬+採用事務手数料)÷GMVにて算出。パートナー紹介会社経由によって発生した採用成果報酬はパフォーマンス収入には含まれず、GMVのみに含まれる。

 

③ 新規開発サービスへの継続投資

当社は、持続的な成長のため、既存サービス以外の新規サービス開発に積極的に取り組んでおります。特にノンデスクワーカーの転職ニーズは多岐に渡るため、各ニーズに応える新規サービスの開発が求職者の集客力向上に直結すると考えております。労働力不足となる今後の日本市場においては求職者に選ばれることが最も重要であり、サービスラインナップを強化することで日本で最もノンデスクワーカーに選ばれる企業となることを目指してまいります。

 

④ リファレンス/コンプライアンスチェックサービスにおけるAI技術の活用

欧米諸国と比較して日本国内において限定的にしか利用されることのなかったリファレンスチェックを普及させることにより、求職者が転職するたびにリセットされてきた信頼を次の会社でも活かすことのできる世界を実現すべく当社は、オンライン完結のリファレンス/コンプライアンスチェックサービス「back check」を運営してまいりました。

現状のコンプライアンスチェックに関する調査には、一部に人の手によるアナログな調査手法が必要となっております。そのため、大規模言語モデル等、最新のAI技術を活用することで、従来の調査にかかる時間や人件費を大幅に短縮し、より使い勝手の良いサービス提供を目的とした開発投資を継続的に行っていくことで、日本国内における普及速度を更に向上させてまいります。

 

⑤ 資金繰りの安定化

当社は、今後の成長戦略の展開に伴い、財務の充実と安定化を進めていくことが重要と考えております。これまで第三者割当増資及び借入による資金調達を実施しておりますが、今後も多様な資金調達手法を検討しながら、長期的な当社の成長を実現することに努めてまいります。

 

⑥ 業績の黒字化

当社は、ノンデスクワーカーの人材市場において早期のシェア獲得を重視するという考えに基づき、積極的な先行投資を行っております。このため、認知拡大のためのマーケティング費用、サービス開発のためのエンジニア及び転職支援人数増加のための営業人員等の人件費等の負担から、2023年9月期まで当期純損失を計上しております。今後は各種施策の実施により早期黒字化を図り、将来的には営業利益率20%程度を確保するべく新規顧客の獲得及び業務の効率化を強化する予定でありますが、市場動向・競合環境に鑑みて戦略的な先行投資を継続する場合がございます。この場合には、健全な財務状態を維持できる範囲内にて先行投資を継続してまいります。

 

⑦ システムの安定稼働と強化

当社は、インターネット技術を活用して事業を運営していることから、事業運営上、システムの安定稼働が極めて重要であると認識しております。そのため、当社は、利用者の増加、取扱データ量拡大に応じたサーバー増強を含め、システムの安定稼働のため継続的にシステム強化に取り組んでまいります。

 

⑧ 情報管理体制の強化

当社の運営する事業は、膨大な個人情報を保持しております。そのため、個人情報保護に関しては重要課題と認識しており、ISO2001(ISMS)及びプライバシーマークの取得に加えて、社内で研修を行う等、情報管理を徹底してまいります。

 

⑨ 組織体制の整備

当社の継続的な成長には、事業拡大フェーズにおいて必要となる優秀な人材を採用し、組織体制を整備していくことが重要であると認識しております。そのため、積極的な採用活動に加え、全社横断の能力開発プログラムを通じた従業員への研修行い、従業員が中長期で成長できる支援の整備を行ってまいります。また、従業員が働きやすい環境や人事制度の拡充も実施してまいります。

 

⑩ 内部管理体制の強化

当社は、急速に事業が成長しており、求められる機能も拡大しております。当社の継続的な成長には、経営上のリスクを正しく把握し、当該リスクをコントロールするための内部管理体制の強化が重要な課題と認識しております。そのため、今後も事業運営上のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、監査役会及びリスク・コンプライアンス委員会を基軸とするコーポレート・ガバナンス機能の充実等を図ってまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 当社が目指すサステナビリティ経営

当社は、「時代の転換点を創る」をミッションとして掲げ、テクノロジーを活用することでノンデスクワーカーの正社員化を推進し、低年収層の所得向上を目指すHR Techカンパニーとして、日本の労働問題を解消していくことで社会に貢献することを目指しております。どのような境遇、環境の個人であっても自らの努力次第で安定した生活、自己実現につながるキャリアを創り出すことができる社会を創り上げてまいります。

 

(2) ガバナンス体制

当社では、サステナビリティ推進体制として全社横断的なチームを設置し、営業部門と管理部門が連携しながらサステナビリティに関する取り組みについて一元的に管理・統制を行っております。また、サステナビリティに関するリスク及び機会への対応方針や実行計画等、当該チームで行われた協議内容及び報告事項については、重要性に応じて経営会議にて協議を行い適宜取締役会へ報告しております。

なお、当社のコーポレート・ガバナンス体制は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。

 

(3) リスク管理

サステナビリティに関するリスク及び機会については、後述の「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」と関連しております。当社は、リスク管理に関する基本的事項を定め、事業を取り巻く様々なリスクに対して的確な管理・実践が可能となるよう、リスク管理についての基本方針及び推進体制の概要をリスク・コンプライアンス管理規程に定めております。

リスク管理の所管部署を経営管理部とし、管理責任者は管理管掌役員としております。リスク管理責任者は、サステナビリティに関連する各リスクについても各部門責任者とともにリスクの検証を行い、全社的なリスクマネジメントに関わる課題・対応策を協議するため、原則として四半期に1度以上リスク・コンプライアンス委員会を開催しております。

 

(4) 人的資本経営に関する取組

① バリュー・行動指針の設定と徹底の浸透

当社ではミッションである「時代の転換点を創る」を達成するために、3つのバリュー及びそれぞれのバリューに紐づいた行動指針を設定しております。それぞれのバリューの詳細は以下のとおりです。

 

ROCK:固定観念に囚われず、自らが正しいことを全力で証明する

BAND:互いに欠けている部分を補い、一人ではなし得ない大きな成果を生む

SHOW:あらゆる状況においても変化を恐れず、常にベストパフォーマンスを発揮する

 

バリュー及び行動指針は人事評価制度における評価項目に組み込まれているとともに、採用基準への導入、入社時研修や各種行動指針に特化した研修の実施等を行っております。また、行動指針評価の可視化を行い、部署ごとの強化ポイントの設定・教育プランの策定サイクルを回す等の施策を実施することで浸透を図っております。

 

② 全社横断の能力開発プログラム

変化の激しい経営環境や全社横断での事業シナジー追求が求められる現在の環境下では、各事業の役職員の強固な人間関係構築や事業環境についての共通理解が求められています。そのため役職別に、全社横断でリーダーシップやマネジメント力を高める研修プログラムを実施しています。現在「ROXXカフェ(経営メンバーによる社内勉強会)」、「ROXXアカデミー(人事によるスキル研修)」、「マネージャー育成プロジェクト」等の新規能力開発プログラムを実施しております。

 

(5) 指標及び目標

当社は、サステナビリティに対し、上記のようなガバナンス及びリスク管理、戦略をとっておりますが、現時点では長期的に評価・管理する指標及び目標の設定は行っておりません。今後、長期的な評価・管理について検討を進める中で、必要がある場合には設定を行ってまいります。

また、人的資本に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関しましては、当社は、現在、女性、外国人、中途採用者等の区分で管理職の構成割合や人数の目標値等は定めておりませんが、その具体的な目標設定や状況の開示については、今後の課題として検討してまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社が考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式への投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 事業に関するリスク

① インターネットの利用環境について(発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は、インターネット技術を活用して事業を運営しているため、インターネットの利用環境は当社事業の基本的な条件であります。当社では、法改正などの情報収集、市場動向のモニタリングなどを随時行っておりますが、インターネットの利用に関する新たな規制の導入や弊害の発生、その他予期せざる要因により、今後、インターネットの利用環境に大きな変化が生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 景気変動と雇用情勢について(発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、人材紹介会社の支援及び企業の人材採用の支援を主たる事業としているため、雇用情勢の変動に影響を受ける可能性があります。当社が注力する領域は慢性的な人材不足が継続しており、将来に亘り人材不足が解消する可能性は低いため、景気変動の影響は比較的受けにくいものと想定しております。

しかしながら、想定を上回る景気悪化が起こり、求人企業の雇用水準が低迷する事態が発生した場合は、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 新規参入と競合について(発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社が事業を展開する人材採用市場は、各分野において既に多数の競合他社が存在しており、一定の競争環境があるものと認識しております。当社の中核領域である年収400万円未満のノンデスクワーカー市場においては、従来の人材市場が注力してこなかった中で、全国のパートナー紹介会社を加えたプラットフォームを構築・提供することで当該市場において、すでに一定の競争優位性を確立しているものと認識しております。今後も当社のサービスの競争優位性の強化に尽力してまいりますが、伝統的な人材紹介業者等との競争に加えて、国内の新興人材紹介業者や求人情報サービス業者等が年収400万円未満のノンデスクワーカー支援に注力する等の場合には、それらの人材採用サービスとの競争が激化する可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 技術革新への対応について(発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

当社は、新技術の積極的な投入を行い、適時に市場やクライアントのニーズに合致したサービスを構築していく方針ではありますが、技術革新等への対応が遅れた場合や、当初の計画を上回る開発費等の費用が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 新規事業について(発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社の主な事業領域であるインターネット、テクノロジーの領域は、サービスライフサイクルの短期化が著しい状況にあります。当社は、時代の変化に適応した新規サービスを次々と生み出し続けることが継続的な成長を実現するために必須であると考え、積極的に新規事業への投資を行っております。新規事業の展開・投資にあたってはリスクを軽減するために必要な情報収集及び検討を実施しておりますが、広告宣伝やシステム投資、人件費等の追加的な支出が発生し、一時的に利益率が低下する可能性があります。また、新規事業が当初の計画どおりに進捗しない場合、投資を回収できず、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑥ 入社報告に係る不正行為について(発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

Zキャリアの収益の一部は、求職者が求人企業に入社した時点で売上として計上されます。当社は、求人企業から報告を受けることにより入社確認を行っておりますが、入社の事実を適切に報告せず、成果報酬の支払いを免れようとする不正行為が発生する可能性があります。当社は、求人企業と求職者のデータの突き合せ、採用フローの進捗確認の徹底、不正が発覚した場合の罰則規定の強化を実施することで、不正行為の防止に努めております。

しかしながら、不正行為の方法が当社の想定を超えて悪質であり、当社が当該不正行為を検知できない場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 特定サービスへの依存について(発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、Zキャリアを中核サービスと位置付けております。2023年9月期の売上高(2,075,781千円)に占めるZキャリアの比率は79.1%(1,643,142千円)であり、依存度は高い状況にあります。当社は、中長期的な成長を実現するため、並行して新規サービス拡充を進めております。しかしながら、新規サービスの拡充が当初の計画どおりに進まず、Zキャリアへの依存度が継続する場合、当サービスの売上高の変動が当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 風評被害(レピュテーションリスク)について(発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社の事業においては、当社が提供するサービスの顧客認知度、ブランドイメージや社会的信用の維持及び向上が重要ですが、当社によるプロモーション活動が奏功する保証はありません。また、マスコミ報道やインターネット・ソーシャルメディアの書き込み等において、当社に対する否定的な風評が発生し流布する可能性があります。不適切な事象の発覚等に端を発して、社名が報道・公表された場合、関係各所が連携し適切に対応できる体制となっておりますが、当社サービスの欠陥や個人情報及び機密情報の流出等並びに当社に関する風評の発生等により、当社が提供するサービスのブランドイメージや社会的信用が低下し、その結果として、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) 組織体制に関するリスク

① 組織規模について(発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、従業員291名(2024年7月31日現在)であり、従業員一人当たりの業務領域が広範囲に亘ることがあります。人材育成の観点では好ましい環境である一方、急速に業務量が増加する局面において従業員の負荷が増大し業務効率に影響を与える可能性があります。

当社は、今後、事業拡大に応じた人員増強、内部管理体制の充実を図る方針でありますが、事業の拡大に応じた人員増強が順調に進まなかった場合や内部管理体制の充実がなされなかった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材の確保や育成について(発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、継続的な事業拡大や新規事業の推進のためには、優秀な人材の確保、育成及び定着が最も重要であると認識しており、従業員が働きやすさと働きがいを持って働けるよう、社会的意義の高い事業の創出及び魅力的な人事制度の構築を推進していきながら、継続的に採用活動及び人材育成に取り組んでまいります。

しかしながら、当社が求める優秀な人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び新規事業の拡大等に支障が生じ、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 特定人物への依存について(発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社の創業者であり、代表取締役である中嶋汰朗は、当社事業に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定など、当社の事業活動全般において重要な役割を果たしております。現在、当社では同氏に過度に依存しないよう、経営体制の整備、人材の育成を行う等リスクの軽減に努めておりますが、何らかの理由により同氏による当社業務の遂行が困難となった場合、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

④ 内部管理体制について(発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、コンプライアンス及びコーポレート・ガバナンスの徹底を図るための様々な施策を実施しております。また、業務の適正化並びに財務報告の信頼性確保のため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 法的規制に関するリスク

① 一般的な法的規制について(発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社サービスを規制する主な法規制として、「職業安定法」、「個人情報の保護に関する法律」、「電気通信事業法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」及び「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等があります。当社は、これらの法規制に遵守したサイト運営を実施しており、今後も法令遵守体制の強化や社内教育の実施等を行ってまいりますが、新たな法規制の制定や改正が行われ、当社が運営するサービスが新たな法規制の対象となる場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 許認可について(発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社の中核サービスである Zキャリアは、職業安定法に基づいて事業を営んでおります。当社では、社内の管理体制の構築等により、これらの法令等を遵守する体制を整備しているとともに、当社のサービスを利用する求職者、求人企業、人材紹介会社に対しても、これらの法令等の遵守を促すよう、当社利用規約に明記する他、サービス内等にて周知しております。現時点でサービス継続に支障を来す要因等は発生しておりませんが、職業安定法に定める有料職業紹介事業者としての取消事由に該当若しくは法令に違反する事項が発生した場合、サービスの停止や派遣事業主又は有料職業紹介事業者の許可の取り消しをされる可能性があり、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、規制当局の動向及び既存の法規制の改正動向等について、適切に対応していく予定ではありますが、かかる動向を全て正確に反映することは困難な場合もあり、当社がこれに適時かつ適切に対応できない場合や、当社の営むサービスに不利な影響を及ぼすものであった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該許可の内容、有効期限及び主な取消事由については以下のとおりです。

 

許可の名称

取得年月

及び所管官庁等

許可の内容

及び有効期限

主な取消事由

有料職業紹介事業許可

2016年2月1日

厚生労働省

有料職業紹介事業の許可

許可番号 13-ユ-307543

有効期限 2029年1月31日

以後5年ごと更新

次のいずれかに該当したとき(職業安定法第32条の9第1項)

(イ)法第32条各号(第5号から第8号までを除く。)のいずれかに該当しているとき。

(ロ)法若しくは労働者派遣法(第3章第4節の規定を除く。)の規定又はこれらの規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。

(ハ)法第32条の5第1項の規定により付された許可の条件に違反したとき。

 

 

③ 個人情報保護について(発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は、提供するサービスに関連して個人情報を取り扱っているため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。当社は、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、アクセスできる従業員を限定すると共に、個人情報保護規程等を制定し、全従業員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びに当社に適用される関連ガイドラインを遵守し、また、ISMS(ISO/IEC27001)(注)1.及びプライバシーマーク制度(注)2.の認定を受けることで、同制度に基づいた適切な個人情報の保護措置を講じております。

しかしながら、当社が保有する個人情報等につき漏洩、改ざん、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとは言えません。したがいまして、これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うための相当なコストの負担、当社への損害賠償請求又は信用の低下等によって、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(注)1.ISMS(ISO/IEC27001)とはスイスのジュネーブに本部を置く非政府機関 International Organization for Standardizationが制定したマネジメントシステムの規格であり、当社はSGSジャパン株式会社による審査を経て、規格に適合している承認を得ております。

2.プライバシーマーク制度とは、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が行う日本工業規格「JIS Q15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に適合して、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備する事業者等として認定する制度のことです。認定された事業者には「プライバシーマーク(Pマーク)」の使用が認められます。

 

④ リファレンスチェックによって生じるリスク(発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

当社が運営するback checkは、サービス内でリファレンスチェックを実施するため、求職者のリファレンスを記載する推薦者の回答が勤務先の就業規則及び法令違反に該当する可能性が存在します。具体的には推薦者の回答に勤務先の機密情報や要配慮個人情報が含まれること等が挙げられます。これらの可能性を防止するため回答時における十分な注意喚起を実施しております。しかしながら、これらの法令違反等を完全に排除することは困難であるため、これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うためのコストの負担、当社への信用の低下等によって、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 知的財産権について(発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

当社の提供するサービスが第三者の特許権、著作権等の知的財産権を侵害する可能性については、弁理士等の外部専門家を通じて調査を行っておりますが、当社の提供するサービスに関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社が認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。また、将来当社が提供するサービスに関連して、当社が知的財産権を取得するよりも前に他の事業者等が特許権その他の知的財産権を取得する可能性があります。これらの場合、当社に対する訴訟等が発生し、当社が提供するサービスに影響が出る可能性があるほか、当該訴訟等への対応のために必要となるコストの発生により当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 訴訟に関するリスク(発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

当社は、2023年9月期において競合事業を営む企業から当社が同社の営業秘密を不正に利用等したとして不正競争防止法違反を指摘する書面を受領しております。当社はこれに基づき事実関係の社内調査を行ったうえで弁護士に見解を求めたところ、調査した事実関係においては、営業秘密に該当する可能性は相当程度低く、不正競争防止法違反による損害賠償責任を負う可能性は比較的低いとの意見を受領しております。これらの経緯を踏まえ、同様の法令違反を疑われることがないよう当社従業員に研修を実施するとともに、類似ケースが発生していないかの社内調査を実施し、発生していないことを確認いたしました。このように、当社は同社からの書面受領後に様々な対応を行い、適法性の確認・強化を実施しましたが、同社が訴訟等を提起する可能性は否定できず、対応の負担から当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当社は、コンプライアンス研修の推進等、役員及び従業員の法令違反等の低減努力を実施しておりますが、当社ならびに当社役員及び従業員の法令違反等の有無にかかわらず、取引先、従業員その他第三者との予期せぬトラブル、訴訟等が発生する可能性があります。個々の係争が発生する可能性を予測することはできず、また、個々の係争に係る発生時期も予測することは困難ですが、訴訟等の結果にかかわらず、多大な訴訟対応費用の発生や信用及びブランドイメージ等の低下等により、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、訴訟等の結果、当社のサービス等の停止等の事態が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) その他リスク

① システムトラブルについて(発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社のサービスは、インターネットを介して提供されております。安定的なサービスの運営を行うために、サーバー設備の増強、セキュリティの強化、システム管理体制の構築等により、システム障害に対する万全の備えをしております。

しかしながら、大規模なプログラム不良や自然災害、事故、不正アクセス、その他何らかの要因によりシステム障害やネットワークの切断等予測不能なトラブルが発生した場合には、当社が提供するサービスに影響が出る可能性があるほか、社会的信用失墜等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 継続的な投資と赤字計上について(発生可能性:高、顕在化する可能性のある時期:1年以内、影響度:中)

当社は、継続的な成長のため、求職者からの認知度の拡大と顧客数の増加及び優秀な人材獲得に努めてまいりました。近年、ノンデスクワーカーの人材市場のシェアを獲得することを優先し、これらの取り組みを積極的に進めてきたため、営業損失を計上しております。一方で、営業利益を定常的に創出するべく、新規顧客の獲得及び業務の効率化に注力し、営業利益率の継続的な改善を目指してまいりますが、市場環境及び競争環境に鑑み、ノンデスクワーカー市場の早期シェア獲得を優先し、求職者からの認知度の拡大に資する投資を継続することで赤字計上が継続する可能性があります。

 

③ 税務上の繰越欠損金について(発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

2023年9月期末には当社に税務上の繰越欠損金が存在しております。これは法人税負担の軽減効果があり、今後も当該欠損金の繰越期間の使用制限範囲内においては納税額の減少により、キャッシュ・フロー改善に貢献することになりますが、当社の経営成績が順調に推移することにより、繰越欠損金が解消した場合、又は、業績の下振れ等により繰越期限の失効する繰越欠損金が発生した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純損益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

④ 配当政策について(発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題と位置づけております。現在、当社は引き続き成長過程にあると考えており、持続的成長に向けた積極的な投資に資本を充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると判断しております。このことから創業以来配当は実施していません。将来的には、各期の財政状態、業績及びキャッシュ・フローの状況を勘案したうえで株主に対して利益還元策を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその時期等については未定であります。

 

⑤ 資金調達の使途について(発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社が今回計画している公募増資による調達資金については、Zキャリアの認知拡大を目的としたテレビCMを中心としたマス広告へ5億円程度、Zキャリアのプロダクト開発の強化を目的としたシステム開発関連費に1.1億円程度充当する予定であります。しかしながら、急速に変化する外部環境その他の事由により当初の予定以外の資金使途となる可能性があるほか、当初の予定に沿って資金を充当したとしても計画通りの投資効果が得られない可能性があります。当社は、外部環境の変化を察知するとともに、予め様々なシナリオに備えた投資計画・資金計画を作成することで当該リスクに対応してまいります。

 

⑥ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:高、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

当社では、当社の役職員に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しており、本書提出日現在における新株予約権における潜在株式は753,700株であり、発行済株式総数6,948,170株の10.85%に相当します。新株予約権の行使可能期間の分散等を図っておりますが、これらの新株予約権が行使された場合には、当社の株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

 

⑦ 自然災害等の発生について(発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

地震・台風等の自然災害、テロ、パンデミック等が発生した場合、当社の事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。当社は、リモートワーク環境の整備による拠点に依存しない業務体制の構築等、事業継続のための体制整備を図っておりますが、災害等の状況によっては、事業活動に支障が生じ、売上高の減少など、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりであります。

① 財政状態の状況

第10期事業年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)

(資産)

当事業年度末における総資産は1,484,617千円(前年度末比182,030千円の減少)となりました。流動資産は1,367,673千円(前年度末比234,822千円の減少)となりました。これは主に、求職者紹介による取引が伸長したことにより売掛金及び営業未収入金が増加したものの、当事業年度の活動に伴い現預金が421,503千円減少したことによるものであります。固定資産は116,943千円(前年度末比52,792千円の増加)となりました。これは主に、PC等の一括購入に伴う有形固定資産の増加によるものであります。

(負債)

当事業年度末における流動負債は1,088,338千円(前年度末比416,746千円の増加)となりました。これは主に、Zキャリアサービスの拡大に伴いGMVが増加したことで営業未払金の増加158,323千円、人員拡大に伴う賃金給与増加による未払金の増加109,787千円によるものであります。

固定負債は83,166千円(前年度末比11,726千円の増加)となりました。これは、新たな借入を実行したことにより長期借入金が11,726千円増加したことによるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産は313,113千円(前年度末比610,502千円の減少)となりました。これは主に、当期純損失による利益剰余金の減少746,359千円、増資による資本金の増加67,404千円、資本準備金の増加67,404千円、無償減資による資本金の減少67,404千円、その他資本剰余金の増加67,404千円、欠損補填によるその他資本剰余金の減少67,404千円、利益剰余金の増加67,404千円によるものであります。

 

第11期第2四半期累計期間(自 2023年10月1日 至 2024年3月31日)

(資産)

当第2四半期会計期間末における総資産は1,572,440千円(前年度末比87,822千円の増加)となりました。

流動資産は1,411,959千円(前年度末比44,285千円の増加)となりました。これは主に、現金及び預金の減少49,208千円の他、Zキャリアサービスにおけるパフォーマンス収入が伸長したことにより売掛金の増加36,044千円、営業未収入金の増加12,881千円、前渡金及び前払費用を含むその他の増加35,338千円によるものであります。

固定資産は160,481千円(前年度末比43,537千円の増加)となりました。これは主に、オフィス増床に伴う敷金及び保証金の増加45,318千円によるものであります。

(負債)

当第2四半期会計期間末における負債は1,535,998千円(前年度末比364,494千円の増加)となりました。

流動負債は1,166,044千円(前年度末比77,706千円の増加)となりました。これは主に、Zキャリアサービスにおけるパフォーマンス収入が伸長したことにより営業未払金の増加32,925千円、従業員数の増加に伴う未払金の増加61,245千円の他、未払費用の増加7,266千円、契約負債の増加8,806千円、未払消費税等の減少39,055千円によるものであります。

固定負債は369,954千円(前年度末比286,788千円の増加)となりました。これは、長期借入金の増加286,788千円によるものであります。

(純資産)

当第2四半期会計期間末における純資産は36,442千円(前年度末比276,671千円の減少)となりました。これは主に、四半期純損失による利益剰余金の減少436,669千円、増資による資本金の増加79,998千円、資本準備金の増加79,998千円によるものであります。

 

第11期第3四半期累計期間(自 2023年10月1日 至 2024年6月30日)

(資産)

当第3四半期会計期間末における総資産は3,145,726千円(前年度末比1,661,108千円の増加)となりました。

流動資産は2,995,402千円(前年度末比1,627,728千円の増加)となりました。これは主に、現金及び預金の増加1,494,785千円の他、求職者紹介による取引が伸長したことによる売掛金の増加70,128千円、営業未収入金の増加40,100千円、その他の増加13,703千円によるものであります。

固定資産は150,323千円(前年度末比33,379千円の増加)となりました。これは主に、オフィス増床に伴う敷金 及び保証金の増加41,449千円によるものであります。

(負債)

当第3四半期会計期間末における負債は2,888,734千円(前年度末比1,717,230千円の増加)となりました。

流動負債は1,712,831千円(前年度末比624,493千円の増加)となりました。これは主に、求職者紹介による取引が伸長したことにより営業未払金の増加120,952千円、人員拡大に伴う賃金給与増加による未払金6,309千円の増加の他、1年内返済予定の長期借入金の増加429,453千円、その他の増加69,466千円によるものであります。固定負債は1,175,903千円(前年度末比1,092,737千円の増加)となりました。これは、長期借入金の増加1,092,737千円によるものであります。

(純資産)

当第3四半期会計期間末における純資産は256,991千円(前年度末比56,121千円の減少)となりました。これは主 に、四半期純損失による利益剰余金の減少516,118千円、増資による資本金の増加229,998千円、資本準備金の増加229,998千円によるものであります。

 

② 経営成績の状況

第10期事業年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)

当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の分類が2類から5類へ移行し、社会経済活動の正常化が進む中で、景気の緩やかな回復傾向が見られました。日本国内の有効求人倍率(季節調整値)は2023年9月に1.29倍となり、人材需要は堅調に推移しました。一方で、不安定な世界情勢が長期化し、世界的な金融引き締めが続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、注視すべき状況が続いています。

このような情勢においても、当社が注力するノンデスク領域では、引き続き慢性的な人材不足により高い有効求人倍率水準を維持しています。

このような状況のもと、当社は、「時代の転換点を創る」をミッションに掲げ、ノンデスクワーカー向け転職支援プラットフォーム「Zキャリア」と、オンライン完結型のリファレンス/コンプライアンスチェックサービス「back check」を運営してまいりました。

当事業年度においては、「Zキャリア」のパートナー紹介会社の拡充、求人開拓及び求職者会員登録数の拡大を図るとともに、「back check」のプロダクト開発への投資を行ってまいりました。

その結果、当事業年度における「Zキャリア」の売上高は前年度比70.7%増の1,643,142千円となりました。また、「back check」の売上高は前年度比72.2%増の432,639千円となりました。

以上の結果、当事業年度における売上高は2,075,781千円(前年度比71.0%増)、営業損失は746,113千円(前年度は営業損失744,370千円)、経常損失は742,951千円(前年度は経常損失748,993千円)、当期純損失は746,359千円(前年度は当期純損失841,628千円)となりました。

なお、当社は、HR tech事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績の記載はしておりません。

 

第11期第2四半期累計期間(自 2023年10月1日 至 2024年3月31日)

当第2四半期累計期間における我が国経済は、社会経済活動の正常化が進展し、企業収益や個人消費の持ち直しが見られ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、不安定な世界情勢の長期化に伴う資源価格の高騰や、世界的な金融引き締めの影響など、世界経済の下振れリスクは依然として解消しておらず、先行きが不透明な状況が続いています。

このような情勢の中にあっても、当社の主たるノンデスク領域においては、引き続き慢性的な人材不足により高い有効求人倍率水準を維持しております。

当社は、「時代の転換点を創る」というミッションを掲げ、ノンデスクワーカー向け転職支援プラットフォーム「Zキャリア」と、オンライン完結型のリファレンス/コンプライアンスチェックサービス「back check」を運営しております。

当第2四半期会計期間においては、「Zキャリア」のプラットフォーム拡大に向けた求職者集客、AIを活用したプロダクト開発の強化及び「back check」のコンプライアンスチェックプロセス自動化への投資を行ってまいりました。

その結果、当第2四半期累計期間における「Zキャリア」の売上高は1,219,560千円となりました。また、「back check」の売上高は285,317千円となりました。

以上の結果、当第2四半期累計期間における売上高は1,504,877千円、営業損失は439,673千円、経常損失は435,524千円、四半期純損失は436,669千円となりました。

なお、当社は、HR tech事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績の記載はしておりません。

 

第11期第3四半期累計期間(自 2023年10月1日 至 2024年6月30日)

当第3四半期累計期間の我が国経済は、社会経済活動の正常化が進展すると共に、企業収益や個人消費の持ち直しが見られ、景気は緩やかな回復基調で推移した反面、世界的な金融引締めに伴う為替変動の影響、継続的な物価上昇圧力に伴う世界経済の下振れリスクにより、依然として先行きが不透明な状況にあります。一方で、当社が注力しているノンデスク領域においては、引き続き慢性的な人材不足により高い有効求人倍率水準を維持しております。

このような状況のもと、当社は、「時代の転換点を創る」をミッションに掲げ、ノンデスクワーカー向け転職支援プラットフォーム「Zキャリア」とオンライン完結型のリファレンス/コンプライアンスチェックサービス 「back check」を運営してまいりました。

当第3四半期会計期間においては、「Zキャリア」のプラットフォーム拡大に向けた求職者集客及びダイレクト リクルーティング機能開発の強化、「back check」のコンプライアンスチェックの自動化への開発投資を行なってまいりました。

この結果、当第3四半期累計期間における「Zキャリア」の売上高は1,999,289千円となりました。「back check」の売上高は424,149千円となりました。

以上の結果、当第3四半期累計期間における売上高は2,423,439千円、営業損失は511,842千円、経常損失は 514,400千円、四半期純損失は516,118千円となりました。

なお、当社は、HR tech事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績の記載をしておりません。

 

③ キャッシュ・フローの状況

第10期事業年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)

当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比べ421,503千円減少し、781,584千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは488,200千円の支出(前年同期は749,956千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純損失742,951千円を計上したこと、取引増加に伴う営業未払金の増加額158,323千円、人件費の増加に伴う未払金の増加額108,218千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは51,150千円の支出(前年同期は120,190千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得(今後の人員増強を見据えたPC備品等の一括購入)などによる支出47,740千円などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは117,847千円の獲得(前年同期は973,141千円の獲得)となりました。これは主に、株式の発行による収入134,808千円などによるものであります。

 

 

第11期第2四半期累計期間(自 2023年10月1日 至 2024年3月31日)

当第2四半期累計期間期末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末から49,208千円減少し、732,375千円となりました。当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況と、その主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは445,947千円の支出となりました。これは主に、税引前四半期純損失435,524千円を計上したこと、売上債権の増減額36,044千円、営業未収入金の増加額12,881千円、未払消費税等の増加額39,055千円があった一方で、営業未払金の増加額32,925千円、未払金の増加額56,107千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは49,332千円の支出となりました。これは主に、オフィス増床に伴う敷金及び保証金の差入による支出48,787千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは446,071千円の獲得となりました。これは主に、株式の発行による収入159,997千円、長期借入れによる収入300,000千円があった一方で、長期借入金の返済による支出13,062千円があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

b.受注実績

当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

c.販売実績

販売実績は、次のとおりであります。

当社は、HR tech事業を単一セグメントとして展開しておりますが、第10期、第11期第2四半期累計期間及び第11期第3四半期累計期間におけるサービス別販売実績を示すと次のとおりであります。

 

サービス

第10期

(自 2022年10月1日

 至 2023年9月30日)

第11期第2四半期累計期間

(自 2023年10月1日

 至 2024年3月31日)

第11期第3四半期累計期間

(自 2023年10月1日

 至 2024年6月30日)

売上高(千円)

前期比(%)

売上高(千円)

売上高(千円)

Zキャリアサービス

1,643,142

170.7

1,219,560

1,999,289

back checkサービス

432,639

172.2

285,317

424,149

合計

2,075,781

171.0

1,504,877

2,423,439

 

(注)主要な販売先の記載については、総売上高に対する販売先別の売上高割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。

当社の財務諸表を作成するにあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績

第10期事業年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)

(売上高)

当事業年度において売上高は2,075,781千円(前期比71.0%増)となりました。Zキャリアサービスにおいては、プラットフォームにおける転職支援者数が増加したことによって、GMV(注)が順調に拡大した結果、売上高は1,643,142千円(前期比70.7%増)となりました。back checkサービスにおいては、大手企業の契約増加に伴い、コンプライアンスチェック実施件数が増加した結果、売上高は432,639千円(前期比72.2%増)となりました。

(注)Gross Merchandise Valueの略称。Zキャリア内で転職が決定し、発生した採用成果報酬及び採用事務手数料の総額を指す。

 

(売上原価、売上総利益)

売上原価は335,101千円となりました。これはZキャリアサービスにおけるプラットフォームの規模拡大に伴うカスタマーサポート人員の増加による労務費が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は1,740,680千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業損失)

販売費及び一般管理費は2,486,793千円となりました。これは求職者集客費用、人員の拡大に伴う人件費等の増加によるものであります。この結果、営業損失は746,113千円となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常損失)

営業外収益は6,587千円、営業外費用は3,426千円となりました。この結果、経常損失は742,951千円となりました。

 

(特別利益、特別損失、当期純損失)

特別利益、特別損失の計上はなく、法人税等3,407千円を計上した結果、当期純損失は746,359千円となりました。

 

 

第11期第2四半期累計期間(自 2023年10月1日 至 2024年3月31日)

(売上高)

当第2四半期累計期間において売上高は1,504,877千円となりました。Zキャリアサービスにおいては、プラットフォームにおける転職支援者数が増加したことによって、GMVが順調に拡大した結果、売上高は1,219,560千円となりました。back checkサービスにおいては、大手企業の契約増加に伴い、コンプライアンスチェック実施件数が増加した結果、売上高は285,317千円となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

売上原価は200,059千円となりました。これはZキャリアサービスにおけるプラットフォームの規模拡大に伴うカスタマーサポート人員の増加による労務費が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は1,304,818千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業損失)

販売費及び一般管理費は1,744,491千円となりました。これは求職者集客費用、人員の拡大に伴う人件費等の増加によるものであります。この結果、営業損失は439,673千円となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常損失)

営業外収益は10,866千円、営業外費用は6,716千円となりました。この結果、経常損失は435,524千円となりました。

 

(特別利益、特別損失、四半期純損失)

特別利益、特別損失の計上はなく、法人税等1,145千円を計上した結果、四半期純損失は436,669千円となりました。

 

第11期第3四半期累計期間(自 2023年10月1日 至 2024年6月30日)

(売上高)

当第3半期累計期間において売上高は2,423,439千円となりました。Zキャリアサービスにおいては、プラットフォームにおける転職支援者数が増加したことによって、GMVが順調に拡大した結果、売上高は1,999,289千円となりました。back checkサービスにおいては、大手企業の契約増加に伴い、コンプライアンスチェック実施件数が増加した結果、売上高は424,149千円となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

売上原価は332,454千円となりました。これはZキャリアサービスにおけるプラットフォームの規模拡大に伴うカスタマーサポート人員の増加による労務費が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は2,090,985千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業損失)

販売費及び一般管理費は2,602,828千円となりました。これは求職者集客費用、人員の拡大に伴う人件費等の増加によるものであります。この結果、営業損失は511,842千円となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常損失)

営業外収益は13,674千円、営業外費用は16,231千円となりました。この結果、経常損失は514,400千円となりました。

 

(特別利益、特別損失、四半期純損失)

特別利益、特別損失の計上はなく、法人税等1,717千円を計上した結果、四半期純損失は516,118千円となりました。

 

b.財政状態の分析

前述の「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」をご参照ください。

 

c.キャッシュ・フローの分析

前述の「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社の運転資金需要のうち主なものは、各事業におけるシステム開発及び事業拡大のための人件費、並びに認知度向上、ユーザー数拡大のための広告費及び販促費等であります。これらの資金については自己資金及び必要に応じて銀行からの借入金を基本にしており、過去の借入実績及び当社の営業赤字幅の縮小傾向等の財務改善を考慮した際に、過去借入実行した金額の範囲は借入可能と考えております。今後の更なる業容拡大に対応するための資金に関しては、自己資金に加えて、今後予定されている株式上場時の資金調達を用いて、成長投資の実行とともに財務基盤の強化を図ってまいります。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

(5) 経営者の問題意識と今後の方針に関して

経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

(6) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析

当社の経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等及び当該指標の推移につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略及び目標とする経営指標等」に記載のとおりであります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

提携契約

 

相手先

国名

契約内容

契約期間

パーソルキャリア株式会社

日本

Zキャリアにおける業務提携

2022年4月1日から1年、

ただし毎年自動更新

株式会社PKSHA Technology

日本

ZキャリアにおけるAI面接機能の共同開発

2024年4月1日から2025年9月30日

 

 

6 【研究開発活動】

当社は、転職プラットフォームとしてZキャリアサービスの運営とオンライン完結型のリファレンス・コンプライアンスチェックサービスを展開しており、既存サービスの高付加価値化や新規サービスの創造につなげる活動を行っております。研究開発活動はエンジニアを採用することで、自社で実施しており、研究開発活動の成果としてはコンプライアンスチェックサービスの一部、自動化を図る機能等の開発が挙げられます。

 

第10期事業年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)

 当事業年度における研究開発費の総額は142,153千円であります。

 

第11期第2四半期累計期間(自 2023年10月1日 至 2024年3月31日)

 当第2四半期累計期間における研究開発費の総額は79,591千円であります。

 

第11期第3四半期累計期間(自 2023年10月1日 至 2024年6月30日)

 当第3四半期累計期間における研究開発費の総額は133,198千円であります。