第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、「人が主役の情報化社会づくりに貢献します」を企業理念として掲げております。この意味するところは、急速に進化するITと複雑化するシステム開発の中で、当社の目指す方向性はソフトウェアテクノロジーとヒューマンウェア((注)1)の融合であり、技術のための技術ではなく、人や社会のための技術という視点であります。

また、経営の基本方針として、「私たちの“喜び”“幸せ”“いきがい”は、当社の情報技術が、健康で安全・豊かな社会づくりに役立ち、私たちの提供するシステムやサービスによりお客様から感謝されること」としております。これらの企業理念、経営の基本方針の実現に向けて努力しております。

 

(2) 経営環境

IT市場を取り巻く環境は、経営戦略の中でIT戦略の重要性が増している一方、IT技術の進展はAI、IoT((注)2)に代表されるように日々進歩を遂げております。経済回復と業績好調の背景から企業の設備投資も好調で、中でもDX推進には欠かせないソフトウェア投資は今後も増加が予想されます。

こうした中、政府は経済成長と社会課題の解決を目的として、「統合イノベーション戦略」を毎年6月に閣議決定しております。2025年版では、AIなどの先端技術の開発と社会実装を一体的に推進し、経済成長と社会課題の解決を図るものです。技術革新の加速や国際競争の激化を背景に、重要技術分野への投資や人材育成、経済安全保障への対応が一層重視されております。当社の本拠地である愛知県では、2024年に国内最大級のスタートアップ支援拠点「STATION Ai」が開業し、2025年度においてもスタートアップと地域企業との連携やオープンイノベーションの取り組みが進展しており、地域における技術実装の動きが活発化しております。

このような環境の中で、当社としましては「(3) 中長期的な会社の経営戦略」に記載する戦略における各種の課題への対応が必須と認識しております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

中長期的な戦略として、「強靭で責任ある企業へ」をスローガンに掲げ、変化に柔軟に対応できる体制を整えながら、着実な成長を目指してまいります。社会や環境に対する責任を果たしつつ、ESGの視点を踏まえた企業経営を行ってまいります。そして経営戦略を「事業」「生産・販売」「組織・環境」に層別し、取り組んでまいります。

 

① 事業

成長戦略:M&A、新規事業、研究開発、人材開発、アライアンス推進の継続的な取組

事業規模拡大:ビジネスモデル改善による売上高・利益・生産性向上と、生成AIのビジネス利活用の推進

コア事業強化:多角的な製品開発の推進とブランド化、販売方法の見直し、潜在顧客の開拓

首都圏ビジネス拡大:顧客接点の強化、クラウド基盤提供サービスの推進

企業価値向上:顧客満足の向上、社会貢献・環境保全活動の推進、非財務情報開示の対応

人月ビジネス脱却:医療サービスの強化、サブスクリプション型ソリューション・サービスの創出

 

② 生産・販売

顧客ニーズへの対応:顧客情報の収集・分析の強化、先進技術の習得、顧客デジタルトランスフォーメーション(以下、「DX」という。)((注)3) の支援、生成AIの利活用提案の推進

生産性・生産力の向上:調達体制・調達力の強化、IT人材確保・育成の強化

品質向上:品質管理体制の強化、品質マネジメント認証の維持、プロジェクト管理能力の向上

営業力強化:営業プロセスの見直し、ソリューション提案力の向上、新規顧客開拓の強化

 

③ 組織・環境

働く環境改善:人事評価制度の見直し、福利厚生の充実、災害対策

従業員エンゲージメント:エンゲージメントサーベイの実施と改善対応

健康経営・多様性推進:ワークライフバランスの向上、疾病予防、性別や年齢、国籍、障害の有無にかかわらず、多様な人材の活躍推進

人材確保:多様な採用手法による優秀人材の獲得

ガバナンス強化:内部統制の強化、内部監査の充実、IT統制の向上、リスク管理の徹底

後継者育成:取締役の後継者育成、執行役員への権限移譲と育成プログラムの整備

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための指標等

当社は、持続可能な成長・発展を目指して、成長戦略の推進、利益の向上、既存事業の売上拡大、研究開発、人材開発、企業イメージ及び企業価値の向上、顧客価値創造に取り組んでいくことが重要と認識しており、企業の収益力を表す経常利益率、そして経営基盤の安定化を示す自己資本比率の向上を目指しております。具体的な目標値としては、中期経営計画により2029年3月期の目標として、下記指標を掲げております。

 

 

目標項目

第46期

2029年3月期目標

第43期

2026年3月期実績

売上規模

売上高

45億円

36億円

従業員数

400名

330名

利益体質の維持

売上高経常利益率

10%

8.1%

総資本経常利益率

15%

15.1%

売上高販管費比率

15%

19.1%

財務基盤の改善

自己資本比率

50%

69.3%

外部負債依存率

10%

0.0%

 

 

これらの目標は一時的な達成を目的とするものではなく、事業環境の変動下においても中長期的に安定して確保すべき収益性及び財務健全性の水準として、現行中期経営計画に基づき設定しております。
 当社は、短期的な利益率の最大化ではなく、人材投資及び品質確保を重視した持続的成長を基本方針としており、今後の資本増強等による経営環境の変化及び成長ステージを踏まえ、適宜見直しを行う方針であります。
 また、2026年3月期においては、自己資本比率69.3%、外部負債依存率0.0%と、いずれも目標値(自己資本比率50%、外部負債依存率10%)を達成しておりますが、これは、これまでの事業活動において内部資金を中心とした資金運営を行ってきた結果であります。

今後の成長に向けては、投資内容や規模によっては、新たな借入を活用する可能性があり、このことを踏まえ、自己資本比率50%以上、外部負債依存率10%以下を経営目標指標として設定しております。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等

特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下のとおりであります。

 

① ソフトウェア開発人材の採用と育成

日々進展するIT技術への追随とその技術をビジネスに結び付ける開発力と営業力、顧客からの低コスト、高品質、短納期のニーズという要望がさらに強まる中での開発能力の強化、生産性の向上、品質保証体制の強化、そして、ソフトウェア開発を支える人材の確保と能力向上が最重要の課題と認識しております。優秀な人材の確保は、IT需要が高まる中で現在において逼迫した状況にあり、人材の確保と育成が今後の成長の大きな鍵となります。同時に働き方改革に象徴される社員が「“喜び”“幸せ”“いきがい”」を感じることのできる企業風土づくりもその前提条件となります。

これらの課題に対する具体的な施策として、慢性的なIT人材不足に対しては、若手人材に注目した採用・育成の強化や多様な採用手法による採用促進と人材の確保等の施策を促進し、同時に調達機能の向上による外部リソースの活用により、引き続き対応してまいります。また、人事制度の見直し等の従業員の処遇及び職場環境の改善、企業ミッションとビジョンの従業員への浸透等、従業員エンゲージメントの向上及び健康経営の取り組みも並行して推進しております。

 

② 財務上の課題

今後の事業規模の拡大と成長にはさらなる財務基盤の強化が課題と認識しており、収益性の向上が必要となります。売上高の拡大は製品開発、研究開発投資により、新規事業の創出、コア事業を基にしたソリューション・サービスの強化を推進することで実現し、並行してM&A投資により、同様の効果と生産力の増強を目指してまいります。利益率の改善は教育・育成投資と採用投資、設備投資により、品質力、技術力、提案力及び生産力を向上させることで実現してまいります。

 

③ 技術革新への対応と競争の激化

顧客の求める価値やサービスの移り変わり等、経済社会の変化が著しく、技術革新のスピードが急速な中で、超高速開発ツールの活用による製造原価の軽減とともに競争が激化しております。また、システム開発案件の小規模化や基幹業務系システムの運用コスト削減等、従来のビジネスモデルでは成長性と収益性の確保が困難になりつつあります。

これらの課題に対する具体的な施策として、DXを方向性の柱としたクラウド基盤及び技術の活用、サービタイゼーションの取り組み等の施策を推進しております。

 

④ 上流工程へのシフト及びITコンサルとしての役割

ノーコード開発やAIの進化は、ソフトウェア開発企業に新たな課題をもたらしております。これにより、従来のシステム開発手法が見直され、製造のみならず、コンサル的な役割を担う上流工程へのシフトが重要課題であると捉えております。プロジェクトの初期段階での要件定義や設計が重要視される中、ITコンサルの役割も拡大しております。こうした状況に対応するためには、人材育成に重点を置き、技術者のスキルセット強化と顧客とのコミュニケーション能力を向上させてまいります。

 

⑤ 防災・モビリティ開発の今後の展開

防災及びモビリティ開発において今後の展開への対応が急務となっております。防災開発では、これまでに培った技術を他の顧客へ水平展開するとともに、新規顧客の開拓やサービスの多角化を図ってまいります。また、モビリティ開発では、高付加価値の技術者支援、請負開発への転換を進めてまいります。

 

⑥ ストックビジネスの拡大

従来の時間単位での請求モデルでは、安定した収益を確保するのが難しく、プロジェクトの不確実性がリスクとなります。そのため人月ビジネスから脱却し、高付加価値ビジネスへの移行及びストックビジネスの拡大が重要と考えております。定期的で安定した収益を得るためには、SaaSや保守・運用サービスの提供が鍵となりますが、同時に新たなビジネスモデルや顧客との長期的な関係構築が不可欠であります。そのために必要となる技術の習得と向上、マーケティング戦略の見直しを図り、ビジネスに対する意識改革を浸透させてまいります。

 

当社といたしましては、進化する技術革新に乗り遅れることなく、経済社会や顧客ニーズの変化に対応する業務運営が課題となっており、これらの課題に真摯に向き合い、各種の施策について着実にスピード感を持って推進してまいります。さらには社会や環境に配慮し、企業に求められる社会的責任をしっかり果たすことで、持続可能な企業として社会に貢献できるよう日々努力して成長してまいります。

 

[用語解説]

 

用語

意味あるいは特徴等

(注)1

ヒューマンウェア

ハードウェアやソフトウェアに対して用いられる言葉で、コンピュータを使う人間側の意識・能力・資質や人間的要素を指します。技術だけでなく、人が技術を支える側面に焦点を当てる概念であり、人間の特性や能力を活かしてシステムや技術を円滑に機能させる人材や仕組みのことです。

(注)2

IoT

Internet of Thingsの略で、「モノのインターネット」とも呼ばれます。家電や車、センサー等、周囲の「モノ」をインターネットにつなげてデータをやり取りし、自動化や効率化を実現する技術のことです。日常生活や産業で利便性を向上させる技術とされております。

(注)3

デジタルトランスフォーメーション(DX)

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、ビッグデータ等のデータとAIやIoTを始めとするデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することを指します。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社は「人が主役の情報化社会づくりに貢献します。」を企業理念に掲げており、この実現に向けた経済的価値と社会的価値の両立を図ることを基本方針としております。そのためサステナビリティに関する戦略や方針は取締役会の監督下に置かれ、取締役がサステナビリティの重要性を認識し、積極的に推進しております。

環境分野では「クラウド移行による物理サーバー削減」や「緑化活動への募金・寄付」等のリスク・機会を識別し、これらに対応する戦略としてクラウド移行や環境活動への参加を行っております。

社会分野では「技術者不足」や「多様性の確保」等のリスク・機会を識別し、技術者育成やダイバーシティ推進等の戦略を行っております。

ガバナンス分野では「サステナビリティ関連のリスク及び機会の管理体制強化」等を識別し、リスク・コンプライアンス委員会の設置や内部統制システムの整備等の戦略を行っております。

当社では、各リスク・機会に対応する指標・目標を設定し、実績を管理しております。

また、企業価値の源泉は人的資本であるとの認識のもと、人材の確保・育成・定着を重要な経営課題の一つとして位置付けております。特に、ITサービスを主たる事業とする当社においては、従業員一人ひとりの専門性や経験の高度化が、顧客への提供価値及び中長期的な企業価値の向上に直結すると考えております。

なお、文中の将来に関する項目は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 環境への取組

当社は、環境保護を重要な課題と捉え、クラウド移行による物理サーバー削減や緑化活動への募金・寄付等の戦略を実施し、環境保全・環境改善活動においては定期的な自社開催と、環境保全に関する活動参加率を2030年までに10%以上にする目標を設定しております。またこれまでには、具体的に以下のような取り組みを行っております。

 ・緑化活動への募金、寄付金等の実施

 ・クラウド移行による物理サーバー削減

 ・業界団体主催のボランティア清掃活動への参加

 ・環境省推進のデコ活への取組

 ・企業版ふるさと納税(環境支援、災害復興支援等)の実施

また、ガバナンス領域では、リスク・コンプライアンス委員会の設置や内部統制システムの整備等の戦略を実施し、内部通報件数やコンプライアンス教育受講率等の指標・目標を設定しております。これらの重要な戦略や指標・目標についても記載しております。

 

(2) 社会への貢献

当社は、ステークホルダーとの良好な関係を築き、社会全体の発展に寄与することを目指しております。また、従業員の働きがいと多様性を尊重し、地域社会との共生を図るために以下の取り組みを行っております。

 

① サステナビリティ

当社は、地域社会との共生、持続可能な事業運営を経営の重要課題と位置づけ、環境維持・保全に関する地域活動の参加や募金・寄付等を行っております。

 

② 人材の育成

当社は、社員一人ひとりの成長が企業の成長に直結すると考え、社員のスキルアップを支援するために教育体制及び支援制度を充実させております。例えば、新入社員研修のほか、管理職研修、次世代リーダー育成プログラムの実施、将来のキャリアや自己成長を促す独自の三年次研修合宿等に取り組んでおります。

ダイバーシティ&インクルージョンの推進方針に基づき、GL職に占める女性労働者割合を2028年3月までに 10%以上とする目標を設定し、当事業年度の実績は4%となっております。また女性の平均勤続年数についても、2028年3月までに9.0年以上とする目標を設定し、当事業年度の実績は8.4年となっております。これらの指標・目標・実績は、ダイバーシティ推進方針に対応しております。また、当社ではこれらの指標の他に以下のような目標を掲げて取り組んでおります。

・出産目的休暇の取得可能期間を産後1週間以内から産後2週間以内に拡大

・男性の育児休業取得率30%以上

 

 

③ 社内環境の整備

当社は、社員の働きがいを高め、健康で安心して働ける職場環境を整備することを経営課題の一つとして取り組んでおります。近年では、テレワークの推進、メンタルヘルス対策教育と復職支援プログラムの実施、ハラスメント防止策等、体制の強化や制度の見直しと充実、教育の強化を図っております。

 

(3) ガバナンスの強化

当社のサステナビリティ関連のリスク及び機会の監督責任は取締役会にあり、取締役会は年2回、リスク・コンプライアンス委員会から報告を受け、サステナビリティ関連のリスク及び機会の識別・評価・管理状況を監督しております。同委員会は各部門からの情報を集約し、リスク・機会の発生可能性や影響度を評価、重要度に応じてマテリアリティの見直しを行ってまいります。取締役会はこれらの報告を基に、経営戦略やリスク管理体制の見直しを行い、必要な対応方針を決定しております。監督責任者は取締役会議長であり、委員会メンバーにはサステナビリティ関連の専門知識を有する者を配置しております。なお、これまでには、以下のような具体的な取り組みを行っております。

 ・独立社外取締役の積極的な登用と取締役会の機能強化

 ・内部統制システムの整備と運用

 ・コンプライアンス教育の実施と徹底

 ・内部通報窓口(内部・外部)の設置

 

(4)リスク管理

当社では企業活動に関連する潜在的なリスクに対し、経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会については、リスク・コンプライアンス委員会が各部門からの報告を基に、事業環境の変化や社会的要請を踏まえて識別・評価を行っております。

評価は影響度・発生可能性・規模等の基準により行い、優先順位付けを実施してまいります。識別・評価したリスク及び機会は、モニタリング対象として定期的に見直し、必要に応じて対応策を策定・実施してまいります。機会についても同様に、事業拡大や新規サービス等の観点から識別・評価し、経営戦略に反映しております。

特に情報セキュリティ及び個人情報保護については、社外有識者の意見や評価も参考にし、リスク対応策を強化しております。なお、検討・協議された方針や課題等は、取締役会並びに部門長会議で報告され、必要に応じた指示を行っております。なお、これまでには、以下のような具体的な取り組みを行っております。

・クラウドサービスにおけるサイバーセキュリティ・プライバシーリスクの評価

・技術者不足による開発体制の中長期的リスクの評価と管理

 

(5)指標及び目標

当社の企業理念である「人が主役の情報化社会づくりに貢献します。」を実現するためには、人的資本の充実が企業価値向上の源泉であるとの考えのもと、経営戦略と人材戦略を連動させた人的資本KPIを設定し、継続的に改善を図っております。

サステナビリティ関連のリスクとして、例えば「技術者不足による開発体制の中長期的リスク」や「クラウドサービスにおけるサイバーセキュリティ・プライバシーリスク」を識別しております。これらのリスクに対しては、技術者育成プログラムやセキュリティ教育の強化、クラウド移行による物理サーバー削減等の戦略を行っております。指標としては、技術者育成プログラムの受講率やセキュリティインシデント件数等を設定し、目標値と実績を管理しております。機会としては、クラウド移行による業務効率化や新規サービス創出等を識別し、対応する戦略・指標・目標を設定しております。

とくに当社が目指す以下の目標については、情報通信業における業界平均の各指標と比較し、より魅力ある環境づくりに取り組むものであります。

指標

目標

実績(当事業年度)

GL(グループリーダー)職に占める女性労働者割合

2028年3月まで10以上

4

女性の平均勤続年数

2028年3月までに平均値9.0以上

8.4

月平均残業時間

2028年3月まで10時間未満

6.17時間

 

 

当社は、サステナビリティに関する取り組みや成果について、ホームページを通じて定期的に報告しておりますが、有価証券報告書には、サステナビリティ関連のリスク及び機会の識別内容、対応する戦略、指標・目標・実績等の具体的な内容を記載しております。詳細情報についてはホームページを参照してください。

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 事業環境及び事業構造に関するリスク

① 景気変動リスクについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

当社が提供するソフトウェア開発サービス及び医療ITサービスに係る役務の提供は、顧客の設備投資動向の影響を受けやすい傾向にあります。国内外の政治・経済の大幅な変動による国内景気の悪化等がもたらす顧客の設備投資の縮小や開発計画の延期、事業縮小、システム開発の内製化等により、当社の事業に係る市場の規模が縮小され、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

また、足元の中東情勢の緊迫化等の地政学的リスクの顕在化により、原油価格の上昇やエネルギーコストの高止まり等が生じており、こうした状況が継続する場合には、世界経済の先行き不透明感が強まり、顧客の投資判断に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、複数のサービスを通じてリスクを分散し、景気に左右されないストックビジネスの拡大により、収益力を向上させ業績への影響を最小限に抑えてまいります。

 

② 大手顧客であるシステム・インテグレータ等の営業活動の影響について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、ソフトウェアの大型開発案件やマイグレーション((注)1)において、主にシステム・インテグレータ等を通じてエンドユーザーからの受注を獲得しております。これらの案件は、システム・インテグレータ等がエンドユーザーに対して提案・営業活動を行うことにより創出されるものであり、当社の受注の可否は、これらの営業活動に大きく依存しております。したがって、システム・インテグレータ等の営業活動が不調又は縮小した場合には、当社の受注機会が減少し、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、具体的な対応策として、第一に、パートナーシップの強化を進めております。特定のシステム・インテグレータへの依存を避け、複数の企業と積極的な連携を図ることで、特定企業の営業活動の不調による影響を分散しております。第二に、マーケティング戦略の強化により、自社ブランドの認知度向上と直接顧客の獲得を推進し、システム・インテグレータ経由の受注比率を段階的に低下させることで、受注構造の安定化を図っております。これらの施策により、営業活動の過度な外部依存によるリスクの顕在化を抑制し、持続的な成長を目指しております。

 

(注)1.マイグレーションとは、既存のシステムの構造をそのままにハードウェアやソフトウェア、データ等を別の環境や新しい環境に移すことを指します。新しいシステムへの切り替えのように基盤自体を刷新することも含まれます。

 

③ 価格競争について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 IT業界において、ソフトウェア開発のグローバル化により国内企業に限らず海外企業を交えた価格競争が激化することが予想されます。これにより収益性の低下や受注量の減少等が起きた場合、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
 このようなリスクを踏まえ、当社では、生産性向上及び品質管理の強化による開発コストの低減に取り組むとともに、価格競争に左右されにくい技術の習得や、長年にわたり培ってきた顧客の業務及び開発環境に関する知見を活かした差別化を進めることで、収益力の向上に努めております。

 

④ 各四半期の業績の変動について(発生可能性:大、発生時期:短期、影響度:小)

 ソフトウェア開発において、顧客の予算執行や大規模な開発の納品や進捗などの影響によって四半期毎の売上高が平準化されない場合があります。そのため、各四半期の決算はこれらの影響を受けて変動する可能性があり、場合によっては売上高及び利益の計上時期が翌期以降にずれ込む、又は一時的に営業損失を計上する可能性があります。
 2025年3月期及び2026年3月期における各四半期の売上高及び営業利益の推移は、以下のとおりであります。なお、2025年3月期の第4四半期はグローバルヘルプデスク(ヘルプデスクサービス)の終了に伴う受注減、防災案件の受注減と賞与引当金繰入額の積み増し及び決算賞与の支給の影響により、営業損失を計上しております。2026年3月期に関しましては、主に医療ITサービスにおいて、医療機関におけるサーバー更新案件やORCA導入案件が増加したことにより、第4四半期の売上が相対的に高くなったことが影響しております。

 

決算年月

第42期

2025年3月

四半期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

売上高(千円)

832,046

893,175

928,360

911,417

四半期割合(%)

23.3

25.1

26.0

25.6

営業利益(千円)

56,325

102,054

149,044

△21,933

決算年月

第43期

2026年3月

四半期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

売上高(千円)

853,966

884,781

916,662

984,218

四半期割合(%)

23.5

24.3

25.2

27.0

営業利益(千円)

23,636

70,963

78,654

124,305

 

 

⑤ ソフトウェア開発に関するリスクについて(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

ソフトウェア開発において、受注前段階において詳細な要件・仕様まで固めることは困難であり、要望との不一致により、追加的な工数や費用の発生、又は納品後のトラブル・クレームがあった場合、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。当社では、こうした要望の不一致に対して要件定義や要件確認工程の実施、開発工程の各段階において、レビューやテスト等をきめ細かく実施し、お客様の要望の確認に努めております。また、受注段階においては、見積りの前提条件を可能な限り明示・明確化し、対応範囲及び範囲外事項の整理を行うことで、認識齟齬の低減を図っております。

しかしながら、開発工程の段階で、受注前段階の想定との要員体制や要員のスキル等の問題により、見積りと実績の工数に差異が発生し、見積り段階に比べて工数が大幅に増加した場合は、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、当社では、こうした差異に対して過去の見積り実績に基づく受注段階での精度向上や、計画段階での要員体制の確保に加え、契約範囲の明確化及び変更管理の徹底に努めております。

 

⑥ 瑕疵対応コストの発生について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

ソフトウェア開発では、契約上無償での瑕疵対応期間が定められております。この期間内で納品済みのシステムに瑕疵が発生した場合は無償で瑕疵を除去する責務を負います。

当社では瑕疵の予防として、上流工程でのお客様レビューによる合意形成、認証の品質マネジメントシステム、プロジェクト管理規程に基づく品質管理の徹底を行っております。

それにもかかわらず、開発の各段階でのテストや顧客の検収を経て、瑕疵が発生する可能性があります。そのため、当社では期末に将来発生すると見込まれる瑕疵対応コストを見積り、製品保証引当金を計上しております。

しかしながら、製品保証引当金以上の瑕疵対応コストが発生した場合は、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、当社では、製品保証引当金との差異に対して瑕疵対応の継続的なものと突発的なものを分類し、過去の実績推移に基づく傾向の把握により、製品保証引当金の見積りの精度向上に努めております。

 

⑦ 技術リスクについて(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

IT業界の技術は、情報技術、機械化、生産技術、資源管理技術、医療技術等、変化していく社会の要請に合わせて日々進化している状況であります。また、システム開発に対する顧客の納期厳守と高い品質の確保等の要望、要求が強まる中、システムの複雑化が進み、見積り段階からの要件の変更等による規模の変化等、開発の難易度が上がる傾向にあります。

加えて、IT技術とともに、システムをより効率的・効果的なものとするために開発対象となる業務に関するノウハウが必須となります。実際のソフトウェア開発の工程であるシステム企画、要件定義、仕様設計等の上流工程では、特に業務ノウハウが求められ、業務ノウハウの獲得と蓄積が受注の際の大きな要因となっており、当社も長年に渡る顧客との取引により業務ノウハウの獲得と蓄積ができているものと考えております。

しかしながら、これらの業務ノウハウの獲得や蓄積にもかかわらず、システム開発における開発成果物の品質不良が発生した場合には、瑕疵対応の増加や顧客からの信頼低下による継続取引の解消や新規案件の失注を招くことによって、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、当社では、過去の開発技術の集積と再利用による生産性・品質向上に加えて、事業戦略室主導による先進技術の研究及び習得、品質向上により、リスクの縮小、回避に努めております。

 

⑧ 認定サポート事業所の認定について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、医療ITサービスにおけるORCA導入及び保守に係るサービスについて、日本医師会ORCA管理機構株式会社より「日医IT認定サポート事業所」としての認定を受けております。この認定は、医療機関向けサービスの信頼性を担保する重要な要素であり、当社の医療分野における事業展開において一定の競争優位性を確保するものです。

しかしながら、認定に係る要件及び誓約事項に違反し、認定を解除された場合には、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、関係法令の遵守、公序良俗に反しない行為、並びに医療情報を含む個人情報及び機密情報の適切な管理・保護等が求められており、これらに違反した場合には、日医IT認定サポート事業所としての認定が取消し又は解除される可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、当社では、第一に、社内において認定要件の遵守状況を定期的に確認し、継続的な改善を図っております。第二に、エンドユーザー及び協力会社に対してもコンプライアンスを徹底した営業活動を行うことで、認定要件の間接的な違反リスクを低減しております。第三に、認定期間との定期的なコミュニケーションを通じて制度変更や運用方針の把握に努め、迅速な対応を可能とする体制を構築しております。これらの施策により、認定解除のリスクを最小限に抑え医療ITサービスの安定的な提供を継続できるよう努めております。よって、当社では認定要件の遵守体制が整備されており、違反が発生する可能性は低いと判断しております。

 

⑨ 法的規制について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は事業活動を行うに当たり、「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(労働者派遣法)、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(中小受託取引適正化法)等の基本的な事業活動に関わる法的規制を受けております。

しかしながら、これら当社に適用される法的規制が改正・厳格化されることにより、当社が提供するサービスに制約が生じる等、当社の事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、当社では、特に偽装請負や多重派遣等、法令違反が行われていないか確認するため、定期的に従業員アンケートを行っており、その内容に応じて該当者に対しヒアリングを行うことによって、法令違反を発見するため、及び発見した際には改善するための体制整備に努めております。また、その他の法令においても適切に規程に反映し、社内周知と必要な教育を行っております。

 

⑩ ビジネスパートナー(協力会社)について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、社内の開発能力が不足する場合や当社が保有しない専門技術を必要とする場合等にビジネスパートナーから外部委託又は役務の提供を受けております。現在、ビジネスパートナーとは友好な関係を築いていると認識しております。

しかしながら、今後、ビジネスパートナー技術者の需給バランスの変化により、要員の確保が困難となったり、委託費用が高騰したりする可能性があります。これらの事象が発生した場合、当社の開発体制やサービス提供能力に支障をきたし、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、特定のパートナーに依存度が高い場合には、影響が顕著となるおそれがあります。

このようなリスクを踏まえ、当社では、第一に、特定のパートナーに依存しないよう、複数のビジネスパートナーと関係を構築し、要員確保のリスクを分散しております。第二に、ビジネスパートナーと長期的な契約を締結することで、安定した要員供給と価格の安定を図っております。第三に、社内における技術者育成プログラムを強化し、外部委託に依存せずに対応可能な技術力の向上を推進しております。

 

⑪ 情報セキュリティについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

当社では、医療ITサービスの提供の過程において、クライアントが管理するユーザー情報や機密情報が保管されたデータベース等にアクセスするため、システム運用における人的な過失、従業員による故意等による機密情報や個人情報の漏洩、消失、改竄、不正利用等が発生し、信用の失墜又は損害賠償による想定外の費用負担等が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、当社では、情報セキュリティ管理規程を制定し、運用を行っております。システム上のセキュリティ対策やアクセス権限の管理の徹底に加え、2009年3月にはプライバシーマークの認定を取得し、個人情報保護法への対応を推進し、その安全管理に努めております。また、外部からの不正アクセスやコンピュータウイルスの侵入防止等に対してシステム的な対策を講じて情報セキュリティにおける事故を未然に防止する取り組みを図っております。さらに役員を含む全従業員に対しては、適切な研修や情報セキュリティ監査、外部からの侵入を想定した外部機関によるネットワーク脆弱性診断や標的型メール攻撃訓練を実施し、情報セキュリティへの意識を高めております。

 

(2) 組織体制に関するリスク

① 人材リスクについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

当社が今後さらに事業拡大をめざし、高い品質で顧客の要求に応え続けるには、国内外を問わず優秀な人材を継続的に採用するとともに、人材の育成の強化を図る必要があります。

このようなリスクを踏まえ、当社では、取り組みの一つとして、特に他国からの留学生が多い沖縄での採用を強化し、ここでの人材確保に注力しております。また、一方で社内労働環境の改善・強化により、中途採用市場における差別化を図りつつ、中途採用者の雇用促進と離職率低下を目指しております。

しかしながら、当社の計画に沿った採用・育成が十分にできない場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 労務管理について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

開発プロジェクトには定められた納期があるため、その納期を意識するあまり従業員に多大な業務負荷がかかり、従業員の健康問題や労務問題に繋がる可能性があります。

当社では、プロジェクト・マネジメント力の向上で健康問題や労務問題の未然防止に努めるとともに、従業員、部門長、経営者に至るまで36協定遵守の意識を高め、管理部門による残業時間管理とあいまって、リスクの軽減を図っております。

具体的には、1分単位の労働時間の把握と社内外を問わない統一の勤怠管理システムの使用により、正確な就労時間の把握をしております。また、過剰な残業時間となることを抑止するため、システムの機能を利用することや、翌月には会議体や衛生委員会での報告により超過残業の状況を周知、対策の徹底を図り、適切な労務管理を実現しております。

しかしながら、開発プロジェクトの遅延等により従業員に多大な業務負荷がかかり、健康問題や労務問題が発生した場合、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このような開発プロジェクトによるリスクを踏まえ、当社では、必要に応じて経営会議、部門長会議やリスク・コンプライアンス委員会で報告を行っており、開発プロジェクト内に発生した予期せぬ急な業務負荷の増大に備え、人員を柔軟に確保する調達ルートの開拓と確保に努め、パートナー企業の発掘と協力関係の強化に努めております。

 

③ 知的財産について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社では、知的財産権を重要な経営資源として認識し、知的財産管理規程を制定し、当社の知的財産権の管理・保護に加えて、第三者の知的財産権を侵害しないよう常に注意を払って事業活動を行っております。

しかしながら、当社が予期せず、第三者の知的財産権の侵害等に関する主張や請求を受ける可能性は否定できず、それに伴い当社に損害賠償請求や差し止めを受ける可能性があり、このような場合には当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) その他のリスク

① 新株予約権行使による株式価値希薄化について(発生可能性:中、発生時期:中期、影響度:小)

当社は、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。また、今後におきましても、役員及び従業員に対するインセンティブとして新株予約権を付与する可能性があります。

また、これらの新株予約権が行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、当事業年度末における新株予約権による潜在株式数は37,000株であり、発行済株式総数876,000株の4.2%に相当します。

このようなリスクを踏まえ、当社では、こうした希薄化に対して、収益力の向上とそれに伴う企業価値の向上により、既存株主の株式価値を高められるよう努めてまいります

 

当社株式の流通株式時価総額について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、東京証券取引所スタンダード市場及び名古屋証券取引所メイン市場へ上場をしておりますが、当社の想定する流通株式時価総額は、両証券取引所が定める形式要件を充足しているものの、東京証券取引所スタンダード市場においては、同証券取引所が定める形式要件の基準に近接するものと考えております。

このようなリスクを踏まえ、今後においては、上場維持基準に抵触することなく、流通株式時価総額の持続的な向上を図るため、以下のとおり施策を行ってまいります。

・業績の伸長による時価総額の向上

当社は証券取引所への上場による知名度や信用力の向上、優秀な人材、設備や事業への投資による企業業績の伸長により時価総額の向上に努めてまいります。

・配当政策の充実

当社は上場以前より配当を行っておりますが、今後においても業績の伸長による配当総額の向上に加え、成長のための投資資金と配当還元のバランスを考慮しつつ、配当性向の向上を検討し、株主還元策としての配当の充実に努めてまいります。

・開示・IR体制の充実

当社は当社株式への投資の検討を促すため、投資家や株主と当社の会社情報を分かりやすく伝えることができるようホームページや決算説明会を通じて、開示・IR体制の充実に努めてまいります。

・資本政策の検討

事業計画の達成状況、業績見通しに加えて、当社株価、株式市場の動向を総合的に勘案し、必要に応じて役員保有株式の売却又は売出しや増資等の実施を慎重に検討してまいります。

しかしながら、上記の施策を行っているものの成果が得られないことや株式市況やその他の影響により、流通株式時価総額が想定よりも増加しない又は低下した場合、当社株式の上場維持に影響を与える可能性があります。

 

③ 大規模自然災害、パンデミック等の発生について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社本社及び各オフィスが所在する地域において巨大地震や巨大台風等の自然災害、新型コロナウイルス等の感染症、パンデミック等が想定を大きく上回る規模で発生又は流行した場合には、当社の事業活動に影響を及ぼし、業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、当社では、拠点の設備のみに依存しない柔軟な作業環境を構築し、自宅や出先でも同等の生産性が確保できるよう日頃より環境の整備と運用を行っております。また、非常時における電源、通信経路の確保及び大規模自然災害時の事業継続計画(BCP)を用意し、リスクの低減を図っております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末における総資産は1,991,620千円、前事業年度末と比較して58,116千円の増加となりました。総資産の内訳は、流動資産1,785,245千円、固定資産206,375千円であり、その主な増加理由は、現金及び預金51,362千円、繰延税金資産15,934千円、工具、器具及び備品12,652千円の減少はあったものの、売掛金及び契約資産141,796千円の増加によるものであります。

(負債)

当事業年度末における負債は611,848千円、前事業年度末と比較して101,453千円の減少となりました。負債の内訳は、流動負債460,528千円、固定負債151,319千円であり、その主な減少理由は、賞与引当金45,377千円、未払法人税等37,423千円の減少によるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産は1,379,771千円、前事業年度末と比較して159,570千円の増加となりました。その主な増加理由は、利益剰余金159,570千円の増加によるものであります。

これらの結果、自己資本比率は前事業年度末の63.1%から69.3%となりました。

 

② 経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、輸出や設備投資の回復、個人消費の底堅さ及び賃金上昇に支えられ、物価上昇や人手不足の影響を受けつつも緩やかな回復基調を維持しました。2025年暦年の実質GDPは前年比1.1%増となり2年ぶりにプラス成長へ転じました(注:内閣府による国民経済計算における2025年年次推計値であり、今後改定される可能性があります)。個人消費では物価上昇の影響による回復の遅れがみられるほか、米国の関税措置により自動車産業を中心に輸出や企業収益への影響がみられたものの、日米関税交渉の合意を受けて輸出や生産には持ち直しの動きがみられ、設備投資意欲も底堅く推移しております。高い関税水準や各国との交渉動向を踏まえ、今後の影響については引き続き注視が必要な状況です。
 一方、全産業における人手不足の深刻化に加え、イラン情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰や先行きの不透明さ等、外部環境の不確実性は依然として課題であり、今後は内需の拡大及び外需動向の推移が重要な焦点となっております。
 このような環境の中、ソフトウェア開発サービスでは、特定の既存顧客において想定していた案件獲得の進捗に遅れが見られたことに加え、ヘルプデスク業務の終了に伴う要員の横断的な配置転換が計画どおりに進捗しなかったこと、防災サービスにおける案件減少等もありましたが、モダナイズソリューションにおける大型請負案件の受注及び進捗が堅調に推移いたしました。一方、医療ITサービスでは、引き続き顧客との強い信頼関係や協業パートナーとの連携により案件は増加、政府補助金の延長によるオンライン資格導入の需要も高く、売上拡大が続きました。全体としては、一部事業で計画未達があったものの、医療ITサービスの伸長により全体では概ね計画水準で着地いたしました。

この結果、当事業年度の業績は、ソフトウェア開発サービスの売上高は2,656,629千円(前年同期比0.8%増)、医療ITサービスの売上高は983,001千円(前年同期比5.9%増)となり、全体としては売上高3,639,630千円(前年同期比2.1%増)となりました。営業利益は297,559千円(前年同期比4.2%増)、経常利益は295,395千円(前年同期比2.3%増)、当期純利益は213,463千円(前年同期比1.2%増)となりました。

 

(注)オンライン資格確認とは、マイナンバーカードのICチップ情報又は資格確認書の記号・番号等を用いて、患者の保険資格情報をオンラインで確認する仕組みをいいます。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して51,362千円減少し、912,031千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は15,229千円(前事業年度に獲得した資金は220,221千円)となりました。これは主に売上債権及び契約資産の増加額141,796千円、法人税等の支払額103,421千円、賞与引当金の減少額45,377千円があった一方、税引前当期純利益の計上295,395千円、減価償却費25,371千円、仕入債務の増加額18,537千円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は5,287千円(前事業年度に使用した資金は48,273千円)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出2,162千円、有形固定資産の取得による支出2,105千円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は61,305千円(前事業年度に使用した資金は83,224千円)となりました。これは主に配当金の支払額53,893千円があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績

当社はシステム開発関連事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。当事業年度における生産実績は、以下のとおりであります。

 

サービスの名称

生産高

(千円)

前年同期比

(%)

ソフトウェア開発サービス

1,987,700

98.6

医療ITサービス

664,231

115.1

合計

2,651,931

102.2

 

(注) 上記の金額は製造原価によっております。

 

b 受注実績

当社はシステム開発関連事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。当事業年度おける受注実績は、以下のとおりであります。

 

サービスの名称

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

ソフトウェア開発サービス

2,818,096

111.3

743,508

127.7

医療ITサービス

1,001,495

113.6

103,400

121.8

合計

3,819,591

111.9

846,908

127.0

 

 

 

c 販売実績

当社はシステム開発関連事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。当事業年度おける販売実績は、以下のとおりであります。

 

サービスの名称

販売高

(千円)

前年同期比

(%)

ソフトウェア開発サービス

2,656,629

100.8

医療ITサービス

983,001

105.9

合計

3,639,630

102.1

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前事業年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

当事業年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日

販売高

(千円)

割合

(%)

販売高

(千円)

割合

(%)

JBCC㈱

480,175

13.5

517,129

14.2

㈱トヨタシステムズ

404,547

11.3

-

-

 

(注) 株式会社トヨタシステムズに対する当事業年度の販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため

   記載を省略し、「-」と表示しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この財務諸表の作成に当たりまして、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

財務諸表の作成に当たりまして、用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 財政状態及び経営成績の状況等に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態)

当社の当事業年度の財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

(経営成績)

当社の当事業年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の当事業年度のキャッシュ・フローは、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、安定的な受注及び収益の確保により、継続してプラスとなっております。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、主として業務効率化を目的としたシステム投資等によりマイナスとなっておりますが、営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内で賄われております。

当社の運転資金需要は、主として人件費、外注費等の事業運営に係る費用であり、これらは主に営業活動から生み出されるキャッシュ・フローにより充当しております。また、設備投資やシステム投資等の成長投資につきましても、原則として自己資金を財源としております。

当社は、当事業年度末時点において有利子負債を保有しておらず、自己資本比率も高水準を維持していることから、財務の健全性及び資金の流動性は十分に確保されているものと認識しております。加えて、必要に応じて金融機関との間での借入等による資金調達も可能な体制を整えており、事業運営及び今後の成長投資に必要な資金については、安定的に確保できるものと考えております。

 

(3) 経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等の分析

当社は、持続可能な成長・発展を目指して、成長戦略の推進、利益の向上、既存事業の売上拡大、研究開発、人材開発、企業イメージ及び企業価値の向上、顧客価値創造に取り組んでいくことが重要と認識しており、企業の収益力を表す経常利益率、そして経営基盤の安定化を示す自己資本比率の向上を目指しております。具体的な目標値としては、中期経営計画により2029年3月期の目標として、下記指標を掲げているとともに、2026年3月期における達成状況を記載しており、概ね順調に進んでいるものと考えております。

これらを達成していくことにより、企業価値の向上及び株主価値の向上を図ってまいります。

なお、本指標は現行中期経営計画に基づき設定したものであり、次期中期経営計画の策定にあたっては、今後の上場や資本増強等、経営環境の変化に応じて、適宜見直しを行う予定であります。

 

 

目標項目

第46期

2029年3月期目標

第43期

2026年3月期実績

売上規模

売上高

45億円

36億円

従業員数

400

330名

利益体質の維持

売上高経常利益率

10%

8.1%

総資本経常利益率

15%

15.1%

売上高販管費比率

15%

19.1%

財務基盤の改善

自己資本比率

50%

69.3%

外部負債依存率

10%

0.0%

 

 

5 【重要な契約等】

(1) ソフトウェア開発サービス

該当事項はありません。

 

(2) 医療ITサービス

当社は、以下のとおり、日医IT認定サポート事業所の認定を受けております。

相手先の名称

契約品目

契約締結日

契約期間

契約内容

日本医師会ORCA管理機構㈱

日医IT認定サポート事業所の認定

(申請時期)

本社

2002年11月

 

 

 

東京・北海道

2007年8月

 

 

本社

2024年4月1日から

2026年3月31日まで

2026年4月1日から

2028年3月31日まで

東京・北海道

2025年4月1日から

2027年3月31日まで

ORCAの導入及び保守サービスの提供ができる事業者として、日本医師会ORCA管理機構㈱が日医IT認定サポート事業所として認定。

 

 

6 【研究開発活動】

当社の研究開発活動は、全社による新規事業を創出するための研究開発活動、生産性・品質を向上するための研究開発活動と、開発部門による既存事業を多角化・差別化するための研究開発活動、顧客ニーズに対応するための技術習得を目的とする研究開発活動となっております。

 研究開発の体制は、事業戦略室が主体となり、新規事業の創出と先進技術の習得に向けた研究開発・商品開発体制をとっております。研究開発のテーマは事業戦略室による全社事業視点、開発部門による部門事業視点で設定し、開発部門のテーマに対しては開発部門と事業戦略室の研究開発社員が月次の研究開発ミーティングを実施し、事業戦略室が技術支援、商品開発支援を行い、多面的な取り組みをしております。

幅広いOS・メインフレームに対応するモダナイゼーションサービスにおいては、今後のIT環境への適応と顧客DXに活用できるサービスメニューの拡充を進めております。
また、生成AIの活用によるシステム開発工程の生産性向上や品質向上を目的とした検証・試行を行うとともに、生成AIを活用したITサービスメニューへの将来的な拡充に向けた技術検討も進めております。
医療ITサービスでは、レセプトコンピュータのクラウド化拡大に向け、周辺医療システムとの連携ソフトウェアの品揃えを充実させております。自社ソリューションの構築を行うことで販路を広げ、収益の拡大につなげていきたいと考えております。
  なお、研究開発費の水準としては、売上高の1%程度を目処としておりますが、当事業年度における研究開発費の金額は、9,908千円であり、売上高に対し約0.3%と低水準となっております。当社の事業は、特定の製品や基礎技術の研究開発に多額の先行投資を要するビジネスモデルではなく、研究開発費の金額自体が低水準となる傾向にありますが、必要性に応じて研究開発費の水準を高め、ソリューション・サービスの拡充に向けた取り組みを推進してまいります。

以下に当事業年度における研究開発の内容について記載しております。当社はシステム開発関連事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。

(1) 防災システム開発の技術を他分野へ応用することを模索

外部のIoTプラットフォームへ参加し、参加企業の様々な技術と当社の技術を融合させ、新たなサービス、ソリューション創出の検討に取り組みました。

(2) モダナイゼーション開発に生成AIを組み入れた生産性向上

コンバージョンの変換設計、プログラムコード変換を生成AIで行うことで、作業の効率につなげる検討に取り組みました。

(3) 生成AIによるプログラムコードレビューの検証

プログラムコードレビューを生成AIで行うことで、作業の効率化、精度向上、ひいては品質向上につなげる検討に取り組みました。

(4) 医療費と介護費を合算した請求書及び領収書を発行するQOPrintの開発

クリニックの請求業務において、医療と介護の2つの費用を合算した請求書及び領収書が発行できるサービスの開発に取り組み、リリースいたしました。