第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「エネルギーの民主化を実現する」というミッションのもと、「エネルギー制約のない世界を次世代につなぐ」というビジョンを掲げています。従来の電力取引に存在するアナログかつ閉鎖的な取引構造をデジタルの力で刷新することにより、「電力取引の簡素化」と「電力価格の抑制」を実現し、多くの会社が自社のリスク許容度と脱炭素ポリシーに合った電力取引の選択肢を検討できる社会を創造することを目指しております。これらの取り組みを通じ、企業価値の最大化を図ることを経営方針としています。

 

(2)経営環境

① 電力PF事業

 現在の国内電力市場は、再生可能エネルギーの普及や化石燃料調達環境の変化によりJEPXの価格のボラティリティが高まっています。再生可能エネルギーは変動性電源であるため、需給を安定させるための調整力が必須であり、主に液化天然ガス(LNG)火力発電がその役割を担っております。これまで、燃料であるLNGの多くは中長期相対契約で調達されてきました。

 2012年に導入されたFIT制度により太陽光発電をはじめとした変動電源が爆発的に増加した結果、出力が不安定な再生可能エネルギーの調整を行うためにも化石電源は重宝され、中長期的相対契約を締結している状況でした。しかし、化石電源の中でも特に調整力の高いLNGは、長期間の貯蔵ができないため取扱い難易度が高い特性があります。こうした状況の中、大手発電事業者は新型コロナウイルスの流行による一時的な電力需要の急減によりLNG関連損失を計上することとなり(※1)、これを契機にLNG中長期相対期契約量を縮小しました。

 LNG中長期契約量の減少に伴いLNGのスポット調達割合が増加し、火力発電コストはLNGスポット価格に大きな影響を受けるようになりました。JEPXにおける約定価格は売り主体である大手発電事業者の入札価格に大きな影響を受けますが、このようなLNG調達環境の変化を受け、大手発電事業者がJEPXへの入札価格を、LNGスポット価格を考慮した価格にて入札できるよう制度が見直されました(※2)。この見直しにより、JEPXにおける約定価格はLNGスポット価格の影響を強く受けるようになりボラティリティが増大しました。

 

0102010_001.png

LNGスポット価格(JKM)と長期契約価格(JLC)の比較(※3)

 

0102010_002.png

東京のJEPXエリアプライス推移(2014/4/1~2024/9/30)(※4)

 

 2022年、ウクライナ紛争が勃発した影響等を受けLNGスポット価格が高騰し、JEPXにおける約定価格も高騰しました。JEPXにおける約定価格の高騰は、発電事業者との長期相対契約を持たない小売電気事業者の仕入価格に直結します。やがて、固定単価の販売価格を仕入価格が上回り、逆ザヤ状態が慢性化していくと同時に、資本力のない新電力を始めとする中小の小売電気事業者は倒産や撤退を余儀なくされていきました。倒産や撤退をした小売電気事業者と契約していた需要家の多くは、大手電力会社である旧一般電気事業者との契約を試みましたが、同様の状況であった旧一般電気事業者も既に通常の供給契約の新規受付を停止していたため、セーフティネットである最終保障供給(※5)契約を一般送配電事業者と締結せざるをえない需要家(電力難民)が続出しました。最終保障供給契約も当時固定単価であったため、一般送配電事業者は契約が増えれば増えるほど損失を被る逆ザヤ状態であったため、2022年9月より最終保障供給契約の料金が市場価格連動に変更され、最終保障供給契約の契約件数は、2022年10月には45,871件に達しましたが、これは前年同月比(445件)の約103倍の水準となりました。その後、LNGスポット価格の下落とともにJEPXにおける約定価格も落ち着きを見せ始め、新電力や旧一般電気事業者が市場連動プランなども一部導入しながら新規契約の受付を開始したこともあり、最終保障供給契約件数も低下しております。

 

0102010_003.png

最終保障供給契約件数の推移(2021年8月28日~2024年8月1日)(※6)

 

 以上のように、国内電力市場は国際的なLNG価格に対するエクスポージャーが増大し、電力小売会社が価格変動リスクを取るという電力調達・供給モデルの維持が困難になっており、価格変動リスクは電気を使う需要家に転嫁されつつあります。このような市場環境の変化を受け、今後は需要家が自らのリスク許容度に合った電気を選ぶ時代に突入し、当社グループの電力PF事業を推進する上で好影響を与えました。当事業の特性上、需要家が調達する電気は多かれ少なかれJEPXからの調達を含みます。事前に化石電源の発電家から一定量を固定単価で調達することで価格変動を抑えることは可能ですが、事前に発電家と取り決めた量と実際に使用した量との間に乖離が発生します。こうした乖離については、当社グループのシステムが自動でJEPXから電気を調達または売却することで調整をしています。また、市況やリスク許容度によっては、あえて全量をJEPXからの調達とする需要家も見られます。小売電気事業者から固定単価で購入することが一般的であった時代には、市場からの直接調達やそれに伴う価格変動に対する需要家の理解が進みにくい状況にありました。しかし、環境変化に伴い電気代は市場に連動するという認識が進んだことで、需要家の理解を得やすくなったことは当事業を大きく推進させる要因となりました。当社グループのDGP取扱電力量は、JEPX高騰時に多くの電力難民への電力供給により大きく拡大しましたが、電力難民減少後も、電気代が市場に連動する調達方式が浸透していたため、コスト優位性により順調に拡大しております。以上のように、JEPXが高騰した状況においても、低位安定した状況においてもDGP取扱量は拡大(※7)しており、プラットフォームとして最適な電力取引の「場」を提供しているDGPは、市場価格の高騰時・高騰後を問わず顧客数を拡大しております。なお、DGP取扱電力量の月次平均解約率(※8)は約2.9%となっております。

 

0102010_004.png

GMV(取扱電力量)及び契約容量の四半期推移(2023年8月~2025年7月)(※7)

 

 外部環境変化を背景に、電気代が市場に連動する調達方式を受容する顧客セグメントは今後も法人需要(高圧・特別高圧)の中で拡大する見通しです。国内の電力総需要は人口減少や省エネ機器の普及・性能向上などにより減少する要因があるものの、製造業における生産プロセスの電化、データセンターの普及などにより、2040年に電力総需要は9,000~11,000億kWhに達することが見込まれています。2025年7月期の当社における年間取扱電力量は約24億kWhであり、ダイナミックプライシング市場(※12)の17%程度と推定しております。

 

0102010_005.png

電力PF事業の市場規模(※9、10、11、12)

 

(※1) 例えば、株式会社JERA 2020年度第2四半期連結決算にてLNG売却関連損を計上

(※2) 東北電力株式会社と株式会社JERAが2021年度11月下旬以降にJEPXへの供出価格をスポット調達等を考慮した価格に変更すると発表

(※3) Bloombergデータより当社グループ作成。JLC:日本着LNG価格。長期契約価格に近い水準。JKM:LNGの北東アジア向けスポット価格指標

(※4) JEPX取引市場データより取得した東京エリアプライス(円/kWh)(2014年4月1日~2024年10月4日)

(※5) 小売電気事業者のいずれとも電気の需給契約についての交渉が成立しない高圧以上の需要家に対して、電気最終保障供給約款に基づき旧一般電気事業者が電気を供給する契約

(※6) 電力・ガス取引監視等委員会公表資料 最終保障供給契約件数(2021年8月28日~2024年8月1日)

(※7) 当社グループ実績データに基づき作成(2023年8月~2025年7月)

(※8) 契約容量の解約率=当月の解約契約容量÷(前月の契約容量+当月新規契約容量)、2024年8月~2025年7月までを対象期間とした月次解約率の平均値

(※9) TAM、SAM及びSOMは、「2040年度におけるエネルギー需給の見通し、電力調査統計 電力需要実績 2023年度(資源エネルギー庁)」をもとに、※10、※11及び※12に記載の方法により当社が算出した推計値。統計情報や第三者により作成されたデータの精度には限界があるほか、当社による一定の仮定、前提、試算に基づいて算出された推計値であるため、実際の市場規模とは異なる可能性がある

(※10) SAM(2040年予想):2040年の電力総需要のうち、特別高圧・高圧需要を法人需要として表記。2024年時点の電力総供給量のうち特別高圧・高圧電力が占める割合が64.5%であったことを踏まえ、2040年における電力総需要予測値に64.5%を乗じて算出

(※11) SOM(2040年予想):2024年時点の特別高圧・高圧電力供給量のうち新電力が占める割合が17.4%であったことを踏まえ、2040年の特別高圧・高圧電力需要予測値に17.4%を乗じて算出

(※12) SOM:特別高圧・高圧需要のうち、新電力が市場連動メニューを提供する市場をダイナミックプライシング市場と表記。ダイナミックプライシング市場は電力の需要と供給に応じて価格が変動する市場のことで、電力を使う側は電気料金の節約、電力を供給する側は電力設備や事業の効率的運用が可能になり電力需給バランスの最適化の有効策として期待されている。ダイナミックプライシング市場規模は、「電気とガスのかんたん比較 エネチェンジ(ENECHANGE株式会社)」に掲載されている市場連動メニューを提供している新電力の2023年度電力需給実績の特別高圧+高圧の数値を合計したもの

 

② 再エネPF事業

 2015年12月に開催された国連気候変動枠組み条約国会議(COP21)において採択された「パリ協定」を契機に、世界的に化石燃料依存からの脱却が加速し、再生可能エネルギーへの移行が推進されています。各国政府や企業においても、持続可能なエネルギー利用への意識が高まり、自社消費電力の再生可能エネルギー100%化(RE100)を目指す動きが急速に広がっています。日本国内においても、政府は第7次エネルギー基本計画において、2040年までに再生可能エネルギーの導入比率を40~50%に引き上げるという方針を掲げており(※1)、この目標達成に向けた各種政策が展開されています。これにより、脱炭素化は一時的なトレンドではなく、長期的かつ不可逆的なメガトレンドとして確立されつつあります。

 

0102010_006.png

2023年までの再生可能エネルギー拡大実績と2040年までの目標(※1)

 

 2010年には10%程度だった再生可能エネルギーの電源構成比率は、2012年に始まった固定価格買取制度(FIT制度)(※2)の導入により、2022年までに23%まで拡大しました。FIT制度は再生可能エネルギーの普及に大きく寄与し、特に太陽光発電の導入拡大を後押ししました。しかし、FIT制度による新規認定は2022年以降、順次終了することが決定されており、今後の再生可能エネルギー比率拡大には新たな枠組みの構築が不可欠となっております。政府は、2040年までに再生可能エネルギー比率をさらに17%~27%拡大するという目標を掲げていますが、その達成にはFIT制度に依存しない非FIT(※3)電源の普及が鍵を握ります。これにより、事業者が市場競争の中で再生可能エネルギーを活用し、経済合理性を持った形で普及を進めることが求められています。

 非FIT電源とは、固定価格買取制度に頼らず、事業者が自由市場において取引する再生可能エネルギー電源を指します。近年、企業の自主的な脱炭素化の動きが進む中、非FIT電源を活用したPPA(電力購入契約)の導入や、トラッキング付き非化石証書を活用したグリーン電力の調達など、多様な調達手法が拡充されています。

 これまで、太陽光発電の普及を大きく促進してきたFIT制度は、国民負担の増大を背景に順次終了し、FIP制度(※4)への移行が進んでいます。FIT制度下では、再生可能エネルギーの発電家は国が保証する固定価格で電力を売電する仕組みが整備されていましたが、FIP制度では市場価格にプレミアムを加算する形で売電が行われるため、再生可能エネルギーの発電家は自ら販路を開拓し、電力市場の変動を考慮した取引戦略を構築する必要に迫られています(※5)。

 

0102010_007.png

FITとFIPの違い(※5)

 

 このように、再生可能エネルギーは政府の補助に依存せず、市場において自立的に運用することが求められています。この市場環境の変化は、当社グループが展開する再エネPF事業にとって追い風となっております。当社グループは非化石証書の代理調達サービス「エコのはし」、再エネコーポレートPPAのマッチングプラットフォーム「RE Bridge」、及び契約締結後の再エネ発電設備の需給管理を提供する「DGP」を通じ、多様な再生可能エネルギーの取引サービスを展開しています。市場環境の変化に伴い、再生可能エネルギーの発電家による長期的かつ安定的な販路の確保、非FIT市場への移行に伴う再生可能エネルギーの需給管理、RE100対応が迫られている需要家の再生可能エネルギー調達、と言ったニーズを的確に捉えたサービスにより、当社グループの再生可能エネルギー取扱量は順調に増加(※6)しており、2025年7月時点で約281MWに到達しています。契約期間は20年間程度の長期契約が中心であり、今後もストックとして積み上がっていく見通しです。

 

0102010_008.png

再生可能エネルギー取扱容量推移(MW)(※6)

 

 最後に、非FIT電源の契約形態として、再エネPPA市場が出現し、脱炭素の潮流を背景に2040年にかけて急拡大する見通しです。2025年7月期の再生可能エネルギーも取扱電力量は約2.5億kWhであり、市場の約16.7%を占有していると推定しております。

 

0102010_009.png

再エネPF事業市場規模(※7、8、9、10、11)

 

(※1) 資源エネルギー庁 第7次エネルギー基本計画(2024年12月17日)

(※2) 再生可能エネルギーを政府が定めた一定の価格(調達価格)で、一定の期間にわたって固定買取価格で買い取ることを義務付けた制度。2012年7月に開始

(※3) FIT認定を受けていない電源、FIT認定期間が終了した電源、FIP認定電源を総称して非FIT電源としている

(※4) Feed-in Premiumの略称で、FIT制度のように固定価格で買い取るのではなく、再生可能エネルギーの発電家がJEPXなどで売電したとき、その売電価格に対して一定のプレミアム(補助額)を上乗せすることで再生可能エネルギー導入を促進する制度。2022年4月に開始

(※5) 日本総研「FIP導入1年半が経過して~FIP転換の現状と展望~①」、資源エネルギー庁「なっとく!再生可能エネルギー」(2024年1月4日)を参考に当社グループ作成

(※6) 当社グループ実績データに基づき作成

(※7) TAM、SAM及びSOMは、※8、※9、※10及び※11に記載の方法により当社が算出した推計値。統計情報や第三者により作成されたデータの精度には限界があるほか、当社による一定の仮定、前提、試算に基づいて算出された推計値であるため、実際の市場規模とは異なる可能性がある

(※8) TAM(2040年予想):2040年度の発電電力量1.1~1.2兆kWhのうち、再生可能エネルギーの電源構成比率4~5割程度を乗じた発電電力量をTAMと想定(資源エネルギー庁「第7次エネルギー基本計画」)

(※9) SAM(2040年予想):2024年時点の電力総供給量のうち、特別高圧・高圧電力が占める割合が64.5%であったことを踏まえ、2040年における再生可能エネルギーの総供給予測値に64.5%を乗じて算出(電力調査統計 電力需要実績 2023年度)

(※10) S0M(2040年予想):2021年のRE100加盟企業の自然エネルギー電力調達方法の内、コーポレートPPAが占める割合である35%であったことを踏まえ、2040年における法人需要家への再生可能エネルギーの供給量予想値に35%を乗じて算出(自然エネルギー財団「コーポレートPPA実践ガイドブック 2023年版」)

(※11) SOM:国内のオフサイトPPA事例の総計1,145MWを設備利用率15%でkWh換算(自然エネルギー財団「コーポレートPPA: 日本の最新動向 2024年版、2025年版」 )

 

③ その他

・調整力事業

 調整力とは、電力系統の安定性を保つために電力需要と電力供給のバランスを調整することを指します。再生可能エネルギーの導入が今後も増加することが見込まれておりますが、その課題として、再生可能エネルギーは天候等によって発電量が左右されるため、人為的に発電量をコントロールすることが難しい点が挙げられます。その結果、意図的に発電停止指示をする「出力制御」が2018年に九州で発生し始め、2023年には東京エリアを除く全国に拡大しました。そのため、再生可能エネルギー移行に伴う調整電源のニーズは拡大しております。

 過去10年の推移においても太陽光の発電する日中価格はJEPXにおける約定価格が下落(図1)しており、再生可能エネルギー導入拡大を背景として、需給調整力の一つである蓄電池へのニーズが増加していく見込み(図2)です。

 

0102010_010.png

(左:図1) JEPXにおける約定価格に関する単位時間(24時間を30分ごとに区切った48コマ)ごとの年間算術平均の比較より当社グループ作成

(右:図2) 経済産業省「GX実現に向けた投資促進策を具体化する分野別投資戦略 参考資料(蓄電池)」2023年12月22日より当社グループ作成

 

・脱炭素教育事業

 内閣府が2022年6月に実施した調査(※1)によると、脱炭素化に向けた取組みの課題として、約4割の企業が「必要なノウハウや人員が不足している」、約3割が「投資・運営コスト増への対応が困難である」と回答しています。当社グループはこうした課題を踏まえ、学習コンテンツ「GX navi」の作成に着手いたしました。試作段階において取引先企業へのヒアリングやアンケートを実施した結果、既存の学習媒体に対し「情報の網羅性、一覧性、鮮度」のいずれかに不満を感じている企業が多いことが明らかになりました。そこで、GX naviでは、理論から実践的な知識までを一元化し、実務担当者が必要とする情報を網羅的かつ最新の状態で学習できる仕組みを提供しております。なお脱炭素教育事業の事業規模を縮小させており、GX naviは2026年7月にサービスの終了を予定しております。

(※1) 内閣府「我が国企業の脱炭素化に向けた取組状況」(2022年6月)

 

 

 

(3)経営戦略

 当社グループは上述の経営環境を踏まえ、電力需要家が自ら電源調達ポートフォリオを選択することを可能にする「電力PF事業」、企業の再生可能エネルギー調達を支援し、非FIT制度下で発電者に求められる需給管理を提供する「再エネPF事業」、変動性電源増加に伴い求められる調整力を提供する調整力事業を含む「その他」の3つのセグメントで事業を展開しております。各セグメントにおける主要な戦略は以下の通りです。

 

① 電力PF事業

 電力PF事業として展開するDGPでは、需要家が主体的に電源調達ポートフォリオを選択できる環境を提供し、自由な電力取引ネットワークを形成しています。従来、需要家は限られた選択肢しかありませんでしたが、当プラットフォームは高いカスタマイズ性を実現しており、これが当事業の独自性と強みとなっています。また、新規顧客の獲得において、当社グループ人員による営業に加えて、代理店を活用した販路拡大も積極的に進めており、効率的に営業を展開しております。

 当社グループは、需要家に対して調達オプションを提示し営業活動を行っております。調達オプションには、JEPXから100%の電力を調達する手法、JEPXと価格固定電源からの調達を組み合わせる手法、JEPXと再生可能エネルギー電源からの調達を組み合わせる手法、及び市場、価格固定電源、再生可能エネルギー電源からの調達を組み合わせる手法があります。なお、それぞれの電源からの調達割合は自由に選択することが可能です。安価な市場価格を享受したい需要家は市場調達100%を選択し、市場価格高騰に備えたい需要家は価格固定電源からの調達を組み合わせることで調達価格を一部固定することを選択し、また、再生可能エネルギー導入が必要な需要家は再生可能エネルギー電源からの調達を組み合わせることを選択します。このように、個々の需要家によって最適な調達手法は異なるため、当社グループによるサービスを通じて、需要家に対して最適な電源調達オプションを提示し、DGPのシステムが様々な取引形態を可能としています。

 

0102010_011.png

ポートフォリオ実績:取引形態別の契約容量(MW)

※取引形態別の契約容量は、請求月ベースの合算値

 

 DGPは、従来、電力会社が手作業で行っていた業務をAIを活用したシステムにより自動化し、オペレーションの効率化による価格競争力と、個々の需要家に合わせた電力取引が可能な柔軟性を実現しております。この基盤を活かし、当事業の成長戦略として、顧客基盤の拡大と市場調達+αの柔軟性のある取引形態を訴求し、売上の拡大に加え、顧客満足度のさらなる向上を目指してまいります。

 顧客基盤の拡大においては、当社グループとの直接契約に加え、代理店との連携については、商談機会の拡大及び契約件数の増加を図ってまいります。具体的には、代理店と共通の営業ツールの活用、オンボーディングの標準化及び教育・支援体制の強化による早期戦力化及び代理店のスコアリング制度導入による新陳代謝の促進等の打ち手により、代理店との連携を、積極的かつ効率的な運用とする方針です。

 市場調達+αについて、現状、当社グループの契約容量の7割以上を占める取引形態は、市場からの100%調達となります。しかし、電力市場のボラティリティが高まりつつある状況において、潜在的な価格ヘッジニーズは大きいと見ております。そのような中、当社グループは、プロダクトの深化を継続し、顧客満足度を向上させ継続率を高めてまいります。具体的には、マーケットレポートを活用したコスト削減効果の可視化による経済的メリットの訴求や、卸取引の自動約定等の実装によるユーザーエクスペリエンスの向上、卸の調達先多様化による選択肢の拡充により、DGP上におけるヘッジ取引を拡大させていく方針です。また、直販営業を強化し、需要家の電力調達と伴走者となることを目指します。直販営業体制は非再エネ、再エネといったプロダクト単位ではなく、顧客ごとに営業担当を配置する顧客専任性へ移行し、電力・再エネ調達方針策定から取引実行、アフターサービスまで、一気通貫したサービスを提供し、大口需要家の獲得、及び継続率の向上による顧客生涯価値の拡大を行ってまいります。

 

② 再エネPF事業

 再エネPF事業では、今後需要が高まると予測される分野への積極的な取り組みを推進して参ります。その一環として、再エネ証書の代理調達サービス「エコのはし」と「DGP」を利用した再生可能エネルギー取引の間をシームレスに接続する「RE Bridge」を新たにサービス開始しました。当社の各プロダクトの役割と位置付けとして、「エコのはし」はPPAに関心を持つ需要家のリード獲得を目的とし、まずは非化石証書を活用した環境価値取引を提供します。「RE Bridge」はPPA契約のマッチングを推進し、営業プロセスの効率化を図ります。また、「DGP」はPPA契約締結後の需給管理を提供し、多様な再生可能エネルギー取引の実行を図ります。これらのプロダクトを通じて、「エコのはし」→「RE Bridge」→「DGP」へと、需要家を段階的に誘導する仕組み(※1)を構築し、再生可能エネルギー取引をよりスムーズかつ効率的に進めることを目指しています。今後も、このようなカスタマージャーニーの支援、及びDGPの再生可能エネルギーのプロダクトの開発・改善を継続し、需要家が再生可能エネルギー導入をより容易に進められる環境を整備してまいります。

 

0102010_012.png

(※1)再エネ顧客のカスタマージャーニー

 

 また、非FIT/FIP電源の増加を見据え、旧一般電気事業者向けの再生可能エネルギー電力卸取引を拡大するため、競争力のある優良な発電事業者や発電設備の案件獲得を進め、顧客ニーズが高まると見込まれる環境価値の固定化や短期PPAに対応するため、これらの需要に応えられる発電家の発掘も進めてまいります。

 当社グループは、引き続き市場環境の変化に柔軟に対応し、持続可能なエネルギー社会の実現に向けた再生可能エネルギー取引の拡大を推進してまいります。

 

③ その他

・調整力事業

 調整力事業では、市況に合わせて当社グループの競争優位の源泉であるアルゴリズムを改良し続けます。また、蓄電池運用に関する投資及びアグリゲーターとしての実績を積み上げるため、蓄電池メーカーとの取引を拡大し、各市場の効率的な運用を目指してまいります。さらに、供給力や調整力にかかわらず全ての電力を同時に約定させる仕組みの市場(同時市場)の創設が検討されている中で、こうした制度変更を迅速にサービス開発に反映させるよう努めます。

 

・脱炭素教育事業

 前述の通り事業規模を縮小させており、GX naviは2026年7月にサービスの終了を予定しております。

 

 以上のように、電力PF事業の拡大を維持しつつ、再エネPF事業の強化に伴うメニューの多様化、更にはプラットフォームの独自性を高める調整力事業などの新規事業の開始等により、追随を許さないメガプラットフォーマーを目指します。

 

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、持続的な事業拡大及び利益成長の観点から、財務関連指標としては成長率や利益率、取扱電力量などを重視しておりますが、重要な経営指標の目標達成状況を計るためのKPI(Key Performance Indicators)として以下を設定しております。

 

①売上高及び売上高成長率

②営業利益及び営業利益率

 

 ①について、売上高は、会社がどれだけ商品やサービスを売り上げたかを示す指標であり、売上高成長率(※1)は、その売上がどれだけ増加したかを示す重要な指標です。電力PF事業を中心とする売上高の拡大によって、更に会社が成長し、より多くのお客様への価値提供が可能と考えています。売上高は毎期成長を遂げており、前年比売上高成長率は2023年7月期は39%、2024年7月期は107%であります。

 ②について、営業利益の拡大が当社グループ事業の持続可能性をモニタリングする上で適していると考えています。また営業利益の絶対額だけでなく売上に対して不用意なコスト増とならないかを判断するため、営業利益率(※2)も注視しています。2022年7月期の黒字化後、2023年7月期に営業利益率は25%、2024年7月期には44%を達成しております。

 今後も引き続き電力PF事業を中心としたDGP関連の事業に取り組み、自由な電力取引ネットワークを拡大させていくことで、売上高、営業利益などの上昇を目指してまいります。

 

指標

2022年7月期

2023年7月期

2024年7月期

2025年7月期

売上高(百万円)

1,210

1,691

3,515

6,153

売上高成長率(%)(※1、3)

-

39

107

75

営業利益(百万円)

24

438

1,547

2,742

営業利益率(%)(※2)

2

25

44

44

(※1)「(当期売上高÷前期売上高-1)×100」により算定しております。

(※2)「営業利益÷売上高×100」により算出しております。

(※3)2022年7月期の売上高成長率は、2021年7月期の事業年度が決算期変更により2021年4月1日から2021年
 7月31日までの4ヶ月間となっているため、記載しておりません。

(※4)2025年7月期より連結決算に移行しておりますが、参考として、2024年7月期以前は単体業績を記載しております。また、2025年7月期の売上高成長率は、2024年7月期の単体売上高をもとに算出しております。

 

 なお、DGPの手数料売上高及び主要なKPIの四半期推移は下表の通りです。DGPによるシステム対応のため、契約容量・拠点数の急激な伸びにも対応が可能な体制を構築しております。今後も卸調達、中規模需要家(高圧500kW以上)の獲得、新規パートナーの開拓を継続する方針です。

・2023年7月期

(単位:百万円)

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

売上高

355

440

505

390

DGP手数料売上高(※1)

58

216

249

333

 DGP手数料売上高除く売上高

(※2)

296

223

255

56

営業利益

114

165

163

△4(※3)

・2024年7月期

(単位:百万円)

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

売上高

646

765

852

1,251

DGP手数料売上高(※1)

474

591

700

1,052

 DGP手数料売上高除く売上高

(※2)

172

173

152

198

営業利益

303

388

393

461

 

・2025年7月期

(単位:百万円)

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

売上高

1,687

1,620

1,482

1,362

DGP手数料売上高(※1)

1,224

1,199

1,165

1,203

 DGP手数料売上高除く売上高

(※2)

463

421

317

159

営業利益

973

736

663

368

(※1)売上高からDGP手数料売上高のみを抽出した数値

(※2)一般送配電事業者との精算額、Jクレジット販売、FIT非化石証書仲介手数料などが含まれる数値

(※3)営業損失は決算賞与支給による一過性のものや研究開発費、排出係数調整費が主な要因

(※4)2024年7月期以前は単体業績、2025年7月期は連結業績を記載

・2023年7月期

指標

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

GMV(取扱電力量:GWh)

51

127

153

204

需要家

50

123

148

200

再エネ発電家

1

4

5

4

契約容量(MW)(※1)

68

188

331

298

需要家

67

176

318

279

再エネ発電家

1

11

13

18

契約拠点数(数)(※2)

256

974

956

1,592

需要拠点数

247

946

923

1,515

再エネ発電拠点数

9

28

33

77

・2024年7月期

指標

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

GMV(取扱電力量:GWh)

271

319

364

542

需要家

264

309

338

502

再エネ発電家

7

10

27

40

契約容量(MW)(※1)

384

504

621

799

需要家

354

437

510

656

再エネ発電家

30

67

110

142

契約拠点数(数)(※2)

2,116

2,832

3,778

4,262

需要拠点数

1,946

2,508

3,222

3,578

再エネ発電拠点数

170

324

556

684

・2025年7月期

指標

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

GMV(取扱電力量:GWh)

640

628

656

753

需要家

600

585

584

655

再エネ発電家

40

43

72

98

契約容量(MW)(※1)

824

939

1,018

1,034

需要家

663

724

769

754

再エネ発電家

161

215

249

281

契約拠点数(数)(※2)

4,399

4,675

4,764

4,901

需要拠点数

3,515

3,570

3,430

3,456

再エネ発電拠点数

884

1,105

1,334

1,445

(※1)契約容量は託送月による合算値

(※2)当社グループと契約関係のない低圧の需要拠点を除く

(※3)2024年7月期以前は単体業績、2025年7月期は連結業績を記載

 

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 「(3)経営戦略」を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は次のとおりです。

 

① 長期安定的な顧客基盤の構築

 DGPの機能や価格の優位性を活かし、引き続き新規顧客獲得に邁進してまいります。現在、当社の売上高は特定の業界・企業に依存することなく分散しており、急激な売上変動が緩和される構成となっていると認識しております。

 

0102010_013.png

月次売上高に占める手数料収入帯別の構成(社数、n=1,174)

 

 一方で電力PF事業における電力契約は単年契約が基本となっており、多くの契約企業が1年に一度の頻度で契約を見直しています。これは当社グループにとっての解約リスクであり、継続率を向上させることが事業の重要な課題となっています。この課題に対して、当社グループは化石電源との相対契約による固定価格調達や、再エネPF事業において推進しているコーポレートPPAなどの長期契約を増やし、プラットフォーム上での取引選択肢を豊かにすることで継続率の向上を図ります。これにより、ストック型のビジネスモデルへと移行し、安定した収益基盤を構築していく必要があると考えております。

 

② 発電・需要予測精度の向上

 DGPには、発電家と需要家の双方が存在し、電力系統を介して電力の供給及び調達が行われています。この取引の過程において、当社グループは電力系統の運用者に対して系統の想定使用容量である計画値を提出する必要があります。しかし、計画値と実際の使用量である実績値の差分であるインバランスは、当社グループと系統運用者との間でペナルティ性のある単価で精算されるため、インバランスリスクが主要な事業上のリスクとなっています。当社グループは、AIが実装されたシステムを活用し、発電拠点及び需要拠点ごとに発電量と需要量の予測を行っており、この予測に基づき計画値を提出しておりますが、インバランスリスクを低減するためには、需要予測及び発電予測の精度向上が課題です。当社グループはこれまでに年間通算でのインバランスの損失を回避し、顧客負担を軽減しておりますが、今後も予測技術の進化や新技術の積極的な活用、データ解析の精度向上を追求するとともに、極めて流動的な法制度・顧客ニーズに迅速に対応することで、さらなるリスク低減と業務効率化に努めてまいります。

 

③ 優秀な人材の確保・教育と社内管理体制の強化

 当社グループは、事業の特性上、優秀な人材の業務遂行能力が収益に大きく影響することを認識しております。電力業界特有の要件や規制に精通した人材、複雑なドメイン知識を持つインハウスエンジニア、金融のトップファーム出身者などの人材が在籍しており、一般送配電事業との電力精算額等の業務でAIを生かした需給予測や予測結果に対する金融スキルを生かした調整を実現できております。その他にも様々な業界に精通した専門家がバランスよく採用・定着できていることも強みであると当社グループは認識しております。

 そのため、競合他社との人材獲得競争の激化、コアメンバーの予期しない退職、採用と教育の遅れなどが、安定した業績の確保に障害となる可能性があると考えています。これに対応するため、当社グループはパフォーマンス評価に基づく賞与及びストックオプション等のインセンティブ制度を導入し、独自の教育研修体制を整備することにより、従業員の早期戦力化とスキルアップに努めております。また、人材の拡充と同時に企業規模に応じた社内管理体制の強化を行っていく方針です。業務マニュアル等の整備やコーポレート・ガバナンスの向上、予実管理の精緻化についても取り組みを加速していく必要があると考えております。

 

④ 財務健全性の最適化
 当社グループの電力PF事業の取引において、電力の一部をJEPXから調達しており、調達した電力の支払いは取引日の2営業日までに発生します。一方で需要家への債権の回収サイトは1か月以上であるため資金繰りに大きな影響を及ぼします。そのため、当社グループの財務上の重要な課題として、財務健全性の最適化が挙げられます。財務健全性とは流動資産科目(現金及び預金+売掛金+立替金+未収入金)―流動負債科目(買掛金+(短長)借入金+未払金)で算出しており、運転資本の効率性を評価する重要な指標です。
 財務健全性の最適化のため、当社グループが需給管理を行う再生可能エネルギーの発電所数を増やす取り組みやヘッジ取引の拡大など、JEPXにおける調達量を相対的に減らす施策を行ってまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社グループはサステナビリティ関連の機会及びリスクを、事業を取り巻く様々なリスクの1つと見なしております。サステナビリティ活動をけん引する会議体として、代表取締役社長CEOを委員長とするリスク・コンプライアンス委員会を設置しております。同委員会は、リスク・コンプライアンス管理の全社的推進及びリスク・コンプライアンス管理に必要な情報を共有しております。委員会を中心としたサステナビリティ活動の状況は、社内に周知するとともに、審議内容を委員会開催翌月の取締役会に報告しております。

当社グループは役員のうち、社外役員が44%(4名/9名)を占めており、外部から適切に牽制が効き、多様な観点から当社グループのリスクを識別する体制をとっております。

 

 

(2)人的資本に関する戦略並びに指標及び目標

 当社グループでは「エネルギー制約のない世界を次世代につなぐ」ことをビジョンとして掲げ、2023年にミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を定義し、継続的な企業価値向上をめざし企業文化の変革に取り組んでおります。企業文化の変革に向けて、「待ちの姿勢ではなく自律的に挑戦するカルチャー醸成」を目指すため、「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の浸透」「人財採用」「人財の育成」に関する施策を経営、人事、各部門一体で進めております。

 

①   ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の浸透

 当社グループの人的資本経営は創業の精神を発展成長させたバリュー「エッジに立とう」「遠くへ、ともに」「青春をあきらめない」がキーワードとなっています。このバリューをはじめとするMVVについて社内で話し合う機会を設けるなどの社内浸透活動を進めてきました。MVVに対する理解を深めることが社風や組織文化においても非常に重要であると考えています。

 

②   人財採用

 当社グループでは、人財が重要な経営資源であり、優秀な人財の獲得が企業価値向上に不可欠であることから、積極的な人財採用を行う方針です。採用活動では、採用プロセスを透明かつ公正に行い、経営理念を丁寧に伝え、当社グループの経営理念に共感した人財採用を目指しております。

 

③   人財の育成

 当社グループは電力業界に属しており、前例のないユニークなビジネスモデル、専門性の高いソリューションの提供を行っています。そのため、更なる成長には、筋肉質な人財の育成が重要であると認識しております。

 

主な取り組み内容

・入社時研修

 当社グループでは複数の事業セグメントの事業を提供しています。まずは会社全体を知ってもらうという趣旨で、全部門の責任者から事業紹介や業務内容を説明してもらう機会を設け、新入社員は参加いただきます。

 

・1on1ミーティング

 上司と部下で定期的にコミュニケーションするための取組です。リモート環境がメインである当社グループは、定期的なコミュニケーションの場を設けることで、生産性の高い働き方を意識合わせし、組織成果の最大化を図ります。

 

・バリュー評価制度の制定

 年に1回の評価面談においては目標の進捗や貢献度・成果などについて確認しています。評価結果は、評価理由とともに本人へフィードバックすることで、次への成長につなげ、働きやすい環境整備に努めております。

 

 また、人的資本に関する指標(人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する指標等)につきましては、施策を実施するなかで計測はしておりますが当グループがモニタリングしていく指標について現在検討中であり、決定した段階で目標と共に速やかに公表してまいります。

 

(3)リスク管理

当社グループでは、全社的なリスク管理体制として、リスク・コンプライアンス委員会を設置すると共に、「リスク・コンプライアンス規程」を制定し、その適正な運用を行っております。事業活動上の重大な事態が発生した場合には、リスク・コンプライアンス委員会に対してその報告を行い、必要に応じてその対策について協議を行う体制となっており、また必要に応じて、弁護士、税理士等の外部専門家等から助言を受ける体制を構築しており、リスクの早期発見及び未然防止に努めております。

 

3【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載します。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示します。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業環境に関するリスクについて

① 電力市況について(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

電力の市場価格は、LNGをはじめとする燃料価格の高騰の影響を大きく受け、価格変化が激しい状況が続いています。加えて、電力の需要期である夏季及び冬季においては、市場価格が高騰するリスクは高くなります。

当社グループの電力PF事業では、一部の顧客に対して完全市場連動型プランを提供しておりますが、完全市場連動型プランの場合、需要家は電力の調達に際し市場価格の影響を直接受けます。このため燃料価格の高騰や、予想し得ない事象等が発生することにより電力価格が高騰した場合は、解約リスクが高まり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、解約リスクを低減させる取り組みとして、固定価格(再生可能エネルギーを含む)と変動価格を組み合わせた様々なハイブリッドメニューの提供を行っております。

 

② 制度変更リスクについて(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループが事業展開する電力事業においては、東日本大震災を契機として、FIT制度の創設、電力小売の全面自由化や送配電事業の法的分離の実施、内外無差別性の確保等、大規模な改革が政府主導で行われてきました。そうした電力制度改革を更に推進すべく、2020年に電気事業法及び再エネ特措法の改正案が第201回通常国会で可決され、電力データの活用促進や分散型電源の推進に向けたアグリゲーター事業者の法的位置付けの整理、計量法規制の合理化、市場価格連動型の再生可能エネルギーの買取制度(FIP制度)の導入等が制定されており、2024年度には容量市場開設に伴う容量拠出金制度が開始しました。

当社の事業は、上記のとおり制度変更が著しい環境に属しており、想定外の制度変更等がある場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競争激化について(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

他社との競合について当社グループは、DGPなどの電力プラットフォームサービスをはじめとする特色あるサービスの提供や機能の強化、再生可能エネルギーのサービスラインナップの充実、その他の新規事業等に継続的に取り組み、競争力の向上を図っております。また、当社グループはアジャイル手法による開発体制を維持継続して顧客ニーズに迅速に対応することに努めております。しかしながら、当社グループと同様にAIテクノロジー等を提供している企業や新規参入企業との競争激化による顧客の流出やコストの増加等により、当社グループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 業績の季節変動について(影響度:小、発生可能性:高、発生可能性のある時期:短期)

当社グループの事業は、需要家の使用電力量の季節変動による影響を受けることから、夏季及び冬季の電力需要が高まる時期に売り上げが偏重する傾向があります。他方、冷夏暖冬といった異常気象により電力の需要が著しく低下した場合は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 法的規制について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループの事業は、規制業種として、「電気事業法」特有の法的規制を受けており、また、事業運営においては、「個人情報保護法」、「景表法」及び「不正競争防止法」等の規制を受けております。当社グループは、法令等の改廃状況のチェック体制を構築し、関係する法令等の動向を注視する等、法的規制の遵守に努めております。

しかしながら、これら関係法令について、当社の想定外の改正や新たな制定等が生じた場合、当社グループの事業に制約が生じる又は対応のために多額の費用や時間を要する等の可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、将来において、当社グループがこれらの法令等に違反する行為を行った場合には、違反の意図の有無にかかわらず、行政機関から行政処分や行政指導等を受ける可能性があり、万が一、当社グループが取得している許認可等が取り消された場合は、当社グループの事業展開や社会的信用、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、本書提出日(2025年10月30日)現在において、当該許可の取り消しとなる事由に該当する事実はありません。

 

⑥ 知的財産について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループは自社開発AIモデルやシステム・プログラムが事業上重要なものとなっています。当社グループが権利を保有することが重要であると判断するものについては、積極的に特許出願を行っていますが、情報漏洩の観点からこれを防ぐため、特許出願を行う必要がないと判断した項目については特許出願を行っていません。

現在、当社グループでは、定期的に弁理士とミーティングを行い、弁理士に調査を依頼するなど、製品開発において特許権の侵害等がないかチェックを行っております。しかしながら、見解の相違も含め、他社の特許権を侵害する可能性も含まれております。同様に、当社グループが保有する特許権について侵害される可能性もあります。

当社グループとしましては、第三者と知的財産権に関する問題が発生した場合、第三者の弁護士及び弁理士と対応を協議していく方針ですが、案件によっては解決に時間と費用を要し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

なお、本書提出日(2025年10月30日)現在において、知的財産権に関する問題は発生しておりません。

 

⑦ 一般送配電事業者との電力精算に係る損益について(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループが事業展開をしている電力PF事業及び再エネPF事業は、一般送配電事業者の送電ネットワークを介して電力を供給する際に一般送配電事業者の定める託送供給約款等に基づき、需要・発電想定量と実際の需要・発電量をそれぞれ30分毎に一致させる義務(計画値同時同量制度)を負っております。事前に計画した需要・発電量と実際の需要・発電量の差分は、インバランス(料金)として一般送配電事業者との間で精算されます。

当社グループでは、自社システム及び需給バランスモニタリングチームによって、30分毎の需給バランスの最適化を図っておりますが、同時同量を達成できない場合において、余剰インバランス・不足インバランスが多額に生じる場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

なお、会計処理方法及び影響額については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (6)その他連結財務諸表作成のための重要な事項」及び「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

(2)事業内容及び提供サービスに関するリスクについて

① サービスのライフサイクルについて(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループの電力PF事業において、電力需給契約の契約期間は基本的に1年間となっていますが、契約締結後はユーザーの意思に従って契約の更新又は解約がなされます。当社グループとしてはユーザーにとって最適な電力調達の選択肢を提供すべく契約締結後もカスタマーサポートの提供や営業活動を通じた顧客ニーズの継続的な把握等を通じて、契約維持に努めております。

しかしながら、ユーザーが他の電力会社に切り替えた場合は手数料収入が減少するため、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② システムリスク(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループが提供するDGPの運営は、主に自社開発した社内システムを利用しています。情報システムの要件漏れやプログラムバグの混入等により法令対応が適切に行われず、情報システムの不具合や停止が発生し、お客さま情報の不適切な取り扱いや電力市場への誤入札等の社会的信用の低下につながる事案の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、不測の事態によってこれらのシステムのインシデントや情報漏洩が発生した場合、日常の業務運営に支障をきたす可能性があります。

対応策として、第三者による定期脆弱性診断や、更新時の脆弱性診断等の対応策を実施予定ではありますが、インシデントや情報漏洩の可能性を完全に回避することは困難であり、また想定した防御レベルを上回る技術によるサイバー攻撃等などにより、当該情報の破壊・改ざん・流出・社内システム停止等が引き起こされる可能性もあります。これらの事態が起きた場合には、事業継続リスク、レピュテーションリスク、顧客対応リスク等様々な事象に影響を与える可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 特定セグメントへの依存について(影響度:中、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループの収益は電力PF事業において顧客から収受する手数料が収益全体の約9割を占めております。今後も需要家のニーズをとらえて電力PF事業のセールス活動の拡大、認知度向上等を通じて当該サービスに係る収益は拡大していくものと考えておりますが、再エネPF事業における再エネ発電家の獲得の他、調整力事業への参入や脱炭素教育事業の開始など、エネルギーに関連する新たな新規事業の検討・サービス開始を継続する方針です。しかしながら、予期せぬ要因により、電力PF事業の収益構造に重大な変化が生じた場合には、当社グループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)コンプライアンス・法的規制等に関するリスクについて

① 法的規制について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループが事業展開する電力業界においては、電力事業及びその関連事業を行う者に対し電気事業法が適用されます。当社グループは資源エネルギー庁に登録した小売電気事業者として一般ユーザーとの間で小売供給契約を締結しており、電気事業法及び同法施行規則で定められた義務や規制、並びに経済産業省が公表するガイドラインである「電力の小売営業に関する指針」を遵守して事業を行っています。

これら電力関連の法規制のみならず、RE100等の定める基準、その他のガイドラインの対応については、外部弁護士等の専門家の見解を踏まえて四半期毎のリスク・コンプライアンス委員会等において慎重に判断を行っていますが、新たな法令等の制定や、当社グループが想定しない形での既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 仲介契約について(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループの電力PF事業の一部新規取引は、仲介契約(媒介契約及び紹介契約)を通じて行われていることから、当社グループは仲介事業者との良好な業務関係の構築・維持に努めてまいりました。その結果、仲介事業者の新規参画と、仲介事業者の営業体制強化が進んでおります。

他方、仲介事業者が著しく増加することで当社グループから仲介事業者への管理機能が低下し、仲介事業者を通じた新規取引先と紛争が発生するリスク、このほか、仲介事業者を通じた損害により発生する当社グループへのレピュテーションリスクなどによって、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)事業運営体制に関するリスクについて

① 人材の確保・育成について(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループでは、事業の持続的な成長を支える優秀な人材を確保することが事業運営上重要であると考えています。そのため、事業部ごとに必要人材要件をマッピングし、積極的な優秀な人材の採用や、教育研修体制を整備することにより、従業員の早期戦力化とスキルアップに努めております。

しかし、競合他社との人材獲得競争の激化、コアメンバーの予期しない退職、雇用情勢の変化等により、計画のとおりに人材が確保できない場合には、事業運営や開発計画に支障をきたし、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 小規模組織であることについて(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループは小規模組織であり、ガバナンス体制や内部管理体制は当社グループの組織規模に応じたものとなっています。これらの体制については組織規模に関わらず高い水準を構築・維持することが重要であるとの考えのもと、当社グループは、コーポレートガバナンス・コードを念頭に置いた内部管理体制の構築を図っています。

具体的には、各専門分野における豊富な経験を有した人材を採用するとともに、各種のコンプライアンス研修等社内教育による人材育成を進めることで、事業規模の拡大や多様化に合わせ、内部管理体制を充実・強化していく方針であります。しかし、社内管理体制の構築が想定通り進まない場合や人的資源の流出が生じた場合には、内部管理体制やコーポレート・ガバナンス体制に支障が生じ、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 特定人物への依存について(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

当社の代表取締役社長CEOである豊田祐介は、エネルギー業界に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定、遂行において重要な役割を果たしております。当社グループでは、取締役会等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合、当社グループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)その他のリスクについて

① 大規模な自然災害等について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループは、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害が想定を大きく上回る規模で発生した場合、当社グループ又は当社グループの取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社グループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 資金繰りに関するリスクについて(影響度:中、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

電力PF事業の特徴として、キャッシュ・コンバージョン・サイクルが長くなる傾向にあります。電力を日本卸電力取引所(JEPX)から調達した場合、電力代金の支払いが取引日の2営業日までに立替金の形で発生します。当該立替金は請求日に需要家へ請求しますが、請求の事実をもって立替金から未収入金へ振替を行います。日々の調達電力代金は調達電力量にJEPX市場単価を乗じた金額になるため、需要家の増加に伴う取扱電力量の増加や、市況の変化に伴う電力単価の増加等に伴って、立替金相当額や未収入金額は増加する傾向にあります。なお、JEPXへ電力代金を支払い、需要家から回収するまでの期間は最大2ヵ月程度にわたります。

また、需要家が電力を使用することによって発生する需要家が負担する費用(送配電事業者への託送料金、OCCTOへの再エネ賦課金等)は、当社が各社への支払いを需要家に代わって行います。そのため、需要家が負担する費用相当額は当社の債務として、未払金計上されるとともに、需要家に対する未収入金も同額が計上されます。以上の理由により、当社の事業上貸借対照表上の立替金・未収入金・未払金相当額が多額に計上される傾向にあります。

そのため、不測の事態により卸電力市場の電力価格が高騰等した場合、または借入による資金調達が適時に行われない場合等、資金繰りが適切に管理・運用されない場合、当社グループのキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、経営企画部財務担当及びその管掌役員による定期的な資金残高のモニタリングや、複数の金融機関とコミットラインを締結することにより必要資金を迅速に調達できる体制を構築しております。

 

③ レピュテーションリスクについて(影響度:中、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

 当社グループは、当社グループのブランドイメージや社会的信用を維持・向上させることが、既存のクライアントとの関係強化や新しいクライアントを誘引することにおいて重要であると考えています。他方、マスコミ報道やソーシャルメディアの書き込み等において、当社グループに対する否定的な風評が発生し流布した場合等には、当社グループのブランドイメージや社会的信用が低下し、当社グループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、コーポレート部に広報担当者を配置しており、マスコミ等の外部メディアなどへの情報提供に関しては必ずコーポレート部による確認を実施した上で公表しております。

 

④ 訴訟リスクについて(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループは、コンプライアンス活動の推進により、法令違反、情報漏洩等を防止し、法改正等への適切な対応、契約行為が及ぼす法的効果の十分な検討を行うことで、訴訟に発展するリスクを排除するよう努めております。しかしながら、当社グループの役員及び従業員の法令違反等の有無にかかわらず、取引先、従業員その他第三者との予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性があります。訴訟手続は、一般的に時間や費用がかかるものであり、勝敗如何によらず、経営上の混乱を招く可能性があります。さらに、訴訟の結果として当社グループにとって不利な判決が出された場合、当社グループは多額の損害賠償義務を負う可能性があります。また、相手方と和解に至った場合でも、和解の条件次第では、同様に当社グループにとって不利な条件を受忍せざるを得ない場合も考えられます。このように、第三者との係争は、当社グループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループでは、本書提出日現在、重大な訴訟を提起されている事実はありません。

 

⑤ 新株予約権の行使による株式の希薄化について(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループは、取締役、監査役及び執行役員、従業員並びに社外協力者に対するインセンティブ付与を目的として、新株予約権を付与しております。本書提出日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、1,456,690株であり、発行済株式総数6,457,300株の22.6%に相当しております。これらの新株予約権の行使が行われた場合、発行済株式総数が増加し、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があり、この株式価値の希薄化が株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 配当政策について(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループは株主への利益還元の重要性を認識しておりますが、現時点では成長過程にあると考え、競争力の確保と更なる成長の継続を経営上の最重要課題としております。また、内部留保の充実を図り、それを原資として中長期的な事業拡大のための投資に充当していくことが、将来的な株主への利益還元に繋がると考えております。以上の理由から、当社は創業以来配当を実施しておりません。将来的には、財政状態、経営成績、事業計画等を勘案し、株主への利益還元策を決定していく所存でありますが、配当実施の可能性及びその時期等については現時点で未定であります。

 

 

⑦ 資金調達の使途について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

上場時の公募増資等により調達した資金は、蓄電池設備の取得資金に充当する予定です。しかしながら、想定通りに蓄電池設備を取得できない場合や、期待通りの投資効果が得られないことが判明した場合、現時点の資金使途以外の事項に資金を充当する可能性があります。そのような場合、目標とする企業価値の向上が想定通り達成できない可能性があります。また、適切に投資実行できた場合においても、蓄電所等の有形固定資産等を所有することになった場合や、SPCへ出資を実行することになった場合は、減損リスクが存在いたします。いずれの場合も、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクを踏まえ、当社グループを取り巻く外部環境や経営環境の変化については適時その動向を注視するとともに、公募増資による資金調達の使途に変更が生じた場合には、適時適切に開示を行います。

 

⑧ 新規事業に関するリスク(影響度:中、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

 現在その他セグメントが赤字となっております。今後も当社グループは事業領域の拡張と持続的な成長を目指し、新規事業への取組みを実施する方針ですが、その内容によっては研究開発・設備投資・人材確保のための費用が発生する可能性があります。また、新規事業開始から安定的な収益を得るまでには一定の期間が必要であり、その期間は当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、開始した新規事業が市場環境や予期せぬ技術革新等によって計画通りに推移しなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当社グループは、2025年7月期より連結決算に移行したため、前年同期及び前連結会計年度末との比較分析は行っておりません。

 また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は16,532,406千円となりました。その主な内訳は、現金及び預金が4,648,319千円、未収入金が9,766,052千円であります。また、固定資産は1,285,161千円となりました。その主な内訳は、投資その他の資産の預託金903,416千円であります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は8,540,928千円となりました。その主な内訳は、短期借入金が260,000千円、未払金が5,400,338千円、買掛金が575,059千円、未払法人税等が810,029千円、1年内返済予定の長期借入金が353,560千円であります。また、固定負債は999,400千円となりました。その内訳は、長期借入金であります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は8,277,240千円となりました。その内訳は、資本金が1,139,500千円、資本剰余金が3,683,191千円、利益剰余金が3,454,548千円であります。

 

② 経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景に個人消費や設備投資が増加し、緩やかな回復基調で推移しております。一方で、円安の進行や原材料価格の高止まりにより企業収益や家計への影響が続き、先行きについては依然として不透明感が残りました。また、欧米諸国における高い金利水準の継続をはじめ、中国経済の先行き懸念、インフレ傾向の継続、中東情勢の不安定化など、依然として景気を下押しする不透明要因が残っております。

 当社グループが属するエネルギー業界においては、ロシア・ウクライナ情勢の長期化などに伴う資源価格高騰の影響を受け、電力会社の財務状況は依然として厳しい状況にあります。他方、電気料金の改定や卸電力市場価格の落ち着きにより、一部では需要家獲得に前向きな動きも見られ、業界全体としては緩やかな改善の兆しも現れつつあります。また、政府のグリーントランスフォーメーション(GX)政策を背景に再生可能エネルギーの導入が引き続き進展し、企業における脱炭素経営や再エネ調達ニーズが一層高まりました。

 このような経営環境の下、当社グループは、Mission「エネルギーの民主化を実現する」、Vision「エネルギー制約のない世界を次世代につなぐ」を掲げ、持続可能な社会の実現に向けて各事業を推進してまいりました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は6,153,606千円、営業利益は2,742,720千円、経常利益は2,614,109千円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,870,044千円となりました。

 

 セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

 

(I)電力PF事業

電力PF事業におきましては、デジタルグリッドプラットフォーム(DGP)における再エネ以外の電源の取引を対象としています。当連結会計年度において当社グループは、事業拡大を見据え、パートナー連携の拡大、カスタマーサクセス施策の強化による顧客生涯価値の向上、ビジネスメディアへの積極的な露出など、成長に向けた施策を着実に実行してまいりました。以上の結果、電力PF事業の売上高は5,420,486千円、セグメント利益は3,529,801千円となりました。

 

(II)再エネPF事業

 再エネPF事業におきましては、DGPにおける再エネ電源の取引を対象としています。当連結会計年度においては、契約済案件の運転開始に向けたフォローに加え、RE Bridge(コーポレートPPAマッチングプラットフォーム)を活用したバーチャルPPAを始めとするオフサイトPPAの営業活動の強化や、エコのはし(FIT非化石証書代理調達サービス)を通じた仲介取扱量の拡大に取り組みました。RE Bridgeは登録発電家数が100社を突破し、発電所の登録設備容量も2GWを超えるに至りました。また、エコのはしにおいても仲介取扱量が累計20億kWhを突破するなど、両サービスともに着実な成長を実現しております。以上の結果、再エネPF事業の売上高は448,973千円、セグメント利益は120,431千円となりました。

 

(III)その他事業

 その他事業におきましては、当連結会計年度において調整力事業に関するアグリゲーションサービスの運用を開始したことに加え、系統用蓄電池の自社保有向けのパイプラインも着実に増加に至りました。またJクレジット販売等の取り組みも継続的に推進しました。この結果、その他事業の売上高は284,146千円、セグメント損失は245,731千円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は4,648,319千円であります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は321,238千円であります。これは主に税金等調整前当期純利益2,570,434千円、未払金の増加額2,067,562千円等の増加要因があった一方、未収入金の増加額4,753,873千円、売上債権の増加額563,234千円、預託金の増加額300,000千円、法人税等の支払額150,177千円等の減少要因があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は181,313千円であります。これは主に有形固定資産の取得による支出93,782千円、投資有価証券の取得による支出50,600千円等の減少要因があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は528,693千円であります。これは主に株式の発行による収入2,179,001千円、長期借入れによる収入1,100,000千円等の増加要因があった一方、短期借入金の減少額2,668,541千円による減少要因があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年8月1日

  至 2025年7月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

電力PF事業

5,420,486

-

再エネPF事業

448,973

-

その他

284,146

-

合計

6,153,606

-

 (注)1.セグメント間の取引については該当ありません。

2.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先の販売実績等の記載は省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、当社グループは、2025年7月期より連結決算に移行したため、前年同期及び前連結会計年度末との比較分析は行っておりません。

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。経営者は、これらの見積を行うにあたり、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

(立替金・未収入金・未払金)

電力PF事業の特徴として、電力をJEPXから調達した場合、電力代金の支払いが取引日の2営業日までに立替金の形で発生します。当該立替金は請求日に需要家へ請求しますが、請求の事実をもって立替金から未収入金へ振替を行います。日々の調達電力代金は調達電力量にJEPX市場単価を乗じた金額になるため、需要家の増加に伴う取扱電力量の増加や、市況の変化に伴う電力単価の増加等に伴って、立替金相当額や未収入金額は増加する傾向にあります。なお、JEPXへ電力代金を支払い、需要家から回収するまでの期間は最大2ヵ月程度にわたります。

また、需要家が電力を使用することによって発生する需要家が負担する費用(送配電事業者への託送料金、OCCTOへの再エネ賦課金等)は、当社グループが各社への支払いを需要家に代わって行います。そのため、需要家が負担する費用相当額は当社の債務として、未払金計上されるとともに、需要家に対する未収入金も同額が計上されます。なお、支払期日や回収期日の違いによって、貸借対照表日時点で必ずしも債権債務が同額にはなりません。

以上の理由により、当社グループの事業上貸借対照表上の立替金・未収入金・未払金相当額が多額に計上される傾向にあります。なお、当社グループは流動資産科目(現金及び預金+売掛金+立替金+未収入金)―流動負債科目(買掛金+(短長)借入金+未払金)を財務健全性の指標として管理しております。

 

b.経営成績の分析

(売上高)

売上高は6,153,606千円となりました。これは主に、DGP手数料売上によるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

売上原価は1,573,223千円となりました。これは主に、代理店報酬費用によるものです。この結果、売上総利益は4,580,383千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は1,837,663千円となりました。これは主に、給与や賞与といった人件費計上などが挙げられます。この結果、営業利益は2,742,720千円となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

営業外収益は11,913千円となりました。これは主に解約違約金によるものであります。また営業外費用は、140,524千円となりました。これは主に、借入金に係る支払利息、上場関連費用などが挙げられます。この結果、経常利益は2,614,109千円となりました。

 

(特別損益、当期純利益)

特別利益は160千円となりました。特別損失は43,834千円となりました。これは投資有価証券の評価損によるものであります。税金等調整前当期純利益は2,570,434千円となりました。また、法人税等700,390千円により、親会社株主に帰属する当期純利益は1,870,044千円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、電力の調達資金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。電力の調達資金については、JEPXへの支払いが取引日の2営業日までに発生し、当該資金を需要家から回収するまでに最大2ヵ月程度の期間を要するため、キャッシュ・フローに直接的な影響を及ぼします。運転資金に必要な資金は自己資金、金融機関からの借入等で資金調達していくことを基本方針としております。また、電力の市場価格の高騰等、不足の事態に備え複数の金融機関とコミットメントラインを締結しております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定であります。

なお、キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

(一般送配電事業者との電力精算が発生した場合の損益について)

 一般送配電事業者との電力精算が発生し当該損益が多額に発生する場合、当社グループの経営成績に重要な影響を与えることがあります。詳細については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (6)その他連結財務諸表作成のための重要な事項」に記載しております。

自社システム及び需給バランスモニタリングチームによって、時間毎の需給バランスの最適化を図っておりますが、同時同量が達成し得ない場合、当社グループの経営成績に大きな影響を与えることがあります。

その他、経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営者の問題意識と今後の方針に関して

当社グループは、「エネルギーの民主化を実現する」をミッションに掲げ、事業を拡大してまいりました。当社グループがこの理念の下、長期的な競争力を維持し持続的な成長を図るためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対して、経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、最善の経営方針を立案していくことが必要であると認識しております。

 

⑥ 経営戦略の現状と見通し

経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

⑦ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、主な経営指標として①売上高及び売上高成長率②営業利益及び営業利益率を重視しております。

売上高については、会社がどれだけ商品やサービスを売り上げたかを示す指標であり、売上高成長率(※1)は、その売上がどれだけ増加したかを示す重要な指標です。電力PF事業を中心とする売上高の拡大によって、更に会社が成長し、より多くのお客様への価値提供が可能と考えています。

営業利益については、営業利益の拡大が当社グループ事業の持続可能性をモニタリングする上で適していると考えています。また営業利益の絶対額だけでなく売上に対して不用意なコスト増とならないかを判断するため、営業利益率(※2)も注視しています。2023年7月期に営業利益率は25%、2024年7月期には44%、2025年7月期には44%を達成しております。

直近3事業年度末時点の推移は以下のとおりであります。

指標

2023年7月期

2024年7月期

2025年7月期

売上高(百万円)

1,691

3,515

6,153

売上高成長率(%)(※1)

39

107

75

営業利益(百万円)

438

1,547

2,742

営業利益率(%)(※2)

25

44

44

(※1)「(当期売上高÷前期売上高-1)×100」により算出しております。

(※2)「営業利益÷売上高×100」により算出しております。

(※3)2025年7月期より連結決算に移行しておりますが、参考として、2024年7月期以前は単体業績を記載しております。また、2025年7月期の売上高成長率は、2024年7月期の単体売上高をもとに算出しております。

 

5【重要な契約等】

(コミットメント契約の締結)

当社は、事業の運転資金を確保すべく、各金融機関とコミットメント契約を締結しております。

 

(1)コミットメント契約締結の目的

 機動的な運転資金の調達手段を確保し、事業及び財務基盤の安定性向上を図るものであります。

 

  (2)コミットメント契約の概要

契約名称

コミットメント契約(シンジケーション型)

借入限度額

56億円

契約期間

2024年7月31日から2025年7月31日

(1年ごとの延長オプション4回とし、2025年8月1日以降も同一内容で1年間更新されています。)

アレンジャー

株式会社みずほ銀行

参加金融機関

株式会社りそな銀行 株式会社大光銀行

財務制限条項

2024年7月期決算以降、各年度の決算期の末日における単体の貸借対照表上の純資 産の部の金額を2023年7月決算期末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%及び直前の決算期末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%のいずれか高い方の金額以上に維持すること。但し、借入人が国内のいずれかの市場にて上場承認を得た場合であって、その後2期連続して連結決算を行った場合には、その2期目の決算以降は、各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額を直前の決算期末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%以上に維持すること。

 

契約名称

コミットメント契約(相対)

借入限度額

25億円

契約期間

2024年7月31日から2025年7月31日

(1年ごとの延長オプション4回とし、2025年8月1日以降も同一内容で1年間更新されています。)

契約締結先

株式会社三井住友銀行

財務制限条項

借主は、2024年7月期末日及びそれ以降の各事業年度末日における単体の貸借対照表の純資産の部の金額を、2023年7月期末日の単体の貸借対照表に記載される純資産の部の金額の75%又は直近の事業年度末日における単体の貸借対照表に記載される純資産の部の金額の75%の何れか高い方の金額以上に維持すること。但し、借主が国内のいずれかの市場にて上場承認を得た場合であって、その後2期連続して連結決算を行った場合には、その2期目の決算以降は、各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額を直前の決算期末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%以上に維持すること。

 

契約名称

コミットメント契約(相対)

借入限度額

20億円

契約期間

2024年7月31日から2025年7月31日

(1年ごとの延長オプション4回とし、2025年8月1日以降も同一内容で1年間更新されています。)

契約締結先

株式会社商工組合中央金庫

財務制限条項

2024年7月期決算以降、各年度の決算期の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額を2023年7月期決算期末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%に維持すること。

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、安定した電力供給と競争力ある電気料金の実現を目指し、DGPに関する継続的な研究開発を経営上の重要課題と位置付けています。2020年の商用ローンチ以降、電力需給予測の高度化、再生可能エネルギーの最適調達、デマンドレスポンス技術の向上を実現するため、Software Engineerチームを中心とした専門部署を設置し、先端技術の導入と運用改善に取り組んでおります。さらに、AIを活用した需要予測モデルの開発や電力取引の効率化も推進することで、多様な顧客ニーズに迅速かつ柔軟に対応できる体制を整備しております。

 また当社グループでは、DGP基盤のさらなる高度化とサービス価値の向上を目指し、以下の課題に取り組んでおります。

 ・電力の発電・需要予測精度向上に向けた技術開発と、その成果の本番プロダクトへの迅速な反映

 ・多様な顧客要望に応じた再生可能エネルギー調達方法の研究・開発及び最適化

 ・需給管理システムの開発、並びにユーザビリティ向上を目的としたUI/UX改善

 ・LLM(大規模言語モデル)をはじめとする生成AI技術の活用による業務プロセスの効率化と、社内業務フローへの導入

 なお、これまでの研究開発により、電力の発電及び需要予測において高精度化を実現し、本番プロダクトへの導入を完了しております。具体的には、AIを活用した負荷予測モデルを実運用へ組み込むことで、需給管理の効率化と電力調達コストの低減に貢献いたしました。また、LLM(大規模言語モデル)をはじめとする生成AI技術についても研究を進め、社内業務プロセスへの導入を実施することにより、業務効率の改善・生産性向上を達成するなど、具体的な成果を上げております。

 

当連結会計年度における研究開発費の総額は、100,767千円となっております。なお、セグメント別の内容は以下のとおりです。

 

(1)電力PF事業及び再エネPF事業

電力需要/発電予測システムの開発や環境価値取引システムの開発などに関する研究開発活動に取り組んでおります。

 

(2)その他

主に、調整力事業展開をしております。蓄電池運用に関する研究開発活動に取り組んでおります。