第一部 【証券情報】
第1 【募集要項】
1 【新規発行新株予約権証券】
(1) 【募集の条件】
(注) 1 本書による当社の新規発行新株予約権(当社発行の第5回新株予約権であり、以下「本新株予約権」という。)に係る募集については、2025年7月28日(以下「発行決議日」という。)開催の当社取締役会においてその発行を決議している。
2 申込方法は、申込期間内に上記申込取扱場所に申込みをすることとする。
3 払込方法は、本書の効力発生後、払込期日までに野村證券株式会社(以下「割当予定先」という。)が当社との間で本新株予約権の買取契約を締結し、上記払込取扱場所へ発行価額の総額を払い込むものとする。
4 本新株予約権の募集は第三者割当の方法による。
5 本新株予約権の振替機関の名称及び住所
株式会社証券保管振替機構
東京都中央区日本橋兜町7番1号
(2) 【新株予約権の内容等】
(注) 1 本新株予約権(行使価額修正条項付新株予約権付社債券等)の発行により資金の調達をしようとする理由
(1) 資金調達の主な目的
当社は「次世代の人々が地球を理解し、レジリエントな未来を実現するための新たなインフラをつくる」ことを目指し、衛星コンステレーション(複数の人工衛星を連携させて一体的に運用するシステム)とデータ解析技術を用いた衛星データ事業を展開しております。人々の生活とそれを支える経済は、地球規模での災害や紛争、気候変動等の、さまざまなリスクに脅かされており、人類が自然環境や次世代を思いやりながら安心して生きていくには、それらリスクを定量的に可視化し、理解することが重要だと考えます。そのためには、地球規模での均質性、定常性、広域性、公正性を備えたデータを、高頻度で取得する必要があります。
当社はこのミッションを実現するため、地球を恒常的に俯瞰する自社SAR衛星(マイクロ波を使って地表面を観測する衛星)「StriX」のコンステレーションの衛星機数を増やし、継続的なデータ販売で堅実に収益を積み上げつつ、SAR衛星が強みを持ち、かつ社会的関心度も高い自然災害・安全保障・環境リスクを軸にソリューションのラインナップを拡大し、新規衛星データ市場を開拓してまいります。
当社の属する世界のSAR市場は、需要の増加や技術の進歩により成長しており、2023年から2030年までに防衛分野においては年率10.8%、研究・商用利用においては年率12.2%の成長が予想されており、2030年までに推定1.89兆円規模の市場になると見込まれています(注1)。これはSAR衛星だけでなく、航空機、UAV等の市場も含むものですが、基本的に全天候で広範囲の撮像が可能なSARは情報収集・警戒監視・偵察等の防衛用途に広く使用されており、SAR技術の進化に伴い、防衛・情報機関のSAR利用は今後も継続的に拡大し続けることが予想されています。また、従来の防衛・政府利用にとどまらず、環境モニタリングや災害対応、農業、林業、インフラ管理等、さまざまな商業分野での需要の高まりがSAR市場の成長を後押しすると予想されます。
また国内においても、『防衛省の令和7年度宇宙関連概算要求』において、令和5年度から令和9年度までの宇宙関連予算をこれまでの3倍以上に増強することが示されています(注2)。さらに、宇宙業界において10年で1兆円という長期かつ大規模な支援となる「宇宙戦略基金」が国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)に設置され、2024年度からスタートした第1期の交付決定が順次なされたほか、続く第2期の公募情報が公開されております(注3)。加えて、防衛省の衛星コンステレーション構築プログラムにおいて、2025年3月に国会での予算の可決を受けて2,832億円の衛星コンステレーションからの画像取得予算が確定する(注4)等、宇宙関連企業への政府による支援(注5)が加速している状況です。当該衛星コンステレーションからの画像取得予算については、国産衛星に限定することを含め防衛省の方針が公開されたことにより(注6)、将来の売上の見通しがより明確化したと考えております。
こうした市場環境のもと、このような機会を活かすためには、当初より計画していた2028年以降の30機以上のコンステレーションの実現が必要となります。
中長期の成長戦略としては、当面の堅実な日本政府のデータ需要を起点に、衛星数を増やしていくとともに、その運用における安定性と生産性を高めて海外展開を進め、さらにはソリューション展開を進めて高収益化を目指していきます。海外展開については、当社シンガポール拠点に続いて2025年3月には世界最大の宇宙関連市場である米国に拠点を設立しましたが、これら拠点及びパートナー提携を活用して、海外政府へのデータ販売を拡大していく計画です。
ソリューションについては、1時間以内にデータと解析結果を提供できるサービスの販売体制を整えていきます。
このように、成長戦略の実現及び政府からの強い需要に応えていくためには、現状の衛星4機の運用から早急に運用機数を拡充する必要があります。現在は製造能力の拡張を見据えて、生産現場の環境整備及び衛星の数が増加した際の安定的な品質確保に向けた管理体制の強化を進めているほか、それを支える技能者の育成環境の整備等も進めています。
まずは来期目標の年産12機体制の構築に向けて、2025年6月末現在では23号機までの部材発注を開始しており、既に12号機まで製造に着手しています。当期は下期に2機の打上げを予定していますが、当社が掲げる30機のコンステレーションを構築する目標の実現に向けて、必要な人員の採用・教育、製造体制の整備、パートナー企業との連携、ロケットの打上げ企業とのコミュニケーション等を進めている状況です。
上記のような事業状況において、2024年度における売上高は、2,316,649千円(前連結会計年度比67.1%増)、営業損失は3,070,206千円(前連結会計年度は1,795,927千円の損失)、経常損失は3,594,948千円(前連結会計年度は1,951,232千円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は3,592,954千円(前連結会計年度は1,520,458千円の損失)となっております。
また、2024年度における営業活動に使用した資金は1,798,097千円(前連結会計年度は2,221,564千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失3,586,493千円(前年同期は税金等調整前当期純損失1,505,008千円)、減価償却費1,097,476千円(前年同期は減価償却費115,259千円)、株式報酬費用437,930千円、上場関連費用383,560千円(前年同期は上場関連費用6,988千円)によるものです。
当社は2024年12月の東京証券取引所グロース市場への上場を通じて約104億円の資金調達を実施し、また2025年6月末時点で約111億円の現預金を保有しておりますが、2028年以降の実現を目指す30機の衛星コンステレーションの構築のための全ての資金は確保できていない状況であり、本新株予約権の発行を決議いたしました。
なお、2024年12月の上場時の資金調達、未実行の融資及び政府からの補助金収入等により2026年末までに打上げを予定している衛星に係る製造・打上げ資金は確保できておりますが、2027年以降の打上げに係る製造・打上げ資金、2027年までの運転資金の一部については確保できていない状況であり、また補助金収入は対象となる支出が先行して発生し、その収入時期は一部2027年以降になる可能性があり不確実であります。また、衛星の打上げのためにはその約2年前から部材発注を開始する必要があり、それら費用の支払いが先行して発生するため、30機のコンステレーション構築の実現に向けて、このタイミングでのエクイティ・ファイナンスによる資金調達が必要であると判断しました。これにより、事業から創出される収益の充当に加えて、本資金調達・本調達によって自己資本を厚くすることで可能となる新規融資を行うことにより、2027年末までを目処とした製造・打上げ資金及び運転資金が確保できる見通しです。
今回のエクイティ・ファイナンスにおける具体的な資金使途及び支出予定時期につきましては、下記「2 新規発行による手取金の使途 (2)手取金の使途」に記載しております。
(注1) Global Market Insights, “Synthetic Aperture Radar (SAR) Market Report, 2024-2032” (2023年5月)。出所に記載がある市場規模元データを1ドル=150.0円として換算。市場規模には衛星、航空機、UAVの市場規模を含む。ただし、記載内容は当該市場予想が合理的な根拠に基づくものと当社グループ内で適切な検討を経たものであるが、その予測統計モデルは、複数の予測手法と重要性による加重を組み合わせて設計されており、その達成を保証するものではありません。
(注2) 防衛省の令和7年度宇宙関連概算要求(P.1):
https://www8.cao.go.jp/space/comittee/dai114/siryou2-9.pdf
*令和7年度(2025年度)以降は概算要求額
(注3) 宇宙戦略基金とは、産学官の結節点として宇宙航空研究開発機構(JAXA)に設置した基金(総額1兆円)を活用し、スタートアップをはじめとする民間企業・大学等が複数年度(最大10年間)にわたって大胆に研究開発に取り組めるよう支援を行うものです。令和5年補正予算にて第1期(約3,000億円)が措置されました。なお令和6年度補正予算として第2期(約3,000億)の概要が公表され、今後4,000億の予算化が期待されます。
https://fund.jaxa.jp/
(注4) 2025年4月8日公表の「防衛省衛星コンステレーションの整備・運営等事業に関する実施方針」より。2025年7月8日には「衛星コンステレーションの整備・運営等事業に関する入札公告」が公表されています。
(注5) 足元では、2025年7月上旬に防衛省情報本部より画像取得に関する公告が公表されており、当社は入札への参加を検討しています。入札は本新株予約権の割当日までの期間に予定されていますが、仮に落札した場合でも、2025年12月期連結業績予想への影響は軽微となる見込みです。
(注6) 2025年5月20日公表の防衛省「衛星コンステレーションの整備・運営等事業に関する実施方針に対する質問回答」より。
(2) 本新株予約権の商品性
① 本新株予約権の構成
・本新株予約権1個あたりの目的となる株式の数は100株と固定されており、本新株予約権の目的となる株式の総数は19,523,000株です。
・本新株予約権者はその裁量により本新株予約権を行使することができます。ただし、下記②に記載のとおり、当社と割当予定先との間で締結予定の買取契約の規定により当社が停止指定(下記②に定義する。以下同じ。)を行うことができますので、当社の裁量により、割当予定先に対して行使を行わせないようにすることが可能となります。
・本新株予約権の行使価額は、当初1,226円(発行決議日の直前取引日の東証終値)ですが、本新株予約権の各行使請求の通知が行われた日以降、当該通知が行われた日の直前取引日の東証終値の92%に相当する価額に修正されます。ただし、行使価額の下限(下限行使価額)は736円(発行決議日の直前取引日の東証終値の60%の水準)であり、修正後の価額が下限行使価額を下回ることとなる場合には、下限行使価額が修正後の行使価額となります。
・本新株予約権の行使可能期間は、割当日の翌々取引日以降約3年間(2025年8月15日から2028年8月10日まで)であります。ただし、当社普通株式に係る株主確定日、その前営業日及び前々営業日並びに機構が必要であると認めた日については、行使請求をすることができません。
本新株予約権の募集に係る届出の効力発生後、当社と割当予定先との間で締結予定の買取契約において、主に下記②及び③の内容について合意する予定です。
② 当社による停止指定
・当社は、割当予定先が本新株予約権の全部又は一部を行使することができない期間(以下「停止指定期間」という。)として、2025年8月15日から2028年7月10日までの間の任意の期間を指定(以下「停止指定」という。)することができます。停止指定を行う場合には、当社は、2025年8月13日から2028年7月6日までの間において停止指定を決定し、当該決定をした日に、停止指定を行う旨及び停止指定期間を割当予定先に通知いたします。なお、上記の停止指定期間については、停止指定を行った旨をプレスリリースにより開示した日の2取引日以後に開始する期間を定めるものとします。
・なお、当社は、一旦行った停止指定をいつでも取消すことができます。
・停止指定を行う際には、停止指定を行った旨及び停止指定期間を、また停止指定を取消す際にはその旨をプレスリリースにて開示いたします。
③ 割当予定先による本新株予約権の取得の請求
・割当予定先は、(ⅰ)2025年8月15日以降、2028年7月10日までの間のいずれかの5連続取引日の東証終値の全てが下限行使価額を下回った場合、(ⅱ)2028年7月11日以降2028年7月20日までの期間、(ⅲ)当社が吸収分割若しくは新設分割につき当社の株主総会(株主総会の決議を要しない場合は、取締役会)で承認決議した後、当該吸収分割若しくは新設分割の効力発生日の15取引日前までの期間、(ⅳ)当社と割当予定先との間で締結予定の買取契約に定める当社の表明及び保証に虚偽があった場合、又は(ⅴ)当該買取契約に定める禁止行為を行った若しくは割当予定先から要求される行為を行わなかった場合、当社に対して通知することにより、本新株予約権の取得を請求することができ、かかる請求がなされた場合、当社は、本新株予約権の発行要項に従い、本新株予約権の払込金額と同額の金銭を支払うことにより残存する本新株予約権を全て取得します。
(3) 本新株予約権を選択した理由
数あるエクイティ・ファイナンス手法の中から資金調達手法を選択するにあたり、当社は、既存株主の利益に充分配慮するため、株価への影響の軽減や過度な希薄化の抑制が可能となる仕組みが備わっているかどうかを最も重視いたしました。また、当社の資金調達ニーズへの柔軟な対応が可能な手法であるかどうかとともに、資本政策の柔軟性が確保されていること等も手法選択の判断材料といたしました。
その結果、以下に記載した本新株予約権の特徴を踏まえ、当社は、本新株予約権が当社のニーズを充足し得る現時点での最良の選択肢であると判断し、その発行を決議いたしました。
(本新株予約権の主な特徴)
<当社のニーズに応じた特徴>
① 約3年間にわたり発生する資金調達ニーズへの柔軟な対応が可能なこと
・今般の資金調達における調達資金の支出時期は、下記「2 新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の使途」に記載のとおり、約3年間にわたります。本新株予約権は、発行後の株価の状況や当社の資金調達ニーズが高まるタイミングを考慮し、停止指定を行うことを通じて、臨機応変に資金調達を実現することが可能な設計になっております。
② 過度な希薄化の抑制が可能なこと
・本新株予約権は、潜在株式数が19,523,000株(発行決議日現在の発行済株式数111,565,050株の17.50%)であり、一定の希薄化が生じるものの、最大の希薄化率は一定であり、株式価値の希薄化が限定されております。また、本新株予約権には上限行使価額が設定されていないため、株価上昇時には希薄化を抑制しつつ調達金額が増大するというメリットを当社が享受できることで、既存株主の利益に配慮した資金調達が可能となっております。
・本新株予約権者がその裁量により本新株予約権を行使することができるため、株価が下限行使価額を上回る水準では行使が進むことが期待される一方、当社は、当社株価動向等を勘案して停止指定を行うことによって、本新株予約権の行使が行われないようにすることができます。
③ 株価への影響の軽減が可能なこと
以下の仕組みにより、株価への影響の軽減が可能となると考えております。
・行使価額は各行使請求の通知が行われた日の直前取引日の東証終値を基準として修正される仕組みとなっていることから、複数回による行使と行使価額の分散が期待されるため、当社普通株式の供給が一時的に過剰となる事態が回避されやすいこと
・一定の水準の下限行使価額が設定されていること
④ 資本政策の柔軟性が確保されていること
・資本政策の変更が必要となった場合、当社の判断により、残存する本新株予約権の全部をいつでも取得することができ、資本政策の柔軟性を確保できます。
<本新株予約権の主な留意事項>
本新株予約権には、主に、下記⑤乃至⑧に記載された留意事項がありますが、当社といたしましては、上記①乃至④に記載のメリットから得られる効果の方が大きいと考えております。
⑤ 本新株予約権の下限行使価額は736円(発行決議日の直前取引日の東証終値の60%の水準)に設定されており、株価水準によっては本新株予約権の行使による資金調達の全部又は一部ができない可能性があります。
⑥ 株価の下落局面では、行使価額が下方修正されることにより、調達額が予定額を下回る可能性があります。ただし、行使価額は下限行使価額を下回ることはありません。
⑦ 当社の普通株式の流動性が減少した場合には、調達完了までに時間がかかる可能性があります。
⑧ 本新株予約権発行後、東証終値が5取引日連続して下限行使価額を下回った場合等には、割当予定先が当社に対して本新株予約権の取得を請求する場合があります。
(他の資金調達方法と比較した場合の本新株予約権の特徴)
⑨ 公募増資等により一度に全株を発行すると、一時に資金を調達できる反面、1株あたりの利益の希薄化も一時に発生するため株価への影響が大きくなるおそれがあると考えられます。
社債、借入れによる資金調達は、一時に資金を調達できる反面、調達金額が負債となるため財務健全性指標は低下いたします。なお、当社においては、必要な資金を調達するには負債となる資金調達も一定程度は必要であると考えており、設備投資資金・運転資金の調達を行うため複数の取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメント並びにタームローン契約を締結しております。この契約に基づく2025年3月末時点の借入未実行残高は8,932百万円であります。
本新株予約権においては、上記③に記載のとおり、行使の分散、下限行使価額の設定等の仕組みにより株価への影響の軽減が期待されます。また、調達金額は資本となるため、財務健全性指標は上昇いたします。一方、当社普通株式の株価・流動性の動向次第では、実際の調達金額が当初の予定を下回る可能性があります。
2 企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第9項に規定する場合に該当する場合にあっては、同項に規定するデリバティブ取引その他の取引として予定する取引の内容
該当事項はありません。
3 本新株予約権に表示された権利の行使に関する事項について割当予定先との間で締結する予定の取決めの内容
本新株予約権に関して、当社は、本新株予約権の割当予定先である野村證券株式会社との間で、本新株予約権の募集に関する届出の効力発生をもって締結予定の買取契約において、本(注)1(2)②及び③に記載の内容以外に下記の内容について合意する予定であります。
<割当予定先による行使制限措置>
① 当社は、東証の定める有価証券上場規程第434条第1項及び同規程施行規則第436条第1項乃至第5項の定めに基づき、MSCB等の買受人による転換又は行使を制限するよう措置を講じるため、日本証券業協会の定める「第三者割当増資等の取扱いに関する規則」に従い、本新株予約権の行使価額が発行決議日の取引所金融商品市場の売買立会における発行会社普通株式の終値(ただし、本新株予約権の行使価額の調整が行われた場合は同様に調整される。)以上の場合、本新株予約権の行使可能期間の最終2か月間等の所定の適用除外の場合を除き、本新株予約権の行使をしようとする日を含む暦月において当該行使により取得することとなる株式数が本新株予約権の払込日時点における当社上場株式数の10%を超えることとなる場合の、当該10%を超える部分に係る新株予約権の行使(以下「制限超過行使」という。)を割当予定先に行わせません。
② 割当予定先は、上記所定の適用除外の場合を除き、制限超過行使に該当することとなるような本新株予約権の行使を行わないことに同意し、本新株予約権の行使にあたっては、あらかじめ当社に対し、本新株予約権の行使が制限超過行使に該当しないかについて確認を行います。
4 当社の株券の売買について割当予定先との間で締結する予定の取決めの内容
割当予定先は、本新株予約権の行使を円滑に行うために当社普通株式の貸株を使用する予定であり、本新株予約権の行使により取得することとなる当社普通株式の数量の範囲内で行う売付け等以外の本件に関わる空売りを目的として、当社普通株式の貸株は使用しません。
5 当社の株券の貸借に関する事項について割当予定先と当社の特別利害関係者等との間で締結される予定の取決めの内容
本新株予約権の発行に伴い、当社株主である新井元行は、その保有する当社普通株式について割当予定先への貸株を行う予定です。
なお、新井元行は、当社の株価や株式市場の動向、本新株予約権の行使の進捗状況等を勘案し、割当予定先へ貸株の返還を請求する可能性があり、その旨を割当予定先へ通知しております。
6 その他投資者の保護を図るため必要な事項
割当予定先は、当社との間で締結予定の買取契約の規定により、本新株予約権を第三者に譲渡する場合には、当社取締役会の決議による当社の承認を取得する必要があります。その場合には、割当予定先は、あらかじめ譲受人となる者に対して、当社との間で本(注)3①及び②の内容等について約させ、また譲受人となる者がさらに第三者に譲渡する場合にも当社に対して同様の内容等を約させるものとします。ただし、割当予定先が、本新株予約権の行使により交付された株式を第三者に譲渡することを妨げません。
7 振替新株予約権
本新株予約権は、その全部について社債等振替法第163条の定めに従い社債等振替法の規定の適用を受けることとする旨を定めた新株予約権であり、社債等振替法第164条第2項に定める場合を除き、新株予約権証券を発行することができません。
8 本新株予約権行使の効力発生時期等
(1) 本新株予約権の行使請求の効力は、機構による行使請求の通知が別記「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄に記載の行使請求受付場所に行われ、かつ、本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額の全額が払込取扱場所の当社の指定する口座に入金された日に発生します。
(2) 当社は、本新株予約権の行使請求の効力が発生した日の2銀行営業日後の日に振替株式の新規記録又は自己株式の当社名義からの振替によって株式を交付します。
9 単元株式数の定めの廃止等に伴う取扱い
当社が単元株式数の定めを廃止する場合等、本新株予約権の発行要項の規定中読み替えその他の措置が必要となる場合には、当社は必要な措置を講じます。
(3) 【新株予約権証券の引受け】
該当事項はありません。
2 【新規発行による手取金の使途】
(1) 【新規発行による手取金の額】
(注) 1 払込金額の総額は、発行価額の総額に本新株予約権の行使に際して払い込むべき金額の合計額を合算した金額であります。
2 払込金額の総額は、全ての本新株予約権が当初行使価額で行使されたと仮定して算出された金額です。行使価額が修正又は調整された場合には、調達する資金の額は増加又は減少します。また、本新株予約権の行使期間内に全部又は一部の行使が行われない場合及び当社が取得した本新株予約権を消却した場合には、本新株予約権の行使に際して払い込むべき金額の合計額及び発行諸費用の概算額は減少します。
3 発行諸費用の概算額は、弁護士費用、本新株予約権の価値評価費用及びその他事務費用(有価証券届出書作成費用、払込取扱銀行手数料及び変更登記費用等)の合計であります。
4 発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 【手取金の使途】
上記差引手取概算額24,028,669,900円につきましては、前記「1 新規発行新株予約権証券 (2) 新株予約権の内容等 (注) 1 (1)」に記載の内容を目的として、下記のとおり充当する予定であります。
(注) 1 本新株予約権の行使状況又は行使期間における株価推移により、実際の調達金額が上記支出予定金額に満たない場合には、自己資金又は借入等も活用して、可能な限り上記の方針に沿った事業活動を展開する予定であります。なお、本新株予約権の行使期間における株価推移により上記の使途に充当する支出予定金額を上回って資金調達ができた場合には、上記の方針に沿って事業を展開する上で適切な配分等を勘案しそれぞれの投資に充当していく予定であります。
2 当社は、本新株予約権の払込み及び行使により調達した資金を速やかに支出する計画でありますが、支出実行までに時間を要する場合には銀行預金等にて安定的な資金管理を図る予定であります。
3 上記具体的な使途につき、優先順位はございません。支出時期の早いものより充当する予定であります。なお、資金使途の変更があった場合には速やかに開示する予定であります。
上記各資金使途に係る詳細につきましては、以下のとおりです。
① 小型SAR衛星の製造・打上げ及び関連する設備投資資金について
SAR衛星データ市場は、安全保障や防災に関わる世界需要の大きさに対して、供給量に制約があり寡占傾向が強いことが特徴と認識しています。この世界的な需要に応えるために、早期の衛星の量産体制の構築・運用機数の増加が当面の重要課題となります。
当社は、これまで衛星6機の製造・打上げを行い、既に最初の実証機2機は運用が終了しておりますが、基本的には年間1機から2機ずつの製造を行ってまいりました。現在は多数機のコンステレーションを構築するため、小型SAR衛星を年間最大12機程度同時に生産できる量産体制の構築を進めており、設計寿命が5年である点も踏まえながら、今後段階的に量産体制による製造を拡大する予定です。量産を実現するために、必要な人員の採用・教育、製造体制の整備、パートナー企業との連携を進めてまいります。
衛星の製造・打上げの支払いは売上に先行して発生するため、その先行資金の確保が必要となります。2024年12月の上場時の資金調達、未実行の融資及び政府からの補助金収入等の既存の資金に加えて、本資金調達及び今後の新規融資により、目標とする30機分の製造・打上げ資金及び運転資金の確保が可能となります。なお、衛星1機あたりの製造費用は約11-14億円、打上げ1回あたりの費用は当社専用機で約11億円、相乗機で約3億円であり相乗機の利用も一定程度見込んでおります。加えて、衛星製造に関連する試験機等の導入のため約5億円の設備投資を見込んでおります。これらの小型SAR衛星の製造・打上げ及び関連する設備投資等を目的として16,248百万円を充当する予定であります。
② 小型SAR衛星及びソリューションに係る運転資金(人件費、研修採用費、研究開発費、業務委託費及び事業発展に伴うシステム利用料)について
当社事業を継続的に発展させるためには、小型SAR衛星及びソリューションに係る専門性の高いエンジニアや営業人材の採用及び教育、パートナー企業との連携が重要であると認識しております。そのため人件費、研修採用費、研究開発費、業務委託費及び事業発展に伴うシステム利用料の運転資金として、7,780百万円を充当する予定であります。