文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営方針
1.ミッション「一人でも多くの人に社会人教育を届ける」
株式会社リスキルは
•できる限り多くの人に社会人教育を届け、社会人になっても学ぶのが当たり前の社会を作る会社です。
•社会人教育を通して、生涯にわたって「やりなおしの可能となる社会」を実現します。
2.ビジョン「アジアNo.1の社会人教育企業になる」
アジア全体の中で、売上高・利益額・顧客数がもっとも多い社会人教育企業になります。
3.価値観(行動指針)
① 早く!速く!捷く!
我々の価値はスピードにあります。はやい意思決定と行動で、成果を上げる企業であります。
② Edutainmentの実現
我々は、リスキルがいる業界をEdutainment産業であると定義し、創業時に掲げた「楽校楽習」というコンセプトを突き進め、教育と娯楽の融合を目指します。
③ Customer is Boss
我々の第一の責任はお客様です。お客様の立場に立ち、『顧客の創造』を実現していきます。とにかくお客様中心に考えます。自分たちのためではなく、お客様のために会社が存在すると我々は強く考えます。
④ 倹約のカルチャー
我々は自社の見栄のために費用を使うことはありません。お客様にとっての価値に繋がることに積極的に投資し、不要な費用には一切手を出しません。
(2)経営環境及び中期的な経営戦略
1.市場動向
当社が属する企業向け研修サービス市場はコロナ禍による市場規模の縮小がありましたが、2021年度以降堅調に回復し推移しております。リスキリングやリカレント教育の推進及び人的資本経営への意識向上により、企業向け研修サービス市場の拡大は今後さらに加速するものと見込まれております。
株式会社矢野経済研究所の調査によると2020年度4,820億円に対し、2021年度5,210億円、2022年度5,370億円、2023年度5,600億円、2024年度5,800億円(予測)と市場が拡大する予測となっております。
出典:株式会社矢野経済研究所”2024 企業向け研修サービス市場の実態と展望”
(グラフは当社にて作成)
当社の取り扱うサービスである企業向け研修サービス市場は、コロナ禍の影響を受け、市場が縮小しました。2021年度より状況は回復し、今後も数%の市場成長が見込まれております。
特にIT人材は、経済産業省が委託し、みずほ情報総研株式会社が発表した『IT人材需給に関する調査』によると、IT需要の伸びを2~5%と中位に見積もっても44.9万人の不足が予想されております。その結果、育成需要が上がることが予想され、企業向けIT研修サービス市場は拡大の余地が見込まれます。
2.参入障壁
参入障壁は低い業界であり、多くの研修会社が存在します。その中でも当社は、「研修サービスの標準化」「研修実施プロセスのDX化」及び「安価な価格設定の実現」によって、差別化を図っております。
3.研修サービスが必要とされる理由
当社は研修サービス市場が成長すると見込んでおります。サステナビリティや人的資本開示という社会的テーマに関連し、国内・海外において研修サービスが求められております。
① 日本の動向
経済産業省が2022年5月に公表した「人材版伊藤レポート2.0」によると、経営陣が主導して策定・実行すべき人材戦略の一つとして「リスキル・学び直し」が掲げられており、「経営環境の急速な変化に対応するためには、社員のリスキルを促す必要がある。また、社員が将来を見据えて自律的にキャリアを形成できるよう、学び直しを積極的に支援することが重要である。」とされております。
さらに、2022年10月に岸田前首相の所信表明演説において「リスキリング支援として、人への投資に5年間で1兆円を投じる。」と表明されました。
② 国内外の課題
国内について、経済産業省「人材版伊藤レポート2.0」によると、「人材や働き方の多様化」「サステナビリティ」「業務のデジタル化」が掲げられております。
海外について、外務省「JAPAN SDGs Action Platform」によると、8つ目の目標に「働きがいも、経済成長も」が掲げられており、人材育成の推進が重要なテーマとして位置づけられております。
③ 開示の義務化
金融庁が2024年5月時点で示している案によると、サステナビリティ開示の対象となる企業を拡大し、2030年代には東京証券取引所のプライム市場に上場している全企業にサステナビリティ開示を義務付ける計画です。サステナビリティ開示の一つである人的資本に関するソリューションとして研修サービスが用いられております。
④ 具体的な事例
金融庁が2023年12月に公表した「サステナビリティ開示の好事例集」によると、役職員への研修体制を整備しているだけなく、教育訓練費を増加させている傾向があります。IT研修やビジネス研修(階層別研修やテーマ別研修)等多岐に渡るニーズがあることが確認できます。
政府が公表している各資料は以下の通りです。
・経済産業省「人材版伊藤レポート2.0」
https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinteki_shihon/pdf/report2.0.pdf
・外務省「JAPAN SDGs Action Platform」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
・金融庁「有価証券報告書等における企業のサステナビリティ情報の開示」
https://www.fsa.go.jp/policy/kaiji/sustainability-kaiji.html
・金融庁「有価証券報告書のサステナビリティに関する考え方及び取組の開示例-人的資本等-」
https://www.fsa.go.jp/news/r5/singi/20231227/06.pdf
4.経営戦略
① 基本方針
市場の成長性が期待できることからも、現在の事業を成長させることを基本方針としております。現事業に注力し、重要な経営指標である顧客企業数を増加してまいります。特に、biz研修を成長ドライバーとします。
|
|
提供方法 |
|||
|
一社研修 |
公開講座 |
動画講座 |
||
|
種類 |
biz研修 |
・Webマーケティング強化により新規顧客企業数を増やす ・一社研修では売上増に対応するために営業担当を増やす(人員の増加) ・公開講座では、会社単位で利用できる申込み管理システムの利用企業数を増やす(注1) |
||
|
tech研修 |
・売上増に対応するために営業担当を増やす(人員の増加) |
‐(注2) |
||
|
事業共通 |
・研修実施プロセスDX化を進めることで顧客利便性を向上(システムの強化) これにより、新規顧客獲得及び既存顧客の継続利用の増加 |
|||
(注1)会社単位で公開講座の運営を管理できるシステムを提供しています。利用企業は公開講座利用の増加が
期待できます。
(注2)tech研修の動画講座は今後の成長を企図しておらず、売上高も僅少であることから省略しております。
② アジア圏への展開
現在、当社の研修サービスは日本国内のみで展開していますが、2026年3月期からアジア圏に新しい拠点を設立し、グローバル展開を進める予定です。国内の研修市場の年平均成長率(CAGR)が3.2%と予測される中、アジアの研修市場は2027年までの予測で、29.2%という高い成長が見込まれております(Skyquest™調べ)。これにより、当社は国内市場でのシェア拡大だけでなく、成長性の高いアジア市場への進出を通じて、企業価値の向上を目指します。これまでに培ったノウハウや研修コンテンツを活かしながら、海外展開を図ってまいります。海外進出はbiz研修での展開を想定しております。今後の海外売上高については、現時点では合理的な予測が難しいため、中期経営計画には含めておりません。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社はシェアを拡大することを意図していることから顧客企業数を重要視しており、KPIとして設定をしております。なお、集計対象は、当社の内部統制評価範囲で選定された重要な事業拠点を対象としております。
詳細については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容⑧ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容」をご参照ください。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の主な課題
経営戦略の実現を果たすため、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の主な課題は以下のとおりであります。
1.人員の増加
研修サービスの拡大を進め企業価値向上を図るため、主に営業人員の増加を行います。採用手法の多様化や採用担当の増員等採用活動費に投資する予定です。人員が増加した結果、既存の事業所の収容人数を超過することが想定されており、事業所の増床も行う予定です。
2.システムの強化
当社の研修サービスを提供する上で、研修サポートシステムは、重要な付加価値となっております。今後、新サービスの開発や、サポート機能の追加を図ってまいります。また、システム開発の速度を向上させるための施策にも投資してまいります。
3.受注の安定性及び継続性のさらなる向上
景気の悪化に伴う、企業向け研修サービス市場の縮小による受注減のリスクは想定されます。常時、安定的かつ継続的な受注活動が実現できるよう、競争優位性(「研修サービスの標準化」「研修実施プロセスのDX化」及び「安価な価格設定の実現」)を継続すると共に、マーケティング・営業力の強化を図っていきます。
4.研修講師の確保
契約講師との連携により人材育成事業を行っていることから、優秀な研修講師とパートナーシップを構築していくことは重要度の高い活動となります。
5.財務上の課題
当社は、本書提出日時点において優先的に対処すべき財務上の課題はありませんが、今後の事業拡大に備えて、更なる内部留保の確保と営業キャッシュ・フローの改善等により財務体質の強化を図ってまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。なお文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス
サステナビリティ関連のリスク及び機会の監視、及び管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続については、当社の主要事業である人材育成事業が環境に与える負荷が小さく、また気候変動に係るリスク及び収益機会が当社の事業活動や収益等に与える影響は少ないものの、「
(2)戦略
短期、中期及び長期にわたり当社の経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会に対処するための取組のうち、重要なものについて該当事項はありません。人的資本につきまして、当社のミッションである「一人でも多くの人に社会人教育を届ける」の実現に向けて、事業を中心とした企業活動全体で持続可能な社会へ貢献し、当社の持続的な成長を目指しております。この実現に向けてサステナビリティ規程において「行動指針」と「テーマ」を定めております。
サステナビリティ3つの行動指針
・企業活動を通じて、地球環境や社会にポジティブな影響を与える。
・全ての利害関係者との共栄を目指す。
・企業活動を健全な内部統制のもとで進める。
サステナビリティ3つのテーマ
・人権の尊重
・環境の保全
・多様性の理解
(3)リスク管理
当社において、サステナビリティ関連のリスク及び機会の識別、評価、及び全社的な管理をリスク・コンプライアンス委員会で行っております。優先的に対応すべきリスクの洗い出しについては、当社に与える財務的影響、当社の活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえ行われます。今後の状況に応じて、サステナビリティに係るリスク管理の強化を検討してまいります。
(4)指標及び目標
サステナビリティ関連のリスク及び機会に関して、会社の実績を長期的に評価し、管理し、及び監視するために用いられる情報のうち重要なものについて、該当事項はありません。また、人的資本に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関しましては、現段階では目標や指標を定めておりません。女性の活躍促進については、育児・介護休業制度や時短制度を整え、人事制度においては男女間での評価格差は一切なく、女性が活躍できる環境整備に努めております。引き続き環境整備に努めていくとともに、事業の発展に必要で有用な指標につきましては今後当社を取り巻く環境を踏まえ検討してまいります。なお、2024年10月31日時点で、従業員のうち52%が女性であり、役員のうち17%が女性であります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。また、リスクの発生可能性、発生時期及び影響度についても、当社が判断したものであり不確実性を内包しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)経営環境に関連するリスク
① 事業環境
発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社が研修サービスを提供する顧客は国内企業であります。景気変動等により、国内企業が教育研修費を抑制した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、新規企業顧客の獲得手段として主にマーケティングを活用しております。しかし、外的要因により集客効果が低下した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は多様な業界・規模の企業にサービスを提供しております。当該リスクにおいては全ての業種や規模で画一的に教育研修費の抑制が生じるような事態は想定しておりませんが、顧客の属する業界・当社サービス内容として極端な偏向が生じないように取り組んでまいります。さらに、マーケティング効果を継続的に注視することで集客効果の安定化を図ってまいります。
② 競合
発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
研修サービスは事業運営上、許認可を取得する必要がないことに加え、事業の開始にあたって大規模な設備投資も不要であることから、相対的に参入障壁が低い事業であります。このため、大手事業者から個人事業者まで多数の事業者が同様の事業を展開しており、豊富な研修コンテンツを提供する事業者が増える可能性があります。今後、同業者間での競争が激化した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、研修サービスの標準化や研修実施プロセスのDX化を進めるとともに、これまでの経験で蓄積されたノウハウを社内で共有しています。また、当社は800種類以上の高品質な研修コンテンツを提供しており、この規模を競合他社が容易に整えることは困難であると見込んでいます。今後も研修コンテンツの拡充を図り、さらなる取り組みを継続してまいります。
③ 業績の季節変動
発生可能性:中、発生可能性のある時期:第1四半期、影響度:大
当社は、売上高、売上総利益及び営業利益が第1四半期に偏る傾向にあります。年間売上高のうち約60%及び年間営業利益のうち約100%が第1四半期に計上されます。これは、新入社員や若手人材の育成需要が、第1四半期に高くなるためです。当該時期に研修サービスの需要が低下する事象が生じた場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、2023年3月期第3四半期、第4四半期及び2024年3月期第4四半期の営業利益が赤字となっている原因は、固定費を構成する販売費及び一般管理費が売上総利益を超過しているためであり、売上総利益は黒字となっております。
今後は、固定費を上回る売上総利益を確保できるよう、年間を通じて安定的に研修サービスを提供し、事業の成長を目指してまいります。
人材育成事業の売上高、売上総利益及び営業利益の推移
|
|
2023年3月期 |
2024年3月期 |
||||||
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
|
|
売上高(千円) |
483,837 |
197,278 |
113,995 |
125,546 |
899,459 |
227,113 |
184,884 |
172,366 |
|
構成比(%) |
52.6 |
21.4 |
12.4 |
13.6 |
60.6 |
15.3 |
12.5 |
11.6 |
|
売上総利益(千円) |
286,690 |
140,069 |
87,366 |
92,778 |
503,723 |
157,512 |
141,322 |
133,332 |
|
構成比(%) |
47.2 |
23.1 |
14.4 |
15.3 |
53.8 |
16.8 |
15.1 |
14.2 |
|
営業利益(千円) |
232,555 |
55,171 |
△38,485 |
△25,567 |
399,112 |
21,426 |
9,371 |
△27,502 |
|
構成比(%) |
103.9 |
24.7 |
△17.2 |
△11.4 |
99.2 |
5.3 |
2.3 |
△6.8 |
|
|
2025年3月期 |
|||
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
|
|
売上高(千円) |
1,109,293 |
314,103 |
― |
― |
|
構成比(%) |
― |
― |
― |
― |
|
売上総利益(千円) |
629,480 |
219,614 |
― |
― |
|
構成比(%) |
― |
― |
― |
― |
|
営業利益(千円) |
516,222 |
89,469 |
― |
― |
|
構成比(%) |
― |
― |
― |
― |
(注)1.当社は2022年5月2日設立のため、2023年3月期第1四半期は2022年6月30日までの60日間です。
2.2023年3月期第1四半期は2022年6月30日までの60日間のため、第1四半期の売上高は年間売上高の60%より低くなっております。
(2)事業内容に関連するリスク
① 設立からの年数が浅いこと
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社は、2022年5月設立であるため、期間業績比較を行うために十分な期間の財政状態及び経営成績に関する財務情報を得られない可能性があります。
当社は、上場後より投資者その他の財務諸表の利用者の理解に資する情報を提供してまいります。
② 特定サービスへの依存
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社は、日本国内において研修サービスのみを展開しております。研修サービスの実施企業数は年々増加しており、今後においても引き続き増加していくものと考えております。しかしながら、研修サービスに対する需要が期待通りに伸長しない場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営環境及び中期的な経営戦略 4.経営戦略で記載の通り、事業のグローバル化を進めていく予定であります。国内研修市場だけでなく、海外研修市場においても、研修サービスを提供してまいります。
③ 特定地域への依存
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社は、関東圏を中心として全国に事業展開しております。顧客の所在地が関東圏に多いことから、関東圏での売上依存度が高くなっております。これらの地域で経済情勢が悪化した場合や、地震・台風その他の災害が発生した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクへの対応策として、引き続き顧客獲得に注力しつつ、関東圏に絞ることなく関東圏以外に所在する企業に向けても新規開拓を図ることで、顧客所在地の偏在性の解消に努めてまいります。
(3)組織体制に関連するリスク
① 従業員の確保
発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社は、今後も増加が見込まれる顧客の需要に応えるため、研修サービスの拡大を進めるにあたり、優秀な従業員の採用・確保及び育成が重要であると考えております。しかしながら、国内における人材の争奪により、優秀な人材の採用・確保及び育成が計画通りに進まない場合、競争力の低下や事業規模拡大の制約、顧客に提供するサービスレベルの低下をもたらし、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
今後も採用市場の変化を捉えながら採用手法の多様化を進めることで候補者との接点拡大を図ると同時に、社内人材に対しては研修等によるナレッジの共有を行うことで育成機会の多様化・均等化を図ってまいります。
② 講師の確保
発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社は、今後も増加が見込まれる顧客の需要に応えるため、研修サービスの拡大を進めるにあたり、当社が求める品質基準を満たす講師との業務委託契約が重要であると考えております。しかしながら、優秀な講師との業務委託契約が計画通りに進まない場合、事業規模の拡大が制約され、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
今後も積極的に講師を募集するとともに、既存講師に対しては研修を実施し、品質の均一化を図るほか、研修後のアンケート結果を共有することで研修品質の改善に努めてまいります。
③ 特定の人物へ依存
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社代表取締役社長である松田航は、当社の設立者であるとともに、大株主であり、経営方針や事業戦略の決定において重要な役割を果たしております。現状において、何らかの理由により当人が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、特定の人物に過度に依存しない体制を作るために、取締役会等における役員間の相互の情報共有や経営組織の強化に努めております。
④ 小規模組織
発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社は組織規模が小さく、内部管理体制や業務執行体制もそれに応じたものとなっております。そのため、役員や重要な業務を担当する従業員が退職等で流出した場合、事業活動に支障を来し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は組織規模の拡大に応じて、内部管理体制や業務執行体制を維持・強化し、業務遂行が特定の人物に偏らないように取り組んでまいります。
⑤ コンプライアンス
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社では、役員及び従業員に対して行動規範を定め、コンプライアンス意識の徹底を図っています。しかし、万が一、役員や従業員がコンプライアンス違反を行った場合、当社の社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
コンプライアンス意識を高めるため、テストを含む研修を実施し、役員及び従業員の意識向上に努めております。また、社内コミュニケーションを活性化させ、風通しの良い職場環境を構築しています。さらに、内部通報制度を整備し、問題が発生した場合には速やかに検知できる仕組みを導入しています。
(4)法的規制に関連するリスク
① 法規制
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社は、事業を行う上で労働基準法(その他労務管理に関わる法令等を含む)、下請法、個人情報保護法、著作権法等様々な法的規制を受けております。
現時点において、これらに抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後運用の不備等により法令義務違反が発生した場合、若しくは新たな法令の制定や既存法令における規制強化等がなされ、当社の事業が制約を受ける場合、当社の主要な事業活動全体に支障をきたす可能性があり、当社の事業運営、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
各種法令遵守のため、社外の弁護士や社会保険労務士、税理士等の専門家とのコミュニケーションを定期的に行うことで法的規制の変更点等のアップデートを行い、リスク・コンプライアンス委員会等を通じて社内で共有しております。研修テキストに関係する著作権法やマーケティングに関係する景品表示法に関しては、弁護士確認済のチェックリストを使用し、随時の確認を行っております。また、従業員に対しても定期的に必要な研修を実施しております。
② 政策変更
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社の顧客は、政府による教育推進による人材育成関連政策の助成金を利用していることがあります。助成金減額等の政策変更があった場合、顧客側の需要が変化する可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の顧客からのアンケート結果にて、当社を選んだ理由として「高い利便性」が最も多いです。当社は、そのような助成金の利用を営業における訴求手段とせず、引き続き研修サービスそのものを訴求してまいります。
③ 訴訟
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社は、顧客から申込を受ける際に、利用規約にて事前にトラブル時の責任分担を取り決める同意を取得する等、過大な損害賠償の請求をされないようリスク管理を行っております。しかしながら、申込時に想定していないトラブルの発生等、当社の提供したサービスに問題が生じた場合、予定通りに進捗しなかった場合、取引先等との何らかの問題が生じた場合、これらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起されるリスクがあります。かかる損害賠償の金額、訴訟の内容及び結果によっては、当社の社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
現時点において訴訟は生じておりません。今後もリスク管理を十分に行ってまいります。
(5)システムに関連するリスク
① 情報セキュリティ
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社の研修サービス提供に際し、顧客の機密情報や講師を含む各種個人情報を取り扱うことがあります。不測の事態により、これらの情報が外部に漏洩した場合、当社の社会的信用に重大な影響を与えるだけでなく、対応費用を含め、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、情報セキュリティ管理規程及び個人情報保護規程を制定し、徹底した情報管理を行っております。また、役員及び従業員には、守秘義務の遵守や機密情報・個人情報の適切な管理を徹底させるため、定期的な研修と情報セキュリティを含むコンプライアンステストを実施しております。さらに、個人情報の適切な取り扱いを強化するため、プライバシーマークの認証を取得し、その運用を行っています。講師に対しては、研修サポートシステムのアクセス権を限定し、業務委託契約書には機密情報及び個人情報の取り扱いに関する条項を明記しています。研修開始時の業務ガイダンスにおいても、これらの事項について再確認を行っております。
② システム障害
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社のサービスは、外部クラウドサーバー(Amazon Web Services)・外部通話システム(Zoom)・外部クラウドプラットフォーム(Google Workspace)等にて提供しており、それらの安定的な稼働が当社の事業運営上、重要な事項となっております。しかしながら、それらの障害、自然災害やサイバー攻撃、その他何らかの要因等によりシステム障害やネットワークの切断等予測不能なトラブルが発生した場合には、社会的信用失墜等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して、当社は安定的なサービス運営を行うために、セキュリティ対策の強化や障害発生時の社内体制の構築等システム障害に対し備えるよう努めております。
(6)その他
① 当社株式の流動性
発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社の上場時における流通株式比率は、27.6%となる見込みであります(オーバーアロットメントによる売出しの影響を考慮しない場合)。今後は、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、大株主の売出し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
今後、流通株式比率を注視し、既存大株主への一部売出しの要請等、流動性の向上を図ってまいります。
② 風評
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社は、顧客ニーズを充足する高品質なサービスの提供に努めるとともに経営管理室を設置し、役員及び従業員に対する研修、コンプライアンステストによる法令遵守意識、情報管理やコンプライアンスに対する意識を浸透させ、経営の健全性、効率性及び透明性の確保を図っております。しかしながら、当社のサービスや役員及び従業員に対して意図的に根拠のない噂や悪意を持った評判等を流布された場合には、当社の社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、顧客や講師等社外の関係者に対して誠実に対応することを重視しております。また、継続的に役員及び従業員に対する研修等を実施し、全社向けの会議においても定期的に周知することを努めてまいります。
③ 大株主
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社の代表取締役社長である松田航の所有株式数の割合は、本書提出日現在で発行済株式総数の100.0%となっており、引き続き大株主(オーバーアロットメントによる売出しの影響を考慮しない場合、上場時の保有比率72.4%)となる見込みです。松田航は、当社の創業者であるとともに代表取締役社長であるため、当社といたしましても安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情によりこれらの当社株式が売却された場合には、当社株式の市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
松田航は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。
④ 自然災害
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社は、研修サービスを事業としているため、災害発生時に損害を受ける固定資産は極めて限定的ですが、当社の従業員が勤務する事業所や、当社の事業を支えるITインフラが被害を受けた場合、また当社に勤務する者や契約講師が多数被災する等の人的損傷が発生した場合、業務遂行が遅延する、若しくは不可能になる可能性があります。また、顧客が自然災害により被害を受けた場合、受注の減少を招き、当社の財政状態及び経営成績に営業を及ぼす可能性があります。
自然災害による被害を最小にするために、オンラインによる研修サービスの提供を可能としており、BCP対策によって平時より準備する取り組みをしております。
⑤ 資金使途
発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年内、影響度:小
当社の公募増資による調達資金の使途は、主として人材採用費、オフィス拡張のための設備投資、海外事業への展開費、システム開発費となります。しかしながら、事業環境の変化に伴い、現在計画している資金使途を変更する可能性があります。また、現在の計画通り資金を使用したとしても、記載しているリスクが起因して、期待どおりの売上高をあげられない可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
資金使途に変更が生じた場合には速やかに適時開示を行います。
⑥ 配当政策
発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年内、影響度:小
当社は、事業の成長・拡大による企業価値の向上を最重要課題として認識するとともに、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つと位置付けております。当社は現在、成長過程にあると考えており、事業拡大のための成長投資に充当することを優先し無配としております。
利益配分につきましては、今後の成長・拡大戦略に備えた内部留保の充実等を総合的に勘案した上で業績の動向を踏まえた配当を検討していく方針であり、今後の配当実施の可能性、実施時期については現時点で未定であります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
第2期事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(資産)
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ200,270千円増加し、888,816千円となりました。これは主に、現金及び預金が160,721千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ86,530千円減少し、228,213千円となりました。これは主に、長期借入金が67,800千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ286,801千円増加し、660,602千円となりました。これは主に、当期純利益を285,127千円計上したことにより利益剰余金が増加したこと等によるものであります。
第3期中間会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
(資産)
当中間会計期間末の資産合計は、前事業年度末に比べ535,263千円増加し、1,424,080千円となりました。これは主に、現金及び預金が447,888千円増加、売掛金が42,624千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当中間会計期間末の負債合計は、前事業年度末に比べ139,937千円増加し、368,150千円となりました。これは主に、買掛金が4,168千円減少し、未払法人税等が145,868千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当中間会計期間末の純資産は、前事業年度末に比べ395,326千円増加し、1,055,929千円となりました。これは、中間純利益の計上により利益剰余金が395,049千円増加したこと等によるものであります。
② 経営成績の状況
第2期事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う行動制限の緩和が進み、経済活動の正常化と回復が進展しつつあります。当社が属する企業向け研修サービス市場は、リスキリングへの取組み、並びに人的資本経営を通じた企業価値向上等を背景に、コロナ禍からの回復と合わせ、安定的に推移しております。
この状況の中、当社は当事業年度では、新規顧客からの問い合わせ及び継続顧客からのリピート売上高も増加しました。また、研修コンテンツの新規開発により、提供しているコンテンツ数も増加しました。社内体制に関しては、人員増加や組織整備等の営業体制強化を実施し、将来的な事業拡大や研修サービスの受注増加に備えております。
この結果、当事業年度の業績は、売上高1,483,824千円、営業利益402,407千円、経常利益404,081千円、当期純利益285,127千円となりました。当社は2022年5月2日設立であり、第1期事業年度は10ヶ月30日の業績となっております。そのため前期比較は記載しておりません。
なお、当社は人材育成事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
第3期中間会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
社会人教育に関する日本の動向としては、経済産業省が2022年5月に公表した「人材版伊藤レポート2.0」によると、経営陣が主導して策定・実行すべき人材戦略の一つとして「リスキル・学び直し」が掲げられており、「経営環境の急速な変化に対応するためには、社員のリスキルを促す必要がある。また、社員が将来を見据えて自律的にキャリアを形成できるよう、学び直しを積極的に支援することが重要である。」とされております。また、2022年10月に岸田前首相の所信表明演説において「リスキリング支援として、人への投資に5年間で1兆円を投じる」と表明されました。このように日本国内において社会人教育の重要性が叫ばれております。当中間会計期間においても引続き社会人教育が重要視されており、事業環境は堅調に推移しております。
このような状況の中、当社は「一人でも多くの人に社会人教育を届ける」のミッションのもと、企業の人材育成の課題解決を通じて、社会人になっても学ぶのが当たり前の社会を創ることを目指し、事業を展開しております。
当中間会計期間においては、入社シーズンに実施される新入社員研修のニーズが高く推移したこと、また、その他の研修に関しても、顧客からの問い合わせや申込が増加したことから、売上が好調に推移いたしました。
以上の結果、当中間会計期間の業績は、売上高1,423,397千円、営業利益605,692千円、経常利益603,601千円、中間純利益395,049千円となりました。
なお、当社は人材育成事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
第2期事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は738,304千円となりました。各キャッシュ・フローの状況と主な要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は265,445千円となりました。これは主に税引前当期純利益404,268千円を計上したこと及び法人税等の支払額が132,620千円あったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は16,884千円となりました。これは主に投資有価証券の取得により19,899千円支出したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は87,840千円となりました。これは長期借入金の返済により87,840千円支出したことによるものです。
第3期中間会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は1,186,192千円となりました。各キャッシュ・フローの状況と主な要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は497,364千円となりました。これは主に税引前中間純利益603,601千円を計上したこと及び法人税等の支払額が75,334千円あったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は49,476千円となりました。これは主に投資有価証券の取得により49,000千円支出したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローの発生はありません。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社の事業は、人材育成事業であり、区分すべき事業セグメントが存在しないため単一セグメントとなっており、セグメント情報に関連付けては記載しておりません。
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社は提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
第2期事業年度及び第3期中間会計期間における当社の販売実績は、次の通りであります。なお、当社は人材育成事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
|
セグメントの名称 |
第2期事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
第3期中間会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) |
|
売上高(千円) |
売上高(千円) |
|
|
人材育成事業 |
1,483,824 |
1,423,397 |
(注)1.当社は、2022年5月2日設立のため、第2期事業年度の前年同期比は記載しておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(繰延税金資産)
繰延税金資産については、当社の将来の課税所得見込みや想定実効税率等、現状入手可能な将来情報に基づき、合理的に将来の税金負担を軽減する効果を有し、回収可能性があると考えられる範囲内で計上することとしております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の計上額に影響する可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第2期事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(売上高、売上原価及び売上総利益)
売上高は、1,483,824千円となりました。これは展開中の人材育成事業の成長が順調に推移したことによるものです。売上原価については、売上高の増加に伴い、547,933千円となりました。この結果、売上総利益は935,891千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費については、主に組織体制強化による採用活動費の増加及び広告宣伝費の増加等により、533,483千円となりました。この結果、営業利益は402,407千円となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は2,269千円となりました。主な内容は人材開発支援にかかる助成金収入1,104千円及びクレジットカードのキャッシュバック収入961千円であります。また、営業外費用は595千円となりました。主な内容は支払利息581千円であります。この結果、経常利益は404,081千円となりました。
(特別利益、特別損失、法人税等合計及び当期純利益)
特別利益は186千円となりました。これは投資有価証券売却によるものです。特別損失の発生はありません。また、法人税等合計は119,140千円となりました。この結果、当期純利益は285,127千円となりました。
第3期中間会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
(売上高、売上原価及び売上総利益)
売上高は、1,423,397千円となりました。これは展開中の人材育成事業の成長が順調に推移したことによるものです。売上原価については、売上高の増加に伴い、574,302千円となりました。この結果、売上総利益は849,095千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費については、主に人員増加に伴う給料手当の増加及び広告宣伝費の増加等により、243,402千円となりました。この結果、営業利益は605,692千円となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は456千円となりました。主な内容はクレジットカードのキャッシュバック収入361千円であります。また、営業外費用は2,547千円となりました。主な内容は株式交付費2,546千円であります。この結果、経常利益は603,601千円となりました。
(特別利益、特別損失、法人税等合計及び当期純利益)
特別利益及び特別損失の発生はありません。法人税等合計は208,551千円となりました。この結果、中間純利益は395,049千円となりました。
③ 財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、前記「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」をご参照ください。
④ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、前記「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社における主な資金需要は、継続的なサービス提供のための売上原価及び人件費、人員獲得のための採用活動費、当社の認知度向上及び潜在顧客獲得のための広告宣伝費であります。これらの資金需要に対しては、自己資金、金融機関からの借入等で調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、前記「3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、法規制・政策変更、その他の様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑧ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
当社は、より多くの企業に研修サービスを提供することにより、事業の継続的な拡大と企業価値の向上を図ることが重要だと認識しており、顧客企業数を重要な経営指標と考えております。顧客企業数の推移は以下の通りであります。
|
(単位:社) |
|
|
|
2023年3月期 |
2024年3月期 |
2025年3月期 中間会計期間 |
|
顧客企業数 |
biz研修 (一社研修) |
719 |
965 |
785 |
|
tech研修 (一社研修・公開講座) |
187 |
217 |
256 |
・2023年3月期の集計は、比較可能性の観点より、2022年5月2日設立のため2022年4月1日から5月1日の未監査期間が含まれる数字となっております。また一部数字は概算です。
・biz研修の公開講座・動画講座及びtech研修の動画講座に関しては、当社の内部統制評価範囲で選定された重要な事業拠点の対象とならない事業規模となるためKPI開示の対象から外しております。
・tech研修の一社研修と公開講座は、同一ビジネスフローでの事業活動となるため分けずに顧客企業数を開示しております。
・tech研修の一社研修と公開講座にはそれぞれを利用し、重複している企業も含まれております。
指標の向上の施策については「第1 企業の概況 3 事業の内容 (4)各サービスの特徴」をご参照ください。
今後の各指標の向上の施策については前記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
該当事項はありません。
該当事項はありません。