第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「A Company for Imagination & Innovation ― 常に変化と成長を続け顧客と社会に革新をもたらす知的創造企業」を企業理念とし、ITを駆使して顧客企業の価値を創造することをミッションとして、大手企業の組織及びITの変革に伴走する「エンタープライズDX事業」を展開しております。

 

かつて日本が高度経済成長を遂げた背景には、大手企業(エンタープライズ企業)の躍進がありました。技術革新や新しい文化・価値観の創出が相互に作用し、未来に対する希望が社会全体を支える中、日本の技術力や勤勉さは世界的にも高く評価され、大きな経済成長をもたらしました。

 

しかしながら、1990年代以降の「失われた30年」において、日本のエンタープライズ企業は国際競争力を徐々に失ってまいりました。当社グループは、その主たる要因が「組織」と「デジタル」にあると考えております。

 

日本経済が長期停滞を脱し再び成長軌道に乗るためには、エンタープライズ企業が事業を変革し、市場での競争優位性を取り戻すとともに、グローバルに事業を展開して新たな市場を開拓することが必要であると認識しております。一方で、歴史ある大企業においては、長年にわたり維持してきた既存の組織、人財、管理体制、システムといった成熟した資産が変革の足枷ともなり得ます。こうした状況を克服するためには、エンタープライズ企業が事業そのもののみならず、それを支える組織及びITを変革していくことが不可欠であると考えております。

 

当社グループでは、エンタープライズ企業が新たな価値を創出しながら組織とITの変革を進める取り組みを「エンタープライズDX」と位置づけ、ヘルスケア、小売・流通、モビリティ、通信、建設、製造、金融など各業界におけるリーディングカンパニーを主要な顧客とし、それぞれの事業特性や強みを深く理解したうえで、顧客のエンタープライズDXを実現する「エンタープライズDX事業」を展開しております。

 

日本のエンタープライズ企業には、長年にわたり培われた技術力、高品質なサービス、信頼されるブランドといった膨大なレガシー資産が蓄積されております。また、これらを支えてきた優秀な人財も多数在籍しており、潜在的な力は極めて大きいものと考えております。当社グループのエンタープライズDX事業は、こうしたエンタープライズ企業が保有するレガシー資産を最大限活用し、本来有している力を発揮できるようにすることを目的としております。そして、エンタープライズDXの推進を通じて創出される新たな価値が、日本経済全体の再成長につながるものと確信しております。

 

顧客企業の価値創造を通じて社会に革新をもたらすこと。それが私たちの使命であり、喜びであります。

 

(2) 経営環境

当社グループが提供するサービス領域は、エンタープライズ企業向けのDX市場であります。

 

経済産業省が2018年に公表した「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」(注1)において、2025年以降もレガシーシステムが残存することで発生するシステム障害に起因する経済損失が、最大で年間12兆円に達する可能性があると指摘されたことを契機に、国内企業のDX推進は急速に加速しております。

株式会社富士キメラ総研のレポートによると、国内のDX市場は2030年には投資額が9兆2,666億円に達し、2023年(4兆5,309億円)の約2倍に拡大すると予測されております(注2)。このように、DX関連投資は今後も拡大基調で推移する見込みです。

 

株式会社日経ビーピーコンサルティングのレポートによれば、日本は創業年数100年以上の企業数が世界で最も多く、さらに、売上高500億円以上の企業における創業年数100年以上の企業の出現率についても、主要国の中で最も高いと報告されております(注3)。

また、株式会社三菱総合研究所のレポート「IMD『世界競争力年鑑』2023年版からみる日本の競争力 第2回:分析編」(注4)においては、日本の競争力向上に資する主要な要素として、「企業におけるDX化」を含む「デジタル化」と「グローバル化」が挙げられております。

このような背景から、当社グループが主に対象としているエンタープライズ企業向けのDXサービス市場は裾野が広く、今後も国際的な競争力の向上に向けて積極的なDX投資が継続すると見込んでおります。

 

エンタープライズ企業がDXを推進するにあたり、特に重要な課題は「グローバルサウスを中心とした海外市場への事業拡大」「アジャイルな社内開発体制の構築」「DX推進人材の量・質の確保」の3点であると認識しております。当社グループは、これらの主要課題に対応可能なDXパートナーとして、独自の強みと優位性を有しております。

 

a.グローバルサウスを中心とした海外市場への事業拡大

日本では、少子高齢化や人口減少により国内市場の縮小が懸念されております。一方で、グローバルサウス諸国は豊富な人口や資源を背景に高い経済成長を続け、世界経済を牽引しております。

 

株式会社三菱総合研究所のレポート(注5)によれば、2050年には世界人口の約3分の2がグローバルサウスに居住すると予測されております。また、ゴールドマン・サックス・グループ・インクのグローバルペーパー(注6)では、今後30年間に世界GDPの重心がさらにアジア諸国へと移行すると分析されており、2050年にはインドネシアとブラジルが世界GDP上位10か国に加わると予測されております。さらに、2075年にはナイジェリア、パキスタン、エジプトなどの国々も新興経済大国として台頭する可能性があると報告されております。

 

当社グループの顧客においても、こうしたグローバルサウスを中心とする海外市場において、日本企業が有する高品質なサービスを展開することが、今後の成長を支える主要なドライバーになると認識しております。

 

b.アジャイルな社内開発体制の構築

経済産業省の「DXレポート2(中間とりまとめ)」(注7)では、DXの本質は、単に既存システムを刷新・高度化することにとどまらず、事業環境の変化に迅速に適応できる能力を身につけ、固定的な企業文化から脱却することにあると提言されております。

また、同レポートでは、競争力の源泉となるITシステムの構築にあたっては、企業自らが変革を主導することが重要であり、社外への長期間・一括発注による開発ではなく、アジャイル型の開発体制を社内に構築し、市場の変化に応じて小規模な開発を反復的に行うことが望ましいと指摘されております。

さらに、変革を確実に推進するためには、対等な立場で協働し、必要な技術やノウハウを提供できる企業とのパートナーシップを構築することが重要であるとされております。

 

しかしながら、現状のDX市場における支援サービスの多くは「オンライン会議の導入」や「ペーパーレス化」といった一部業務の効率化・省力化にとどまっております。当社グループが定義する「エンタープライズDX」、すなわち顧客が自ら新たな価値創出を実現しながら組織とITを変革する取り組みに伴走できるパートナーは、依然として限られているのが現状であります。

 

当社グループは、一般的なITコンサルティングファームやシステムインテグレータとは異なり、「出島型アプローチ」により顧客と一体的に変革を推進し、事業価値を自ら創造し続ける自走型DX組織への転換を支援する独自のポジショニングを確立しております。

 

c.DX推進人財の量・質の確保

DXの推進にあたっては、それを主導する人財の確保が極めて重要でありますが、近年、DX推進人財の不足が各所で指摘されており、深刻な課題となっております。

 

2019年に公表された「IT人材需給に関する調査」(注8)では、「従来型IT人材」から「先端IT人材」へスキル転換する人材の割合が1.0%にとどまる場合、2030年には「先端IT人材」が54.5万人不足する一方で、「従来型IT人材」は9.7万人の供給過多になる可能性があると報告されております。

 

また、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX白書2023」(注9)によれば、日本企業の83%以上がDX推進人材の「量」、86%以上が「質」について不足していると回答しております。さらに、同機構の「デジタルトランスフォーメーションに必要な技術と人材」(注10)では、「システム全体を俯瞰して思考できる人材」や「ビジネスをデザインできる人材」、「IoT等の新技術の専門技術者」などの不足が課題であると指摘されております。

 

当社グループにおいては、グローバルDX人財の採用及び育成を成長力の源泉として重視しております。自社で実践している採用スキームや人財育成プログラムを顧客企業にも展開し、実践的なノウハウの蓄積を通じて、グローバルDX人財育成のエコシステムを構築しております。

 

 

(3) 経営戦略

当社グループは、エンタープライズ顧客のDXを支援する既存事業を着実に成長させながら、中長期では共創型事業によるスケーラブルな成長を目指していく計画であります。

 

<既存事業の着実な成長>

既存事業の着実な成長においては、エンタープライズ顧客基盤の拡大とサービス提供力の拡大に取り組んでまいります。

当社はこれまで営業専任部署を設置せず、当社グループ経営層や既存顧客からの紹介、当社グループメンバーによる組織/IT変革に関する社外講演をきっかけにした引き合いを中心にすることで、他社と競合しづらく効率的な営業手段を確立してまいりました。今後は組織変革・グローバルDX人財育成サービスをはじめとしたDX支援プロダクト・サービス事業のマーケティング・営業企画力を強化し、新規顧客開拓を強化して顧客接点を拡大してまいります。さらに、既存顧客とは、出島型アプローチの取組テーマ数拡大、データ駆動型プラットフォームの展開、及び、顧客の海外事業拡大に現地で伴走する取組の拡大により、1社あたりの取引金額を拡大し、年間取引金額2億円以上のロイヤルカスタマーの数を拡大していく計画です。

2050年には、グローバルサウスの人口が世界の全人口の2/3を占めるものと予想されており、グローバルサウスを中心とした海外市場での事業拡大が国内企業の重要な成長ドライバーであると認識されております。顧客の海外事業拡大支援体制を一層強化するため、当社グループでは、海外出身の人財採用を積極的に推進しており、海外出身人財比率(注11)を将来的に40%以上にすることを目指しております。今後、ヨーロッパ・北米・東南アジアなどの海外にも進出し、顧客の海外事業拡大を現地で伴走する体制を強化してまいります。

サービス提供力の拡大においては、コンサルタント・エンジニア数を拡大するとともに、DXコンサルティング領域の拡大、データ駆動型プラットフォームにおけるAI/データ解析領域の取組強化により生産性向上に取り組んでおります。新卒採用においては、成長するフィールドと安心して働ける環境の提供により、直近5年の新卒定着率(注12)97%(2025年8月末時点)となっております。中途採用においても、リファラル・アルムナイ採用や当社SNS発信をきっかけとする海外出身人財からの直接応募獲得などユニークな採用力を有します。海外出身人財を積極的に採用、老舗エンタープライズ顧客のDX支援経験豊富なベテラン人財の活躍など、多様な人財が活躍し、結果としてコンサルタント・エンジニアを中心とする社員数は継続的に増加しております。併せて、独自のDX人財育成プログラムにより、IT未経験から4カ月でプロジェクトアサインを可能にするなど、エンタープライズ顧客の変革を実現するグローバルDX人財として成長する機会を継続的に提供しております。

また、データ駆動型プラットフォーム上でのAI/データ解析領域の取組強化による生産性向上にも取り組んでおります。顧客IT資産のモダナイゼーション実現、顧客が蓄積してきたデータからの新しい事業価値創出、及び、生成AIを前提とした開発による生産性革新に取り組んでまいります。

 

<共創型事業の拡大によるスケーラブルな成長>

既存事業の着実な成長と合わせて、中長期では共創型事業を拡大してスケーラブルな成長を実現してまいります。

長期の視点で深い関係性を構築した主要顧客とともにデジタルサービスを共創し、当社顧客の製品・サービスを利用するユーザーのDXや、当社顧客が属する業界全体のDXを支援する「デジタルサービス共創事業」を創出し、レベニューシェアを含む売上・利益を得るビジネスモデルに取り組んでおります。デジタルサービス共創事業の今後の取り組み例として、データ駆動型プラットフォームの共同利用の推進に取り組んでいく計画です。これはデータ駆動型プラットフォーム上に業界内の非競争領域の業務やシステムを共通化するソリューションを構築し、業界盟主である顧客とともに顧客が属する業界内の同業他社に展開していくものです。

また当社はベンチャーキャピタルとしてグローバルで技術系スタートアップを発掘・育成している株式会社アイティーファームと2021年より資本業務提携を行っております。国内外スタートアップとの協業で顧客のDX推進に資する技術を目利きして提供することに取り組んでおり、今後この取り組みを拡大していく計画です。

 

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、当社が顧客に提供した価値の大きさを示す売上高、その収益性を示す営業利益、顧客と伴走するパートナーとしての評価を示す顧客維持率(注13)を重要な経営指標と位置づけております。また、顧客の国外市場への事業展開を支援するために必要となるグローバルDX人財の増強を進めており、その進捗状況を示す海外出身人財比率についても重要な経営指標に加えております。

売上高及び営業利益については、下表のとおり継続的に増加しており、順調に推移しているものと認識しています。

顧客維持率については、下表のとおり約90%を維持しており、当社のDXパートナーとしての価値が高く評価され、継続的な顧客層の形成に成功しているものと認識しています。

海外出身人財比率については、下表のとおり2025年8月期において大幅な増加を達成しており、顧客のグローバル事業展開を支援する体制の構築が順調に進捗しているものと認識しています。

コンサルタント・エンジニア社員数(注14)については、下表のとおり継続的に増加しており、順調に人財が確保できているものと認識しています。

 

 

2024年8月

2025年8月

売上高

4,422,114千円

5,086,725千円

営業利益

602,600千円

774,446千円

顧客維持率

87.6%

86.6%

海外出身人財比率

14.6%

19.1%

コンサルタント・エンジニア社員数

194名

213名

 

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループが優先的に対処すべき課題は、以下の項目と認識しております。

 a.人財の確保・育成

   優秀な人財の確保は当社グループの成長の礎であり、当社グループでは採用活動と人財育成活動の強化に継続的に取り組んでおります。

   当社グループでは、人事制度及び福利厚生制度を当社及びグループ子会社において統一的に運用しており、各人のキャリアや希望職種等に合わせてグループ内で異動することが可能な体制になっております。

  採用活動においては、新卒採用活動に重点を置き、インターンシップ関連活動や採用広報活動を強化するとともに、海外からの留学生の採用強化のため、候補となる学生が多数在籍する大学等とのチャンネル構築を推進しております。

   人財育成活動においては、プログラミング未経験からでも、IT基礎からデジタルサービス企画・アジャイル開発プロセス等を習得する技術研修プログラムを立ち上げ、DX人財育成を行うサービスへの展開を推進してまいります。またグループ共通の人事制度のもとで子会社間の人財交流を実施してDX実現に向けての全工程を支援できる人財を育成しております。

   更に、多様な人財がそれぞれの特性を活かしつつ、他の社員と協調して成果を発揮できるよう、多様な働き方を想定した人事制度に加え、ダイバーシティや健康経営に関する取組みを継続しております。

 

  b.企業認知度向上と新規顧客獲得

  DX市場の拡大に合わせて当社グループが成長していくために、顧客の組織/IT変革の全工程に伴走するDXパートナーとしての認知度を向上させ、DX推進支援事業の新規顧客を獲得していくことが必要と認識しております。

  顧客と共同での事例発表など認知度向上に向けた取り組みを実施しておりますが、今後これらの活動をより強化してまいります。

 

  c.新たな収益モデルによる成長戦略の遂行

   当社グループのこれまでの事業成長の過程においては、創業来の中核事業であるDX推進支援事業の拡大が大きく寄与してまいりましたが、この事業の成長は、コンサルタントやエンジニアなどの人的リソースの規模の制約を受けるものでありました。今後さらなる成長のためには、新たな収益モデルである「DX支援プロダクト・サービス事業」及び「デジタルサービス共創事業」の成長が不可欠であると考えております。そのためにこれらの事業への成長投資を加速するとともに、Web等での露出強化、導入事例発信、プロダクト・サービス間でのクロスセル推進、販売パートナーなどとのアライアンス推進、カスタマーサポート体制(問い合わせ対応体制)強化など、マーケティング活動・セールス活動・カスタマーサクセス活動を強化してまいります。

   当社グループでは、新たな成長戦略に関わる企画・立案を当社代表取締役社長直轄のグループ戦略企画室のもとで一元的に統括し推進しております。更に、成長戦略の遂行に必要となる知見や体制を補完するために、テックベンチャー等との戦略的な事業提携やM&Aについても積極的に取り組んでいく方針であります。

 

 

  d.グループ経営体制の強化・効率化

  当社グループは、DXに必要な各領域で各子会社が高い専門性を有している点が特色であり、各専門分野での専門性やブランディングを訴求できるメリットがあるものの、グループ全体の拡大に応じて会社間での情報共有スピードの低下やリソースの分散による効率運営の低下などの課題が懸念されます。

  そのためには、グループ経営体制のさらなる強化・効率化が必要であり、当社グループの内部統制及びコンプライアンス体制の強化のため、持株会社の経営管理機能を強化するとともに、グループ経営のオペレーション効率化に取り組んでおります。またグループ戦略企画室のもとでグループ全体の成長戦略推進・事業連携を強化してまいります。各子会社においては、各社が役割を明確にして専門領域で事業を成長させること、次世代経営陣の育成のため、各子会社では30代あるいは40代の役員が経営の舵取りをする体制を取っております。

 

  e.技術革新への対応

  当社グループが属するIT業界では技術革新が絶え間なく進化しており、近年は、IOT、データ分析、AI等の高度化及び普及等、新たな技術の導入・進化が進んでおり、併せてユーザーニーズも変化しております。このような事業環境のもとで、当社グループが継続的に事業を拡大していくためには、新たな技術に適時に対応していくことが必要であると認識しており、新技術への適用及び新サービスの開発を継続的に行うとともに、優秀な人財の確保に取り組んでおります。

 

  f.さらなる成長を実現するための財務基盤の強化

  当社グループの属するDX市場は国内外において中長期的に拡大していくことが見込まれ、株主や各種ステークホルダーの期待に応えるためには、市場ニーズに応えるとともに、技術力などの競争力を維持、向上させるために、これまで以上の人的リソースを含む経営リソースに成長のための投資を実施していく必要があります。そのために必要な財務基盤として、創業以来利益剰余金の蓄積により内部留保を蓄積してまいりましたが、さらなる事業展開及び企業成長のためには、より一層な長期にわたる安定的な財務体質が必要であり、証券市場へのアクセスを通じた資金調達など多様な手法を通じた財務基盤の強化を継続して模索していく必要があると考えております。

 

(注)1.経済産業省. DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~. https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11253807/www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html,(参照 2025-10-29)

  2.株式会社富士キメラ総研 2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編

    3.株式会社 日経ビーピーコンサルティング. "世界の長寿企業ランキング、創業100年、200年の企業数で日本が1位". 2020年版100年企業<世界編>. 2020-03-18. https://consult.nikkeibp.co.jp/shunenjigyo-labo/survey_data/I1-03/,(参照 2025-10-29)

    4.株式会社三菱総合研究所. IMD「世界競争力年鑑」2023年版からみる日本の競争力 第2回:分析編. 2020-10-30. https://www.mri.co.jp/knowledge/insight/20231030.html,(参照 2025-10-29)

  5.株式会社三菱総合研究所. "ウクライナ危機で存在感増す「グローバルサウス」①". MRIエコノミックレビュー. 2023-05-16. https://www.mri.co.jp/knowledge/insight/20230516.html,(参照 2025-10-29)

  6.ゴールドマン・サックス・グループ・インク. “グローバル・ペーパー 2075年への道筋-世界経済の成長は鈍化”. 2022-12-06. https://www.goldmansachs.com/japan/insights/pages/path-to-2075-f/report.pdf,(参照 2025-10-29)

  7.経済産業省. DXレポート2(中間とりまとめ). https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/13345036/www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004.html,(参照 2025-10-29)

  8.経済産業省. IT 人材需給に関する調査. 2019年3月.

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf,(参照 2025-10-29)

  9.独立行政法人情報処理推進機構. DX白書2023. 2023年2月. 

https://www.ipa.go.jp/publish/wp-dx/gmcbt8000000botk-att/000108041.pdf,(参照 2025-10-29)

  10.独立行政法人情報処理推進機構. デジタルトランスフォーメーションに必要な技術と人材. 2018年. https://www.ipa.go.jp/archive/files/000067935.pdf,(参照 2025-10-29)

  11.海外出身人財比率の定義は「企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」の用語解説に記載しております。

  12.「1 - (各年度中の新卒採用社員のうち現時点での離職者数 / 各年度中の新卒採用人数)」にて算出。

  13.顧客維持率の定義は「企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」の用語解説に記載しております。

  14.コンサルタント・エンジニア社員数の定義は「企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」の用語解説に記載しております。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

当社グループは、「ITを駆使して顧客企業の価値を創造すること」をミッションとし、「顧客企業の価値向上を通じ、社会に革新をもたらす」という企業理念を実現するため、エンタープライズDX事業に取り組んでおります。

顧客企業の企業価値向上は、その中長期的な成長を通じて実現されるものであり、社会全体の持続的な発展とそのサステナビリティが、当社グループの事業運営上においても重要な課題と位置づけ、積極的かつ優先的に取り組んでまいります。

 

(1) ガバナンス

当社グループは、持続的な成長を実現するために必要となる重要な経営課題について、当社のグループ戦略企画室、リスク管理委員会及びコンプライアンス委員会において検討し、必要に応じて取締役会に報告を行うこととしております。

なお、人的資本に関連する取り組みについては、下記「(2) 人的資本に関する、人財育成方針や社内環境整備方針及び戦略」に記載のとおり様々な取り組みを行っており、グループ戦略企画室及び人事部から、具体的な施策の内容やその効果等について、適宜取締役会に報告を行っております。当社グループのガバナンスに関する詳細は、「4.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。

 

(2) 人的資本に関する、人財育成方針、社内環境整備方針及び戦略

当社グループでは、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境 c.DX推進人財の量・質の確保」、「同(3) 経営戦略」及び「同(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 a.人財の確保・育成」に記載のとおり、当社グループの事業の継続及び持続的な成長のためには、優秀な人財の採用、育成及び定着が不可欠であると認識しております。

当社グループは、当社の社名が示すとおり、ステークホルダーとともに成長する企業を目指しています。年齢・性別・国籍といった属性にとらわれず、多様な個性やバックグラウンドを持つ人財を積極的に採用し、安心して長く活躍し続けられる環境を整備しています。

人財育成の強化と専門性の深化に加えて、事業の持続的成長を牽引できる高いコンピテンシーを備えた人財の育成・能力開発にも注力しております。人財のスキル向上においては、業務時間の約10%を自己成長や社内プロジェクトに充てることを推奨し、学び続ける文化を醸成しています。 これらの取り組みにより、社員全員が主体的に学び続け、企業価値創造に貢献するサステナブルな組織づくりを推進しています。

なお、役割や職種にかかわらず、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる職場環境を整えるために、2026年9月期より、新たな新人事制度を導入することといたしました。エキスパート職とマネジメント職に分かれていたキャリアパスを一本化し、社員全員が“プロフェッショナル”として成長できるキャリアグレード制度としております。

a.人財の確保・採用

優秀な人財の確保は当社グループの成長の礎であり、当社グループでは採用活動と人財育成活動の強化に継続的に取り組んでおります。 

当社グループでは、人事制度及び福利厚生制度を当社及びグループ子会社において統一的に運用しており、各人のキャリアや希望職種等に合わせてグループ内で異動することが可能な体制としております。 

採用活動のうち、新卒採用においては、インターンシップ関連活動や採用広報活動を強化するとともに、海外からの留学生の採用強化のため、候補となる学生が多数在籍する大学等とのチャンネル構築を推進しております。中途採用においては、SNSや当社のウェブサイトで、当社グループの組織運営、仕事ぶりなどを紹介するとともに、人財紹介会社と連携し、優秀な人財の発掘をしております。近年では、エンタープライズ企業等で豊富な経験や知見を有する「プリンシパル人財」(注1)の採用を強化しております。

b.人財の育成

人財育成活動においては、プログラミング未経験からでも、IT基礎からデジタルサービス企画・アジャイル開発プロセス等を習得する技術研修プログラムを立ち上げ、DX人財育成を行うサービスへの展開を推進して参ります。またグループ共通の人事制度のもとでグループ子会社間の人財交流を実施してDX実現に向けての全工程を支援できる人財を育成しております。

更に、多様な人財がそれぞれの特性を活かしつつ、他の社員と協調して成果を発揮できるよう、多様な働き方を想定した人事制度に加え、ダイバーシティや健康経営に関する取り組みを継続しております。

 

c.人財の定着

当社グループでは、多様な人財が安心して働くことができる各種人事制度、働きやすいワークプレイス環境の整備、健康経営の定着・高度化を目指して、ウェルネス推進委員会が各種の施策を検討する福利厚生制度など、多くの施策を実施しております。

ジェンダー、国籍、年齢、家族構成など家庭の背景、働き方、その他個性の多様性を重視し、それぞれの強み・特性を発揮できる業務、仕事、組織での役割を通じて組織貢献できる環境を整備するため、グローバル人財の積極採用や社内研修の実施、多様な働き方の推進など、D&I推進活動(注1)にも取り組んでおります。女性の活躍推進にも積極的に取り組み、その成果として厚生労働省の「えるぼし」認定において3つ星を取得しております。

当社グループでは、多様な人財が安心して働き、能力を最大限発揮できる環境づくりを最重要課題の一つと位置づけております。国籍、年齢、性別、家族構成などの多様性を尊重し、それぞれの強み・特性を活かせる業務や役割を通じて組織に貢献できる環境を整備しております。グローバル人財の積極採用、社内研修の充実、多様な働き方の推進など、D&I推進活動(注2)を推進し、その一環として女性活躍推進に取り組んだ結果、厚生労働省「えるぼし」認定の最高位である3つ星を取得しております。

また、社員が心身ともに健康で働き続けられるよう、健康経営の推進と定着・高度化にも注力しております。経済産業省と日本健康会議による「健康経営優良法人(大規模法人部門)」認定、関東ITソフトウェア健康保険組合からの「健康優良企業 銀の認定」など、外部から高い評価を得ております。

 

(3) リスク管理

当社グループは、経営の健全性を維持しつつ、事業を推進し、企業価値向上を目指すにあたって、当社グループの企業活動に悪影響を及ぼす事象を適切に管理するため「リスク管理規程」を定めており、グループ全体で管理体制を整えております。

リスクの特定・測定・評価及びその対処方針の立案と実行は、リスクが発生する業務を所管している部署において行うこととしており、その状況及びリスク管理の結果について、リスク管理委員会事務局である経営企画部がモニタリングを行い、リスク管理委員会に報告されております。

なお、重要なリスクに関しては、リスク管理委員会及びコンプライアンス委員会において、それぞれ検討を行い、必要に応じて取締役会に報告を行うこととしております。

当社グループのリスクに関する詳細は、「3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(4) 指標及び目標

当社グループでは、上記「(2)人的資本に関する、人財の育成方針、社内環境整備方針及び戦略」に記載した方針に基づき、人財の育成・定着に取り組み、成長戦略の実現及び企業価値向上を実現してまいります。現時点における具体的な指標及び目標としては、グループ社員数の10%程度の新卒採用を継続するとともに、海外出身人財を積極採用し、将来的に海外出身人財比率(注3)40%以上を目指しております。

 

<用語解説>

本項において使用しております用語の定義について以下に記します。

(注)1.「プリンシパル人財」とは、事業やその変革を推進する実績を有しており、エンタープライズ企業のDXに関して中心的な役割を果たす、専門的な知見や長年の経験を有する人財を言います。

2.「D&I (ダイバーシティ&インクルージョン)推進活動」 国籍、年齢、性別、障がいの有無、宗教、ライフスタイル、ライフステージ等、さまざまな属性において多様性を持つメンバーが活躍できる組織を実現するために、当社グループにおいて取り組んでいる各種の活動を言います。

3.海外出身人財比率の定義は「第二部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」の用語解説に記載しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループのリスク管理体制及び財政状態、経営成績等に重要な影響を与える可能性があると考えられる主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループのリスク管理体制

当社グループは、後記「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおり、「内部統制システム構築に関する基本方針」及び「リスク管理規程」において、当社グループの事業活動に関するリスク管理について定めております。リスク管理担当取締役が当社グループのリスク管理を統括し、リスク管理委員会及び同委員会において指名された子会社のリスク管理責任者が以下のリスク管理体制の構築と運用にあたっております。

当社グループにおいて、リスクとは、経営、事業、サービス・製品、情報セキュリティその他の当社グループの業務領域全体において、当社グループの企業理念及び行動規範、社会的責任、コンプライアンスの観点から問題のある事象、又は外部的要因により、企業としての活動に悪影響を及ぼす事象と定めております。

リスク管理委員会は、グループ経営上重要なリスクの抽出・評価・見直しの実施、対応策の策定、管理状況の確認を定期的に行うこととし、リスク管理委員会において抽出されたリスク項目について、発生可能性と影響度で評価しております。それらのリスクの重要度に応じて、職務分掌に基づき担当取締役及び子会社のリスク管理責任者が、それぞれの担当職務ごとに管理し、リスク管理委員会はそれをモニタリングしております。

 

(2) リスクの評価基準

当社グループのリスク評価基準は以下のとおりであります。

以下の数式によりリスク評価スコアを算出しており、リスク評価スコアが8以上のリスクを重点リスクと位置づけております。

リスク評価スコア=影響度レベル×発生頻度レベル

<影響度のレベル定義>

レベル

定義

影響の出る分野

財務

人命

業務影響

環境

評判

軽微な影響

100万円

以内

応急処置で対応可能

無視できる程度の影響

ごく短期間の汚染

日常の管理で解決する

やや軽い影響

~1億円

医師の手当てが必要な障害

特定のプロジェクトのみ/1日程度

軽い汚染

1媒体に記事が出る

中程度

~5億円

入院が必要な傷害

数週間の影響

中程度

マスコミに小さく取り上げられる

大きな影響

~15億円

1名の死亡/複数名の障害

1ヶ月程度の影響

重篤な害

中程度の範囲で取り上げられる

甚大な被害

15億円

以上

複数名の死亡

1ヶ月以上の影響

長期に渡る害

マスコミで大々的に取り上げられる

 

<発生頻度のレベル定義>

レベル

定義レベル

頻度の状況

ごくまれに発生

余程例外的な状況でないと発生しない

発生しにくい

数年に1回程度発生

中程度

1年に1回は発生

たびたび発生

年に複数回発生

日常的に発生

月に複数回発生

 

 

 

(3) リスクの内容

 

① 人財の確保及び育成

影響度:3(中程度)

発生頻度:3(中程度)

リスク評価スコア:9

[リスクの内容及び影響]

当社グループは、顧客企業の組織・人財に関するコンサルティング、ソフトウェア開発及び運用を行っております。このため、高度な専門知識、技能及び経験を持つ有能な人財の確保、定着及び育成が不可欠であります。また、グループ内に限らず、案件の状況に応じて、必要な外注先又は外部パートナーを適時に確保することも重要と考えております。必要な人財の確保が計画どおりに進まない場合や、優秀な人財の流出が生じた場合には、競争力の低下や事業推進上の制約につながり、事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、外注先・外部パートナーの関与割合が過度に高まった場合、案件の品質管理が難しくなり、納期遅延や採算悪化によって当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、社員へのノウハウやスキルの蓄積が阻害されることにより、中長期的な競争力の低下につながる可能性があります。

[対応策]

当社グループは、事業規模の拡大に応じて、専門技術、知識及び経験を有する優秀な人財の中途採用に努めるとともに、新卒採用を強化しており、社内勉強会の推奨や教育制度の充実等社員が成長する機会の創出、適切な評価や報酬支給のための人事評価制度の見直し、多様な働き方の制度化等の労働環境の整備、福利厚生制度の充実など、従業員の働きがいを向上させる取り組みを継続的に実施しております。

 

 

② 情報セキュリティ

影響度:4(大きな影響)

発生頻度:2(発生しにくい)

リスク評価スコア:8

[リスクの内容及び影響]

当社グループの業務運営上、顧客企業の戦略、事業方針又は事業運営に関する機密情報に接するほか、当社グループが納入するシステムは、顧客企業において、その顧客や取引に関する情報等その機密情報を取り扱うものであり、不正アクセス、コンピュータウィルスによる漏洩、改ざん又は不正使用等の被害が生じた場合には、当社グループの信用低下や損害賠償責任の義務等を通じて、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

[対応策]

当社グループは、役職員及び外注先等と秘密保持契約を締結しており、「個人情報管理規程」や「情報管理規程」を定め、当社及び主要子会社において情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得し、情報の適切な取り扱いと厳格な管理を行っております。

外部からの不正アクセス、コンピュータウィルスの侵入防止等について、システム的な対策を講じて情報セキュリティ事故の未然防止に努めているほか、外部のセキュリティ脅威事案や主要OS・アプリケーションのセキュリティ情報を収集したうえで、社内共有し、役職員が迅速かつ適切に更新等の対応ができる体制を構築・運用しております。

 

 

③ 品質管理及びプロジェクト管理

影響度:4(大きな影響)

発生頻度:2(発生しにくい)

リスク評価スコア:8

[リスクの内容及び影響]

当社グループでは、「DX推進支援事業」において、顧客企業の各種システムの開発業務を行っております。契約当初の納期及び作業工数見積りどおりにプロジェクトを完遂できない場合やシステム導入後に不具合が発生した場合、その解消のための作業に伴う追加費用の発生による案件の採算悪化、顧客からの損害賠償請求、当社グループの信用低下等の事態を招き、当社グループの業績に一定の影響を及ぼす可能性があります。

[対応策]

当社グループにおける仕事の進め方の基本方針として、顧客企業にとっての真の目指すべき方向性、それを実現するための方法論を予め徹底的に議論し、最適な解決策を確認したうえで、相互に長期的パートナーとして信頼関係を構築することとしております。更に契約上でリスク回避に努めると共に、契約前にプロジェクトのリスク洗い出し、適切な進捗管理、顧客企業及び外注先・外部パートナーとの十分なコミュニケーションを行うことでトラブル防止や採算の悪化抑止に努めております。

 

 

 

④ 内部統制及び内部管理体制

影響度:4(大きな影響)

発生頻度:2(発生しにくい)

リスク評価スコア:8

[リスクの内容及び影響]

当社グループは、今後さらなる業務拡大を図るため、コーポレート・ガバナンスを有効に機能させることが必要不可欠であると認識しております。そのため、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保し、法令及び社内規程の遵守を徹底してまいります。しかし、事業が急拡大する局面においては、内部管理体制の構築が追いつかず、コーポレート・ガバナンスが有効に機能しないことにより、グループの財務報告に係る内部統制に不備を生じる可能性や、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

[対応策]

当社グループは、財務報告の信頼性に係る内部統制の整備及び運用を重要な経営課題の一つとして位置づけ、事業規模の拡大に合わせて内部管理体制を構築できるよう、人員採用の必要性を定期的に確認し、グループを挙げて管理体制等の点検・改善等に継続的に取り組んでおります。

 

 

⑤ 特定人物への依存

影響度:4(大きな影響)

発生頻度:2(発生しにくい)

リスク評価スコア:8

[リスクの内容及び影響]

当社代表取締役社長渡邉伸一は、当社グループの創業者であり、設立以来経営戦略の立案、推進や業務上の提携先及び主要取引先との交渉において中心的な役割を担っております。また、主要取引先からの依頼により、そのシステム子会社の非常勤取締役に就任し、当該取引先のDX支援等のアドバイスを行っております。なお、このような関係に鑑み、取引先及び当社の双方において、十分な牽制体制を敷いております。

当社グループの子会社における業務運営が定着し、権限委譲が進んでいるものの、現状では同氏の経営判断、影響力及び営業力等に一定程度依存しており、同氏が何らかの理由により業務執行できない事態となった場合、当社グループの事業及び業績に一定の影響を及ぼす可能性があります。

[対応策]

当社グループでは、持株会社体制により、子会社で業務運営がなされる体制となっており、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を目指し、マネジメントチームへの権限委譲を行うとともに、後継人財の育成・強化に努めております。

 

 

⑥ 特定顧客への依存

影響度:4(大きな影響)

発生頻度:2(発生しにくい)

リスク評価スコア:8

[リスクの内容及び影響]

当社グループでは、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ④生産、受注及び販売の実績」に記載のとおり、当連結会計年度の販売実績において、ニプログループ(ニプロ株式会社及びニプロデジタルテクノロジーズ株式会社)の連結売上高に占める割合(以下、売上比率)が、それぞれ11.0%及び19.9%と高い水準となっております。

当社は設立直後の2009年にニプロ株式会社と資本・業務提携契約を締結し、当社グループの技術力、知見及び長年にわたる信頼関係に基づき、ニプログループから安定的かつ継続的にDX支援業務を受注しております。しかしながら、顧客企業における経営方針や業績の変化等によりIT投資が抑制された場合には、当社グループへの発注が縮小されるなど、当社グループの業績に一定の影響を及ぼす可能性があります。

なお、同社との資本・業務提携契約において、当社グループが顧客企業の競合他社との取引を規制する条項は含まれておりません。

[対応策]

当社グループでは、ニプログループへの相対的な依存度の高さを踏まえ、他の大手企業との関係構築を継続的に推進しております。2021年3月には大手自動車メーカーのトヨタグループの総合商社である豊田通商株式会社と資本業務提携契約を締結するなど、戦略的パートナーシップの構築を進めております。また、通信業、建設業、情報サービス業など多様な産業の顧客企業との取引を拡大しており、今後も特定顧客への依存度を抑制しつつ、幅広い業種・分野へのサービス提供を通じて、安定的な収益基盤の確立を図ってまいります。

 

 

 

⑦ 自然災害や疫病の蔓延

影響度:3(中程度)

発生頻度:2(発生しにくい)

リスク評価スコア:6

[リスクの内容及び影響]

大規模な地震・台風等の自然災害が発生し、当社グループが人的及び物的被害を受けた場合、当社グループ及び当社取引先の事業活動が困難となるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に一定の影響を及ぼす可能性があります。

新型コロナウィルス感染症のような大規模な感染症や疫病等の発生によって、役職員等が感染し、プロジェクトの遅延等継続的な事業運営の一部に支障が生じる可能性があります。さらに、疫病による影響が長期化した場合は世界的な景気の減速をもたらし、当社グループの事業に影響を与える可能性があります。具体的には、顧客企業の経営状況の悪化によるIT投資の抑制・先送りや既存案件の縮小等が生じる可能性があります。

[対応策]

被災時における事業継続については、事業継続計画を策定し、適宜その見直しを行っております。

新型コロナウイルス等の感染症・疫病対策については、当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の蔓延時には、グループの経営メンバー及び管理本部担当者から構成される新型ウイルス感染症対策本部を立ち上げ、社内外の感染状況等についての情報収集を行いつつ、迅速に重要な判断を行える体制を整備し、対応しております。今後新たな感染症・疫病等が発生した場合は、迅速かつ柔軟な施策が実施できるよう同様の対応を行っていく方針であります。

当社グループでは、社内開発によるコミュニケーションツールの整備等、在宅勤務或いはハイブリッド勤務により、事業運営を行うことのできる体制を整えております。

 

 

⑧ 知的財産権

影響度:3(中程度)

発生頻度:2(発生しにくい)

リスク評価スコア:6

[リスクの内容及び影響]

当社グループが開発するシステムにかかる知的財産権について、第三者の知的財産権に抵触しないよう細心の注意を払っており、これまで第三者から損害賠償や使用差止めの請求などを受けたことはなく、知的財産権の侵害を行っていないと認識しております。しかしながら、第三者の知的財産権の状況を完全に把握することは困難であり、知的財産権侵害とされた場合には、権利者からの損害賠償請求、当該知的財産権の使用に対する対価の支払い又はサービス提供への支障等が発生する可能性があり、その際には当社グループの業績に一定の影響を及ぼす可能性があります。

[対応策]

当社グループでは、事業活動を通じて、第三者の知的財産権を侵害しないよう、常に注意を払い、社員への教育・研修を通じて意識向上に努めるとともに、必要に応じて専門家と連携を取りリスクの軽減を図っております。

 

 

⑨ 技術革新

影響度:3(中程度)

発生頻度:2(発生しにくい)

リスク評価スコア:6

[リスクの内容及び影響]

当社グループが属する情報サービス産業においては、技術革新や顧客ニーズの変化の速度が非常に早く、新言語・新技術によるサービスの導入等激しい技術競争が行われております。新技術や顧客ニーズの変化への対応が遅れた場合には、当社グループのサービスの競争力低下を招き、当社グループの業績に一定の影響を及ぼす可能性があります。

[対応策]

当社グループは、常に最新の技術動向や市場動向を分析し、教育・研修内容をアップデートするとともに、社内勉強会等により社員が自発的に最新技術を研究できる環境・機会を提供し、また実際の案件でも積極的に新技術の導入に取り組むことによって技術革新に対応しております。

 

 

 

⑩ 社員の急速な増加と多様化

影響度:3(中程度)

発生頻度:2(発生しにくい)

リスク評価スコア:6

[リスクの内容及び影響]

事業規模拡大による社員の急増、既存社員の高齢化と世代交代、在宅勤務の定着など勤務場所の分散による社員間の接点希薄化等により、社員のエンゲージメントが低下し、離職者や帰属意識の低い社員が増加する可能性があります。また、社員の多様性の増大により文化的な摩擦や衝突が生じ、管理者の負担増大やチームワークの阻害、組織アジリティの低下等により、中長期的成長を阻害する可能性があります。

[対応策]

当社グループでは、社内イベントや勉強会等を通じて社員間の交流機会を創出するとともに、当社グループのフィロソフィやD&Iに関する社内研修を実施することにより、社員のエンゲージメントを高め、多様な社員がチームで働くために必要なマインドセットを形成しております。また、社員の多様性増大を前提とした勤務環境や勤務ルールのアップデートにより、多様な社員が協調して働きやすい環境を確保しております。

 

 

⑪ 海外事業展開

影響度:3(中程度)

発生頻度:2(発生しにくい)

リスク評価スコア:6

[リスクの内容及び影響]

当社グループは、顧客の海外事業展開を支援するための体制強化を重要な経営施策の一つと位置づけております。その一環として、2025年4月にインドKerala州に子会社 GxP Technologies India Pvt. Ltd. を設立いたしました。当社グループは、現地において優秀なコンサルタント及びエンジニアを積極的に採用することで、採用競争が激化している国内市場のみでは実現が難しいスピード感をもって、顧客へのサービス提供能力を拡充する計画です。しかしながら、現地における事業拡大や人材採用が計画どおりに進捗しない場合には、当社グループの競争力や成長戦略の実現に影響を及ぼす可能性があります。

海外における事業展開においては、各国における法令・規制の変更、税制や移転価格税制への対応、商慣習・労働慣行の相違、為替制限、電力・通信等のインフラ障害、知的財産権の保護体制の違い、社会・政治情勢の変化など、いわゆるカントリーリスクが存在しております。これらの要因により、現地での事業運営や市場開拓、収益化の進捗が想定を下回る場合、又は規制変更等により事業活動に支障が生じた場合には、当社グループの中長期の業績に影響を及ぼす可能性があります。

[対応策]

当社グループでは、現地法人の役員を当社から派遣することにより、経営方針や重要事項の意思決定において当社グループの統制を確保しております。また、現地法人との間で、本社の現業部門及び管理部門がそれぞれ定期的にミーティングを実施し、事業の進捗や課題を迅速に把握する体制を整備しております。現地法人の重要な経営判断については、本社による承認プロセスを経るなど、ガバナンス体制を強化に努めております。さらに、現地法人への社員の出向や交流イベントの実施を通じて、グループ内の人的ネットワークを強化し、現地運営の安定化及び国内のグループ会社との連携強化を図っております。

 

 

⑫ DXテクノロジーアセットの蓄積

影響度:3(中程度)

発生頻度:2(発生しにくい)

リスク評価スコア:6

[リスクの内容及び影響]

当社グループでは自社開発したソフトウェア資産や教育コンテンツ等のDXテクノロジーアセットの蓄積を競争戦略上の重要な要素と位置付けておりますが、その蓄積が計画どおりに進捗しない場合、当初グループの競争力や付加価値の低下を招き、当社グループの中長期の業績に一定の影響を及ぼす可能性があります。

[対応策]

当社グループでは、自社開発ソフトウェア等の研究開発に関する計画を作成し、開発に必要な予算を確保するとともに、定期的に進捗状況をモニタリングすることにより、DXテクノロジーアセットの着実な蓄積に努めております。

 

 

⑬ 為替変動

影響度:3(中程度)

発生頻度:2(発生しにくい)

リスク評価スコア:6

[リスクの内容及び影響]

当社グループは、インド子会社との取引や現地法人における人件費及びその他の経費等の支払において、インドルピー建てでの取引を行っております。そのため、為替相場の変動により、円換算後の収益や費用の金額が変動し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、円安が進行した場合には、海外でのコスト増加や連結財務諸表上の換算差損が生じるなど、経営成績にマイナスの影響を及ぼすおそれがあります。

[対応策]

当社グループでは、為替変動の影響を軽減するため、契約条件における円ベースでの取引検討、為替予約等のヘッジ手法の活用等を通じて、為替変動リスクの抑制に努めております。また、海外拠点における資金繰りや送金方針について定期的に見直しを行い、為替レートの動向を踏まえたキャッシュ・マネジメントを実施することにより、為替変動による影響の最小化を図っております。

 

 

⑭ 大株主

影響度:3(中程度)

発生頻度:2(発生しにくい)

リスク評価スコア:6

[リスクの内容及び影響]

当社の代表取締役社長である渡邉伸一は、当社の大株主であり、自身の資産管理会社であるWatanabe&Partners株式会社の所有株式数を含めると2025年8月31日現在で発行済株式総数(自己株式を除く)の55.95%を所有しております。同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同人の株式の多くが減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑮ 配当政策

影響度:2(やや軽い程度)

発生頻度:2(発生しにくい)

リスク評価スコア:4

[リスクの内容及び影響]

当社は、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題として位置づけております。現時点では、当社グループは成長過程にあると考えているため、内部留保の充実を図り、事業拡大と事業の効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。このことから、当面の間は内部留保の充実を図る方針であります。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針でありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

 

⑯ 資金使途

影響度:2(やや軽い程度)

発生頻度:2(発生しにくい)

リスク評価スコア:4

[リスクの内容及び影響]

当社は東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資及び自己株式の処分による調達資金に関して、運転資金及び設備資金に充当する予定でおります。しかしながら、急激に変化する事業環境により柔軟に対応するため、現時点における計画以外の使途に充当する可能性があります。また、計画どおりの使途に充当した場合でも、想定どおりの投資効果を上げられない可能性があり、このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑰ 当社株式の流動性

影響度:2(やや軽い程度)

発生頻度:2(発生しにくい)

リスク評価スコア:4

[リスクの内容及び影響]

当社の2025年8月31日時点における流通株式比率は、29.7%となっております。今後は、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達や、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加等を勘案し、これらの組み合わせにより、株式の流動性向上を図っていく方針です。しかしながら、何らかの事情により流動性が低下した場合には、市場における当社株式の売買が停滞し、それにより当社株式の需給関係や株価形成にも悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。また、当社グループはエンタープライズDX事業の単一セグメントのため、セグメント情報に関連付けた記載を行っていません。

 

① 財政状態の状況

当連結会計年度末における財政状態は、資産は4,726,352千円(前連結会計年度末比1,189,713千円増)、負債は1,348,976千円(前連結会計年度末比276,309千円減)、純資産は3,377,376千円(前連結会計年度末比1,466,023千円増)となりました。

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,156,573千円増加し、3,135,487千円となりました。これは主に、現金及び預金が947,847千円、売掛金及び契約資産が105,728千円増加したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて33,140千円増加し、1,590,865千円となりました。これは主に、保険積立金が89,571千円減少した一方、投資有価証券が106,079千円、建設仮勘定が11,600千円増加したことによるものであります。

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べて244,706千円減少し、1,087,228千円となりました。これは主に、未払法人税等が26,730千円、買掛金が21,361千円増加した一方、短期借入金が350,000千円減少したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて31,603千円減少し、261,747千円となりました。これは主に、繰延税金負債が26,771千円増加した一方、長期借入金が45,051千円、社債が10,000千円減少したことによるものであります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べて1,466,023千円増加し、3,377,376千円となりました。これは主に、利益剰余金が600,236千円、資本剰余金が522,514千円、資本金が261,837千円増加したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善の下で緩やかな景気回復が進む一方で、世界的な金融引締めの影響や中国経済の先行き懸念など海外景気の下振れリスクを含み、中東地域をめぐる情勢等による不透明感が継続する状況で推移いたしました。

このような経済状況にありながらも、当社グループの事業領域であるDX(デジタルトランスフォーメーション)関連分野においては、企業の新たな事業モデルへの転換や、労働力人口の減少による人手不足への対応といった、中長期的な経営課題に対する解決策が幅広い分野で引き続き強く求められており、企業活動全般を対象としたデジタル変革のためのIT投資が活発に実行されている状況であります。

一方で、現状において企業が利用できるDX支援サービスには、「オンライン会議の導入」や「ペーパーレス化」など業務の周辺領域の若干の改善やコスト削減の範囲にとどまっているものも多く、「データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立する」といった、DXに取り組む企業の本質的な要求に応えるサービスの提供者は限られております。

当社グループでは、大手企業(エンタープライズ企業)が新たな価値創出を実現しながら組織/ITを変革(DX)していく取り組みを「エンタープライズDX」と位置づけ、ヘルスケア、小売・流通、モビリティ、通信、建設、製造、金融など各業界におけるリーディングカンパニーであるエンタープライズ企業を主な顧客とし、顧客のエンタープライズDXを実現する「エンタープライズDX事業」を展開しております。

なお当社グループの事業は「エンタープライズDX」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、カテゴリーは以下のように分類しております。

 

事業区分

事業内容

DX推進支援事業

顧客が業務変革を実現するための、コンサルティングからアプリケーション開発・クラウド活用まで総合的な支援を行う事業

DX支援プロダクト・サービス事業

顧客のDX推進を支援するためのプロダクトやサービスを当社グループが販売し、ライセンス収入等によりスケーラブルな収益を得る事業

デジタルサービス共創事業

顧客のデジタルサービスに共創的に取り組み、顧客ビジネスの拡大に伴って当社グループの収益も増加する事業

 

 

DX推進支援事業の分野では、流通・医療・スマートモビリティ・百貨店等、各業界の大手企業に向けたデジタルプラットフォーム構築の取り組みが拡大いたしました。従来から取り組んできたコンビニエンスストア業界向けの大規模クラウド基盤の構築・運用、医療業界向けの検査機器連携システム構築、スマートモビリティ関連のクラウドプラットフォーム開発等に加え、新たに地図や航空写真等の空間情報を蓄積し活用するためのデータ駆動型プラットフォームの構築にも着手いたしました。また、顧客内のDX推進チームに向けたアジャイルプロセス導入等のコンサルティングサービスも拡大いたしました。

DX支援プロダクト・サービス事業の分野では、アトラシアン社のアジャイルチーム向けコラボレーション支援製品及びFresche Solutions社のIBM i(旧System i, AS/400)アプリケーションモダナイズソリューション製品の販売と、Contentserv社のクラウド型商品情報管理製品に関するプロフェッショナルサービスが拡大いたしました。

デジタルサービス共創事業の分野では、医療機関の透析治療に関わる業務を支援する、医療DX領域の取り組みを継続いたしました。また、医療に関わるデータを国境を超えて管理するためのグローバル医療データプラットフォームの構築にも着手いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は5,086,725千円(前連結会計年度比15.0%増)、営業利益は774,446千円(同28.5%増)、経常利益は870,297千円(同42.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は600,236千円(同43.8%増)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,052,661千円と前連結会計年度末と比べ939,147千円84.3%)の増加となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は563,627千円(前連結会計年度は545,173千円の増加)となりました。これは主に、法人税等の支払額が252,067千円、売上債権の増加が105,728千円あった一方、税金等調整前当期純利益を870,297千円計上したことによるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の増加は1,080千円(前連結会計年度は24,958千円の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出が28,526千円、有形固定資産の取得による支出が22,080千円、保険積立金の積立による支出が20,284千円あった一方、保険積立金の払戻による収入が93,681千円あったことによるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の増加は374,473千円(前連結会計年度は75,486千円の減少)となりました。これは主に、短期借入金が350,000千円純減した一方、株式の発行による収入が493,732千円、自己株式の売却による収入が286,305千円あったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはエンタープライズDX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。

 

セグメントの名称

第18期連結会計年度

(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日

仕入高(千円)

前期比(%)

エンタープライズDX事業

1,674,406

110.9

合計

1,674,406

110.9

 

(注) 金額は、仕入価格によっております。

 

c.受注実績

当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはエンタープライズDX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。

 

セグメントの名称

第18期連結会計年度

(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

エンタープライズDX事業

4,974,609

103.3

859,284

85.6

合計

4,974,609

103.3

859,284

85.6

 

 

d.販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはエンタープライズDX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。

 

セグメントの名称

第18期連結会計年度

(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日

販売高(千円)

前期比(%)

エンタープライズDX事業

5,086,725

115.0

合計

5,086,725

115.0

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

第17期連結会計年度

(自 2023年9月1日 

  至 2024年8月31日

第18期連結会計年度

(自 2024年9月1日 

  至 2025年8月31日

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

ニプロデジタルテクノロジーズ㈱ (注)1、2

854,518

19.3

1,010,452

19.9

ニプロ㈱ (注)3

561,598

11.0

豊田通商システムズ㈱ (注)3

513,052

10.1

 

(注)1.2025年10月よりニプロシステムソフトウェアエンジニアリング㈱からニプロデジタルテクノロジーズ㈱に社名変更をしております。

2.ニプロデジタルテクノロジーズ㈱はニプロ㈱の子会社であります。

3.第17期連結会計年度において、ニプロ㈱、豊田通商システムズ㈱は販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。

当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 (売上高) 

当連結会計年度の売上高は5,086,725千円(前期比15.0%増)となりました。これは主に、DX推進支援事業においてスマートモビリテイ関連の取り組みが大幅増となり、既存顧客に加え昨年度から取引を開始したエンタープライズ顧客との取引が拡大したことと、デジタルサービス共創事業において医療系のグローバルデータプラットフォーム構築案件が拡大したことによるものであります。

 

 (売上原価、売上総利益) 

当連結会計年度の売上原価は2,748,883千円(前期比11.1%増)、売上総利益は2,337,841千円(前期比20.0%増)となりました。これは主に、外注費の割合を低減するなど売上高の増加に比べ売上原価を抑えるとともに、全事業において事業ポートフォリオを見直した結果、売上総利益率が前期比1.9%増となったことによるものであります。

 

 (販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,563,395千円(前期比16.2%増)、営業利益は774,446千円(前期比28.5%増)となりました。これは主に、サービス提供力向上のため、人財の採用活動及び育成を推進したことによる人件費、採用費、教育研修費の増加を、売上総利益の増加により吸収したことによるものであります。

 

 (営業外収益、営業外費用、経常利益)

営業外収益は113,693千円(前期比356.9%増)、営業外費用は17,842千円(前期比14.2%増)、経常利益は870,297千円(前期比42.2%増)となりました。これは主に、営業外収益として保険返戻金が83,979千円、営業外費用として新規上場に伴う株式公開費用が11,475千円発生したことによるものであります。

 

 (親会社株主に帰属する当期純利益) 

親会社株主に帰属する当期純利益は600,236千円(前期比43.8%増)となりました。

これは、上記の経常利益を計上するとともに、法人税等が272,359千円発生したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、エンジニア、コンサルタントの人件費、外注費等であります。運転資金の調達は自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。なお、安定的かつ機動的に運転資金を確保することを目的として、取引金融機関と当座貸越契約を締結しております。今後の更なる業容拡大に対応するための資金に関しては、自己資金に加えて、株式上場時の調達資金を用いて、成長投資の実行とともに財務基盤の強化を図ってまいります。

 

④ 経営戦略の現状と見通し

経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑥ 経営者の問題意識と今後の方針に関して

当社は、「ITを駆使して顧客企業の価値を創造すること」をミッションに掲げ、事業を拡大してまいりました。当社がこの理念の下、長期的な競争力を維持し持続的な成長を図るためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対して、経営者が常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、最善の経営方針を立案していくことが必要であると認識しております。

 

⑦ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。

 

 

5 【重要な契約等】

  当社グループの重要な契約は以下のとおりであります。

相手方の名称

契約の名称

契約内容

契約期間

ニプロ株式会社

資本・業務提携契約書

ICTを活用したビジネス創出並びにニプロの社内業務効率改善のためのシステム対応への取り組み

 

自2009年11月

(期限の定めなし)

 

株式会社三越伊勢丹ホールディングス

業務提携契約

三越伊勢丹グループのDX支援を含む業務提携

自2019年10月

至2020年3月

(自動更新あり)

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、将来を見据えた研究開発及び新規事業の創出を重要な経営課題の一つと位置づけ、企業のDXを支援する自社プロダクトの開発等を通じて、中長期的な競争力の確保につながる研究開発及びノウハウの蓄積を継続的に推進しております。

 

主な研究開発活動としては、DX支援プロダクトの自社サービス開発及びデジタルサービス共創事業における研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度においては、デジタルサービス共創事業における研究開発として、「GxRaptor」及び「Copilot+ PC向けアプリケーション」の2つのサービス開発を実施いたしました。

当連結会計年度における研究開発費の総額は2,792千円であります。

なお、当社グループは「エンタープライズDX事業」の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。

 

開発体制については、当社のグループ戦略企画室が投資計画の策定、事業企画及び製品企画を担当し、サービス開発は子会社に委託しております。「GxRaptor」及び「Copilot+ PC向けアプリケーション」の開発は、いずれもGxPに委託しております。

 

「GxRaptor」は、エンタープライズ企業におけるデータ活用を高度化するAI駆動型リサーチサービスであります。

社内に蓄積された構造化・非構造化データと、インターネット上の最新オープンデータを統合し、AIが自律的に情報探索・要約・レポート生成を行うことにより、従来のリサーチ業務を効率化し、より多角的かつ迅速な意思決定を支援いたします。

自然言語による対話的な操作に対応しており、ユーザーは必要な情報を直感的に取得することが可能になっております。

また、データソース及び分析過程のトレーサビリティを確保する仕組みを備えており、生成AIの活用において重要となる信頼性及び検証性の確保にも配慮しております。

さらに、当社グループが推進する「データ駆動型プラットフォーム」との連携を想定しており、レガシーIT資産に蓄積された社内データの有効活用を実現することで、エンタープライズ企業のデータガバナンス要件に対応しつつ、戦略的な情報活用を支援してまいります。

 

「Copilot+ PC向けアプリケーション」は、Microsoft社が展開するCopilot+ PCデバイス上で動作する、オフライン環境対応の業務用AIアプリケーションであります。

従来のインターネット接続型AIサービスでは、利用環境の制約や情報セキュリティ上のリスクが課題となっておりましたが、Copilot+ PCはデバイス内臓のNPU(Neural Processing Unit)でAI処理を実行することにより、ネットワーク接続の制限を受けず、高度なセキュリティを確保しながら、業務効率化及び意思決定の高度化を実現いたします。

当社グループは日本マイクロソフト株式会社の開発パートナーとして、業務アプリケーション開発や顧客ニーズ開拓等の分野で連携し、データガバナンス要件の厳しいエンタープライズ企業へのCopilot+ PCの展開を支援しております。