第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「デジタル社会のインフラとして高精度位置情報基盤をグローバルに構築し、自動運転をはじめとする新しい未来を拓く」をパーパスとして掲げ、自動車関連及びスマートシティ(注)等、様々な用途に向けた高精度3次元データの構築・提供を行っております。

(注)都市の抱える諸課題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区

 

(2) 経営環境

国土交通省「令和7年版交通安全白書」によると、我が国においては、交通事故発生件数は2004年を境に減少しているものの、2024年における交通事故死亡者数は2,663人となっております。また、世界全体では2021年における交通事故死亡者数が約119万人(World Health Organization「Global Status Report on Road Safety 2023」、2023年12月発行)になるなど、引き続き交通事故死亡者数の減少に向けた取り組みが必要な状況が続いております。こうした中、交通事故の発生減少に大きく貢献する可能性のある手段として自動運転技術の開発が推進されてきました。

また、我が国の地域社会においては、人口減少を背景とした利用者減等により公共交通手段の維持に課題が生じており、地域社会における移動手段の再構築が喫緊の課題となっております。

当社グループでは、こうした環境において、高精度3次元地図データの整備・提供を通じて、自動運転や先進運転支援システムへの搭載は勿論、地域社会課題解決のためのMaaS展開へと広がると想定しています。さらには、防災・減災システム、インフラ維持管理システム等、自動走行以外での用途を拡大し、多様化するニーズに応えることによって安心・安全で快適な社会の実現に貢献する所存です。

 

<市場規模・市場動向>

Acumen Research and Consultingの予測によると、フィジカルAI市場は、ロボティクス、自動運転、スマートインフラ等への適用拡大を背景として、今後高い成長が見込まれております。フィジカルAIは、自動運転やロボットに代表されるように、現実世界を認識し、判断し、物理的な行動を行うAIを含む概念であり、従来のデジタル領域を中心としたAIとは異なる市場として拡大しております。当社グループは、自動運転及び先進運転支援システム向けの高精度3次元地図データの生成・提供を主たる事業領域としておりますが、これらはフィジカルAIの主要なユースケースの一つに位置付けられます。また、近年はフィジカルAIの進展に伴い、AIの学習・検証等に用いられる実世界データの重要性も高まっていると認識しております。

 


出所:「Acumen Research and Consulting "Physical AI Market Size to Exceed USD 82,790.9 Million by 2035"」を基に当社作成

 

こうした前提のもと、以下では当社グループの主たる事業領域である自動運転及び先進運転支援システムに関連する市場動向を示しております。IHS Markitの予測によると、2030年には全世界で新規に販売される車両の約28%にレベル2以上の自動運転及び先進運転支援システムが搭載される見通しです(「IHS Markit “Autonomous Vehicle Sales Forecast 2023”」を基に当社作成)。また、Markets and Marketsの試算によると、2023年における自動車分野を除くデジタルマップ市場規模はグローバルで3.4兆円とされております(「Markets and Markets “Digital Map Market Global Forecast to 2029”」を基に当社作成)。Markets and Marketsでは、デジタルマップを「衛星画像や航空写真、GIS(注1)、クラウドソーシングデータ(注2)等のさまざまなデータソースとテクノロジーを活用して、道路やランドマーク、地形、交通ネットワーク、PoI(注3)等の空間情報を提供するもの」としており、当社の高精度3次元地図データをはじめとした高精度3次元データを活用した事業をカバーしております。本資料では、当社の2つの事業領域(オートモーティブビジネスと3Dデータビジネス)についてマーケット情報を示しておりますが、図表の左側ではオートモーティブについて示しており、右側では3Dデータビジネスについてのみを示すことを目的としております。このためTAM(Total Addressable Market:獲得出来る可能性のある最大の市場規模)は、オートモーティブ向けのデジタルマップ市場を除外しております。

一方、SAM(Serviceable Available Market:実際にアプローチ出来る市場規模)については、当社事業とより近接した事業領域にあるものを抽出するため、地域と用途を絞り込んでいます。地域につきましては、現在の当社グループのデータカバレッジ地域と重なる北米・アジア・パシフィック市場としています。用途につきましては、インフラ、輸送、政府・防衛の3つの分野に限定しています。それぞれの代表的な内容としては、インフラ分野はインフラメンテナンス、輸送分野は各種情報に基づいたルート計画や交通計画・モデリング、政府・防衛分野は空間情報の提供による戦略的な計画や意思決定の支援が挙げられており、現在当社が3Dデータビジネスで取り組んでいる事業と重なるものです。なお、これらの記述は、本書に引用されている外部の情報源から得られた統計その他の情報に基づいており、それらの情報については当社グループは独自の検証を行っておらず、その正確性または完全性を保証することはできません。

 


 

当社グループは、2026年3月末現在、日本・北米・欧州・韓国・中東26か国において180万km超にもわたる高精度3次元地図データのデータカバレッジを広範に拡張し、世界で初めてレベル2+以上の自動運転/先進運転支援システムが搭載されたGeneral Motors CompanyのCT6への搭載以降、現在は38車種(販売予定が公表されている車種数を含む) の量産車への高精度3次元地図データ搭載を実現している等、オートモーティブビジネス向けの高精度3次元地図データ市場において高い競争優位性を確保していると考えております。またオートモーティブ以外の3Dデータビジネスは、社会・産業のDX化のニーズの高まりを背景として、全世界で3.4兆円、現在の当社グループのデータカバレッジ地域と重なる北米・アジア・パシフィック市場において、当社が具体的に事業拡大を進めているインフラ、輸送、政府・防衛の3つの分野に限定しても1.6兆円と広大なマーケットが存在しています。当社がオートモーティブビジネスを中心としてこれまでに蓄積してきた高精度3次元データに関する深い知見と豊富なデータカバレッジ、データ精度の高さといった強みを活かして、顧客・協業先との関係性をより一層強固にすることで、広大な市場の獲得を目指していきます。今後、市場が拡大した後も当社グループの競争優位性を維持・強化すべく、顧客との関係の維持・強化、潜在顧客との取引の実現、高精度3次元データの用途拡大、技術的優位性の一層の強化の可能性の模索等、不断の努力を行ってまいります。

 

(注1)Geographic Information System(地理情報システム)の略で、地理的位置に基づいた情報を管理・解析し、視覚的に表示する技術。地理的なデータを総合的に扱い、高度な分析や迅速な判断が可能になります。

(注2)一般のユーザーが提供する地理情報を基に作成・更新される地図データのことで、リアルタイムで最新の情報を反映することが可能。具体的には、道路の変更、施設の情報(店舗の開店・閉店等)、渋滞・事故情報等が含まれます。

(注3)Point of Interestの略で、地図やナビゲーションシステムで特定の地点を示すために使用される情報。具体的には、レストラン、ガソリンスタンド、観光名所、病院などユーザーが関心を持つ場所を指します。

 

(3) 目標とする客観的な指標等

当社グループは、(1) 経営方針に記載のとおり、「デジタル社会のインフラとして高精度位置情報基盤をグローバルに構築し、自動運転をはじめとする新しい未来を拓く」をパーパスとして掲げており、その実現のためには、中長期的な売上収益の成長、収益性の向上、また、事業活動を支えるキャッシュ・フローの創出が重要と考えております。当社グループは、成長性、収益性及びキャッシュ・フローの状況を把握するために、売上高、ライセンス型売上高、調整後EBITDAを重要な経営指標と位置付けております。

 

① 売上収益の中長期的な成長

当社グループでは、早期の調整後EBITDAの黒字化実現に向け、売上収益の中長期的な成長を重視しております。2020年3月期から2026年3月期までの当社グループ全体での売上高年平均成長率は52%を実現しております。2026年3月期においては、プロジェクトの受注規模の縮小や売上計上時期の影響等により、連結売上高は前期を下回る結果となりましたが、当社グループは、引き続き中長期的な売上収益の成長を目指して取り組んでまいります。そのためには、自動車メーカーを中心とした顧客からの継続的な受注が重要と考えております。

 

   売上高(連結)の推移

                                                              (単位:百万円)

 

2025年3月期

2026年3月期

売上高

7,465

5,686

 国内

2,693

1,456

 海外

4,771

4,229

 

 

② ライセンス型売上の成長

当社グループでは、収益モデルの違いから、売上高をプロジェクト型とライセンス型に大別でき、将来の調整後EBITDAの黒字化、一層の利益成長に向けて、整備済みのデータやシステム等を活用したライセンス型売上の成長が重要な課題と認識しております。

プロジェクト型売上には、主に高精度3次元地図データ整備等による事業基盤の構築や官公庁向けプロジェクトを通した研究開発投資見合いの性質があり、オートモーティブビジネスにおける高精度3次元地図データ新規整備に係る開発プロジェクト及び固定価格での高精度3次元地図データ更新整備に係るメンテナンスフィー、3Dデータビジネスにおける官公庁からの開発プロジェクトが含まれます。

ライセンス型売上には、主に整備済みのデータやシステムをベースに、車載用や多用途向けに商品を提供するものが含まれます。オートモーティブビジネスにおける量販車への高精度3次元地図データ搭載に際し、販売台数に応じて受領するライセンスフィー(高精度3次元地図データ搭載車の販売時に売上計上)及びメンテナンスフィー(高精度3次元地図データ搭載の期間に応じて売上計上)、法人向け高精度3次元地図データライセンス等(整備済み地図データ提供によるライセンスフィー、高精度3次元地図データの利用対価として自動車メーカーより収受する開発利用料等)が含まれます。また、3DデータビジネスにおけるViewerやGuidance商品を通じたライセンスフィー、法人向けデータライセンス(整備済み地図データ提供によるライセンスフィー等)が含まれます。ライセンス型売上に係る売上原価は固定的なものが中心であり、限界利益率が高い性質を有しているため、今後、より高い粗利率が期待できるライセンス型売上の比率を高め、当社グループ全体の粗利率の向上を目指します。

売上カテゴリー別のビジネスの概要及び収益モデルについては、「第1 企業の概況 3 事業の内容(売上カテゴリー別のビジネスの概要及び収益モデル)」をご参照下さい。


 

売上高(プロジェクト型、ライセンス型)の推移

                                      (単位:百万円)

 

2025年3月期

2026年3月期

売上高

7,465

5,686

 プロジェクト型

6,293

3,092

 ライセンス型

1,171

2,594

 

 

③ 調整後EBITDAの向上

当社グループは、持続的な成長と高い収益性の実現を目指す観点から、また事業活動を支えるキャッシュ・フローの状況を把握するため、調整後EBITDA(注)を重要な経営指標と位置付けております。

 

調整後EBITDAの推移

                                                                (単位:百万円)

 

2025年3月期

2026年3月期

調整後EBITDA

△609

△501

 

(注)調整後EBITDA

EBITDA(営業利益+減価償却費)に営業外収益に計上される政府補助金及びM&Aに関連する一時的な費用を加えたものです。

 

(4) 当社グループの強み

①  厳しい精度要求に応え得る高水準の正確性を有する技術力

自動運転や先進運転支援システムへ搭載される高精度3次元地図データにおいては、走行ルートから逸脱しないよう、自己位置推定機能において従来のナビゲーション地図(メートル級の精度)より厳しい精度水準が求められております。

当社グループは、高精度3次元データの測定技術にRTK(Real Time Kinematic)(注1)を採用するとともに、衛星測位、計測、図化、統合の各プロセスにおいて高い技術力を結集することにより、1桁のセンチメートル精度を実現しております。高水準の精度で3次元点群データを取得する測位・計測技術により、自動運転及び先進運転支援システムに用いられる高精度3次元地図データの提供を可能としており、また、多様な顧客要求に応じたデータ形式・仕様での提供を可能にする図化・統合技術により、大手自動車メーカー各社の優位性ある自動運転及び先進運転支援システムの提供に寄与しております。

また、高精度3次元データは社会DXサービスの提供に必要な高精度の位置情報データ基盤としてデジタル社会のインフラとしての役割を担います。国内外の大手自動車メーカー各社による採用実績から、当社グループの有する技術は社会DXサービスを実現する様々な用途展開を可能にする汎用性を有していると考えております。さらに、当該データは、自動運転及び先進運転支援システムの開発におけるAIの学習、検証及び推論等の用途に利用されるほか、現実世界を再現するデータセットとして、各種AIの高度化に資するデータとしても活用されております。

 


 

(注1) 「相対測位」と呼ばれる測定方法のひとつ。固定局と移動局の2つの受信機で4つ以上の衛星から信号を受信する技術で、2つの受信機の間で情報をやりとりしてズレを補正することで、単独測位よりも精度の高い位置情報を得ることが可能

 

②  国内外を網羅する広域なカバレッジ範囲

当社グループは設立以来、自動運転の本格到来を前に必要となるデータを構築すべく、国内外において高精度3次元地図データのカバレッジ範囲を急速に拡大させてまいりました。2026年3月末時点において、日本国内において高速道路・自動車専用道路:33,000km、北米において高速道路・幹線道路:1,500,000km、欧州において高速道路・幹線道路:255,000km、韓国において高速道路:20,000km、先進国地域における自動車メーカーの求めるカバレッジ範囲の高精度3次元地図データの整備を概ね完了させており、顧客ニーズを充足しています。また2026年度中には、中東における高速道路の整備完了を予定しております。今後の新規データ整備によるカバレッジ範囲の拡大は、顧客と綿密なコミュニケーションを行い、顧客ニーズや事業性を考慮した上で取り組み、競合他社に対する先行優位性をより強固なものとする方針です。

オートモーティブビジネスに加えて、当社グループが各国で保有する広範な高精度3次元データを活用し、3Dデータビジネス(自動運転及び先進運転支援システム用途以外でのソリューション提供)の拡大にも取り組んでまいります。


(注)2026年3月末現在

 

③  今後のパイプラインを生み出す顧客基盤
a 国内外の有力自動車メーカーとの緊密な関係性

日本国内の高精度3次元地図データの生成は、日系自動車メーカー10社の要求に基づき共通の仕様が定義されています。こうした背景から、当社は高精度3次元地図データ作成を一元化する目的で、上記日系自動車メーカー10社からの共同出資を受けた上で設立され、高精度3次元地図データの整備に取り組んでまいりました。

また、連結子会社であるDynamic Map Platform North America, Inc.(旧 Ushr, Inc.)も、当社買収前においてGM Venturesを通じて開発資金が提供され、技術者同士が協力するなど、General Motors Companyとの緊密なパートナーシップを構築してきました。General Motors Companyは北米高速道路におけるハンズフリー運転を可能とすべく2014年に開発を開始した同社のSuper Cruise™において、2013年にDynamic Map Platform North America, Inc.をパートナーとして選定した結果、Dynamic Map Platform North America, Inc.の高精度3次元地図データは、Super Cruise™の開発とその市場投入に際して、重要な役割を果たしております。

こうした背景から、当社グループは上記に挙げた国内外の有力自動車メーカーとの緊密な関係性を既に有しており、各社への販路を構築できております。また、当該自動車メーカー以外においても、北米・欧州メーカーなど、既に高精度3次元地図データの提供を行っている先に加え、今後の提供に向けて商談を開始している先が複数存在します。

上述のとおり既に販売中の量産車に当社グループの高精度3次元地図データが複数搭載されていることに加えて、今後の利用を目的とした開発利用契約(注2)を複数社と締結している他、将来販売予定車種への搭載に向けて広範な商談が進んでいる取引先も複数存在し、当社グループの高精度3次元地図データ搭載台数の一層の拡大を見込んでおります。

 

(注2) 高精度3次元地図データ開発に係る費用を当社グループ開発の高精度3次元地図データの利用そのものへの対価として自動車メーカーより収受する契約

 

b 政府・自治体・企業等との緊密な連携

当社は、内閣府が所管する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)において、高精度3次元地図データの開発・作成を一元化する目的で設立され、官民一体となり高精度3次元地図データの整備に取り組んできた経緯があり、政府・自治体・企業等と緊密に連携し事業を行っております。高精度3次元地図データを活用した自動運転及び先進運転支援システム以外のソリューション提供、高精度3次元データの多用途展開を進める3Dデータビジネスでは、産業のデジタル化、脱炭素、高齢化社会・過疎化への対応等、各種社会課題解決に資する政府研究開発プロジェクトに継続的に参画している他、社会実装に向けた各種実証実験、商品開発に自治体や企業等と共同で取り組んでいます。これら政府・自治体・企業等の緊密な連携・関係性を活かして、研究開発・商品開発を進め、社会課題の解決を通じて新たな市場を創造し、一層の事業拡大に取り組んでまいります。

 

以下は、当社グループで契約済の案件、見積り依頼を受領している案件、商談中の案件のパイプラインの状況を示したものです。自動車メーカーは複数年にわたって新車開発を進める関係上、当社グループへの発注も新車販売タイミングより、相当の期間先んじて行われる傾向にあり、段階的な見積依頼(RFI: Request for Information(「情報提供依頼書」を指し、新しい製品・サービスを導入する前に、ベンダーから当該製品・サービスに関する基本的な情報を収集するための文書です)、RFQ: Request for Quotation(「見積依頼書」を指し、具体的な製品・サービスの購入を検討するに、ベンダーから正式な見積りを依頼するための文書です))及び発注書(PO: Purchase Order)の受領は、当社グループの将来収益の実現性を図る上で重要な要素となっております。当社グループでは、自動車メーカーの業界慣行に照らし、顧客との緊密な交渉を経ている等の一定の案件については、必ずしも法的拘束力のある契約書の締結には至ってはいないとしても、オートモーティブビジネス売上高に係る目標を議論するに際して将来売上高として考慮しております。3Dデータビジネスにおいては、政府プロジェクトの受注実績やViewerやGuidance商品の契約実績等の指標に着目し、契約書の締結に至ってない案件についても商談の状況を踏まえて、見込み案件毎に売上高を設定し、売上高に係わる目標を議論するに際して考慮しております。ステータスがRFQ、RFI、商談中の案件パイプラインについては、当社グループが受注に至っていないものであり、当社グループが想定する時期及び取引条件通りに受注・契約に至る保証はありません。

 

 

(オートモーティブビジネス)

プロジェクト型


(注)1.これらのパイプラインはあくまで契約に基づいて想定される収益見込み金額であり、記載の図の通りに推移しない可能性がございます。

2.為替レートはFY23は140.56円/ドル、FY24は151.58円/ドル、FY25は149.71円/ドル、FY26以降は145円/ドルで計算しております。

 

ライセンス型

(注)1.これらのパイプラインはあくまで契約に基づいて想定される収益見込み金額であり、記載の図の通りに推移しない可能性がございます。

2.為替レートはFY23は140.56円/ドル、FY24は151.58円/ドル、FY25は149.71円/ドル、FY26以降は145円/ドルで計算しております。

 

 

(3Dデータビジネス)

プロジェクト型

(注)1.これらのパイプラインはあくまで契約に基づいて想定される収益見込み金額であり、記載の図の通りに推移しない可能性がございます。

 

ライセンス型

(注)1.これらのパイプラインはあくまで現状の想定であり、記載の図の通りに推移しない可能性がございます。

 

 

(5) 中長期的な経営戦略

①  搭載拡大に向けた幅広いステークホルダーとの連携

自動運転及び先進運転支援システム市場の立ち上がりに合わせて、近年、搭載車種が高級車種から、普及車種に広がり、その搭載台数が拡大しています。既に北米においては普及車種にも広く搭載が進んでおり、他地域においても同様の進展が期待されます。また、自動運転及び先進運転支援システムの開発においてAIの活用が進展していることを背景に、当社データは、車載用途に加え、開発・検証等の用途においても活用されております。当社グループは、従来の自動車メーカーとの連携に加えてTier1自動車部品メーカー(注3)・地図会社・半導体メーカー・AI関連企業等のステークホルダーとの連携を強化することで、自動運転及び先進運転支援システム全体を俯瞰した取り組みを推進し、自動車メーカー各社の自動運転社会の実現に向けた取り組みに貢献してまいります。

 

②  顧客ニーズに基づいたグローバルなデータ提供

当社グループは、自動車メーカーからの需要に基づき、高精度3次元地図データの整備範囲の拡張を進めてまいりました。国内は、自動車メーカーの需要に応じて、基幹道路や直轄国道等一般道路への展開を図り、当社データの利用機会を段階的に拡大します。また、スマートシティプロジェクトなどへも積極的に参画し、単に整備路線の拡充を図ることに限らず、線と面の両方から整備範囲の拡張を行います。また北米では,主要幹線や都市部の利用率の高い路線・地域から順に整備を開始し、顧客の高いニーズを充足すべくエリアを拡大しております。既に北米においては1,500,000kmの整備を完了させており現時点での顧客ニーズは充足していますが、自動運転社会の進展に伴った具体的な顧客ニーズを踏まえてデータカバレッジ拡大を検討します。

また、欧州、アジア市場においても既に自動車メーカーと当社の高精度3次元地図データの利用に関する契約を締結しております。今後は、当社グループの日本市場・北米市場における既存の取引関係を横展開することで、当社高精度3次元地図データのより広範な搭載を訴求し、さらなる拡大を図ってまいります。

加えて、近年、自動運転及び先進運転支援システムの開発の進展に伴い、開発・検証用途を含めたデータ利用のニーズが拡大しており、当社グループは、こうした多様な用途にも対応したデータ提供を進めてまいります。また、当社グループが高精度3次元データを保有する各国において、保有データを活用した3Dデータビジネスの事業化・拡大にも取り組んでまいります。

 

③  デジタル社会における共通インフラの確立

当社グループは、高精度3次元データを基盤とし、各種産業データと連携した「データ連携基盤」の構築を進めております。当該基盤においては、「点群データ」や「ベクトルデータ」に加え、道路管理情報や工事情報等の外部データを紐づけることで、現実世界をデジタル上で再現する基盤としての整備を進めてまいります。当該「データ連携基盤」は、道路台帳の整備・更新、除雪支援、電線・電柱等のインフラ点検、維持管理など、様々な用途での活用が可能であり、社会インフラの効率化・高度化に資するものと考えております。また、インフラ・物流・建設領域等における事業との連携を通じて、防災・減災、社会インフラの維持管理、輸送システム、建設生産システム(i-Construction)(注4)等への展開を進めてまいります。さらに、当該データ基盤を活用したアプリケーションの開発にも取り組み、自治体向けモビリティサービス等については、地域単位での展開を起点に、順次対象エリアの拡大を図ってまいります。

 

④  新規事業の創出

当社グループは、高精度3次元地図データ及びデータ連携基盤を基礎としたデータプラットフォームを構築し、自動運転及び先進運転支援システム向け用途を中心に、モビリティ、インフラ等の分野への展開を進めております。当該データプラットフォームは、現実世界を高精度に再現したデータを基礎とするものであり、近年の自動運転技術の進展やAIの活用拡大等を背景として、その利用用途は従来に比して拡大しております。こうした環境変化を踏まえ、民間企業とのパートナリング等を通じて、データ活用技術の開発及び新規事業の創出を推進してまいります。

 

 

<業界横断的な社会へのインパクト>


 

(注)1.上記は当社グループが未進出の分野を含む、ターゲット市場のイメージを示しております

2.自動運転各レベルの内容は、「3 事業の内容 <自動車向け高精度3次元地図データの特徴>③ 自動運転高度レベル2以上に有用な機能」に掲載する表のとおりです。

 

a あらゆる自動モビリティの制御データとしての高精度3次元地図データの提供

cm級の位置精度でデータ整備を行うノウハウを活用する一方で、乗用車の先進運転支援システム向けに構築したデータ仕様を発展させることで、自動走行シャトル(注5)やドローン、AGV(Automatic Guided Vehicle)(注6)等、完全自動走行モビリティの安全な運行を可能とする高精度3次元データの提供を国の法令改定に従いながらサービス事業として推進いたします。また、静的情報だけでなく動的情報に対するニーズが益々高まる中、動的データを生成するための技術開発や既に存在する様々な情報との連携に取り組み、新たなデータ提供ビジネスの確立にも取り組んでまいります。

b 省人化・省力化に繋がるソリューションの提供

高精度な位置情報を持つ地図データは、自動モビリティの制御に役立つのみならず、人による行動や作業の効率化にも役立ち、カーボンニュートラルや高齢化社会への対応といった社会課題の解決にも寄与いたします。例えば、高さ情報や目的地の正確な座標情報を活用した無駄の少ない走行による電動車両の航続距離延伸(=CO2削減)や除雪機械の自車位置周辺の正確な地図データ配信による除雪作業の効率化、道路空間におけるインフラ管理の効率化、空港港湾等の制限区域内における位置情報の共有による安全性・効率性の向上などが用途として挙げられ、高精度位置情報を用いた様々なソリューションの提供に繋げてまいります。

c 自動車メーカー向け事業の盤石化

自動車メーカーによる先進運転支援システム開発の効率化を背景に、当社グループでは高精度3次元地図データの全世界的共通または互換性のある仕様での提供が重要になると認識しており、北米市場において量産車への搭載実績を有することを活かしつつ、欧州や中東、アジアなど他地域での高精度3次元地図データ整備を進めてまいりました。また、高精度3次元地図データの整備範囲拡大・更新頻度向上に活用するために、インフラ会社等の他社が計測・提供するCrowd Sourcedデータ(注7)を当社の高精度3次元地図データと連携させる研究開発を継続的に進め、事業基盤を盤石なものとしていきます。

高精度3次元地図データのデータを更新するにあたっては、道路が変化したことを検知することが非常に重要となります。日本においては、国道、県道など主要な道路については道路管理者を通じて新規開通や大規模工事情報を入手することができますが、標識などの設置物、道路ペイントなどの小さな変化や一般道路の変化情報については、現地を確認する必要があります。また、国によっては大きな工事情報でさえも入手できないこともあります。当社は、自動車メーカーや車載機器メーカー等から入手した車両のプローブ情報(注8)をもとにした変化点検知を取り入れており、当該情報を活用することで、速やかに再計測し、データ更新する仕組みを取り入れており、より低コストで高鮮度の地図更新プロセスを進化させてまいります。

d V2Xにおけるデジタルインフラの提供

自動運転・先進運転システムにおいてAI活用が進展することに伴い、車載センサーから得られた情報のみから判断する自律型から、より周辺情報を活用したV2X(注9)でのインフラ協調型での制御が求められます。既に海外においてはV2Xの実現に向けたデジタルインフラの検討が開始され当社グループも一部の取り組みに参画しております。当社グループは、中長期にわたりパートナーとの協力を通じて、車両・歩行者・天候・渋滞・交通規制といった動的情報を連携させる基盤を構築し自動運転社会の発展に貢献してまいります。

 

⑤  アライアンス・M&Aを活用した事業拡大

当社グループの持続的な成長のために、データ整備能力の強化及び事業領域の拡大を目的としたアライアンスやM&Aの活用による事業拡大は有効な手段であると考えております。当社は2019年に、当時General Motors Companyの投資先であった在米国高精度3次元地図データ企業であるUshr, Inc. (現・連結子会社Dynamic Map Platform North America, Inc.)を完全買収し、北米における事業基盤を確保すると同時に、同社が有する高精度3次元地図データ生成に係わる技術・ノウハウ、優秀な技術者、現地市場における人脈を獲得しました。その後、同社を通じて、欧州・中東・韓国においても事業を展開しております。

近年においては、当社グループの提供するデータの整備範囲拡大及び更新頻度の向上等を目的として、測量会社との連携強化及びM&Aを通じた測量ネットワークの構築を進めております。これにより、高精度3次元データの効率的な取得及び更新体制の強化を図り、当社グループのデータ基盤の拡充につなげてまいります。今後も、こうした取り組みに加え、当社保有データの利用を促進するためのアプリケーション開発、データ解析及びAI活用等に係る技術・ノウハウ獲得を目的としたアライアンスやM&Aの機会を検討してまいります。

 

   (注3) 自動車メーカーに直接部品を供給する部品メーカー

(注4) 国土交通省が推進する「ICTの全面的な活用(ICT土工)」等の施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上を図る取組み

(注5) 自動運転でシャトル運行(イベントや空港・観光地など特定の目的地を利用する客を効率的に輸送するため短い間隔で運行)を行う輸送車

(注6) 産業用途で多く使用される自動運転車の一種。人間が運転操作を行わなくとも自動で走行できる搬送車

(注7)不特定多数の情報源から情報を収集し、その情報に基づき生成された地図データや位置情報

(注8)走行する車両を通じて収集される位置、時刻、路面状況等の情報

(注9)Vehicle to Everythingの略称。車両と様々な機器とを接続し、相互に連携する技術

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題は以下のとおりであります。

①  事業成長の実現及び収益性の向上

当社グループは収益性の向上を通じた調整後EBITDAの黒字化の実現を重要な財務上の課題であると認識しております。事業を取り巻く環境が変化するなか、既存顧客との長期的な取引関係の深化を図るとともに、車載向け事業(量産ライセンス)に加え、AI用途や産業・インフラ分野に向けた法人ライセンス事業など、複数の収益機会を組み合わせた事業ポートフォリオの構築を進めております。これにより、事業規模の拡大と併せて、中長期的な収益性の改善を図ることを重要な課題として取り組んでまいります。

 

②  フィジカルAIの進展を背景とした「Data for AI」需要への対応

自動運転やロボティクス等の「フィジカルAI」の進展に伴い、AIの開発・学習・検証に利用されるデータ(Data for AI)の重要性は一層高まりを見せております。一方で、AI関連技術や市場ニーズの変化は非常に速く、当社グループがこれらの潮流に迅速かつ柔軟に対応できない場合には、競争力の低下や事業機会の逸失につながる可能性があると認識しております。

このような環境下、当社グループは、研究開発体制の拡充及び外部パートナーとの連携等を通じて、技術・市場の変化に機動的に対応できる事業基盤構築に取り組んでまいります。また、「AIネイティブ」な高精度3次元データ・商品を整備することにより、フィジカルAI向けの「Data for AI」需要を着実に取り込むことで、法人ライセンスを中心とした収益機会の拡大を図ってまいります。

 

③  優秀な人材の採用と育成

当社グループが将来にわたり持続的な成長を実現するためには、優秀な人材の採用と育成が不可欠であると認識しております。特に、技術革新が急速に進む当社グループの事業領域においては、競争優位性の維持・拡大に資する高度な技術力を有するエンジニアの獲得及び育成が不可欠であると考えております。当社グループでは、優秀な人材の獲得に向けて今後も積極的な採用活動を実施するとともに、社内トレーニング体制の強化、専門性を高めるキャリア開発支援、並びに多様な人材が活躍できる企業文化の醸成等の施策を推進し、人材の確保・育成・定着に努めてまいります。

 

④  内部統制の強化

当社グループは、デジタル社会のインフラとして高精度位置情報基盤をグローバルに構築するプラットフォーマーとして、ユーザー及び市場からの高い信頼を確保することが持続的な成長に必要不可欠であると考えております。情報管理、財務、ITガバナンス、その他の社内制度などを含めた内部統制の構築、強化、改善に継続的に取り組み、経営の透明性と健全性を高めることで信頼を獲得し、企業価値のさらなる向上に取り組んでまいります。

 

⑤  M&A拡大を踏まえたグループガバナンス体制の構築

当社グループは、M&Aの拡大及び事業のグローバル化に伴い、グループの規模及び事業領域が拡大を続けております。この成長を持続的な企業価値の向上につなげるためには、グループ全体のガバナンス体制を一層強化することが重要な課題であると認識しております。

こうした認識のもと、グループ各社の自律的な経営を尊重しつつ、適切な統制と支援のバランスを確保するガバナンス体制の構築を推進してまいります。さらに、経営情報の可視化及び迅速な意思決定を可能とする仕組みの整備を進め、グループ全体としての経営効率の向上とリスク低減の両立を図ってまいります。

 

⑥  コンプライアンス及びリスク管理体制の強化

近年、企業における会計不正、情報漏洩及びサイバーセキュリティ等の不祥事が相次いで発生しており、企業に対する社会的信頼の確保及び持続的成長の観点から、コンプライアンス及びリスク管理の重要性は一層高まっております。当社グループにおいても、社会的信頼の確保と持続的な成長を実現するうえで、これらの取り組みを重要な課題の一つとして位置づけております。

こうした認識のもと、グループ全体を対象としたリスク管理の枠組みを継続的に見直し、重要リスクの特定・評価及び継続的なモニタリングを実施してまいります。加えて、経営への適時適切な報告体制を確立するとともに、コンプライアンス教育の充実やインシデント対応体制の強化を推進し、グループ全体のリスク対応力の向上を図ってまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) サステナビリティに関する考え方

当社は、「デジタル社会のインフラとして、高精度位置情報基盤をグローバルに構築し、自動運転をはじめとする新しい未来を拓く」をパーパスとして掲げており、高精度3次元データプラットフォーマーとして様々な情報を集約して提供することで、分析・制御・予測が可能な世界を実現し、社会課題解決に資するイノベーションの実現に貢献することを基本方針としております。日本に限らずグローバルにおける様々な社会課題に対して、省人化や効率化の実現、安全性・快適性の向上といったソリューションを提供していくことは重要な課題と認識しています。これら社会課題解決への取り組みを通じて持続可能な社会の実現に貢献していくと同時に、サステナビリティを重視した経営を実践しております。

(2) ガバナンス

当社においては、サステナビリティに関する基本方針を定めておりませんが、 サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、管理するためのガバナンスに関しては、コーポレート・ガバナンス体制と同様となります。当社のコーポレート・ガバナンスの状況の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1) コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。

(3) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

当社は、社員が大切にすべきバリューとして「GIFT!」を掲げています。これを全社員が共有し、体現していくことで、社会に貢献していくことを目指しております。

「GIFT!」とは、「Global Mindset」「Innovate」「Fast Move」「Trust and Respect」「!be youthful!」の頭文字を取ったものです。当社グループにはさまざまな国籍の社員がおり、多様な国籍の企業と仕事をしている点で、「Global Mindset」の視点を持つことが欠かせません。また、さまざまな異なるバックグラウンドをもって入社してきた社員が集まっているため、互いを尊重しあう風土「Trust and Respect」が非常に重要となります。

こうした視点を持った人材の育成を目指し、グループ企業を含めた全社での「GIFT!」の浸透と体現に向けて積極的に取り組んでまいります。詳細は、弊社ウェブサイトの採用ページ(https://www.dynamic-maps.co.jp/recruit/)に掲載したトップメッセージをご参照ください。

また、当社では、社員一人ひとりの能力や個性を引き出し、最高のパフォーマンスを発揮できる制度の実現を目指しています。OKRを用いた公正・透明な評価制度や、DMP Award(社長賞)の創設のほか、語学学習への補助制度やオンデマンド研修動画配信サービスの導入などにより、社員のモチベーションの向上に努めています。また、フレックスタイム制の実施や、フル在宅勤務制度の導入、時間単位有給休暇の導入など、ワークライフバランスを実現するための環境作りを推進しています。

(4) リスク管理

当社は、サステナビリティに関する基本方針を定めておりません。当社は、不測の事態または危機の発生に備え、「リスク・コンプライアンスに関する規則」を定め、リスクを網羅的に把握・管理する体制を構築しておりますが、サステナビリティに関連するリスクにつきましても、その他のリスクと同様に、当該規則に基づきリスク管理を行っております。

(5) 機会

当社グループは、サステナビリティに係わる課題について、リスク低減のみならず、当社のパーパス実現に向けた取り組みとも直結する重要なものであり、収益機会にもつながるものと認識しております。高精度3次元データを活用した防災・減災や、運転ガイダンスを典型としたサービス提供を、サステナビリティに関する当社グループにとっての事業機会と捉え、より広範に当社サービスが利用されるべく、また新たなサービスの開発・提供の可能性を視野に、事業を推進しております。

(6) 指標及び目標

当社では、上記「人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略」に記載した方針について、人材の育成・強化に取り組み、成長の実現につなげてまいります。具体的な指標及び目標については、現在、策定中であり記載を省略しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当社グループは、これまで高精度3次元データの整備を先行して進める事業モデルのもと、投資を継続してまいりましたが、現在は、整備済みデータを活用したライセンス収益の拡大及び収益構造の転換を進める段階にあります。また、自動運転及び先進運転支援システム向けの用途に加え、AIの学習、検証、推論等に用いられるデータ(Data for AI)としての活用等、用途の拡張も進めております。このような事業フェーズ及び事業構造の変化に伴い、従来と異なるリスクが顕在化する可能性があります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のあるすべてのリスクを網羅したものではありません。

 

(1) 事業環境に関するリスク

①  事業環境に関するリスクについて(顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)

当社グループの売上の大部分は、自動車向けの自動運転及び先進運転支援システムへの高精度3次元地図データ搭載に係る開発利用料やライセンス・メンテナンスフィーとなっております。先進運転支援システムについては、1990年代から開発が進められてきたシステムであり、矢野経済研究所「2023年版 ADAS/自動運転用 キーデバイス・コンポーネント」(2024年2月発行)によれば、先進運転支援システムの装着率は2030年までに日米欧で100%近くに達し、中国でも80%を超え、ASEANやインド向け需要が2028年以降に本格的に立ち上がると予測されているなど、今後さらなる普及が見込まれております。これらの記述は、本書に引用されている外部の情報源から得られた統計その他の情報に基づいており、それらの情報については当社グループは独自の検証を行っておらず、その正確性または完全性を保証することはできません。

当社グループでは、今後も先進運転支援システム装着車両の順調な拡大、自動運転市場の本格的な立ち上がりを見込んでおります。一方、当社が設立された2016年時点には、自動運転レベル3以上での高精度3次元地図データの本格的な搭載開始が2022年前後となると想定されておりましたが、現時点においては自動運転レベル3が商用車として販売実績はあるものの量産車種での本格展開には至らないなど、自動運転市場の本格的な立ち上がりは、設立当時想定と比べ数年遅れている状況にあります。そのため当社グループでは、2019年のDynamic Map Platform North America, Inc.買収時に計上したのれん・技術関連資産及び同社固定資産等につき、2022年3月期連結決算において、当初想定していた損益が買収時の計画のそれより著しく下方に乖離していると判断し、当該のれん等を全額減損処理しております。また、当社では、2024年3月期連結決算において、事業計画に基づく割引前将来キャッシュ・フローと固定資産の帳簿価額を比較した結果、割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回ったことから固定資産の減損処理をしております。当該減損処理は自動運転市場の立ち上がりの遅れを背景とするものであり、当該市場の本質的な市場性あるいは当社事業の事業性によるものあるいはそれらに影響するものではなく、当社グループでは引き続き成長性を見込んでおりますが、仮に技術・安全性の観点から車種開発に遅れが生じる、部品供給の不足により販売時期が延期になる等、市場の立ち上がりが想定通りに進まなかった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

近年は自動車分野に加え、フィジカルAIやデータ活用の進展を背景として、産業用途やAI用途(Data for AI)におけるデータ需要の拡大が見込まれており、当社グループはこれらの分野への展開も進めております。しかしながら、これらの分野における顧客投資の立ち上がり時期や優先順位、投資規模には不確実性があり、投資判断の見直しや開発計画の変更が生じる可能性があります。その結果、案件の実施時期の変更や規模の調整等が生じ、売上計上時期の後ろ倒し又は収益機会の減少につながる可能性があります。

また、地政学リスクの高まりや各国の通商政策の動向等を背景として、自動車業界を取り巻く事業環境には不確実性が存在しております。これらの要因により、原材料価格の変動やサプライチェーンの混乱、自動車メーカーによる生産・販売計画の見直し、さらには自動運転分野を含む開発投資の抑制等が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  競合について(顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)

自動運転機能の商流において、高精度3次元地図データの生成プロセスはコストが膨大である一方、各自動車メーカー間でのカスタマイズを要しないものであることから、日本国内においては、共通の仕様が定義され、その実行組織として当社は設立されております。こうした経緯から、当社は日本国内における高精度3次元地図データを広域で生成・提供しており、自動車メーカーをはじめとした取引先各社から相応の評価を得ております。

海外事業においては、既に複数自動車メーカーの自動運転及び先進運転支援システムに採用され、量産車に搭載されており、さらにGeneral Motors Companyにより搭載モデル数が拡大することが公表されております。広範な道路整備範囲とcm級の精緻な位置精度をはじめとした高い技術力を背景に導入車種拡大に向けた戦略的な施策を講じることで、当社グループは競争優位性の維持・向上に努めております。

しかしながら、当社グループの高精度3次元地図データとの比較では少なくともその精度の面で上回る競争優位性を有するとは見られないものの、一定の競合事業者(Here、TomTom、Googleなど)の参入も見られており、当社グループを上回る技術力(例として地図データ更新サイクルの短縮を可能とするための変化点検知技術の確立、モービル・マッピング・システム(MMS)に代わる低コストかつ高速な計測手法の確立など)、営業力、価格競争力、または代替技術・ソリューションを有する競合他社の参入や競合の激化が生じた場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、近年は自動運転及び先進運転支援システムの開発におけるAI活用の進展に伴い、AIの学習、検証、推論等に用いるデータに対する需要が拡大しており、当社グループは半導体メーカーやAI関連企業等を含む顧客・パートナーとの連携を通じてこれらの需要に対応しております。一方で、これらの分野における顧客の開発方針や採用する技術、データ仕様等の変化により、当社グループのデータが採用されない場合や、顧客ニーズに適合したデータ提供ができなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  技術革新について(顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)

当社グループの主な事業は自動運転に関連する業界に属しており、技術革新は早いスピードで進むと予想されます。今後市場の拡大が見込まれるV2Xへの展開や半導体メーカー等における自動運転システム開発への適用など、自動車向け高精度3次元地図データの活用領域は拡大していくものと考えております。また、近年は、自動運転及び先進運転支援システムの開発におけるAI活用の進展に伴い、AIの学習、検証、推論、規制対応等に用いられるデータに対する需要も拡大しております。

一方で、今後、高精度3次元地図データに係る代替技術・ソリューション(例として、自動運転・先進運転支援システムにおける「地図」データの利用に関する、制御に必要な位置情報を把握するための技術的アプローチが挙げられます。「高精度3次元地図データ」を利用するアプローチと、「SDマップ(ナビ地図)に走行車両から得られる走行車線のレーン情報などを付加した地図」を利用するアプローチがあり、いずれも、これらの地図データと各種車載センサーから得られる情報を組み合わせて制御を行います。両者はそれぞれ特性と用途が異なり、前者は高度な自己位置推定や悪天候時等にセンサーを補完し、限定されたエリアでの高度な自動運転、先進運転支援を可能にするものであり、後者は走行エリアを限定しない先進運転支援(車線維持支援、衝突回避、アダプティブ・クルーズ・コントロール(前車追従機能)等)に用いられています。現時点では、大手自動車メーカーや米国及び中国における主要な自動運転タクシーサービス提供企業が採用する「高精度3次元地図データ」のアプローチが主流でありますが、テスラ等一部のプレイヤーは後者のアプローチを採用しています。)、高精度3次元データの需要拡大に伴う新規参入を含む競争環境の変化、また、用途や要求仕様の変化により代替的なデータや手法が採用されることなど、当社グループが現在展開する事業が適合しない新たな技術革新や市場動向が生じる可能性があります。

当社グループは、こうした技術進展を踏まえた機能開発及びソリューション提供を進めるとともに、AI用途を含む顧客ニーズに対応したデータ・商品の開発を行っております。また、仮にそうした代替技術・ソリューションが一般化する場合には、当該状況に適合し、当社グループとして当該技術・ソリューションにおいても優位性を確保していくよう事業運営に取り組んでまいります。さらに、他社との連携も通じて、代替技術・関連技術に関する研究開発を進めております。

しかしながら、これらの技術革新、市場動向又は競争環境の変化に対し、当社グループが適時かつ十分に対応できなかった場合、あるいは顧客ニーズに適合したデータ・商品を提供できなかった場合には、市場からの需要を喪失し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  高精度3次元地図データの整備・更新に係る投資が先行し、赤字を計上するリスクについて(顕在化の可能性:高/影響度:大/発生時期:1年以内)

当社グループの事業は、高精度3次元地図データの整備道路範囲の拡大が当該マップ搭載の前提となるため、先行的に高精度3次元地図データの整備範囲の拡大を進めており、当社グループは、設立以来赤字を継続しております。現時点での顧客ニーズに対応するための高精度3次元地図データの整備状況としましては、日本国内においては高速道路・自動車専用道路の整備を完了しており、北米においては対象を一般道に拡大し、現時点の顧客ニーズへの対応としては概ね整備を完了しております。その他の地域としては、欧州及び韓国において、高速道路の整備を完了しており、中東においては、高速道路相当より整備を進めており、2026年度中の整備完了を目指しております。日本・海外ともに顧客ニーズに対応するための大きな費用を要する整備が先行する状況が継続する場合、当面赤字計上が続く可能性があります。

当社グループは、整備した高精度3次元地図データを活用し、車載向けの量産ライセンスに加え、AI用途や産業・インフラ分野向けの法人ライセンス等を通じた収益機会の拡大を図っております。しかしながら、これらの用途における顧客利用の拡大や市場立ち上がりが想定通りに進まなかった場合、整備コストの回収及び収益構造の転換が遅延し、収益性の改善が進まない可能性があります。

今後は、自動運転及び先進運転支援システム市場の立ち上がりを捉えた売上の拡大と、機能開発による整備コストの低減により、収益性の向上に努めていく方針です。一方で、当社グループを取り巻く経営環境の急激な変化や「事業等のリスク」に記載されたリスクが顕在化することにより、これらの取り組みが想定通りに進まなかった場合、調整後EBITDAの黒字化の時期が遅延し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤  多用途展開の推進について(顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:数年以内)

当社グループでは、スマートシティやMaaSにおける自動走行をはじめ、道路や設備などの各種インフラ維持管理、国や地方自治体による防災・減災対策、各研究機関向けのデータ提供等に加え、近年はAIの学習、検証、推論等に用いるデータ提供など、用途拡張の取り組みを進めております。

これらの取り組みは、当社グループが整備した高精度3次元データの活用領域を拡大し、中長期的な収益機会の拡大につながるものと考えておりますが、高精度3次元データを活用した新たな技術やサービスが確立されない場合、または安定的なライセンス料収入につながるビジネスモデルの構築及び商品化が当初の想定通りに進まなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥  海外事業展開について(顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)

当社グループでは、Dynamic Map Platform North America, Inc.をはじめ、北米、欧州、中東及び韓国に拠点を有し、グローバルベースで事業を展開しております。当該海外事業の展開にあたっては、各国の経済・政治情勢の悪化、法律・規則、税制、外資規制等の差異及び変更、商慣習や文化の相違等が発生する可能性があります。これらの要因により特定の国での事業の遂行及び推進が困難になる場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは次のようなリスクシナリオを想定し、それぞれの防止体制を整備しております。

 

a 当該地域・国における経済情勢が想定外に極端に悪化し、事業採算が大きく悪化する

現地において日常の事業を通じ経済動向を継続的に把握し、また予算・事業計画の策定と予実管理の徹底により、事業面で取るべき行動を早期に察知し、撤退を含めた必要な行動を取れるような体制としております。

b 当該地域・国において外資規制等、当社グループ事業のそれまでの想定を許容しない制約につながる法律・規制の変化が生じる、あるいは法律・規制の複雑さ・不明瞭さが増し、事業展開における柔軟性が阻害される

法律・規制の動向につき、現地の日常的な事業を通じての情報収集の他、現地の法律・規制動向に通じる外部の法律事務所等を起用し、当該リスクの発生につながり得る動向を早期に把握できるようにしております。

c 当該地域・国の政情に不安が生じる

経済動向の把握と同様、現地における事業や現地勤務社員の日常生活を通じて政情の変化があればそれを早期に察知し、撤退を含めた必要な行動を取れるような体制としております。

d 当該地域・国において大きな自然災害が生じる

自然災害の影響の防止は手段が限定されますが、日本における対策と同様にBCPの体制を適用することで事業への影響を限定的にすべく想定しております。

e 当該地域・国において知的財産の侵害が起きる

日本における対策と同様、知的財産の保護のための必要な調査や手配を行っております。

f 当該地域・国における税制・関税に不利益な変化が生じる

経済情勢の動向把握の一環として税制についての状況も把握すべく努めており、仮に不利益な変化が生じる場合には当該地域・国における事業性を改めて精査すべく想定しております。関税については、事業を基本的には現地において完結できる体制とすることで影響を抑制すべく努めております。

 

また、各地域における財務諸表は日本円以外の通貨建てで作成されるため、連結財務諸表作成にあたっては円建てに換算することが必要となります。したがって、連結財務諸表数値は為替相場の変動による影響を受ける可能性があります。当社では、為替リスク管理方針を策定しており、今後必要に応じたヘッジ取引を行うことを検討してまいります。

 

⑦ 固定資産の減損リスクについて(顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)

当社グループは、高精度3次元地図データやモービル・マッピング・システム(MMS)及びこれらに関連して開発したシステムをはじめとした固定資産について、今後減損損失の認識をすべきであると判定され、減損損失を計上した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。固定資産の計上対象につき厳選し、業績への影響を抑制すべく努めております。

 

⑧ 自動車出荷台数の低下リスクについて(顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)

当社グループの主要な販売先は自動車メーカーであり、当該販売先への売上高は高精度3次元地図データ搭載車のメーカー出荷台数に依存しております。そのため、景気動向などのマクロ環境の変化や、原材料価格の高騰や部材調達難に伴う供給能力の減少などに伴う自動車への需給変化が当社想定を上回って推移する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。台数情報につきより最新の見通しを把握し、業績予想に常に最新情報が織り込まれるようにすることで、業績影響を抑制すべく努めております。

 

⑨ 業績の季節変動リスクについて(顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)

当社グループの事業は、3月を年度末として納入・売上計上がその年度末前後となる多くの企業や自治体を取引先としており、年度末に売上が集中する傾向があります。また、一定の期間にわたって履行義務が充足される開発プロジェクト契約では、履行義務の充足に係わる進捗度に基づき収益を認識しておりますが、一部業務を外注している場合、当該外注業務の検収をもって履行義務が充足し、収益を認識することとなります。これらの外注業務の納入のタイミングは年度末近くに集中する傾向があるため、その結果として履行義務の充足、売上計上のタイミングが年度末に集中する傾向にあります。当社グループでは、取引先や売上計上の観点でのビジネスモデルの多様化の一層の推進により売上計上時期が平準化されるよう努めております。一方で、季節変動による下振れ幅が想定よりも顕著な場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ プロジェクト進捗の遅延による業績見通しへの影響について(顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)

当社グループは開発プロジェクトに係わる案件においては、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。当該進捗度の見積にあたっては、対象期日までに発生した工事原価が、予想される工事原価の合計に占める割合に基づいて行っております。当社グループは、案件ごとに継続的に進捗状況に応じて見積総原価や予定案件期間の見直しを実施するなど適切な原価管理に取り組んでおりますが、その見積総原価や案件の進捗率は見通しに基づき計上しているため、修正される可能性があり、それらの見直しが必要になった場合は、売上計上時期の変更等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 収益の不確実性について(顕在化可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期無し)

本書提出日現在、当社グループにおいて継続的に商談を行っているオートモーティブビジネス領域のパイプライン(上記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 当社グループの強み ③ 今後のパイプラインを生み出す顧客基盤」に記載されたものを含みます。)は、段階別に「契約済み」、「RFQ:Request for Quotation」、「RFI:Request for Information」、「商談中」に分類されます。「契約済み」のパイプラインは法的拘束力のある契約を締結している状況を指し、顧客への役務提供時期や販売価格を含む諸取引条件が顧客との間で明確化されております。ただし、法的拘束力のある契約であっても、一般に、当社グループによる契約違反、不可抗力的な外部要因等を理由として、顧客側より解除される可能性があります。契約が解除された場合、当社グループは、当該契約から得られるはずであった潜在的な収益の全てまたは一部を失う可能性があります。また、「契約済み」パイプラインのうち、プロジェクト型に区分されるものについてはその契約金額が契約書上明記されておりますが、収益計上金額及び収益計上時期は実際の当社グループによる役務提供の成果により変動する可能性があります。また、「契約済み」パイプラインのうち、ライセンス型に区分されるものについては、1台あたりのライセンス単価は契約上明記されているものの、ライセンス台数については実際の自動車販売台数により変動し、結果として、収益計上金額及び収益計上時期が変動する可能性があります。「RFQ:Request for Quotation」の段階にあるパイプラインは顧客からの見積依頼書(RFQ:Request for Quotation)を受領し、その回答を行っている状況を指し、当該見積依頼書や回答自体には法的拘束力はなく当該見積依頼書や回答に基づく契約が将来締結される保証はありません。一般に、自動車業界においては数年先のサービス提供開始を見据えて開発契約や生産計画が検討されることが多く、見積依頼書(RFQ:Request for Quotation)を受ける時点においては当該パイプラインの具体性が高まっている状況にあると考えられるものの、見積依頼書に対して回答を行った取引内容や販売条件等がその後変更または失注となり、当社グループが想定する収益につながらない可能性があります。「RFI:Request for Information」の段階にあるパイプラインは顧客から情報提供依頼書(RFI:Request for Information)を受領し、その回答を行っている状況を指し、当該情報提供依頼書や回答自体には法的拘束力はなく当該情報提供依頼書や回答に基づく契約が将来締結される保証はありません。すなわち、「RFI:Request for Information」の段階は、見積依頼書(RFQ:Request for Quotation)受領に至る前段階であり、当該情報提供依頼書への回答で行われた取引内容や販売条件等は「RFQ:Request for Quotation」及び「契約済み」に進捗する段階においてその後変更または失注となり、当社グループが想定する収益につながらない可能性があります。「商談中」の段階にあるパイプラインは、現時点で具体的な条件面でのやり取りに至っておらず、初期的な商談が開始された状況を指し、具体的な収益計上金額及び収益計上時期について現時点で明確となっている事項はありません。

 

本書提出日現在、当社グループにおいて継続的に商談を行っている3Dデータビジネス領域のパイプライン(上記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 当社グループの強み ③ 今後のパイプラインを生み出す顧客基盤」に記載されたものを含みます。)は、段階別に「契約済み」、「商談中」に分類されます。「契約済み」のパイプラインは法的拘束力のある契約を締結している状況を指し、顧客への役務提供時期や販売価格を含む諸取引条件が顧客との間で明確化されております。ただし、法的拘束力のある契約は、一般に、当社グループによる契約違反、不可抗力的な外部要因等を理由として、顧客側より解除される可能性があります。契約が解除された場合、当社グループは、当該契約から得られるはずであった潜在的な収益の全てまたは一部を失う可能性があります。また、「契約済み」パイプラインのうち、プロジェクト型に区分されるものについてはその契約金額が契約書上明記されておりますが、収益計上金額及び収益計上時期は実際の当社グループによる役務提供の成果により変動する可能性があります。「商談中」の段階にあるパイプラインは、「契約済み」に至るまでの様々な段階で交渉が継続している状況を指します。パイプラインによっては具体的な諸取引条件について明確になりつつあるものも含まれますが、いずれも法的拘束力のある契約の締結には至っておらず、今後の契約締結及び収益計上について何ら保証されるものではありません。

 

以上より、各段階にあるパイプラインが当社グループの想定するタイミングや取引条件で契約締結に至らない場合、契約締結に至った場合でも顧客により当該契約が解除された場合及び当社グループの想定するタイミングや条件・数量での取引が実施できない場合、実際の収益計上金額や収益計上時期が現時点で当社が想定しているものと異なる場合、為替が大幅に変動した場合等には、当社グループが現時点で想定する収益計上金額及び収益金額を実現することが難しくなり、当社グループの事業、業績及び財政状態に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 特定の販売先への依存について(顕在化の可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし)

当社グループ、特に当社子会社であるDynamic Map Platform North America, Inc.は、販売先においては北米を中心にハンズフリー運転を可能にする先進運転支援システム「Super Cruise™」の搭載を拡大しているGeneral Motors Companyに高精度3次元地図データを提供していることから、同社向けの売上が過半を占めております。当社グループは、他の取引先への販売金額を拡大し、特定の販売先に依存しないよう営業活動を展開しており、それにより当該販売先への依存は低減方向にありますが、当該販売先との関係悪化、及び当該販売先の業績悪化等による事業活動に大きな変化が生じた場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬ 特定の外注先への依存について(顕在化の可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし)

当社グループは、高精度3次元地図データ作成にあたって求められる技術水準を有する外注先を選定しており、特定の外注先への発注比率は低下傾向にはあるものの、図化業務及び計測業務においては特定の外注先への発注比率が比較的高くなっております。当社グループでは、外注候補先の拡充や内製プロセスの一層の活用を通じ、特定の外注先に過度に依存しない体制を構築してまいりますが、当該外注先の業績悪化等による倒産や事業活動に大きな変化が生じた場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑭ 国内自動車メーカー向け販売活動について(顕在化の可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし)

日本国内における当社の国内自動車メーカー向けの販売活動は、地図会社又はシステムメーカー等の一次代理店を中心に推進しております。現時点において、各一次代理店とは良好な関係にあり、直接販売チャネルについても構築を進めておりますが、当該一次代理店と関係悪化や当該代理店の業績悪化等による倒産や事業活動に大きな変化が生じた場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑮ 品質管理について(顕在化の可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし)

当社グループは、品質管理専門部署を設置し、専任担当を置く等、一定の品質管理体制を整備し、安全性を確保できるように努めております。一方で、高精度3次元地図データ搭載車における自動車事故などが生じ、当該事故原因が高精度3次元地図データの不具合(経時的な変化によらない高精度3次元地図データと現況との不一致など)にある場合、当社グループは製造物責任法等に基づき、損害賠償請求の対象となる可能性があります。しかしながら、一般的に自動車メーカーは自動運転・先進運転支援システムの中で、自動車に搭載される各種センサーの情報を高精度3次元地図データと組み合わせて冗長性にも優れたシステムを構築しており、事故原因が高精度3次元地図データのみに帰する可能性は高いとは言い難いと考えております。当社グループでは、販売先との契約において、賠償等を含む損害について当該取引において受領した対価を上限とする等の対応をしておりますが、契約上、当該上限の設定がない販売先もあり、損害賠償請求の対象となった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑯ 事業に関連する法的規制について(顕在化の可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし)

当社グループは、独占禁止法等、日本及び諸外国において、様々な法律及び規制に服しております。当社グループは、コンプライアンス体制の充実が重要であると考えており、コンプライアンスに関する社内規則の策定や各種研修の実施により社内での周知徹底を図るとともに、法務担当部門による情報収集を行い、また日本及び米国において顧問弁護士を雇い、日本及び米国を含む諸外国の法規制に関する情報提供を受け、これら法規制について適宜相談できる体制を構築しております。しかしながら、将来において独占禁止法等の法律・規制に抵触した場合、あるいは予期せぬ法規制の変更、行政の運営方法の変更などが生じた場合、新たな対応コストが生じ、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑰ 株主間契約について(顕在化の可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし)

当社は、2019年に当社の事業運営等にも関わる 主要な株主7社との間で、当社事業を効果的に立ち上げ運営すべく定められた株主間契約を締結しました。当該契約においては、株主による当社への事業支援、競業避止義務や事業機会の優先権付与等が定められており、当社は当該契約の存在によりそれら便益を享受しておりました。当社が株式の上場申請を行って以降、当社の役員体制や株主への報告事項、株主による質問検査権、事業運営における協力や競業避止等の主要条項につき効力停止となり、それら条項の効力は、すべての契約当事者との間で当社の株式上場により完全に終了しました。また、当社株式の上場に際して行われた売出し及び株式上場後の売却により全株式を売却した株主については、当社の株式を所有しないこととなり、該当する当事者との関係における株主間契約は終了しております。株式上場により当社の経営の独立性を一層確保する観点から、従前よりそれら便益の享受を得ることがなくなることへの備えを進めてきておりますが、想定とは異なる影響がある場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑱ 資金繰りについて(顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)

当社グループは、④ 高精度3次元地図データの整備・更新に係る投資が先行し、赤字を計上するリスクについてに記載のとおり、設立以来赤字を継続しており、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスの状況にあります。今後も、高精度3次元地図データの整備の拡大、更新等を中心とした投資需要が継続する想定です。また、当社北米子会社のDynamic Map Platform North America, Inc.においても同様でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローは改善しており、現時点では当社からの追加出資を要しない状況となっておりますが、今後の事業環境や投資計画の変動等により、追加的な資金支援が必要となる可能性があります。

上記状況の中、当社は設立以来、株式発行及び銀行からの負債による資金調達を継続的に行ってまいりました。負債による資金調達においては、調達先、調達スキーム、契約内容、契約期間等を分散させることに留意しながら調達を行ってまいりました。また、直接の借入だけではなくコミットメントライン契約も締結することで、資金量が減少する局面において、短期間で追加的に資金を確保する体制も整えております。今後も事業運営に必要な資金を見通し、市場環境を見極めた上で、継続的に資金調達を行ってまいります。

今後は、グループ全体で収益性の向上を図ることで営業キャッシュ・フローを改善し、また、引き続き必要に応じ適切なタイミングで資金調達を行うことで、財務基盤の強化を図る方針ですが、当社グループを取り巻く経営環境の急激な変化や本「事業等のリスク」に記載されたリスクが顕在化することにより、収益性の向上が想定通りに進まなかった場合、キャッシュ・フローが改善せず、当社資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 経営管理体制に関するリスク

① 社歴が浅いことについて(顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)

当社は2016年6月に設立されており、現在第10期と社歴の浅い会社であります。当社グループは今後も経営状況を継続的に開示してまいりますが、事業の初期段階・成長段階にあることから当社グループの過年度の経営成績は年度毎の変動も少なくなく、また比較対象とできる期間業績が限定的であることから期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の実績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。

 

② 内部管理体制について(顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)

当社グループは、企業価値の持続的な向上にむけて、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。また、当社グループはDynamic Map Platform North America, Inc.など海外子会社等を通じて、北米、欧州、中東、韓国の各国で事業を展開しておりますが、子会社管理の責任者であるコーポレート統括執行役員及び子会社管理を担当する関連各部署の担当者が海外子会社の責任者との情報共有を密にし、現地の経済・社会情勢に関する情報を収集して事業展開への影響を把握しております。今後も業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、各社内規則及び法令遵守を徹底してまいりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追い付かない場合には、適正な事業運営が困難となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 優秀な人材の獲得・育成について(顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)

当社グループは、当社グループの将来にわたる持続的成長に向けて、優秀な人材の採用と育成が欠かせないものと認識しております。また、当社は設立当初より株主からの出向者も受け入れておりましたが、独立した事業体として社員のプロパー化を推進してまいりました。斯かる状況から、今後も積極的な採用活動を行っていく予定でありますが、当社グループの求める専門性の高い人材が十分に確保されなかった場合や人材の流出が進んだ場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 知的財産管理について(顕在化の可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし)

当社グループは、第三者の知的財産権を侵害することなく事業運営を行う体制を整備しておりますが、当社グループが知的財産権の侵害を理由に第三者から訴訟の提起等を受け、これを斥けられなかった場合、これらに対する対価の支払いやこれらに伴う当社グループの提供データの販売若しくは使用の中止、第三者からの不利な条件でのライセンスの取得等が必要となる可能性があります。これらの対応により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 安全保障に係る管理について(顕在化の可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし)

高精度3次元地図データに関しては、国によって規制の在り方が異なっております。当社グループが高精度3次元地図データを供給する国については、各国の弁護士等の専門家と密に連携を取り、各国の規制について事前に調査・確認を行い、当該規制に従って高精度3次元地図データの供給を行うこととしております。現時点で当社グループが高精度3次元地図データを供給している一部地域において、当社グループの高精度3次元地図データの整備や提供にあたり、安全保障上当局等からの許可が必要とされ、既に当局の許認可を取得しております。

今後も、国によっては、高精度3次元地図データの整備や国外への持ち出し等について当局からの許可を必要とするなどの規制が存在する場合があり、将来において、これらの規制が存在する国で高精度3次元地図データを整備・供給する場合、または現在規制のない国において、これらの既存の規制が変更され、あるいは新たな規制が制定されるなどし、当該規制に対応する必要性が生じた場合、これらの対応を実施するための対応コストが発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 個人情報に係る管理について(顕在化の可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし)

当社グループは顧客情報や従業員情報の他、高精度3次元地図データ作成時に取得される人物の顔等の個人情報を管理しております。当社グループでは、個人情報管理規則を定めた上で、入退室管理等の物理的安全管理措置、アクセス制御や外部からの不正アクセス等の防止等の技術的安全管理措置により、個人情報を厳格に管理しております。

一方で、万が一、これらの個人情報が外部からの不正アクセスや業務上の過失等により、当社グループまたは業務委託先から外部に流出し、不適切な利用や改ざん等が発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や当該流出への対応に多額の費用が必要となる他、社会的信用が毀損されるなどにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) その他のリスク
① 自然災害、事故等に関するリスク(顕在化の可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし)

当社グループでは、大規模な自然災害や事故等が発生した場合に備え、高精度3次元地図データに係るデータはクラウド上に保管する、あるいは定期バックアップを行うなど、BCP対策を講じており、事業継続に対する影響を最小限に留めるよう努めておりますが、当該災害、事故等の発生によりデータに毀損が生じた場合には、高精度3次元地図データの再整備が必要になる可能性がある等、事業の継続に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 公募増資による調達資金使途について(顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)

新規株式上場時に実施した公募増資による調達資金の使途については、オートモーティブビジネス及び3Dデータビジネス向け高精度3次元位置情報の整備更新、海外事業拡大のための子会社宛投融資、研究開発に充当しており、今後もこれらの使途に充当する予定であります。しかしながら、経営環境の急激な変化等により、上記の資金投入から想定通りの効果を得られない可能性があります。また、市場環境の急激な変化により、調達資金を上記以外の目的で使用する可能性があり、その場合は速やかに資金使途の変更について開示する予定です。

 

③ 配当政策について(顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)

当社は創業以来配当を実施しておらず、当面も事業拡大のため、内部留保による財務体質の強化及び高精度3次元地図データの整備範囲の拡大、高精度3次元地図データの整備コスト削減に向けた研究開発といった投資を優先する方針です。株主への利益還元についても重要な経営課題として捉え、財政状態及び経営成績を勘案しつつ配当の実施を検討してまいりますが、利益計画が当社グループの想定通りに進捗せず、今後安定的に利益を計上できない状態が続いた場合には、配当による株主還元が困難となる可能性があります。

 

④ 税務上の繰越欠損金について(顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)

当社グループは、2026年3月末時点において28,225百万円の税務上の繰越欠損金が存在しております。当社グループの業績が順調に推移することにより繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 財務制限条項について(顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:数年以内)

当社グループの主要な借入金に係る金融機関との契約には、財務制限条項が付されています。当社グループにおいて、当該財務制限条項の一部に抵触している状況にありますが、借入先金融機関と協議の結果、期限の利益の喪失に関する請求は行われておらず、当面は当該借入契約に基づく取引関係が維持されております。しかしながら、今後の業績動向や財務状況の変化等により、当該財務制限条項への抵触が追加的に生じる場合や、借入先金融機関の判断が変化した場合には、期限の利益の喪失請求が行われる可能性があり、当社グループの財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。財務制限条項の詳細につきましては「第5 経理の状況」に記載しております。

 

⑥ ベンチャーキャピタル等投資事業者の株式所有割合に伴うリスクについて(顕在化の可能性:高/影響度:大/発生時期:数年以内)

当社の発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル等の投資事業者の所有割合(ベンチャーキャピタル、ベンチャーキャピタルが組成した投資事業有限責任組合、政府系投資ファンド等を含む)は2026年3月末時点において48.6%であります。今後、これらの投資事業者が所有する株式の全部又は一部を市場において売却する可能性があります。当社株式の全部又は一部が短期間で売却される場合、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的には損なわれ、当社株価に影響を及ぼす可能性が有ります。

 

⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:数年以内)

当社グループでは、当社グループの役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しており、今後も優秀な人材の獲得に向けてさらなる新株予約権の付与も検討しております。これらの新株予約権が行使された場合には、既存株主が保有する株式価値が希薄化する可能性があります。本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は2,793,550株であり、発行済株式総数23,642,050株の11.8%に相当しております。

 
⑧ 当社株式の流動性について(顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし

当社は、東京証券取引所グロース市場への上場に際しての公募増資及び売出しによって当社株式の一定の流動性を確保しております。加えて、上場後に既存株主による市場における株式売却が進捗したこと等により、流通株式比率は上場時と比較して上昇しております。株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は25%以上であるところ、2026年3月末時点における流通株式比率は49.7%となっております。

今後、大株主への一部売出しの要請、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加等を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の維持・向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 訴訟等について(顕在化の可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし)

当社グループは、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はございません。一方で、事業運営の中で当社グループが提供するソフトウエア・データの不備等により、何らかの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償請求や訴訟の提起がなされる可能性があります。その場合、当社グループの社会的信用が毀損され、また損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。) の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績等の状況

当期における経済情勢は、日本においては雇用・所得環境の改善を背景に、個人消費や設備投資に持ち直しの動きがみられるなど、全体として緩やかな回復基調で推移しました。また、自動運転及び先進運転支援分野においては、AI活用の進展を背景に関連技術への関心が引き続き高い状況にあります。一方で、各国におけるインフレや金融引き締めの影響、資源価格の高止まりや地政学的リスク等により、自動車業界においては開発投資に対する姿勢に慎重さが見られるなど、総じて先行き不透明な状況で推移しました。

そのような環境下、自動運転及び先進運転支援システムに対するニーズは引き続き拡大しており、それに応じて当社グループが提供する高精度3次元地図データの量産車への搭載に加え、現実世界を高精度に再現したデータを用いたAIの学習・検証用途(Data for AI)における開発利用が進展しました。このようなAI用途向けに、当社グループでは高精度3次元データを国内外の自動車メーカーグループや半導体メーカー等の法人顧客向けにライセンス提供しており、当期においては、当該法人向けライセンス契約の提供が進展しました。

当社グループはこれまで先進国を中心に高精度3次元データの整備を進めてまいりましたが、当期おいて主要地域での新規整備が概ね完了し、世界における整備距離数の合計は180万km超に達しています。これに伴い、当社グループの事業は、データの新規整備フェーズから、提供・更新フェーズへと移行が進みました。これを踏まえて、当期においては、海外子会社を中心に事業運営体制の見直しを進めました。

また、国内では高齢化や人口減少を背景として、社会・産業のデジタル化や効率化への取り組みが進展する中、自動車向け以外の分野においても、高精度3次元データを見える化するViewerプロダクトについて、ソフトウエア開発の完了に加え、事故調査やインフラ管理用途、不動産デベロッパー向けの提供が進展しました。さらに、高精度3次元データの生成技術を応用したGuidanceプロダクトについては、除雪支援システムの実装に加え、空港や物流施設内オペレーションへの横展開が進展しました。加えて、公共エリア向けダイナミックマップの開発を目的としたBRIDGE事業、空港業務の生産性向上や高精度3次元地図データ更新技術の高度化を目的としたSBIR事業等、複数の国家プロジェクトを受託し、当社が保有する高精度3次元データ及び関連技術、各種知見を提供することにより社会課題解決に向けた取り組みにも貢献しました。

当社グループでは、「デジタル社会のインフラとして高精度位置情報基盤をグローバルに構築し、自動運転をはじめとする新しい未来を拓く」をパーパスとして掲げ、自動車関連及びスマートシティ等、様々な用途に向けた高精度3次元データの構築・提供を行っております。また、現実の世界をデジタル空間に複製する高精度3次元データのプラットフォーマーとして、様々な産業分野におけるイノベーションを支えることをミッションとして掲げ、多方面のお客様に価値あるサービスを提供できる組織体制を整え、パーパスの実現に向けた各施策を実行してまいりました。

以上の結果、当期の当社グループの経営成績は、売上高は5,686百万円(前期比23.8%減少)、調整後EBITDA(損失)は501百万円(前期 調整後EBITDA(損失)609百万円)、営業損失は1,876百万円(前期 営業損失1,219百万円)、経常損失は1,651百万円(前期 経常損失1,414百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,708百万円(前期 親会社株主に帰属する当期純損失1,544百万円)となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

a 国内

国内のオートモーティブビジネスにおいて、法人ライセンス契約の拡大によりライセンス型売上が増加しました。一方で、3Dデータビジネスにおいて、国家プロジェクトの受注規模縮小等によりプロジェクト型売上が減少したことから、売上高は前期を下回りました。

以上の結果、売上高1,456百万円(前期比45.9%減少)、営業損失974百万円(前期 営業損失956百万円)となりました。

 

b 海外

海外事業においては、先進国における新規道路整備が概ね完了したことに加え、中東地域等におけるプロジェクトの実施時期の後ろ倒しによりプロジェクト型売上が減少しました。一方で、量産車への高精度3次元地図データ搭載台数の増加、AI用途向け法人ライセンス契約の拡大によりライセンス型売上は増加しました。

以上の結果、売上高4,229百万円(前期比11.4%減少)、営業損失917百万円(前期 営業損失266百万円)となりました。

 

② 財政状態の状況
(資産)

当期末における資産合計は、前期末比5,086百万円減少10,889百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済等により現預金が減少したこと、売掛金の回収により売掛金及び契約資産が減少したことによるものです。一方、北米等での地図データ整備に伴う無形固定資産が増加しております。

 

(負債)

当期末における負債合計は、前期末比3,357百万円減少3,659百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済により、有利子負債が減少したことによるものです。

 

(純資産)

当期末における純資産合計は、前期末比1,729百万円減少7,229百万円となりました。これは主に、当期純損失の計上により利益剰余金が減少したことによるものです。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当期末における「現金及び現金同等物」(以下「資金」)は、前期末に比べ、4,775百万円減少し、3,608百万円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金収支は、61百万円の支出(前期は2,269百万円の支出)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純損失1,639百万円、売上債権及び契約資産の減少額1,292百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金収支は、1,910百万円の支出(前期は2,472百万円の支出)となりました。

これは主として、無形固定資産の取得による支出1,461百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金収支は、2,796百万円の支出(前期は2,829百万円の収入)となりました。

これは主として、長期借入金の返済による支出3,651百万円等によるものであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

国内

1,456

54.1

海外

4,229

88.6

合計

5,686

76.2

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、国内セグメントでの、複数の国家プロジェクト受注によるプロジェクト型売上の拡大、及び海外セグメントでの北米におけるプロジェクト型売上の量産車への高精度3次元地図データ搭載台数の増加によるライセンス売上の拡大したことによります。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

取引先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高

(百万円)

割合(%)

販売高

(百万円)

割合(%)

General Motors Company

3,211

43.0

2,432

42.8

三菱電機モビリティ株式会社

387

5.2

796

14.0

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

1,794

24.0

84

1.5

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①  重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要とされます。経営者は、当社グループの過去からの実績や将来における発生可能性を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り時の不確実性のため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社の連結財務諸表を作成するにあたって採用している会計上の見積及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②  経営成績の分析

経営成績の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績等の状況」に記載のとおりであります。

 

③  財政状態の分析

財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

④  キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑤  経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える主な要因は、以下のとおりであります。

当社グループは自動運転や先進運転支援システムに有用な自動車向け高精度3次元地図データを生成・販売しております。当社グループでは、今後も先進運転支援システム装着車両の販売が順調に拡大することを見込んでおりますが、想定通りに先進運転支援システムが普及せず市場が拡大しない場合には、当社グループの売上高等の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、自動車向け高精度3次元地図データの活用領域は、自動運転や先進運転支援システムの搭載に加え、今後市場の拡大が見込まれるV2Xへの展開や半導体メーカー等における自動運転システム開発への適用、さらにAIの学習、検証、推論等に用いられるデータ(Data for AI)としての活用などに拡大していくことが想定されるものの、高精度3次元地図データに係る代替技術・ソリューションの拡大など、当社グループが現在展開する事業が適合しない新たな技術革新や市場動向が生じる可能性があります。そのような代替技術・ソリューションが主流となった場合には、当社グループが提供する高精度3次元地図データへの需要が低減し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

その他、経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑥  資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループにおける主な資金需要は、高精度3次元地図データの整備・更新のための設備投資及び外注費です。これらの資金需要に対しては、自己資金、金融機関からの借入等により充当することとしております。

なお、当社グループの資金の流動性につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。また、重要な資本的支出の予定につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。

 

⑦  経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする客観的な指標等」に記載のとおり、当社グループは、成長性、収益性及びキャッシュ・フローの状況を把握するために、売上高、ライセンス型売上高、調整後EBITDAを重要な経営指標と位置付けております。各指標の推移については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする客観的な指標等」に記載のとおりです。

 

⑧  経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 

5 【重要な契約等】

当社の経営上の重要な契約は以下のとおりであります。

 

(財務上の特約が付された金銭消費貸借契約)

当社グループが金融機関と締結している金銭消費貸借契約の一部には財務制限条項が付されています。財務制限条項の詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結貸借対照表関係 ※5 財務制限条項について」に記載しております。

契約内容

相手方の属性

契約締結日

弁済期限

期末残高

(千円)

担保の 内容

財務制限条項

コミットメントライン契約

政府系金融機関

2025年3月31日

2027年3月31日

(1)

コミットメントライン契約

都市銀行

2022年3月31日

2027年3月30日

(2)

タームローン契約

(シンジケートローン方式)

都市銀行

政府系金融機関

地方銀行

2021年6月28日

2026年6月30日

500,000

(3)

タームローン契約

都市銀行

2020年9月30日

2026年9月20日

125,000

(4)

タームローン契約(注)

地方銀行

2026年1月30日

2033年1月31日

195,238

(5)

 

(注)当社の連結子会社であるダイナミックマッププラットフォームコンサルタンツ株式会社による借入です。

 

(その他の重要な契約)

相手先の名称

相手先の
所在地

契約品目

契約
締結日

契約期間

契約内容

三菱電機株式会社

株式会社ゼンリン

株式会社パスコ

アイサンテクノロジー株式会社

ジオテクノロジーズ株式会社

株式会社トヨタマップマスター

株式会社INCJ

日本

2019年

3月11日

2019年3月11日開始

(期間の定め無し)

当社の事業運営等について規定された株主間契約で、当社の事業運営等にも関わる主要な株主7社との間で、株主による当社への事業支援、事業機会の優先権付与に関する事項等を定めたもの

(注)

株式会社ゼンリン

日本

地図データ

2020年

3月23日

2020年3月23日から
2021年3月31日まで

以後、1年後の自動更新

自動走行システム等を搭載した自動車又はナビゲーションシステムを量産・販売するための地図データの使用許諾

 

(注) 当社が上場申請を行って以降、当社の役員体制や株主への報告事項、株主による質問検査権、事業運営における協力や競業避止等の主要条項につき効力停止中となり、それら条項の効力は、すべての契約当事者との間で当社の株式上場により完全に終了しました。また、当社株式の上場に際して行われた売出し及び株式上場後の売却により全株式を売却した株主については、当社の株式を所有しないこととなり、該当する当事者との関係における株主間契約は終了しております。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、当社グループが保有するアセットの品質向上や利用拡大に向けた付加価値向上を目的として研究開発を進めております。主要な課題として、高精度3次元地図データ整備・更新費用の低減や多用途展開に向けた機能開発が挙げられます。

当連結会計年度においては、高精度3次元地図データの更新技術の高度化を目的に、走行軌跡等の位置情報プローブデータを活用した道路変化点検出に関する検証を進めるとともに、空港内の静的・動的な様々な情報を集約する空間情報システム(VIPS)の開発等を行ってまいりました。位置情報プローブデータを活用した道路変化点検出に関しては、日米のプローブデータを分析し、車線や工事等の地図更新に必要な道路変化情報の収集が技術的に可能であることの確認に加え、実交通データを活用した検証を進め、道路変化点の検出精度の評価や実用化に向けた課題の整理を行いました。また、空間情報システム(VIPS)の開発においては、空間IDと高精度3次元地図データ及び動的データの統合に関する機能の高度化を進めるとともに、空港内における自動運転車両との連携による走行実証等を通じて、空間IDを活用した空港内情報の一元管理及び実運用に向けた有効性の検証を進めました。さらに、Dynamic Map Platform North America, Inc.も含め、ドローンや衛星画像等MMS以外の計測手法の高度化や、自動図化等の開発を通じたプロダクトの生産性・効率の向上に向けた取り組みを進めております。更新コスト低減のキーとなる変化点抽出の効率化(自動化)については他社との提携も含めて技術開発を進めております。加えて、近年はAIの学習、検証、推論等に用いられるデータとしての活用を見据え、データ生成・加工及び品質向上に関する技術開発にも取り組んでおります。

研究体制として、高精度3次元地図データ整備の効率化については主にDynamic Map Platform North America, Inc.及びデータ技術部が担当し、多用途展開に向けた開発は、案件の性質に応じて、主に3Dビジネス事業部及びソフトウェア技術部が担当しております。こうした研究開発の実施により、当社グループのコア技術の高度化を進めるとともに、高精度3次元地図データの用途拡大及び採用拡大に努めてまいります。

 

当連結会計年度の研究開発費の総額は352百万円となりました。セグメント別では、国内で352百万円となりました。具体的な研究開発の成果は以下のとおりです。

 

(国内)

研究開発項目

研究成果

位置情報プローブデータを活用した道路変化点検出実証

日米の位置情報プローブデータを分析し、位置情報プローブデータを用いて、車線や工事など地図更新に必要な道路変化情報の収集が技術的に可能であることを確認するとともに、実交通データを活用した検証を進め、道路変化点の検出精度の評価や実用化に向けた課題の整理を行った。

空港内の静的・動的な様々な情報を集約する空間情報システム(VIPS)の開発

空間情報システム(VIPS)の開発を継続し、空間IDと高精度3次元地図データ及び動的データの統合に関する機能の高度化を進めるとともに、空港内における自動運転車両との連携による走行実証等を通じて、空間IDを活用した空港内情報の一元管理及び実運用に向けた有効性の検証を進めた。